「心」を含む故事・ことわざ・慣用句
「心」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 131 件
四月の中の十日に心なしに雇われるな(しがつのなかのとおかにこころなしにやとわれるな)
四月の中旬頃は日が長いので、思いやりのない人に雇われるといつまでも働かされるので気をつけよということ。また、その頃の日中の時間が長いことをいう。
初心に返る(しょしんにかえる)
物事を始めようとした時の気持ちを思い出し、その気持ちをもって物事に取り組むこと。
初心忘るべからず(しょしんわするべからず)
ものごとを始めた時の謙虚で真剣な気持ちを忘れてはならないということ。
心肝に徹する(しんかんにてっする)
ある出来事や言動などから、強い衝撃を受けて心に刻み込まれること。 「心肝」は心臓と肝臓のことで、転じて、心の奥底という意味。
心肝を砕く(しんかんをくだく)
ある物事について思い悩むこと。あれこれ考えて悩むこと。
心気を燃やす(しんきをもやす)
じれったく思う。あれこれ心配する。
心血を注ぐ(しんけつをそそぐ)
全力で取り組むこと。
心証を害する(しんしょうをがいする)
言動が相手に悪い印象を与えること。
心中より饅頭(しんじゅうよりまんじゅう)
見栄や体裁よりも、実際の利益を重んじるべきだということ。義理立てして心中するより、饅頭で腹を満たしたほうがいいということから。
信心過ぎて極楽を通り越す(しんじんすぎてごくらくをとおりこす)
信心も度を越すと迷信や邪道に陥ってかえって害になるということ。
信心は徳の余り(しんじんはとくのあまり)
信心は生活にゆとりがあって初めてできるものだということ。
信心も欲から(しんじんもよくから)
信心も、結局はよいご利益を欲するためということ。
心臓が強い(しんぞうがつよい)
厚かましいこと。図々しいこと。 または、勇気があること。恐れないこと。
心臓に毛が生えている(しんぞうにけがはえている)
普通では考えられないほどに厚かましく恥知らずな様子。
心胆を寒からしめる(しんたんをさむからしめる)
心の底から恐れおののかせること。震え上がらせること。 「心胆」は、きもったまのこと。 「心肝を寒からしめる」ともいう。
心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)
どんな困難でも、精神の持ち方次第で乗り越えられるということ。 「心頭」は、心の中。 心の中から雑念を消し去り、無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられるとの意から。 武田信玄に仕えた禅僧快川が、甲斐の恵林寺で織田信長の軍勢に攻められたとき、火中に正座して言ったとされる言葉。
心腹に落つ(しんぷくにおつ)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
心腹の友(しんぷくのとも)
心の内を許し合った最も親しい友人のこと。「心腹」は、胸と腹。転じて、心から頼りにすること。
心腹の病(しんぷくのやまい)
やっかいな敵のこと。「心腹」は胸と腹のことで、胸と腹の病は治しにくいことから。
地獄極楽は心にあり(じごくごくらくはこころにあり)
地獄や極楽は、人の心の中に存在する。つまり、心の持ちようで、地獄にも極楽にもなるということ。
従心(じゅうしん)
七十歳のこと。「七十にして心の欲するところに従えども矩をこえず」から。
大人は赤子の心を失わず(たいじんはせきしのこころをうしなわず)
高徳の人は、生まれ持った純粋な心をいつまでも失わないということ。また、君主たる者は、赤子を慈しむように民を大切にし、その気持ちに寄り添うということ。
竹と人の心の直ぐなのは少ない(たけとひとのこころのすぐなのはすくない)
竹は意外に真っ直ぐなものは少なく、人も心が曲がらず正直な者は少ないということ。
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す(たんはだいならんことをほっし、こころはしょうならんことをほっす)
度胸は大きく持ちたいし、注意は細やかでありたいということ。 「胆大心小」ともいう。
搗いた餅より心持ち(ついたもちよりこころもち)
品物をもらったことより、その心づかいがなおうれしいということ。
壺を心得る(つぼをこころえる)
物事をうまく行うための要点を理解していること。
手心を加える(てごころをくわえる)
相手や事情などを考慮に入れて寛大な処置をすること。手加減をすること。
天にも昇る心地(てんにものぼるここち)
これ以上ないほどに嬉しい気持ちのたとえ。
灯心で竹の根を掘る(とうしんでたけのねをほる)
一生懸命努力しても効果のないことのたとえ。 「灯心」は、灯油に浸して火をともす柔らかいひも状の芯のこと。 柔らかい灯心では、堅い竹の根を掘れるはずがないことから。
得心が行く(とくしんがいく)
相手の言動に納得すること。
年は寄れども心は寄らぬ(としはよれどもこころはよらぬ)
年はとっても、気力はまだ衰えていないということ。
内心忸怩たる思い(ないしんじくじたるおもい)
自らの行動や過ちに対して、深く恥じ入る気持ちを表す言葉。 自身の至らなさや失敗を強く意識し、申し訳なさや恥ずかしさに駆られる心情。
猫は虎の心を知らず(ねこはとらのこころをしらず)
つまらない人間には、大人物の心の中はわからないということのたとえ。
這えば立て、立てば歩めの親心(はえばたて、たてばあゆめのおやごころ)
子どものすこやかな成長を楽しみに待つ親の気持ちを言ったことば。
測り難きは人心(はかりがたきはひとごころ)
人の心ほど理解しがたいものはないということ。また、人の心が変わりやすく頼りにならないことにもいう。
人の心は面の如し(ひとのこころはおもてのごとし)
人の顔がひとりひとり違うように、人の心もそれぞれ異なるということ。 「人心の同じからざるは其の面の如し」ともいう。
人の心は九分十分(ひとのこころはくぶじゅうぶ)
人間の考えることはどれも似たようなもので、大きな差はないということ。 「人の心は九合十合」「世の中の人の心は九合十合」ともいう。
人は見目よりただ心(ひとはみめよりただこころ)
人は外見の美しさよりも、心の美しいことのほうが大切だということ。 「見目」は見た様子、顔立ちのこと。 単に「見目より心」ともいう。
坊主の不信心(ぼうずのふしんじん)
他人には立派なことを言いながら、その人自身は実行が伴わないことのたとえ。 人に信仰を説く坊主が信仰心がないとの意から。
襤褸を着ても心は錦(ぼろをきてもこころはにしき)
たとえぼろぼろの衣服を着ていても心の中は錦を着ているように美しい。外見よりも内面が大事だということ。
丸くとも一角あれや人心(まるくともひとかどあれやひとごころ)
性格が温厚で柔和なのはよいことだが、時には自分の意地を通すような強い一面もあったほうがよいということ。「一角」は、性格が少し角立っていること。「あまりまろきは転び易きぞ」と続けてもいう。
慢心鼻を弾かる(まんしんはなをはじかる)
おごり高ぶっていると、大恥をかくはめになるから注意せよということ。
見ぬが心憎し(みぬがこころにくし)
物事は実際に見るまでの間に心の中であれこれと想像しているときが楽しいということ。 「見ぬが心憎し」ともいう。
目は心の鏡(めはこころのかがみ)
目を見れば、その人の心の正邪がわかるということ。 目はその人の心を映し出す鏡との意から。
用心に網を張る(ようじんにあみをはる)
用心のうえに用心をすること。「用心に縄を張る」とも言う。
用心は臆病にせよ(ようじんはおくびょうにせよ)
用心はし過ぎるということはない。臆病なくらいに用心せよということ。
竜と心得た蛙子(りゅうとこころえたかえるこ)
子どもに対する親の見込み違いのたとえ。 将来は竜になると期待していたわが子も、やはり蛙の子にすぎなかったとの意から。
老婆心(ろうばしん)
高齢の女性の度が過ぎた気遣いのこと。転じて、必要以上に世話をやくことのたとえ。また、自分の忠告を謙遜してもいう。
我が心石に非ず、転ずべからず(わがこころいしにあらず、てんずべからず)
心が確固として不動であることのたとえ。 自分の心は石ではないから、転がして動かすことはできないということ。
吾が心秤の如し(わがこころはかりのごとし)
私の心は、秤(はかり)のように公平であるということ。 どちらか一方に偏ったり、私情を交えたりしないという意味。
我が心を獲たり(わがこころをえたり)
他人の言葉や行いが、自分の心にぴったり適っていること。