「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2361 件
後生、畏るべし(こうせい、おそるべし)
若い人はいろいろな可能性を持っていて、将来どんな力量を現すかわからないので恐れなければならないということ。「後生」は、あとから生まれる人、後輩の意。
狡兎死して走狗烹らる(こうとししてそうくにらる)
重宝されていたものも必要なくなれば捨てられることのたとえ。また、敵が滅びると有能な家臣も不要になり殺されてしまうことのたとえ。 「狡兎」はすばしこいうさぎ、「走狗」は猟犬のこと。 獲物である兎が死んでしまえば、猟犬は不要になり煮て食べられるとの意から。
功名を竹帛に垂る(こうみょうをちくはくにたる)
手柄を立てて、歴史に名を残すたとえ。「竹帛」は、竹の札と絹のこと。中国で、紙の発明以前に、これに文字を記したところから書物または歴史の意。「垂る」は、残すという意。
甲羅を経る(こうらをへる)
年功を積むこと。また、世間ずれして厚かましくなること。「甲羅」の「甲」は、功・劫に掛けて年の功の意。「ら」は、接尾語。
紅涙を絞る(こうるいをしぼる)
女性が涙をながすこと。 「紅涙」は女性のながす涙のこと。
香炉峰の雪は簾をかかげて見る(こうろほうのゆきはすだれをかかげてみる)
白居易の詩の一節。「香炉峰」は中国江西省北端にある山。
声が潤む(こえがうるむ)
悲しくて声が震えて、涙声になること。
声が掛かる(こえがかかる)
勧誘されたり招待されたりすること。 また、目上の人から推薦されること。
声が潰れる(こえがつぶれる)
大きな声を出すなどして、声がかすれたり出なくなったりすること。
声を掛ける(こえをかける)
呼びかけたり話しかけたりすること。 また、なにかを一緒にするように誘うこと。
声を立てる(こえをたてる)
声をだすこと。声を発すること。
声を大にする(こえをだいにする)
大きな声で言うこと。また、自分の考えや気持ちなどを強く主張すること。
声を作る(こえをつくる)
普段と違う声をわざと出すこと。
声を潜める(こえをひそめる)
他人に聞こえないように、小さな声で話すこと。
声を振り絞る(こえをふりしぼる)
出せる限りの大声をだすこと。
故郷へ錦を飾る(こきょうへにしきをかざる)
立派な着物を着ること。転じて、成功して晴れがましい姿で故郷に帰ること。 単に「錦を飾る」、また「錦衣を着て故郷に帰る」ともいう。
小首を傾げる(こくびをかしげる)
首を軽く傾けて考えること。また、その動作。
苔が生える(こけがはえる)
長い年月を経て古びる様子。役に立たなくなる様子。
こけた上を踏まれる(こけたうえをふまれる)
不幸に見舞われている時に、さらなる不幸に見舞われること。 不幸が重なることのたとえ。 「こける」は、転ぶこと。 転んで倒れた上を踏まれるとの意から。
虚仮にする(こけにする)
人を見下して馬鹿にした態度をとること。 「虚仮」は愚かなこと。また、そのような人のこと。
沽券に関わる(こけんにかかわる)
品位や体面にさしさわることをいう。「沽券」は、土地や家の売買契約の証文のこと。転じて、体面の意。
虎口を脱する(ここうをだっする)
危険な状態からやっとのことで逃れること。「虎口」は、虎の口のように危険な場所の意。
虎口を逃れて竜穴に入る(ここうをのがれてりゅうけつにいる)
次から次へと災難にあうことのたとえ。 虎に食われる危険から逃れたら、今度は竜の住む穴に入り込んでしまうことから。
呱呱の声を上げる(ここのこえをあげる)
赤ん坊が生まれること。 また、物事が新たに誕生すること。 「呱呱」は、赤ん坊の泣き声。
心が洗われる(こころがあらわれる)
心の中の穢(けが)れがなくなり、爽やかで清々しい気分になること。
心が動かされる(こころがうごかされる)
考え方や気持ちなどが揺さぶられること。 「心が動かされる」ともいう。
心がこもる(こころがこもる)
その人の誠意が十分に満ちていること。
心が通ずる(こころがつうずる)
お互いに気持ちを理解しあって、通じあうこと。 「心が通ずる」ともいう。
心が乱れる(こころがみだれる)
あれこれと思い悩み、心の平静が失われること。
志ある者は事竟に成る(こころざしあるものはことついになる)
確固たる志を持っている者は、どんな困難があっても最後には必ず成功するということ。
心につるる姿(こころにつるるすがた)
心のありさまは外見に現れるということ。 「つるる」は「連れる」、伴うという意味。 心が美しいと姿も美しくなり、心が醜いと姿も醜くなるとの意から。
心に留める(こころにとめる)
忘れないように、心にしっかりと覚えておくこと。
心に残る(こころにのこる)
強い感動や印象を受け、そのことをいつまでも忘れることができない。
心の鬼が身を責める(こころのおにがみをせめる)
良心に責められることのたとえ。「心の鬼」は、良心の呵責の意。
心の駒に手綱許すな(こころのこまにたづなゆるすな)
過ちを犯さないように、常に心を引き締めよということ。 「駒」は馬のこと。心を馬にたとえて、放っておくと悪い方へ走りがちなので、手綱を引き締めて制御せよとの意から。
心の欲する所に従えども矩を踰えず(こころのほっするところにしたがえどものりをこえず)
自分の心の思うままに行動しても、決して道徳から外れないということ。
心ほどの世を経る(こころほどのよをへる)
人はその人の心がけ次第で、それにふさわしい人生を送るようになるということ。
心を合わせる(こころをあわせる)
こころを一つにすること。
心を痛める(こころをいためる)
あれこれ思い悩んだり、心配したりすること。
心を入れ替える(こころをいれかえる)
今までの悪い態度や考えを改めること。
心を躍らせる(こころをおどらせる)
期待や喜び、楽しさなどで胸がわくわくすること。
心を鬼にする(こころをおににする)
相手のためにわざと厳しい態度をとること。
心を傾ける(こころをかたむける)
一つのことに集中すること。
心を配る(こころをくばる)
細かいところまで配慮したり、注意を払ったりすること。
心を引かれる(こころをひかれる)
あることに関心をもち、思いを寄せること。
心を許す(こころをゆるす)
相手を信頼して、警戒心や緊張をなくすこと。
心を寄せる(こころをよせる)
ある人に好意をよせること。慕わしく思うこと。
腰が砕ける(こしがくだける)
物事をやり遂げようとする気力が途中でなくなること。 また、腰の力が抜けて体が安定しないこと。
腰が据わる(こしがすわる)
その場所に留まって落ち着いて物事を行うこと。 また、安定した職業や地位についていること。 しっかりと腰が安定しているとの意から。
腰が抜ける(こしがぬける)
驚きや恐怖で、腰の力がぬけて立ち上がれなくなること。 また、気力が抜けて茫然(ぼうぜん)とすること。
胡椒の丸呑み(こしょうのまるのみ)
表面だけを見て、物事の本質を理解しないことのたとえ。 胡椒をかみ砕かずに丸呑みしても、味は分からないことから。
腰を上げる(こしをあげる)
立ち上がること。または、行動を起こすこと。
腰を落ち着ける(こしをおちつける)
転職や転居などをくり返していた人が一つの所に長く留まること。 また、ものごとにじっくりと取り組むこと。
腰を折る(こしをおる)
腰をまげたり屈めたりすること。 また、物事の途中で邪魔を入れること。
腰を据える(こしをすえる)
一つの場所に落ち着くこと。 また、落ち着いて物事を行うこと。
炬燵で河豚汁(こたつでふぐじる)
大事をとりながら危険なことをするという矛盾した行為のたとえ。炬燵でゆっくり休養しながら、危険な河豚汁を食べることから。
子宝、脛が細る(こだから、すねがほそる)
親にとって子どもは宝であるが、育てるためのは脛が細くなるような苦労をするということ。
凝っては思案に余る(こってはしあんにあまる)
物事に熱中しすぎると、よい考えも浮かばなくなり、冷静な判断が出来なくなるということ。
事ある時は仏の足を戴く(ことあるときはほとけのあしをいただく)
普段は不信心な人でも、困ったときには仏の足元にひれ伏して救いを求めるというたとえ。
事ここに至る(ことここにいたる)
事態が切迫し、手の打ちようのない状態になること。
事に当たる(ことにあたる)
ある事柄に携わったり従事したりすること。 または、物事に取り組むこと。
事によると(ことによると)
事の成り行きによっては。もしかすると。
言葉が過ぎる(ことばがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。
言葉尻を捕らえる(ことばじりをとらえる)
相手の言い間違いをとらえて、攻撃したり皮肉ったりすること。
言葉に甘える(ことばにあまえる)
相手からの親切や好意を受けいれること。 多く、「お言葉に甘えて」の形で使われる。
言葉に余る(ことばにあまる)
ことばだけで表現したり言い尽くしたりすることができない。
言葉を飾る(ことばをかざる)
美しいことばで巧みに言い表すこと。また、きれいごとを言うこと。
事を構える(ことをかまえる)
ささいな出来事を大げさにして、争いを起こそうとすること。
事を分ける(ことをわける)
聞く人が理解できるように、筋道をたてて丁寧に説明すること。
子供叱るな来た道だもの年寄り笑うな行く道だもの(こどもしかるなきたみちだものとしよりわらうなゆくみちだもの)
子どものいたずらなどは誰しも身に覚えがあるので叱るべきではないし、自分もいずれ年をとるので老人を笑いものにすべきではないということ。
子供の喧嘩に親が出る(こどものけんかにおやがでる)
子ども同士の喧嘩に親が口出しして、自分の子どもの味方する愚かさを非難する言葉。また、大人気ないふるまいや余計な干渉をするたとえ。
子に過ぎたる宝なし(こにすぎたるたからなし)
子どもは最上の宝であるということ。 「子に勝る宝なし」ともいう。
子はあるも嘆き、なきも嘆き(こはあるもなげき、なきもなげき)
子どもはあればあるで心配事が多く、なければないで嘆きの種になるということ。
小股が切れ上がる(こまたがきれあがる)
きりっと引き締まって小粋な姿をしている女性を表す言葉。
小股を取る(こまたをとる)
相手の隙をねらって自分の利益をはかること。 相手の股の内側を手で掬(すく)ってたおす相撲の技から。 「小股を取る」ともいう。
米食った犬が叩かれずに糠食った犬が叩かれる(こめくったいぬがたたかれずにぬかくったいぬがたたかれる)
大きな悪事をはたらいた者が罪を逃れ、小さな悪事を犯した者が罰せられるたとえ。
米の飯と天道様はどこへ行っても付いて回る(こめのめしとてんとうさまはどこへいってもついてまわる)
どんな所でも太陽が当たるように、どこへ行っても食べることは何とでもなるということ。
転がる石には苔が生えぬ(ころがるいしにはこけがはえぬ)
活発に行動をしている人は常に健康で生き生きしていられることのたとえ。また、転職や転居を繰り返す人は地位も得られず金も貯まらないことのたとえ。 「転石苔を生せず」「転石苔むさず」ともいう。
子を知ること父に若くはなし(こをしることちちにしくはなし)
父親は子どもの長所や短所を誰よりもいちばんよく知っているということ。「若くはなし」は、及ぶものはないという意。
子を棄つる藪はあれど身を棄つる藪はなし(こをすつるやぶはあれどみをすつるやぶはなし)
困窮すると最愛のわが子でも棄てることができるが、自分の身だけは棄てることができないということ。