「は」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「は」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 233 件
肌を許す(はだをゆるす)
女性が男性の誘いを受け入れて肉体関係を持つこと。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
止めようがないほどの激しい勢いのたとえ。「破竹」は、竹を割ること。竹は始めの一節を割ると、残りが次々と割れていくことから。
八細工七貧乏(はちざいく、しちびんぼう)
なんでもできるような器用な人は一つの事に専念できずにどれも中途半端になってしまい、そのためにかえって貧乏するということ。 「七細工八貧乏」ともいう。
八十の手習い(はちじゅうのてならい)
年をとってから学問や稽古事を始めること。 「八十の手習い」ともいう。
八十八夜の別れ霜(はちじゅうはちやのわかれじも)
八十八夜を最後に、霜も降りなくなるということ。「八十八夜」は、立春から数えて八十八日目に当たる五月二日頃。「別れ霜」は晩春の頃、最後に降りる霜のこと。
八の字を寄せる(はちのじをよせる)
機嫌が悪かったり、悩んだりしている様子。 眉を八の字の形にすることから。 「八の字を寄せる」ともいう。
蜂の巣をつついたよう(はちのすをつついたよう)
大騒ぎになって、手がつけられない様子。蜂の巣をつつくと、多くの蜂がいっせいに飛び出す様子から。
八分されてもまだ二分残る(はちぶされてもまだにぶのこる)
仲間外れにされても負けないということをしゃれていった言葉。「八分」は「村八分」の略で、仲間外れの意。まだ二分残っているから、完全には負けていないといったもの。
白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし)
月日の過ぎるのが、きわめて早いことのたとえ。 「白駒」は白い馬、「隙」は壁のすき間のこと。 人の一生は、白い馬が走り過ぎるのを壁のすき間からちらっと見るようなものだとの意から。
白虹日を貫く(はっこうひをつらぬく)
臣下が君主に対して反乱を起こす予兆のたとえ。白い虹は武器、太陽は君主の象徴と解釈され、白い虹が太陽を貫いてかかることから、兵乱が起こり君主に危害を加える前兆とされたことから。
八歳の翁、百歳の童(はっさいのおきな、ひゃくさいのわらべ)
子どもでも知恵も分別もある者もいれば、老人でも無知で愚かな者もいるということ。 人の賢さは年齢に左右されないということ。 「八歳の翁百歳の童」「十歳の翁百歳の童」「百歳の童、七歳の翁」などともいう。
這っても黒豆(はってもくろまめ)
誤りだとわかっていても、主張を押し通そうとすること。 小さな黒い物体を指して黒豆だと言った者が、その黒い物体が這い出したにもかかわらず黒豆だと言い張ることから。
八方塞がり(はっぽうふさがり)
すべてに差し障りがあってどうしようもないこと。「八方」は、東・西・南・北および北東・北西・南東・南西の八つの方角、つまりあらゆる方向の意。陰陽道で、どの方角に向かって行くのも凶で、行くべき方角がすべて塞がれているということから。
八方破れ(はっぽうやぶれ)
備えがなく、隙だらけであること。 または、生活態度が勝手気ままな様子。
初物七十五日(はつものしちじゅうごにち)
その年の初めての収穫品を食べると、寿命が七十五日延びるということ。
鳩が豆鉄砲を食ったよう(はとがまめでっぽうをくったよう)
突然のことに驚いて、きょとんとしている様子のたとえ。 「豆鉄砲」は、豆や丸めた紙などを弾に使うおもちゃの鉄砲。 豆鉄砲で撃たれてた鳩が、突然のことにびっくりして目を丸くしている様子から。 「鳩に豆鉄砲」「豆鉄砲を食った鳩のよう」ともいう。
鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいあり、からすにはんぽのこうあり)
子の親に対する礼儀や孝行の大切さをいう言葉。 鳩は親鳥よりも三本下の枝にとまり、烏は恩を忘れずに老いた親鳥の口に餌を運んで孝行するといわれる。 鳥でさえ親の恩に報いるのだから、人間はなおさら礼儀を尊び親孝行しなければならないということ。
鳩を憎み豆を作らぬ(はとをにくみまめをつくらぬ)
つまらないことにこだわって、大事なことをしないために、自分や世間に損害を招くことのたとえ。鳩が豆をついばむのを嫌がって、豆を作るのをやめてしまうということから。
鼻息が荒い(はないきがあらい)
物事に取り組もうとする意気込みが激しい様子。
鼻息を窺う(はないきをうかがう)
相手の機嫌や考えをそれとなく探ること。
花一時、人一盛り(はないっとき、ひとひとさかり)
花が咲き誇るのもほんの一時であるように、人も盛んな時はごく短い一時期に過ぎないということ。
花多ければ実少なし(はなおおければみすくなし)
上辺を飾る人は、誠実さに欠けるということのたとえ。 たくさんの花が咲く木にかぎって、実は少ししかならないものであるとの意から。
端から和尚はない(はなからおしょうはない)
物事には順序や段階があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「端」は、物事の最初の意。
鼻が胡坐をかく(はながあぐらをかく)
鼻が低く横に広がっている様子。
鼻が利く(はながきく)
隠し事などを見抜いたり、利益になりそうなことを探し出したりする能力がすぐれていること。
鼻が高い(はながたかい)
得意げな様子。誇らしく思っている様子。
鼻が曲がる(はながまがる)
我慢できないほどひどい臭いがする様子。
鼻糞が目糞を笑う(はなくそがめくそをわらう)
自分の欠点に気付かず、他人の欠点をあざ笑うたとえ。 目糞が鼻糞のことを汚いと笑うとの意から。 「鼻糞が目糞を笑う」ともいう。
鼻糞で鯛を釣る(はなくそでたいをつる)
わずかな元手や労力で大きな利益を得るたとえ。 略して「[[海老鯛(えびたい)*https://kokugo.jitenon.jp/word/p56920]]」ともいう。 また、「蝦蛄(しゃこ)で鯛を釣る」「雑魚(ざこ)で鯛を釣る」「飯粒(めしつぶ)で鯛を釣る」「麦飯(むぎめし・むぎいい)で鯉を釣る」「鼻糞で鯛を釣る」などともいう。
鼻糞丸めて万金丹(はなくそまるめてまんきんたん)
薬の原料は案外つまらないものが多いということ。また、効き目がないことをあざけっていう言葉。 子どもが鼻糞を丸めたりしている時に、はやしたてる言葉としても使われる。 「万金丹」は、気つけや解毒などに使われる丸薬。
鼻薬を嗅がせる(はなぐすりをかがせる)
小額の賄賂を贈るたとえ。 「鼻薬」は、ちょっとした賄賂のたとえ。 「鼻薬を利かせる」「鼻薬を飼う」ともいう。
鼻毛を数える(はなげをかぞえる)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。
鼻毛を抜く(はなげをぬく)
相手の心を見抜いて騙したり、出し抜いたりすること。
鼻毛を伸ばす(はなげをのばす)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
鼻毛を読まれる(はなげをよまれる)
男が自分の惚れている女に甘く見られて、思うように操られるたとえ。
鼻毛を読む(はなげをよむ)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。
鼻声を出す(はなごえをだす)
女性が男性に甘えた声を出すこと。
話が合う(はなしがあう)
趣味や趣向などが同じで楽しく会話ができること。
話が違う(はなしがちがう)
事前に決めていた内容と異なっていること。 または、その物事とは関わりのない問題であること。別問題であること。
話が弾む(はなしがはずむ)
話題が尽きず、会話が盛り上がること。
話が早い(はなしがはやい)
話そうとしていることを相手が既に知っているため、説明する必要がない様子。
話が分かる(はなしがわかる)
相手の気持ちや立場などをよく理解できること。
話上手の聞き下手(はなしじょうずのききべた)
話が上手い人は自分の話に夢中になり、相手の話を聞くのが下手なことが多いということ。
話上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)
話の上手な人は、相手の話を聞くときにもその立場で話を聞くので、上手に会話を続けることができるということ。
話にならない(はなしにならない)
話し合いができる状態ではないこと。 または、酷すぎて話す価値がないこと。
話に乗る(はなしにのる)
相手からの相談や計画などに応じること。
話に花が咲く(はなしにはながさく)
話題が尽きず、会話が盛り上がること。
話の腰を折る(はなしのこしをおる)
相手が話している途中で口を出して、話を中断させること。
話は下で果てる(はなしはしもではてる)
雑談は、話をしているうちにだんだんと下品になっていき、最後は性に関する話になっておしまいになるということ。
話半分(はなしはんぶん)
話は誇張して言い伝えられることが多いので、半分くらい割り引いて聞くのがちょうどよいということ。
「話半分嘘半分」「話半分絵空事」「話半分腹八合」ともいう。話を詰める(はなしをつめる)
しっかりと結論が出せるところまで議論を進めること。
鼻筋が通る(はなすじがとおる)
美しい顔立ちであることを言い表す言葉。 鼻が高く、眉間から鼻先までまっすぐ形が整っているということから。
鼻血も出ない(はなぢもでない)
金を全て使い果たして一円もないこと。
鼻っ柱が強い(はなっぱしらがつよい)
相手に負けまいとする気持ちが強く、簡単に主張を曲げたり、くじけたりしないこと。
花七日(はななぬか)
盛りの時期の短いことのたとえ。桜の花の盛りが七日しかない意から。
花に嵐(はなにあらし)
良い物事には邪魔が入りやすいということのたとえ。 きれいに咲いた桜の花が嵐で散ってしまうとの意から。
鼻に反りを打つ(はなにそりをうつ)
鼻高々と自慢すること。「反りを打つ」とは反りかえらせるという意。
鼻に付く(はなにつく)
似たようなことが何度も繰り返され、飽きて嫌になること。 または、人の言動が煩わしく感じて嫌になること。 嫌な臭いが鼻に付いて消えなくなるという意味から。
花盗人は風流のうち(はなぬすびとはふうりゅうのうち)
美しい花を、つい一枝折ってしまうのは風流というもので、とがめるほどのことではないということ。
鼻の下が長い(はなのしたがながい)
女性に対して甘いこと。女性の色気に惑わされやすいこと。
花の下より鼻の下(はなのしたよりはなのした)
花を楽しむより、鼻の下にある口に食べさせることのほうが大事だということ。
鼻の下を長くする(はなのしたをながくする)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
花は折りたし梢は高し(はなはおりたしこずえはたかし)
欲しいけれど手に入れる方法がないこと、また思うようにいかないことのたとえ。 「梢」は、木の幹や枝の先の部分。 花のついた枝を折りたいが、梢が高くて届かないことから。
花は桜木、人は武士(はなはさくらぎ、ひとはぶし)
花は桜が最も美しく、人は武士が一番だということ。桜がぱっと咲いて散るように、武士の死に際も潔いことから。
花は根に鳥は古巣に(はなはねにとりはふるすに)
物事はすべて、その根源に戻るということ。咲いた花は木の根元に落ちて肥やしになり、空を飛ぶ鳥もやがては巣に帰ることから。
花道を飾る(はなみちをかざる)
最後に立派な功績を残して惜しまれながら引退すること。 「花道」は歌舞伎の劇場に設けられた、客席を貫く通路のこと。俳優の登退場に用いられる。
花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず)
欲張って両方を手に入れようとして、結局どちらも得られないことのたとえ。
花も実もある(はなもみもある)
外観と内容がともに充実していること、または人情も道理もわきまえていることのたとえ。 花が咲いて美しいうえに実までなることから。
花より団子(はなよりだんご)
外観より実利があるもののほうがよいということ。 食べられない花より、団子のほうがありがたいという意味から。
鼻を明かす(はなをあかす)
自分よりも優位な相手を出し抜いて、その人を驚かせること。
鼻を折る(はなをおる)
得意げな相手の心をくじいて恥をかかせること。 「鼻っ柱を折る」ともいう。
花を咲かせる(はなをさかせる)
すぐれた成果を上げて著名になること。 または、盛んにすること。盛り上げること。
花を添える(はなをそえる)
美しいものを加えること。華やかさを増すこと。
鼻を高くする(はなをたかくする)
評価や名声が高くなるような良い結果を出して、得意になること。
鼻を鳴らす(はなをならす)
鼻にかかった声を出して、甘えたりすねたりすること。
花を持たせる(はなをもたせる)
身を退いて、勝利や名誉などを人に譲ること。
歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ)
遠慮せずに思ったことを率直にいうことのたとえ。
羽を伸ばす(はねをのばす)
束縛するものがなくなって、気ままに行動すること。
歯の抜けたよう(はのぬけたよう)
あるべきものがところどころ欠けていて、まばらで不揃いなようす。
歯の根が合わない(はのねがあわない)
寒さや恐怖で身体がふるえ、歯をかみしめていることが出来ないようす。