「お」を含む故事・ことわざ・慣用句
「お」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1144 件
女三人寄れば姦しい(おんなさんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まれば大変にやかましいということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。
女ならでは夜は明けぬ(おんなならではよはあけぬ)
女がいなければ何事もうまくいかないということ。 天照大神が天岩戸に隠れて世の中が暗くなった時、天鈿女命の舞踊で岩戸を開けることができたという故事から。 「日の本は女ならでは夜が明けぬ」ともいう。
女の一念、岩をも徹す(おんなのいちねん、いわをもとおす)
女が執念深いことのたとえ。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
女の心は猫の目(おんなのこころはねこのめ)
女の心は気まぐれで変わりやすいことのたとえ。 女心は、猫の目が光によって形が変化するように変わりやすいとの意から。
女の知恵は鼻の先(おんなのちえははなのさき)
女は目先のことにとらわれ、遠い先のことを見通す思慮に欠けているというたとえ。
女は衣装髪かたち(おんなはいしょうかみかたち)
女は着る物と髪かたちによって見違えるほど美しくなれる。女にとって着る物と髪かたちはとても大切なものだということ。
女は氏無うて玉の輿に乗る(おんなはうじのうてたまのこしにのる)
女は低い家柄の生まれでも、容姿や運しだいで、金持ちや高貴な人と結婚できるということ。
女は己を説ぶ者のために容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
女は自分を愛してくれる男のために、よりいっそう念入りに化粧をし着飾ったりするということ。
女は三界に家なし(おんなはさんがいにいえなし)
女はこの広い世界のどこにも安住できる所がないということ。 「三界」は仏教語で欲界・色界・無色界のことから全世界の意味。 女は子どものころは父に従い、結婚してからは夫に従い、老いてからは子に従うのもので、世界のどこにも安住できる所がないとの意から。 「三界に家なし」ともいう。
女冥利に尽きる(おんなみょうりにつきる)
女に生まれてこれ以上の幸せはないということ。
女寡に花が咲く(おんなやもめにはながさく)
未亡人は、夫にわずらわされることがなくなり、自分の身を美しく清潔に出来るので、世間の男の目を引き華やかだということ。
恩に着せる(おんにきせる)
恩を与えたことをことさらに言い立て、相手にありがたと思わせること。
恩に着る(おんにきる)
人から受けた恩恵をありがたく思うこと。
御の字(おんのじ)
十分満足である。非常に結構である。 「御」の字を付けたいほど有り難いもの、との意から。 江戸時代に遊里で使われはじめた言葉。
恩の腹は切らねど情けの腹は切る(おんのはらはきらねどなさけのはらはきる)
受けた恩に報いるために死ぬ人はいないが、義理人情のためなら死ぬ人はいるということ。
おんぶに抱っこ(おんぶにだっこ)
おんぶすると次は抱っこをしてほしいと甘える子どもように、何もかも他人に頼りきりになること。
隠密の沙汰は高く言え(おんみつのさたはたかくいえ)
秘密の話はこそこそ言わずに大きな声で話せということ。 ひそひそ話は人の好奇心をかきたて注意をひきやすいので、普通に話しているほうが目立たず秘密が守れるとの意から。
陰陽師、身の上知らず(おんようじ、みのうえしらず)
他人のことについてはいろいろと言えても、自分のことはよくわからないことのたとえ。 他人の運命を占う陰陽師も、自分の身の上についてはわからないとの意から。
恩を仇で返す(おんをあだでかえす)
恩を受けた相手に、感謝するどころか害を与えるようなことをすること。 単に「恩を仇」ともいう。
恩を売る(おんをうる)
見返りを期待して、相手に恩を与えること。
恩を以て怨みに報ず(おんをもってうらみにほうず)
恨みのある者に対して、復讐するのではなく、逆に恩徳を施すような広い心で接すること。
海中より盃中に溺死する者多し(かいちゅうよりはいちゅうにできしするものおおし)
海で溺れて死ぬ人より酒の飲みすぎで死ぬ人の方が多いということ。
顔色を窺う(かおいろをうかがう)
相手の表情から、その人の機嫌の善し悪しを察すること。 「顔色を見る」「顔色を読む」ともいう。
顔から火が出る(かおからひがでる)
大変恥ずかしいおもいをすることのたとえ。 顔が真っ赤になる意から。
顔が合わせられない(かおがあわせられない)
面目がなくてその人に会うことができないというたとえ。
顔が売れる(かおがうれる)
世間に広く名前が知れわたること。
顔が利く(かおがきく)
信用や権力があって相手に無理がとおり、便宜を図ってもらえること。
顔が揃う(かおがそろう)
集まるべき人が、全員その場に集まること。
顔が立つ(かおがたつ)
その人の面目や名誉がたもたれるということ。
顔が潰れる(かおがつぶれる)
その人の名誉が傷つけられることのたとえ。
顔が広い(かおがひろい)
交際範囲がひろく、知り合いが多いことのたとえ。
顔で笑って心で泣く(かおでわらってこころでなく)
泣きたいほどつらくても顔では笑ってみせるということ。
顔に書いてある(かおにかいてある)
なにも言わなくても、相手の表情からその人の本心を読み取ることができるということ。
顔に出る(かおにでる)
何も言わなくても、本心や体調などが表情にあらわれること。
顔に泥を塗る(かおにどろをぬる)
恥をかかせたり名誉を傷つけたりすること。 単に「泥を塗る」ともいう。
顔に紅葉を散らす(かおにもみじをちらす)
若い女性が恥ずかしさのあまり、まるで紅葉の葉を散らすように顔をぱっと赤くする様子。 単に「紅葉を散らす」ともいう。
顔向けができない(かおむけができない)
恥ずかしさや申し訳なさから、人に顔を合わせることができないたとえ。 世間や社会に対して、責任を痛感している気持ちを言ったことば。
顔を合わせる(かおをあわせる)
試合や競技などで対戦相手となる。また、演劇や映画などで共演する。 「顔が合う」ともいう。
顔を売る(かおをうる)
自らの名前が広く世間にしられるように、行動することのたとえ。
顔を貸す(かおをかす)
人から頼まれて、ある場所に出向いたり人と会ったりすることのたとえ。
顔を利かす(かおをきかす)
自らが持つ権力や影響力などを用いて、無理をとおしたり、物事を有利に運んだりすること。
顔を曇らせる(かおをくもらせる)
心配事や悲しみなどで暗い表情をすることのたとえ。
顔を拵える(かおをこしらえる)
化粧をすることのたとえ。
顔を顰める(かおをしかめる)
心配ごとがあったり不快を感じたりして、眉周辺にしわを寄せること。
顔を立てる(かおをたてる)
その人の名誉が保たれるようにすること。
顔を出す(かおをだす)
人を訪問したり、会合などに出席したりすることのたとえ。 顔や姿をその場にあらわす意から。
顔を作る(かおをつくる)
化粧をすることのたとえ。 また、むりにそのような表情をすることのたとえ。
顔を繋ぐ(かおをつなぐ)
時折ひとを訪ねたり、会合に出席したりして、その人との関係を保つことのたとえ。
顔を潰す(かおをつぶす)
相手の面目や名誉を傷つけて、恥をかかせること。
顔を直す(かおをなおす)
汗や皮脂などでくずれた化粧を整えることのたとえ。
顔をほころばせる(かおをほころばせる)
嬉しさなどで思わず笑顔になること。
顔を見せる(かおをみせる)
会合に出席したり、人を訪問したりすること。
顔を汚す(かおをよごす)
その人の面目を失わせたり、恥をかかせたりすることのたとえ。
懸かるも引くも折による(かかるもひくもおりによる)
事を始めるのも終わらせるのも時機が大事だというたとえ。
屈み女に反り男(かがみおんなにそりおとこ)
女は少しうつむき加減にしている姿が良く、男は少し胸を張った反り加減の姿が良いということ。
鏡は女の魂(かがみはおんなのたましい)
鏡は女にとって魂といえるほど大切なものだということ。
陰では王様の事も言う(かげではおうさまのこともいう)
誰であろうと陰口を言われない者はいないということ。 陰では王様でさえ悪口を言われるとの意から。 「陰では殿の事も言う」ともいう。
陰に居て枝を折る(かげにいてえだをおる)
恩を受けた人にひどいことをするたとえ。 木陰で涼んでいた者がその木の枝を折ることから。また、恩人の見ていない所で恩人の家の木の枝を折ることから。
影を畏れ迹を悪む(かげをおそれあとをにくむ)
自分で勝手に悩みを作り、心を平静に保つことができないことのたとえ。 自分の影と足跡におびえ、それから逃れようと走り続けて、ついに力尽きて死んでしまったという故事から。
影を落とす(かげをおとす)
光がさすこと。 光が投げかけられることによって影ができることから。 転じて、影響を及ぼすこと。
風上にも置けない(かざかみにもおけない)
性質や行動が下品で卑劣な人間をののしっていう言葉。 悪臭のある物は臭くて困るので、風上に置くわけにはいかないとの意から。 「風上に置けない」ともいう。
頭が動かねば尾が動かぬ(かしらがうごかねばおがうごかぬ)
上に立つ者がすすんんで行動しなければ、下の者は働かないというたとえ。
頭に霜を置く(かしらにしもをおく)
頭髪が白髪になること。白髪が目立つこと。 白髪を霜にたとえた言葉。 「頭に霜を置く」「霜を置く」ともいう。
数を言うまい羽織りの紐(かずをいうまいはおりのひも)
口数が多いとろくなことがないので、おしゃべりは慎めという戒めの言葉。「数を言うまい羽織りの紐よ、かたく結んで胸に置く」という俗謡から。
稼ぐに追い付く貧乏無し(かせぐにおいつくびんぼうなし)
一生懸命働けば、貧乏に苦しむことはないというたとえ。 「稼ぐに貧乏追い付かず」「辛抱に追い付く貧乏なし」「稼げば身立つ」ともいう。
稼ぐに追い抜く貧乏神(かせぐにおいぬくびんぼうがみ)
いくら働いても貧しい人は貧乏から抜け出すことができないというたとえ。
風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)
思いもかけないところに影響が出るたとえ。また、あてにならない期待をするたとえ。 大風が吹けば土ぼこりが舞い上がって目に入り、目の不自由な人が増える。目の不自由な人は三味線で生計を立てようとするので、三味線に使う猫の皮がたくさん必要になる。猫が捕らえられて少なくなるとねずみが増える。ねずみは桶をかじるので桶屋が儲かるという話から。 「風」は「大風」、「儲かる」は「喜ぶ」ともいう。
風邪は百病の長(かぜはひゃくびょうのおさ)
風邪はあらゆる病気のもとなので、たかが風邪と油断せず用心が必要であるということ。 「風邪は百病のもと」「風邪は百病の長」ともいう。
堅い木は折れる(かたいきはおれる)
ふだんは強情な人が、何か問題にぶつかると意外にもろく、くじけやすいことのたとえ。また、頑丈な人が急に大病で倒れることのたとえ。柔軟性のない堅い木は、風が吹けば折れやすいことから。
片手落ち(かたておち)
片方へ配慮しているが、もう一方への配慮が欠けていること。不公平。
刀折れ矢尽きる(かたなおれやつきる)
物事を続けていく手段がなくなってしまうことのたとえ。 刀が折れ、矢が尽きて戦う手段がなくなってしまうとの意から。 「弓折れ矢尽きる」ともいう。
肩の荷が下りる(かたのにがおりる)
重たい責任や負担から解放され、気が楽になること。 単に「荷が下りる」ともいう。
肩の荷を下ろす(かたのにをおろす)
義務や責任を果たし、負担から解放されて気が楽になること。 「荷を下ろす」ともいう。
肩を落とす(かたをおとす)
がっかりして気力を失うさま。 力が抜けて肩が垂れ下がる意から。
勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ)
戦いに勝っても油断しないで心を引き締めよという戒めの言葉。 戦いに勝って兜を脱いだ時に、敵に襲われたらひとたまりもないので、勝っても兜の緒を締めなおして気を抜くなとの意から。
叶わぬ時には親を出せ(かなわぬときにはおやをだせ)
言い訳に困った時には、親を引き合いに出すことで口実を作れということ。
金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる(かねさえあればとぶとりもおちる)
世の中のたいがいの事が金で解決できるということのたとえ。
金は命の親、命の敵(かねはいのちのおや、いのちのかたき)
金によって命を助けられることもあれば、逆に命を落とすこともあるというたとえ。
蚊の食う程にも思わぬ(かのくうほどにもおもわぬ)
影響などをまったく受けないということ。