「え」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「え」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 73 件
相手見てからの喧嘩声(あいてみてからのけんかごえ)
相手が自分より弱そうだと判断すると、いきなり喧嘩を売る大声を出して威張り出すこと。
朝飯前(あさめしまえ)
ものごとが容易にできることのたとえ。 朝食を食べる前のわずかな時間でも簡単にできるほどであるとの意から。
頭の上の蠅を追え(あたまのうえのはえをおえ)
他人のことをとやかく言ったり世話を焼いたりする前に、まずは自分自身のことを始末しなさい、という教え。
言いたいことは明日言え(いいたいことはあすいえ)
言いたいことがあっても、すぐ口に出すのではなく、じっくりと考えてから言うほうが失言しないということ。
怒りは敵と思え(いかりはてきとおもえ)
怒りは慎むべきであるという戒めの言葉。 怒りの感情を持てば、相手からの怒りや憎しみを招くことになり、結局自分の身を滅ぼすことになるということ。 徳川家康の遺訓のひとつ。
犬の遠吠え(いぬのとおぼえ)
弱い者や臆病な者が、陰で虚勢を張り陰口をたたくことのたとえ。弱い犬は、強い相手に対しては遠くから吠え立てることから。
憂いも辛いも食うての上(ういもつらいもくうてのうえ)
悲しい・辛いなどの不満は、衣食が満たされているから言える事なので、食べることさえままならない状況ではそんな事は言っていられないということ。
嘘を言え(うそをいえ)
相手が見えすいた嘘を言っていることをとがめる言葉。 「嘘を言え」ともいう。
打たれても親の杖(うたれてもおやのつえ)
親が子を杖で打つ叱り方も、慈愛がこもっているので子は感謝すべきだということ。
旨い物は宵に食え(うまいものはよいにくえ)
良いことはためらわずに早くやるのがよいということ。 うまい物も一晩たつと味が落ちてしまうので、夜のうちに食べてしまったほうがよいとの意から。
海の事は漁師に問え(うみのことはりょうしにとえ)
その道のことは、その道の専門家に相談するのが最善の方法だということ。
怨みほど恩を思え(うらみほどおんをおもえ)
人は怨みという感情はなかなか忘れないが、恩義を受けたことは忘れがちである。怨みを忘れないのと同じように、恩を忘れてはいけないということ。
江戸べらぼうに京どすえ(えどべらぼうにきょうどすえ)
言葉は使われる土地の気風を表していて、江戸では威勢がよく乱暴な「べらぼう」、京都ではやさしい「どすえ」がよく使われているということ。「べらぼう」は甚だしい、馬鹿などの意。「どすえ」は、「・・・ですよ」の意。
老いては子に従え(おいてはこにしたがえ)
年をとったら出しゃばらずに、何事も子どもに任せて従っていくほうがいいということ。
隠密の沙汰は高く言え(おんみつのさたはたかくいえ)
秘密の話はこそこそ言わずに大きな声で話せということ。 ひそひそ話は人の好奇心をかきたて注意をひきやすいので、普通に話しているほうが目立たず秘密が守れるとの意から。
覚悟の上(かくごのうえ)
何かをするにあたって、事前に心構えができている様子。
敵の前より借金の前(かたきのまえよりしゃっきんのまえ)
敵の前では平然とできても、借金をしている相手の前では頭が上がらないということ。
蚊の鳴くような声(かのなくようなこえ)
蚊の羽音のように、とても小さくて弱々しい声のこと。
紙一重(かみひとえ)
差が極めてわずかなこと。 単に「紙一重」ともいう。
黄色い声(きいろいこえ)
女性や子どもの甲高い声のこと。
今日は人の上、明日は我が身の上(きょうはひとのうえ、あすはわがみのうえ)
他人に降りかかった不幸や苦しむ姿をみて、明日は自分に起こりえることかもしれないから用心せよ、という教え。
器量より気前(きりょうよりきまえ)
器量がいいことより、気立てのいいことのほうが大事だということ。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
糞食らえ(くそくらえ)
他者の言動に対して、ののしりかえすときの言葉。
下種の後知恵(げすのあとぢえ)
愚かな者は必要なときは考えが浮かばず、事が終わった後に名案が思い浮かぶということ。 「下種の後知恵」ともいう。 また「下種」は「下衆」とも書く。
下種は槌で使え(げすはつちでつかえ)
愚かな者は、道理を説明してもなかなか理解しないため、叩いたり叱りつけたりして使わなければならないという教え。
小船の宵拵え(こぶねのよいごしらえ)
準備が早すぎること、おおげさすぎることのたとえ。 小船を出そうとして、前の晩から船出の準備をすることから。
転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ)
失敗しないように、前もって準備しておくことのたとえ。 転ぶ前に、あらかじめ杖を用意しておくべきとの意から。
郷に入っては郷に従え(ごうにいってはごうにしたがえ)
場所によって風俗や習慣が違うので、住む土地の習慣や慣習に従うのがよいということ。「郷」は地方・田舎の意。
猿知恵(さるぢえ)
一見利口に見えるが、実はあさはかな知恵。猿が持っている程度の知恵という意から。
三人寄れば文殊の知恵(さんにんよればもんじゅのちえ)
たとえ凡人でも三人集まって相談すれば、すばらしい知恵がでるというたとえ。「文殊」は、知恵をつかさどる菩薩の名前。
獅子の分け前(ししのわけまえ)
強いものが弱いものを働かせて利益を独占することのたとえ。獅子が弱い動物を従えて、得た獲物を独占したというイソップ寓話から。
知らずば人に問え(しらずばひとにとえ)
知らない事は、知ったふりをしないで、人に聞いて教えてもらうのがよいということ。
知らぬ顔の半兵衛(しらぬかおのはんべえ)
知っているのに知らない振りをすることを「半兵衛」という人名を使って言った言葉。
地獄は壁一重(じごくはかべひとえ)
人間は一歩誤ると、罪を犯してしまいがちだということ。 地獄は壁を一枚隔てたすぐ隣にあるとの意から。
重箱の隅は杓子で払え(じゅうばこのすみはしゃくしではらえ)
些細な事に必要以上に干渉せずに大目に見るべきということのたとえ。重箱の隅を杓子で払うと隅に残るということから。
冗談も休み休み言え(じょうだんもやすみやすみいえ)
常識から外れた言葉を否定する時に使う言葉。 「ふざけたことを言うな」や「馬鹿なことを言うな」などの意味。
雀の千声鶴の一声(すずめのせんこえつるのひとこえ)
つまらない者がいろいろ言うよりも、すぐれた者の一声のほうが勝っているというたとえ。「鶴の一声」だけでも使われる。
すまじきものは宮仕え(すまじきものはみやづかえ)
他人に仕えることは気苦労が絶えないから、できればやらないほうがいいということ。「宮仕え」は本来、宮中や貴人の邸宅に仕えること。現代では、会社や組織などに勤めることをいう。
外孫飼うより犬の子飼え(そとまごかうよりいぬのこかえ)
他家へ嫁いだ娘が生んだ子は、いくらかわいがっても、将来の頼りにはならない。そんな孫をかわいがるより、犬の子をかわいがるほうがましだということ。
立ってる者は親でも使え(たってるものはおやでもつかえ)
急ぎの時は、たとえ親でも、近くに立っている人を使えということ。座っている人間が、立っている人間にものを頼む時の言い訳にいう言葉。
田作る道は農に問え(たつくるみちはのうにとえ)
農業のことは農民に聞くのが一番いいように、何事もその専門家に聞くのが一番いい方法だということ。
民の声は神の声(たみのこえはかみのこえ)
民衆の言うことは真理であり、神の言葉に等しい。為政者は世論に耳を傾けるべきであるということ。イギリスの神学者アルクインの書簡にある言葉。
断機の教え(だんきのおしえ)
物事は途中でやめるべきではないという教え。 孟子が修業の途中で家に帰った時、孟子の母は織りかけの機の糸を断ち切り、修行を中断するのはこのようなものだと戒めたという故事から。 「断機の教え」「孟母断機の戒め」「孟母断機の教え」「断錦」「孟母断機」ともいう。
近しき仲にも垣を結え(ちかしきなかにもかきをゆえ)
親しい間柄でも遠慮がなくなると不仲のもとになるので、節度を守れという戒めの言葉。 「思う仲には垣をせよ」「良い仲には垣をせよ」「睦まじき仲に垣をせよ」「近しき仲にも垣を結え」などともいう。
鶴の一声(つるのひとこえ)
権威者・有力者の一言が多くの人の議論や意見をおさえつけること。
手を替え品を替え(てをかえしなをかえ)
さまざまな手段や方法を試してみること。
十のことは十に言え(とおのことはとおにいえ)
物事を理解してもらうためには、過不足なく、順序立てて正確に話さなければいけないということ。
年問わんより世を問え(としとわんよりよをとえ)
年をとっているか若いかを問題にするよりも、その人の人生経験の内容を問題にせよということ。
取っ替え引っ替え(とっかえひっかえ)
次から次へと取り替えて試してみること。
取るより庇え(とるよりかばえ)
より多くの利益を求めずに、今あるものを失わないように守れということ。
名無しの権兵衛(ななしのごんべえ)
何という名前なのかわからない人を指す言葉。
七度尋ねて人を疑え(ななたびたずねてひとをうたがえ)
物がなくなった時には、自分でよく探してみるのが先で、軽率に人を疑ってはいけないという戒めの言葉。 七回探しても見つからない時に、はじめて他人を疑うべきとの意から。 「七度探して人を疑え」
生の声(なまのこえ)
発言する場のない人々の率直な意見や感想のこと。
二度聞いて一度物言え(にどきいていちどものいえ)
人の言うことは何度聞き直してでもよく聞き、自分は口数を少なく余計なことを言わないほうがよいということ。
女房は灰小屋から貰え(にょうぼうははいごやからもらえ)
妻を迎えるなら、自分より格下の家からもらうのがよいということ。 身分の高い家から妻をもらうと、親戚付き合いに苦労したり夫の権威が下がったりする恐れがあるとの意から。 「女房は台所から貰え」「女房は掃き溜めから拾え」「女房は庭から取れ」などともいう。
濡れぬ先こそ露をも厭え(ぬれぬさきこそつゆをもいとえ)
一度過ちを犯すと、その後はもっと大きな過ちも平然と犯すようになるというたとえ。 濡れる前は露(つゆ)に濡れることさえ嫌がるが、いったん濡れてしまうといくら濡れても平気になるとの意から。 男女間の過ちについていうことが多い言葉。
腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)
腹立たしくても怒りに任せて物を言うのではなく、じっくりと考えてから言うほうが失言しないということ。
馬鹿の一つ覚え(ばかのひとつおぼえ)
愚か者が、たった一つ覚えていることを得意げに振りかざすことをあざけっていう言葉。
馬鹿も休み休み言え(ばかもやすみやすみいえ)
くだらないことを言うのもいい加減にしろということ。
左前(ひだりまえ)
商売などが不振で経済的に苦しくなること。また、左の衽(おくみ)を内側にして和服を着ること。
人の苦楽は壁一重(ひとのくらくはかべひとえ)
壁一つ隔てただけで隣の様子がわからないように、他人の苦しみや楽しみは他人事で自分とはなんの係わりもないということ。
人の蠅を追うより己の蠅を追え(ひとのはえをおうよりおのれのはえをおえ)
他人のことをあれこれ言う前に、まずは自分の問題を始末せよということ。 他人にたかる蠅を追い払うより、まずは自分にたかる蠅を追い払えとの意から。 単に「己の頭の蠅を追え」とも、「我が頭の蠅を追え」ともいう。
人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)
他人は信用できないので、泥棒と疑ってかかるくらい用心したほうがよいということ。
火を見たら火事と思え(ひをみたらかじとおもえ)
何事も用心を重ね、警戒を怠りなくせよという教え。 少しの火でも火事だと思って用心せよということ。
美人というも皮一重(びじんというもかわひとえ)
美人かどうかは体を包む皮一枚のことで、人間の本質には関係がない。人を外見だけで判断してはいけないということ。
孫飼わんより犬の子飼え(まごかわんよりいぬのこかえ)
孫を可愛がっても孝養は期待できないから、犬でも飼ったほうがましだということ。
婿は座敷から貰え、嫁は庭から貰え(むこはざしきからもらえ、よめはにわからもらえ)
婿は自分の家より家柄がよい家から貰うと家の格が上がり、嫁は自分の家より低い家柄から貰うと威張らずによく働くので家のためによいということ。 「婿は大名から貰え嫁は灰小屋から貰え」「嫁は下から婿は上から」ともいう。
目で見て口で言え(めでみてくちでいえ)
何事も自分の目で確認してから口にせよということ。見てもいないことをとやかく言ってはいけないという戒めのことば。
孟母三遷の教え(もうぼさんせんのおしえ)
子どもの教育には良い環境を選ぶことが大切だという教え。 孟子は幼い頃墓地の近くに住んでいたが、孟子が葬式の真似をして遊ぶので母は市場の近くに居を移した。すると孟子は売買の真似をはじめたので、今度は学校のそばに転居した。すると礼儀作法を真似るようになったので教育に最適な場所として安住したという故事から。 「三遷の教え」「孟母の三遷」「孟母の三居」「孟母三遷」などともいう。
役者が一枚上(やくしゃがいちまいうえ)
能力や駆け引きなどが一段とすぐれていること。 芝居の番付や看板で、上位のものから順に名前が書かれていることから。
世も末(よもすえ)
この世も終わりである。救いがたい世である。 現状を嘆いて言う言葉。
我が身の事は人に問え(わがみのことはひとにとえ)
自分のことはわかりにくいから、人の意見を聞くのがよいということ。
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