「う」を含む故事・ことわざ・慣用句
「う」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2443 件
良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし)
よく効く薬ほど苦くて飲みにくいこと。ためになる忠告ほど、当人は耳が痛くて聞きづらいというたとえ。
両雄並び立たず(りょうゆうならびたたず)
同程度の力を持つ二人の英雄は、必ずどちらかが倒れるまで争うので、共存することは出来ないというたとえ。
両両相俟って(りょうりょうあいまって)
互いが互いの欠点などを補い合って、良い効果を生む様子。
林間に酒を煖めて紅葉を焼く(りんかんにさけをあたためてこうようをたく)
林の中で紅葉を燃やして酒を暖めて飲み、秋の風情を楽しむこと。
悋気は女の七つ道具(りんきはおんなのななつどうぐ)
やきもちは女の強力な武器だということ。「七つ道具」は武士が用いた七つの武具のこと。
累卵の危うき(るいらんのあやうき)
卵を積み重ねたように、非常に不安定で危険なようす。
礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)
決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。
労多くして功少なし(ろうおおくしてこうすくなし)
苦労したわりには成果が出ないこと。
老化は足から(ろうかはあしから)
老化現象は、足の痛みやもつれなど、足に関する症状から現れるということ。
老骨に鞭打つ(ろうこつにむちうつ)
年老いた体に鞭を打つようにして、力のかぎり物事に当たることのたとえ。
老醜を晒す(ろうしゅうをさらす)
年老いて醜くなった姿や頑なな考え方などを人に示して恥をかくこと。 自身を謙遜していう言葉。
狼藉(ろうぜき)
狼が草を藉(し)いて寝た跡の乱雑なようす。転じて、物が散らかっているようす。また、乱暴な行いのたとえ。
蠟燭は身を減らして人を照らす(ろうそくはみをへらしてひとをてらす)
自分の身を犠牲にして、他人のためにつくすことのたとえ。
壟断(ろうだん)
利益や権利を独占すること。「壟」は丘の意。昔、中国で、ある人が切り立った高い丘の上から市場を見下ろして、商売に都合のよい場所を見極め、利益を独占したという故事から。
籠鳥雲を恋う(ろうちょうくもをこう)
拘束された者が自由な境遇をうらやむことのたとえ。また、故郷を恋しく思うことのたとえ。 籠の鳥が空の雲を恋しく思うことから。 「籠の鳥、雲を慕う」ともいう。
老婆心(ろうばしん)
高齢の女性の度が過ぎた気遣いのこと。転じて、必要以上に世話をやくことのたとえ。また、自分の忠告を謙遜してもいう。
老馬の智(ろうばのち)
経験を積んだ人は方針を誤らないというたとえ。 老馬はいろいろな道を知っており、迷うことがないということから。 中国、斉の桓公が山中で道に迷った時に、老馬の歩みに従って無事に帰り着いたという故事から。
老兵は死なず、消え去るのみ(ろうへいはしなず、きえさるのみ)
役目の終わった者は、表舞台から去るということ。敗戦後、占領指令官だったダグラス・マッカーサーが離日の際に言った言葉。
隴を得て蜀を望む(ろうをえてしょくをのぞむ)
一つの望みがかなうと、さらに次の望みが起こること。人間の欲望には、限りがないということのたとえ。 中国、魏の曹操が、部下の司馬懿(しばい)が隴の地を手に入れ、さらに蜀を攻めようとしたときに言ったという言葉。
艪櫂の立たぬ海もなし(ろかいのたたぬうみもなし)
どんなに困難なことでも、なにかしらの策はあることのたとえ。 「艪櫂」は、船をこぎすすめるための道具である艪(ろ)と櫂(かい)。 どんなに広い海でも艪や櫂が使えないということはないとの意から。
六十の手習い(ろくじゅうのてならい)
年をとってから学問や稽古事を始めること。 「八十の手習い」ともいう。
路頭に迷う(ろとうにまよう)
収入源や住居などを失って困り果てること。
路傍の人(ろぼうのひと)
特に関わりのない人。 同じ道を通っているだけの人という意味から。
論より証拠(ろんよりしょうこ)
議論するより証拠を示すほうが物事は明らかになるということ。
矮子の観場(わいしのかんじょう)
見識がないことのたとえ。また、周りの意見に簡単に同調することのたとえ。 「矮子」は、背の低い人。「看戯」は芝居を観ること。 背が低く、舞台が見えていないのに、周りの批評を聞いて同調することから。
若い時の苦労は買うてもせよ(わかいときのくろうはこうてもせよ)
若い時の苦労は将来役に立つ貴重な経験となるから、自分から進んで苦労するほうがよいということ。
我が上の星は見えぬ(わがうえのほしはみえぬ)
誰にも自分の運命はわからないということ。「星」は運命の意。
我が口に甘ければ人の口にも甘し(わがくちにあまければひとのくちにもうまし)
自分の好むことは他人もまた好むものである。 自分がよいと思うことは人にも施すべきであるということ。
我が好きを人に振る舞う(わがすきをひとにふるまう)
相手の好き嫌いを考えずに、自分の好みを人に押し付けること。
我が亡き後に洪水よ来たれ(わがなきあとにこうずいよきたれ)
自分が死んだ後なら、洪水でもなんでも来てよい。今さえよければ、あとはどうなってもかまわないということ。
我が仏尊し(わがほとけとうとし)
自分の信じるものや大切にしているものが、番尊いと信じこむことのたとえ。 「我が寺の仏尊し」「我が家の仏尊し」ともいう。
禍も三年経てば用に立つ(わざわいもさんねんたてばようにたつ)
時が経てば、災いが幸いに転じることもある。どんなものでも、役に立たないものはないというたとえ。
和して同ぜず(わしてどうぜず)
人と協調していくが、道理を曲げてまでは同調しないということ。
話頭を転じる(わとうをてんじる)
話題を別の方向へに移すこと。話題を変えること。
笑う顔に矢立たず(わらうかおにやたたず)
笑顔で接してくる者には、憎しみも自然に消えるというたとえ。
笑う門には福来る(わらうかどにはふくきたる)
いつも明るくにこにこしている人の所には、自然に幸福が訪れてくるということ。
割に合う(わりにあう)
労力に見合った利益があること。
割を食う(わりをくう)
損をすること。または、不利な立場に立たされること。
悪いようにはしない(わるいようにはしない)
損はさせないから自分に任せてほしいと相手を説得する言葉。
我思う、故に我あり(われおもう、ゆえにわれあり)
すべての物事は疑うことができるが、その疑いを持つ自分の存在だけは疑うことが出来ないということ。フランスの哲学者デカルトの「私は考える。だから私は存在する」という意の言葉から。
我に自由を与えよしからずんば死を与えよ(われにじゆうをあたえよしからずんばしをあたえよ)
アメリカ独立運動でパトリック・ヘンリーが、自由のために、死ぬ気で戦うという強い決意を表して、演説の結びに言った言葉。
我を非として当う者は吾が師なり(われをひとしてむかうものはわがしなり)
自分の欠点を注意してくれる人は、誰でも自分にとっての先生だということ。
和を以て貴しとなす(わをもってとうとしとなす)
人々の和こそが、世の中でもっとも尊く大切なことだということ。聖徳太子が制定した十七条憲法の第一条にある言葉。