「とも」を含む故事・ことわざ・慣用句
「とも」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 74 件
朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり(あしたにみちをきかばゆうべにしすともかなり)
朝に人の生きるべき道を悟ることができれば、その夕方に死んだとしてもかまわないということ。
当て事と畚褌は先から外れる(あてことともっこふんどしはさきからはずれる)
当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。
暗夜に灯火を失う(あんやにともしびをうしなう)
暗闇で明かりを失うように、頼りにしていたものを失って途方にくれることのたとえ。
意見と餅はつくほど練れる(いけんともちはつくほどねれる)
餅は、つけばつくほど練れて粘りのあるおいしい餅になる。他人の意見も、つき従うようにすればするほど、よい結果が得られるということ。
鶯鳴かせたこともある(うぐいすなかせたこともある)
若いころは魅力的で異性にもてはやされたこともあったと、老女が昔を自慢していうことば。女性の美しさを梅、男性を鶯にたとえて枝にとまらせて鳴かせたという意味。
海の物とも山の物ともつかぬ(うみのものともやまのものともつかぬ)
この先どうなるか見当がつかないこと。また、正体がわからないこと。
うんともすんとも(うんともすんとも)
ひと言もものを言わない様子。まったく返事をしない様子。 「すん」は、返事の「うん」と語呂を合わせたもの。
大嘘はつくとも小嘘はつくな(おおうそはつくともこうそはつくな)
誰も信用しなような大きな嘘はついても害が少ないが、小さな嘘は真偽がわかりにくく、人が信じ込む恐れがあるので、ついてはいけないということ。
大所の犬になるとも小所の犬になるな(おおどころのいぬになるともこどころのいぬになるな)
どうぜ人に仕えるなら、勢力・権力のある相手の下につけというたとえ。
遅くとも、しないよりはまし(おそくとも、しないよりはまし)
たとえ遅くなっても、何もしないよりはしたほうがましだということ。
煽てと畚には乗りたくない(おだてともっこにはのりたくない)
おだてには乗りたくない、ということを強調した言葉。「畚」は、棒で担いで土や石を運ぶ道具。江戸時代、畚は死刑囚を運ぶのにも使われたことから、他人の煽てにも畚にも乗りたくないといったもの。
己に如かざる者を友とするなかれ(おのれにしかざるものをともとするなかれ)
自分をより向上させるためには、自分より劣った者を友として交際すべきではないという教え
親ずれより友ずれ(おやずれよりともずれ)
子どもにとっては、親から受ける影響よりも友達から受ける影響のほうが大きいということ。
親はなくとも子は育つ(おやはなくともこはそだつ)
親がいなくても、子どもはなんとか成長していく。世の中は、そう心配することもないというたとえ。
陰では王様の事も言う(かげではおうさまのこともいう)
誰であろうと陰口を言われない者はいないということ。 陰では王様でさえ悪口を言われるとの意から。 「陰では殿の事も言う」ともいう。
金請けするとも人請けするな(かねうけするともひとうけするな)
借金の保証人になっても、身元保証人にはなるなということ。人の保証人になると厄介なことが多いことをいう。
金を貸せば友を失う(かねをかせばともをうしなう)
金の貸し借りには問題が起こりやすく、親しい友人同士でも金の貸し借りはするべきではないという戒め。
雁がたてば鳩もたつ(がんがたてばはともたつ)
身のほども考えず、むやみに人まねしようとすること。渡り鳥である雁が飛び立つのを見て、遠くまで飛べない鳩も飛び立つことから。
昨日の友は今日の敵(きのうのともはきょうのてき)
人の心は変わりやすく当てにならないということのたとえ。 昨日まで親しくしていた友が今日は敵になってしまうことから。
君子は交わり絶ゆとも悪声を出さず(くんしはまじわりたゆともあくせいをださず)
徳のある人は人と絶交することがあっても相手の悪口は決して言わないということ。
形影相伴う(けいえいあいともなう)
夫婦などがいつも一緒で、仲むつまじい様子。 「形影」は形と影。 「相伴う」は常に一緒にいること。
事ともせず(ことともせず)
まったく気にしない。問題にもしない。
事もあろうに(こともあろうに)
もっと他に適したやり方があるだろうに。よりによって。
事も無げ(こともなげ)
特に問題がないかのように普段と変わらないように物事を行う様子。平気な様子。
最後に笑う者が最もよく笑う(さいごにわらうものがもっともよくわらう)
最初に笑っていた者も最後に泣くこともある。最終の結果が出たあとに笑える者が最高であるということ。
酒は飲むとも飲まるるな(さけはのむとものまるるな)
酒は適度に飲むのはよいが、飲みすぎて理性を失うような飲み方をしてはいけないということ。
去り跡へ行くとも死に跡へ行くな(さりあとへゆくともしにあとへゆくな)
妻と離婚した男に嫁ぐのはいいが、妻と死別した男には嫁ぐものではないという戒め。 妻と死別した男の心には、亡き妻のよい思い出が残っていて、比較されることが多いことから。
死なば諸共(しなばもろとも)
死ぬまで運命を共にするという覚悟を表す言葉。または、道連れにして死んでやるという脅しの言葉。死ぬときは一緒に死ぬという意味から。
心腹の友(しんぷくのとも)
心の内を許し合った最も親しい友人のこと。「心腹」は、胸と腹。転じて、心から頼りにすること。
自他共に許す(じたともにゆるす)
全ての人がそうであると認めること。
声涙、倶に下る(せいるい、ともにくだる)
感情を抑えきれず、涙を流しながら語るさま。
千軒あれば共過ぎ(せんげんあればともすぎ)
家が千軒もあれば、そこに住む人たちがそれぞれ商売をしたり互いに物の売り買いをしたりして、ともに生計を立てていくことができるということ。 「共過ぎ」は、人々が互いに助け合って生活していくこと。 「千軒あれば共暮らし」ともいう。
善悪は友による(ぜんあくはともによる)
人はつきあう友人次第で、善くも悪くもなるということ。 「人は善悪の友による」ともいう。
善悪は友を見よ(ぜんあくはともをみよ)
その人が善人か悪人かは、その人が交際している友人を見ればわかるということ。
その子を知らざればその友を視よ(そのこをしらざればそのともをみよ)
その子のことがわからない時は、付き合っている友達を見ればわかるということ。
損と元値で蔵を建て(そんともとねでくらをたて)
商人は「この売値では損をする」「仕入れ値を割っている」などと言うが、いつのまにか蔵を建てるほどの金持ちになっているということ。
蛸の共食い(たこのともぐい)
同類のものが害し合うことのたとえ。
玉となって砕くとも瓦となって全からじ(たまとなってくだくともかわらとなってまったからじ)
名誉を守るために死ぬことはあっても、いたずらに生きながらえるだけのむなしい生涯を送りたくはないということ。 貴重な玉として砕かれてしまってもよいが、無価値な瓦として安全に生涯を全うしたいとは思わないとの意から。
駄目で元元(だめでもともと)
たとえ失敗しても、何もしない場合と同じだと考えること。 失敗しても構わないという気持ちでやってみること。 略して「駄目元(だめもと)」ともいう。
小さくとも針は呑まれぬ(ちいさくともはりはのまれぬ)
小さいからといって侮ってはいけないという戒め。 いくら小さくても針をのみこむことはできないことから。
竹馬の友(ちくばのとも)
子供のころからの親友や幼馴染のこと。 「竹馬」は一本の竹の棒を馬に見立てたもの。 幼いころから竹馬で駆け回って一緒に遊んだ友達という意味から。
杖とも柱とも頼む(つえともはしらともたのむ)
全面的に頼りにすることのたとえ。
杖に縋るとも人に縋るな(つえにすがるともひとにすがるな)
むやみに人をあてにするなといういましめ。
月の前の灯(つきのまえのともしび)
立派なものに比較されて見劣りがすることのたとえ。名月の夜には灯火は目立たないことから。
突っかけ者の人もたれ(つっかけもののひともたれ)
自分は何もしないで、他人を当てにして人任せにする者のこと。
爪に火を点す(つめにひをともす)
非常にけちなたとえ。また、大変貧しく、倹約する暮らしのたとえ。
出る船の纜を引く(でるふねのともづなをひく)
あきらめられず、未練がましく振る舞うこと。 「纜」は、船を岸につなぐ綱のことで、出て行く船の纜を引っ張るとの意から。
朋あり遠方より来る(ともありえんぽうよりきたる)
遠くにいる友だちが、はるばる会いに来てくれた喜びをいう言葉。「朋」は、友の意。
友と酒は古いほどいい(ともとさけはふるいほどいい)
友人は長い間付き合って気心の知れた人間がいいし、酒も長くねかせた古い酒がおいしいということ。
倶に天を戴かず(ともにてんをいただかず)
相手を殺すか自分が殺されるかの関係で、共存ができないこと。また、復讐せずにはいられないほど激しく憎むこと。 相手と同じ天の下では生きていけないとの意から。 「[[不倶戴天(ふぐたいてん)*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1340.html]]」ともいう。
何事も三度(なにごともさんど)
一度や二度の失敗であきらめず、せめて三度はやってみよということ。
何はともあれ(なにはともあれ)
他の事はひとまず後回しにして。とりあえず。まずは。
何はなくとも(なにはなくとも)
他にこれといったものが何もなくても、そのものさえあれば十分満たされているという気持ちを表す言葉。
女房は貸すとも擂り粉木は貸すな(にょうぼうはかすともすりこぎはかすな)
すりこぎのように使うと減るものは、他人に貸してはいけないということ。
似るを友(にるをとも)
境遇や性質の似た者同士が親友となること。 「似たるを友」ともいう。
盗人も戸締り(ぬすびともとじまり)
盗人も自分の物は盗まれないように戸締りをするということ。
始めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣くとも蓋取るな(はじめちょろちょろ、なかぱっぱ、あかごなくともふたとるな)
御飯の上手な炊き方をいったもの。炊き始めは弱火で、中ごろは強火にし、途中で蓋を取ってはいけないということ。
莫逆の友(ばくぎゃくのとも)
非常に気の合う親友のこと。「莫逆」は「ばくげき」とも読み、心に逆らうことが莫(な)いという意。
膝とも談合(ひざともだんごう)
困ったときには相手を選ばずに相談したほうがよい、頼りにならないような相手でも何かしらの役には立つということ。 困り果てたときには、自分の膝でさえ相談相手になるとの意から。
人の生まるるや憂いと倶に生まる(ひとのうまるるやうれいとともにうまる)
人間は生まれる時から心配ごとがつきまとい、一生心配事の連続であるということ。
びくともしない(びくともしない)
その物に何をしても少しも動かないこと。 または、何があっても動揺したり、驚いたりしないこと。
風前の灯火(ふうぜんのともしび)
危険が差し迫り、危ういことのたとえ。風の吹き付ける所にある灯の意から。
古い友達と古い葡萄酒に勝るものなし(ふるいともだちとふるいぶどうしゅにまさるものなし)
古い葡萄酒はこくがあって美味しいように、古い友達も気心が知れ、信頼できてよいものだということ。
糸瓜の皮とも思わない(へちまのかわともおもわない)
まったく気にかけないこと。なんとも思わないこと。 「糸瓜」はつまらないものという意味で用いられることが多く、その皮ほどにも思わないとのことから、まったく気にかけないこと。 「なんの糸瓜の皮」「糸瓜の皮」ともいう。
屁とも思わない(へともおもわない)
その物事を軽んじて問題にしないこと。
まさかの時の友こそ真の友(まさかのときのともこそしんのとも)
苦しい状況の時、助けてくれる友こそ本当の友だちだということ。
勝るとも劣らない(まさるともおとらない)
完全に勝てるほどではないが、かといって負けるほどではない。同等かそれより多少は勝っているさま。
待たるるとも待つ身になるな(またるるともまつみになるな)
人を待つのは腹立たしいから、人を待たせることはあっても自分は待つ立場にはなるなということ。
丸くとも一角あれや人心(まるくともひとかどあれやひとごころ)
性格が温厚で柔和なのはよいことだが、時には自分の意地を通すような強い一面もあったほうがよいということ。「一角」は、性格が少し角立っていること。「あまりまろきは転び易きぞ」と続けてもいう。
まんじりともしない(まんじりともしない)
不安なことや気になることがあり、少しも眠れないさま。 「まんじり」は、少し眠るさま。
持てる者と持たざる者(もてるものともたざるもの)
世の中は財産を持つ豊かな者と、それを持たない貧しい者の二種類しかないということ。
元も子も失う(もともこもうしなう)
何もかも失うようす。「元」は元金、「子」は利子でそのどちらも失う意から。
闇夜の灯火(やみよのともしび)
とても困っているときに、頼りにできるものにめぐりあうことのたとえ。 「闇夜の灯火」ともいう。
類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)
気の合う者、似た者同士は自然に寄り集まって仲間になるということ。
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