「口」を含む故事・ことわざ・慣用句
「口」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 125 件
- 開いた口が塞がらない(あいたくちがふさがらない)- 相手の言葉や行動にあきれてものも言えない様子。 
- 開いた口へ牡丹餅(あいたくちへぼたもち)- 努力もなしに思いがけない幸運がやってくること。 
- あったら口に風邪をひかす(あったらくちにかぜをひかす)- 親切な気持ちで言ったことが無駄になるたとえ。「あったら」は「あたら」が転じた言葉で、残念なことにの意。 
- 後口が悪い(あとくちがわるい)- 物事が済んだ後に、後悔や不快感が残るさま。 飲食の後に口の中にいやな味が残ることから。 
- 慌てる蟹は穴の口で死ぬ(あわてるかにはあなのくちでしぬ)- 何事も焦ったり慌てたりすると失敗するというたとえ。 「慌てる蟹は穴の口で死ぬ」ともいう。 
- 言う口の下から(いうくちのしたから)- 言ったとたんに。言ったすぐあとから。 
- 大きな口を利く(おおきなくちをきく)- 実力もないのに偉そうなことを言うこと。 
- 大口を叩く(おおぐちをたたく)- 大げさなことを言う。偉そうなことを言う。 
- お猪口になる(おちょこになる)- 傘が風にあおられて、開きがさかさまになること。 
- 蛙は口から呑まるる(かえるはくちからのまるる)- 余計なことを言ったために、災いを招いてしまうことのたとえ。 蛙は鳴き声をだすことから蛇に気づかれ、吞み込まれてしまう意から。 
- 陰口を叩く(かげぐちをたたく)- その人のいないところで悪口を言うこと。 「陰口を利く」ともいう。 
- 敵の家でも口を濡らせ(かたきのいえでもくちをぬらせ)- たとえ敵の家でも出された食べ物には口をつけるのが礼儀だということ。つまり、いかなる場合も礼儀を守らなければならないということ。「口を濡らせ」は、少しだけでも飲食せよということ。本来は酒について言った言葉。 
- 片口聞いて公事を分くるな(かたくちきいてくじをわくるな)- 訴訟の裁きは、一方の言い分だけを聞いて判定してはいけないということ。「片口」は一方だけの言い分、「公事」は訴訟のこと。 
- 軽口を叩く(かるくちをたたく)- 気軽に冗談をいったり滑稽な話をしたりすること。 
- 川口で船を破る(かわぐちでふねをわる)- 長い航海を終えて港付近の川口で難破することから、成功の直前で失敗することのたとえ。 または、出航時に川口で船を損なうことから、物事の出だしで失敗することのたとえ。 
- 堪忍袋の口を開ける(かんにんぶくろのくちをあける)- もうこれ以上我慢できなくなり、怒りを爆発させることのたとえ。 「堪忍袋」は、辛抱できる心の広さを袋にたとえた言葉。 「堪忍袋の緒を切らす」「堪忍袋の口を開ける」ともいう。 
- 傷口に塩(きずぐちにしお)- 災難の上にさらに災難が降りかかることのたとえ。 
- 食い物と念仏は一口ずつ(くいものとねんぶつはひとくちずつ)- 食べ物は一口ずつでもみんなで分け合って食べたほうがよいということ。また、念仏は一人が一口ずつ唱えてもご利益があるということ。 「食い物」は「食べ物」ともいう。 
- 口あれば京に上る(くちあればきょうにのぼる)- その気になればなんでもできるというたとえ。 口さえあれば、道を尋ねながら都まででも行くことができるという意味から。 
- 口裏を合わせる(くちうらをあわせる)- 両者が事前に示し合わせて、話の内容が食い違わないようにすること。 「口を合わせる」ともいう。 
- 口から先に生まれる(くちからさきにうまれる)- 口が達者でお喋りな人に対していう言葉。 
- 口から出れば世間(くちからでればせけん)- いったん口出したことは、いつの間にか世間に広まるから、口は慎めということ。 
- 口が動けば手が止む(くちがうごけばてがやむ)- 話に夢中になると、仕事をする手先がおろそかになるということ。 
- 口が多い(くちがおおい)- よく喋るさま。 「口数が多い」ともいう。 
- 口が奢る(くちがおごる)- 味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、食に贅沢であることのたとえ。 
- 口が重い(くちがおもい)- 言葉数が少なく、積極的には人と喋らないようす。 
- 口が掛かる(くちがかかる)- 芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。 
- 口が堅い(くちがかたい)- 他人に言ってはいけないことを軽々しく口にしない様子。 
- 口が軽い(くちがかるい)- 言ってはいけないことまでも軽率に話してしまうこと。 
- 口が腐っても(くちがくさっても)- 何があっても決して言わないと強く思う気持ち。 
- 口が肥える(くちがこえる)- 味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、味の良し悪しに対する感覚が鋭くなること。 「舌が肥える」ともいう。 
- 口が裂けても(くちがさけても)- 何があっても決して言わないと強く思う気持ち。 
- 口が寂しい(くちがさびしい)- 口に何かを入れておかないと物足りなくて落ち着かない様子。 
- 口が過ぎる(くちがすぎる)- 相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。 
- 口が干上がる(くちがひあがる)- 生活が苦しくなり、食べていけなくなること。 
- 口が減らない(くちがへらない)- あれこれと屁理屈をつけて反論したり、負け惜しみを言ったりするようす。 
- 口が曲がる(くちがまがる)- お世話になった人や目上の人に対して悪口を言うと、罰としてその口が歪むということのたとえ。 悪口をいうことを止めさせるときに用いる言葉。 
- 口が回る(くちがまわる)- 滞ることなく滑らかに喋ること。 または、話が巧みであること。 「舌が回る」ともいう。 
- 口が悪い(くちがわるい)- 人の心を傷つけるようなことを平気でいう様子。 
- 口車に乗せる(くちぐるまにのせる)- 巧みな言葉で言いくるめて人をだますことのたとえ。 
- 口先の裃(くちさきのかみしも)- 言葉はていねいで相手をうやまっているように見えるが、実はうわべだけで誠意がないこと。 
- 口自慢の仕事下手(くちじまんのしごとべた)- 口は達者だが、仕事はさっぱりできないこと。 
- 口添えをする(くちぞえをする)- 依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。 
- 口叩きの手足らず(くちたたきのてたらず)- おしゃべりは達者だが、仕事はさっぱりできないこと。 
- 口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)- 口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。 
- 口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)- 口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。 
- 口に合う(くちにあう)- 食べ物の味が自分の好みと合っていることのたとえ。 
- 口にする(くちにする)- 口にだして言うこと。 また、飲んだり食べたりすること。 
- 口に出す(くちにだす)- 思っていることを言葉にして話すこと。 
- 口に上る(くちにのぼる)- 人々の話題になったり、噂になったりすること。 
- 口には関所がない(くちにはせきしょがない)- 人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。 
- 口に針(くちにはり)- 言葉に悪意や皮肉がこめられていること。 
- 口に任せる(くちにまかせる)- あまり深く考えず、言葉が口から出るままに発言すること。 
- 口に蜜あり、腹に剣あり(くちにみつあり、はらにけんあり)- 口先では調子のいいことを言っているが、内心は陰険であることのたとえ。 
- 口の下から(くちのしたから)- 言ったとたんに。言ったすぐあとから。 
- 口の端に上る(くちのはにのぼる)- 人々の話題になったり、噂になったりすること。 
- 口は口、心は心(くちはくち、こころはこころ)- 言うことと、心の中で思っていることとが一致しないこと。 
- 口は重宝(くちはちょうほう)- 口は便利なもので、口先だけならなんとでも言えるということ。 
- 口は閉じておけ、目は開けておけ(くちはとじておけ、めはあけておけ)- よけいなことをしゃべらず、物事はしっかり見よということ。 
- 口は災いの元(くちはわざわいのもと)- うっかり言ってしまった言葉が災いを招くこともあるため、口は慎まなければならないという戒め。 「口は禍の門」「禍は口から」ともいう。 
- 口火を切る(くちびをきる)- 人々の先頭を切って物事を始めること。きっかけをつくること。 
- 口弁慶(くちべんけい)- 口先だけで、行動が伴なわない人のたとえ。 
- 口も八丁、手も八丁(くちもはっちょう、てもはっちょう)- しゃべることも腕前も達者なこと。 「八丁」は巧み、達者であること。 単に「手も八丁」とも、また「口八丁手八丁」「手八丁口八丁」ともいう。 
- 口を入れる(くちをいれる)- 他人の話に割り込むこと。 また、よけいな口出しをすること。 
- 口を切る(くちをきる)- 瓶などの容器の封を開けること。 また、大勢のなかで最初に発言すること。 
- 口を極めて(くちをきわめて)- あらゆる言葉を尽くしていう様子。最大限の言葉を使う様。 
- 口を添える(くちをそえる)- 依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。 
- 口を揃える(くちをそろえる)- みなが同じ内容のことを言うこと。 
- 口を出す(くちをだす)- 他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を述べること。口出しをすること。 
- 口を閉ざす(くちをとざす)- 何も言おうとせず沈黙すること。 「口を噤む」ともいう。 
- 口を濁す(くちをにごす)- はっきりとは明言せず、曖昧な表現で済ますこと。 「口を濁す」ともいう。 
- 口を拭う(くちをぬぐう)- 悪いことをしていながら素知らぬふりをすること。 また、知っていながら知らないふりをすること。 盗み食いをした後に、口の周りの汚れを拭いて素知らぬ顔をすることから。 
- 口を糊する(くちをのりする)- たいへん貧しく、ぎりぎりの生活をすること。 「糊」は、粥(かゆ)のこと。 粥をすするような貧しい生活をするとの意から。 
- 口を挟む(くちをはさむ)- 他人が話しているところへ割り込み、自分の意見を言うこと。 
- 口を開く(くちをひらく)- 話をしはじめること。 
- 口を封じる(くちをふうじる)- 都合の悪いことを言ったり秘密が漏れたりしないように黙らせること。他言させないようにすること。 
- 口を割る(くちをわる)- 隠していた事について話し出すこと。白状すること。 
- 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)- たとえ小さな集団でもその頭になるほうが、大きな集団で人の尻についているよりもよいというたとえ。 「鶏口」は、鶏の口のことで小さな集団の長のたとえ。 「牛後」は、牛の尻のことで強大な者につき従って使われる者のたとえ。 略して「[[鶏口牛後(けいこうぎゅうご)*https://yoji.jitenon.jp/yoji/351.html]]」ともいう。 
- 下種の口に戸は立てられぬ(げすのくちにとはたてられぬ)- 品性の卑しい人間は、人の迷惑など考えず勝手なことをいいふらすが、防ぎようがないということ。 
- 鯉口を切る(こいぐちをきる)- すぐに刀を抜けるように身構えること。または、刀を抜きかけること。 
 「鯉口」は、刀の鞘(さや)の口のこと。鯉の開けた口に似ていることから。
 
         
    