「め」を含む故事・ことわざ・慣用句
「め」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 684 件
- 心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)- どんな困難でも、精神の持ち方次第で乗り越えられるということ。 「心頭」は、心の中。 心の中から雑念を消し去り、無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられるとの意から。 武田信玄に仕えた禅僧快川が、甲斐の恵林寺で織田信長の軍勢に攻められたとき、火中に正座して言ったとされる言葉。 
- 地獄の一丁目(じごくのいっちょうめ)- きわめて恐ろしい所のたとえ。また、悪の道や破滅に向かう始まりのたとえ。「一丁目」は入り口の意。 
- 児孫のために美田を買わず(じそんのためにびでんをかわず)- 子孫に財産を残せば、それに頼って努力をしないのであえて財産を残さないということ。西郷隆盛の詩の一節。 
- 自明の理(じめいのり)- 証明や説明の必要がないほどにわかりきっていること。 
- 耳目を集める(じもくをあつめる)- 多くの人が意識を向けること。注意や関心を集めること。 
- 上戸めでたや丸裸(じょうごめでたやまるはだか)- 酒飲みはいい気分で酒を飲んで、全財産を酒に使い果たしてしまう者が多いということ。 「上戸かわいや丸裸」ともいう。 
- 上手の猫が爪を隠す(じょうずのねこがつめをかくす)- すぐれた才能や実力のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。 
- 人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)- 出来る限りのことをして、あとは天命に任せるということ。「人事」は人間の力で出来る事柄、「天命」は天の命令の意。 
- 人生、字を識るは憂患の始め(じんせい、じをしるはゆうかんのはじめ)- 人は字を覚え学問をするようになると、心を痛めることが多くなる。なまじ字を覚え学問を積むと、かえって心配したり悩んだりするようになるということ。 
- 透き間風は冷たい(すきまかぜはつめたい)- 義理の仲が、なんとなくしっくりいかないことのたとえ。 または、友人や男女の間で感情の隔たりができると、まったくの他人どうしではないだけに、余計に冷たさが身にしみるというたとえ。 
- 雀、海に入って蛤となる(すずめ、うみにいってはまぐりとなる)- 思いがけない変化があることのたとえ。晩秋の海辺で騒ぐ雀が蛤になるという中国の古い俗信から。 
- 雀の千声鶴の一声(すずめのせんこえつるのひとこえ)- つまらない者がいろいろ言うよりも、すぐれた者の一声のほうが勝っているというたとえ。「鶴の一声」だけでも使われる。 
- 雀の涙(すずめのなみだ)- ごく僅かなもののたとえ。雀が流す少量の涙の意で、多くは金銭について言われる。 
- 雀の糠喜び(すずめのぬかよろこび)- 喜んだ後に当てがはずれることのたとえ。 雀が籾(もみ)を見つけて喜んだ後、米は無く糠のみだと分かりがっかりすることから。 
- 雀百まで踊り忘れず(すずめひゃくまでおどりわすれず)- 小さい頃に身についた習慣は、年をとっても改まりにくいというたとえ。 雀は死ぬまで、踊るように飛び跳ねるて歩くとの意から。 
- 住むばかりの名所(すむばかりのめいしょ)- 名所に住んでいると、他人にはよさそうに見えるが、ただ名所に住んでいるだけのことで、必ずしも住みやすいとは言えないということ。 
- 住めば都(すめばみやこ)- どんな所でも住み慣れると、住みよく思われてくるというたとえ。 
- 随徳寺をきめる(ずいとくじをきめる)- 後先かまわずに一目散に逃げ出すこと。 「ずいと出て行く」をしゃれで寺の名に見立てたもの。 また、「一目散」を山号になぞらえて「一目山随徳寺」ともいう。 
- 聖人に夢なし(せいじんにゆめなし)- 聖人は邪念にとらわれることもないので、夢を見る事もなく心安らかに安眠できるということ。 
- 生は死の始め(せいはしのはじめ)- この世に生まれる時は、死に向かう道のりの始まりでもあるということ。 
- 生命ある所希望あり(せいめいあるところきぼうあり)- 人は希望と忍耐をもって生きるべきであるという戒め。 生きていれば希望は必ずあるということから。 
- 赤面の至り(せきめんのいたり)- 自分を情けなく感じて恥じ入る気持ちを表す言葉。 恥ずかしがって顔を赤くするということから。 
- 席を改める(せきをあらためる)- 会議や宴会などを、改めて別の場所で行うこと。または、別の日時に行うこと。 
- 尺蠖の屈するは伸びんがため(せっかくのくっするはのびんがため)- 将来の成功のためには、一時的に不遇に耐え忍ぶことも必要であるというたとえ。 「尺蠖」は、尺取り虫。 尺取り虫が体を屈めるのは、伸ばした時により前進するためであるとの意から。 
- 雪隠詰め(せっちんづめ)- 将棋で王将を盤の隅に追い込んで詰めること。また、逃げ道のない所へ追い詰めること。 
- 責めを負う(せめをおう)- 自身に責任があると認め、処罰や償いを一人で引き受けること。 
- 千石万石も米五合(せんごくまんごくもこめごごう)- 人には必要な物が必要な分だけあれば十分だということ。 千石、万石といった高い俸禄を得ている人でも、一日に食べる米の量は五合にすぎないとの意から。 「千石万石も飯一杯」ともいう。 
- 前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)- 先人の失敗は後人の戒めになるというたとえ。 前の車が覆るのを見て、後の車は戒めにするとの意から。 単に「後車の戒め」ともいう。 
- 前面に押し出す(ぜんめんにおしだす)- ある物事を目立つように示すこと。 
- 総嘗めにする(そうなめにする)- 複数回行う勝負などで全て勝つこと。 または、賞などを全て獲得すること。 また、災害などで、ある範囲全てに被害が及ぶこと。 
- 糟粕を嘗める(そうはくをなめる)- 先人の真似だけで、工夫や進歩などが一つもないことのたとえ。 「糟粕」は酒粕のことで、よい部分の残り物のたとえ。 
- 外堀を埋める(そとぼりをうめる)- ある目的を達成するために、周りの問題から解決していくことのたとえ。 敵の城を落とすためには、まず外側にある堀を埋めるとの意から。 
- 大義、親を滅す(たいぎ、しんをめっす)- 国や君主に尽くす時は親子兄弟さえ犠牲にすることがあるということ。 
- 大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)- 前触ればかりが大きくて、実際の結果は小さいことのたとえ。 大きな山が音を立てて揺れ動くので、何か大きな事が起こるのかと身構えていると、鼠がたった一匹出てきただけだったとの意から。 「大山」は「泰山」とも書く。 
- 台風の目(たいふうのめ)- 揺れ動く事態の中心となる人物や勢力。[1]より転じた意味。 
 「国政の―となる人物」
- 鷹の前の雀(たかのまえのすずめ)- 鷹の前にいる雀のように、身がすくんでどうすることもできないことのたとえ。 
- 箍を締める(たがをしめる)- 緩んだ気持ちや規律を引き締める。 「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属の輪。 
- 竹に雀(たけにすずめ)- 取り合わせのよい一対のもののたとえ。竹にとまった雀が図柄として取り合わせのよい画であるところから。 
- 闘う雀、人を恐れず(たたかうすずめ、ひとをおそれず)- 何かに無我夢中になっている者は、思いがけない力を発揮するというたとえ。 雀のような弱い鳥でも戦っている時は、人間が近づいても逃げようとしないとの意から。 「闘雀人を恐れず」ともいう。 
- 手綱を締める(たづなをしめる)- 馬が勝手に走り出さないように手綱をしぼること。 転じて、勝手なことをしたり怠けたりしないように注意して見張ることのたとえ。 「手綱」は、馬を操るための綱。 
- 盾の半面(たてのはんめん)- 物事の一面。また、物事の一面だけを見て判断を下すような偏った態度のたとえ。 
- 盾の両面を見よ(たてのりょうめんをみよ)- 物事は、表と裏の両面を観察してから正しく判断せよということ。 
- 炭団に目鼻(たどんにめはな)- 色黒で不器量な顔のたとえ。 
- 他人の正目(たにんのまさめ)- 利害関係のない他人の見方は、公平で正しいというたとえ。「正目」は縦にまっすぐに筋の通った木目のこと。 
- 他人の飯には骨がある(たにんのめしにはほねがある)- 他人の家に世話になって生活することは、どこか窮屈で何かと気を遣うことが多いということ。また、他人の親切には底意があり、頼りきっているとひどい目に遭うこともあるということ。 他人の家で食べる飯は、まるで骨でもあるかのようにのどを通りにくいとの意から。 「他人の飯には棘がある」「他人の飯は強い」ともいう。 
- 他人の飯は白い(たにんのめしはしろい)- 他人のものは、自分のものより良く見えるというたとえ。 
- 他人の飯を食う(たにんのめしをくう)- 親元を離れ、他人の間に揉まれて実社会の経験を積むこと。 
- 他人の飯を食わねば親の恩は知れぬ(たにんのめしをくわねばおやのおんはしれぬ)- 親元を離れ、他人と暮らし、世間で苦労してみなければ、親の恩は知れないということ。 
- 頼む木陰に雨が漏る(たのむこかげにあめがもる)- 頼みにしていたのに、当てが外れることのたとえ。 雨宿りした木陰にも雨が漏ってくるとの意から。 「頼む木の下に雨漏る(たのむこのもと(きのした・きのもと)にあめもる)」ともいう。 
- 頼めば越後から米搗きにも来る(たのめばえちごからこめつきにもくる)- 真心をつくして頼めば、人は嫌とは言えないもので、難しいことであっても承知してくれるというたとえ。 「越後」は、現在の新潟県。ここでは遠いの場所のたとえ。 心から頼めば、遠い場所からでも米搗きに来てくれるとの意から。 
- 旅の犬が尾をすぼめる(たびのいぬがおをすぼめる)- 自分が威張っていられる家の中などでは威勢がいいが、外へ出ると意気地がなくなることのたとえ。犬が自分のなわばりから出ると、威勢がなくなり尾を垂れることから。 
- 卵に目鼻(たまごにめはな)- 卵に目と鼻をつけたような、色白でかわいらしい顔だちのたとえ。 
- 溜め息をすれば親の寿命が縮む(ためいきをすればおやのじゅみょうがちぢむ)- 子どもがため息をつけば、親は寿命が縮むほど心配するから、親にそんな態度を見せてはいけないということ。 
- 矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)- いろいろな角度からよく観察すること。 「矯める」は、目を据えてじっと見ること。 「眇める」は、片目を細めて見ること。 
- 為にする(ためにする)- 別の目的のために、下心をもって事を行うこと。 多くは、自己の利益を重視しようとする行為についていう。 
- 為になる(ためになる)- 有益である。利益になる。 
- 矯めるなら若木のうち(ためるならわかぎのうち)- 樹木の枝などの形を整えるなら柔らかい若木のうちにせよということ。 人間の悪い癖や欠点なども若いうちになおすのがよいというたとえ。 「矯める」は曲げたり伸ばしたりして形を整えること。 
- 短気は未練の初め(たんきはみれんのはじめ)- 短気を起こすと後悔することになり、未練が生じて苦しむことになるということ。 
- 丹精を込める(たんせいをこめる)- 真心を込めて物事を行うこと。 「丹精」は「丹誠」とも書く。 
- 大徳は小怨を滅す(だいとくはしょうえんをめっす)- 受けた恩が大きければ、少しの怨みや不満は気にならなくなるということ。 「大徳」は「たいとく」とも読む。 「大徳は小怨を滅す」ともいう。 
- 駄目押し(だめおし)- もとは、囲碁用語の一つ。囲碁で、どちらの陣地にもならない領域を「駄目」という。 陣地にならない(勝敗に関係ない)駄目に石を置いて自分の地(陣地)を再確認することを駄目押しという。 転じて、間違いないとわかっていることを、念のためにもう一度確認することをいう。 サッカーや野球の試合などでは、勝負がほとんど決まっている時の追加点などをいう。 大相撲では、勝負が決まった後に、さらに相手を押したり倒したりすることをいう。 
- 駄目出し(だめだし)- 悪い点を指摘したり、やり直させたりすること。 演劇などで、俳優の演技を指摘したり、注文をつけたりするという意味の「駄目を出す」から。 
- 駄目で元元(だめでもともと)- たとえ失敗しても、何もしない場合と同じだと考えること。 失敗しても構わないという気持ちでやってみること。 略して「駄目元(だめもと)」ともいう。 
- 駄目を押す(だめをおす)- 間違いないとわかっていることを、念のためにもう一度確認すること。 囲碁で、どちらの陣地にもならない領域を「駄目」という。 陣地にならない(勝敗に関係ない)駄目に石を置いて自分の地(陣地)を再確認することから。 「駄目押しをする」ともいう。 
- 駄目を出す(だめをだす)- 演劇などで、俳優の演技を指摘したり、注文をつけたりすること。 転じて、悪い点を指摘したり、やり直させたりすること。 
- 駄目を踏む(だめをふむ)- 無駄なことをする。つまらないことをする。 
- 断機の戒め(だんきのいましめ)- 物事は途中でやめるべきではないという教え。 孟子が修業の途中で家に帰った時、孟子の母は織りかけの機の糸を断ち切り、修行を中断するのはこのようなものだと戒めたという故事から。 「断機の教え」「孟母断機の戒め」「孟母断機の教え」「断錦」「孟母断機」ともいう。 
- 団子に目鼻(だんごにめはな)- 丸い顔の形容。 
- 痴人の前に夢を説く(ちじんのまえにゆめをとく)- このうえなく馬鹿げたことをするたとえ。愚かな人にとりとめない夢の話を説き聞かせる意から。 
- 痴人夢を説く(ちじんゆめをとく)- 話のつじつまの合わないこと、または要領を得ないことのたとえ。 愚かな者が、自分の見た夢の説明をするとの意から。 
- 血の雨が降る(ちのあめがふる)- 戦争や殺傷事件などによって多くの血が流れる。 
- 血の雨を降らす(ちのあめをふらす)- 戦争や殺傷事件などによって多数の死傷者を出す。 
- 血の巡りが悪い(ちのめぐりがわるい)- 頭の働きが鈍く、理解や判断が遅い。 
- 地の利を占める(ちのりをしめる)- 地理的に有利な条件を備えた場所を自分のものとする。 
- 地歩を占める(ちほをしめる)- 自分の地位や立場をしっかりとしたものにする。 
- 長命すれば恥多し(ちょうめいすればはじおおし)- 長く生きていれば、それだけ恥をかく事も多くなるということ。 「恥」は「辱」とも書く。 また、「長生きは恥多し」「長生きすれば恥多し」「長命すれば恥多し」などともいう。 
- 帳面づらを合わせる(ちょうめんづらをあわせる)- 数字をいじって収入と収支が合うようにすること。 
- ちょっと嘗めたが身の詰まり(ちょっとなめたがみのつまり)- ほんのちょっとだけ、と軽い気持ちで手を出したために、どうにもならない窮地に追い込まれること。 
- 月雪花は一度に眺められぬ(つきゆきはなはいちどにながめられぬ)- よいことが全部一度にそろうことは、あり得ないというたとえ。月の出る晩に雪は降らないし、雪が降ると花は隠れて見えないし、花の咲く昼間に月は出ないということから。 
- 漬物褒めれば嬶褒める(つけものほめればかかほめる)- 漬物の味をほめると、それを漬けた主婦をほめるのと同じことになり、亭主がやきもちを焼く原因になるから気をつけよということ。 
 
         
    