「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2361 件
辛酸を嘗める(しんさんをなめる)
辛く苦しい目に遭うこと。「辛酸」は、辛い目や苦しい思いのこと。
心証を害する(しんしょうをがいする)
言動が相手に悪い印象を与えること。
寝食を忘れる(しんしょくをわすれる)
寝ることや食べることを忘れるほどに熱心に取り組むこと。
心臓に毛が生えている(しんぞうにけがはえている)
普通では考えられないほどに厚かましく恥知らずな様子。
進退維谷まる(しんたいこれきわまる)
進むことも退くこともできない窮地に追い込まれること。 「谷まる」は窮まる、ぎりぎりの状態に追い込まれること。 「進退谷まる」ともいう。
心胆を寒からしめる(しんたんをさむからしめる)
心の底から恐れおののかせること。震え上がらせること。 「心胆」は、きもったまのこと。 「心肝を寒からしめる」ともいう。
死んだ子の年を数える(しんだこのとしをかぞえる)
今更どうしようもない過去のことを愚痴ったり後悔したりすることのたとえ。 死んでしまった子が今生きていたら何歳になるだろうかと、年を数えて嘆くとの意から。 「死児の齢を数える」ともいう。
死んだら褒められる(しんだらほめられる)
生前悪評のあった人でも、死んでしまうと懐かしがられ、褒められるようになるということ。
神に入る(しんにいる)
技術などが人間のものとは思えないほどの境地に達すること。
真に迫る(しんにせまる)
表現されたものが現実にあるかのように見えること。または、本物と同じように見えること。
信は荘厳より起こる(しんはしょうごんよりおこる)
信仰にも見た目や形式が大切であるということ。 または、形式から内容は導き出されるということ。 寺院や神社の美しく飾られた見た目に感動して信仰心は生まれるということから。
辛抱する木に金がなる(しんぼうするきにかねがなる)
辛抱強くこつこつ努めれば、いつか成功して財産もできるというたとえ。「木」は「気」にかけて言ったもの。
地が出る(じがでる)
隠していた本性が表に出ること。
地金が出る(じがねがでる)
隠していた本性が表に出ること。
時機に投ずる(じきにとうずる)
機会を利用してうまく物事を行うこと。または、時代の流れに乗って行動すること。
忸怩たる思い(じくじたるおもい)
自らの行動や過ちに対して、深く恥じ入る気持ちを表す言葉。 自身の至らなさや失敗を強く意識し、申し訳なさや恥ずかしさに駆られる心情。
時好に投ずる(じこうにとうずる)
時代の風潮に合って、世間にもてはやされること。
地獄にも知る人(じごくにもしるひと)
地獄のようなひどい所でも知り合いはできるものだということ。また、遠くの知らない土地に行っても知人に巡りあえるものだということ。 「冥土にも知る人」ともいう。
自他共に許す(じたともにゆるす)
全ての人がそうであると認めること。
時代掛かる(じだいがかる)
当時よりも昔の時代の感じを与える。古びている。
耳朶に触れる(じだにふれる)
偶然聞くこと。たまたま耳に入ること。聞き及ぶ。
十指に余る(じっしにあまる)
数が多いこと。十本の指で数え切れないということから。
実がある(じつがある)
誠意や思いやりが感じられること。
実を挙げる(じつをあげる)
明確な成果を示すこと。
自腹を切る(じばらをきる)
自分が支払う必要のない経費などをあえて自分の金銭で支払うこと。
耳目となる(じもくとなる)
その人の補佐をすること。その人の目や耳と同じ役割を果たすということから。
耳目に触れる(じもくにふれる)
見たり聞いたりすること。
耳目を集める(じもくをあつめる)
多くの人が意識を向けること。注意や関心を集めること。
邪魔が入る(じゃまがはいる)
物事の途中で、妨げとなる出来事が起こること。
銃弾に倒れる(じゅうだんにたおれる)
銃弾に当たって死ぬこと。
重箱の隅を楊枝でほじくる(じゅうばこのすみをようじでほじくる)
どうでもいいようなつまらない所まで取り上げて、口うるさく言うことのたとえ。 「楊枝で重箱の隅をほじくる」「楊枝で重箱の隅をつつく」「小楊枝で重箱の隅をほじくる」「重箱の隅を突っつく」などともいう。
十分はこぼれる(じゅうぶんはこぼれる)
容器一杯に水をいれると、ちょっとした揺れでこぼれてしまうように、物事も欲を出しすぎると失敗することがあるので、ほどほどが良いということ。
十目の見る所、十指の指さす所(じゅうもくのみるところ、じっしのゆびさすところ)
多くの人が一致して認めること。 十人の目が見て、十人の指が指し示す所との意から。 「十指の指す所」「十目の視る所、十手の指す所」ともいう。
術中に陥る(じゅっちゅうにおちいる)
相手が仕掛けた計略に引っかかること。 「術中にはまる」ともいう。
情が移る(じょうがうつる)
次第に愛情が沸いてくること。
常軌を逸する(じょうきをいっする)
常識外れなことを行ったり言ったりすること。
上戸めでたや丸裸(じょうごめでたやまるはだか)
酒飲みはいい気分で酒を飲んで、全財産を酒に使い果たしてしまう者が多いということ。 「上戸かわいや丸裸」ともいう。
上梓する(じょうしする)
書物を出版すること。昔、木版印刷の版木に梓(あずさ)の木を使ったことから。
上昇気流に乗る(じょうしょうきりゅうにのる)
運が上向き、物事が順調に進むようになること。
上手の手から水が漏る(じょうずのてからみずがもる)
どんな名人でも時には失敗するというたとえ。
冗談から駒が出る(じょうだんからこまがでる)
冗談で言ったことが思いがけず本当になること。「瓢箪(ひょうたん)から駒が出る」のもじり。
冗談にも程がある(じょうだんにもほどがある)
冗談にも程度があり、度が過ぎてはいけないということ。
情に引かされる(じょうにひかされる)
相手に同情してしまい、厳しい決断を下せないこと。
情に絆される(じょうにほだされる)
人情に訴えられ、意思や考えなどから外れた行動をしてしまうこと。
情を通じる(じょうをつうじる)
敵にこっそりと通じていること。内通する。 または、夫婦の関係でない人同士が密かに肉体関係をもつこと。
時流に乗る(じりゅうにのる)
その時代の流行や風潮、傾向などの流れを利用して物事をうまく進めること。
辞を低くする(じをひくくする)
敬意をもって丁寧な言葉で話すこと。
仁義を切る(じんぎをきる)
博徒や香具師などが行う独特の初対面の挨拶。転じて、交渉や相談などがうまくいくように事前に関係者などに一通りの挨拶をしておくこと。
人口に膾炙する(じんこうにかいしゃする)
多くの人々に知れ渡って、もてはやされること。「膾」はなます、「炙」はあぶった肉のことで、この二つは多くの人の口に喜ばれることから。
人心の同じからざるは其の面の如し(じんしんのおなじからざるはそのおもてのごとし)
人の顔がひとりひとり違うように、人の心もそれぞれ異なるということ。 「人心の同じからざるは其の面の如し」ともいう。
人生、字を識るは憂患の始め(じんせい、じをしるはゆうかんのはじめ)
人は字を覚え学問をするようになると、心を痛めることが多くなる。なまじ字を覚え学問を積むと、かえって心配したり悩んだりするようになるということ。
陣門に降る(じんもんにくだる)
戦争に負けて降伏すること。また、競争や試合に負けること。 「陣門」は、陣営の入り口のこと。投降して敵の陣門に入るとの意から。 「軍門に下る」ともいう。
陣を取る(じんをとる)
戦争の陣地や陣営を構えること。または、ある場所を自分のものとすること。 「陣取る」や「陣を構える」ともいう。
粋が川へはまる(すいがかわへはまる)
手慣れた人や専門家でも、気の緩みなどによって失敗することがあるというたとえ。
好いた同士は泣いても連れる(すいたどうしはないてもつれる)
お互いに好き合った男女は、辛さに泣きながらでも離れず連れ添うものだということ。
水泡に帰する(すいほうにきする)
水の泡がはかなく消えるように、努力したことがまったく無駄に終わることのたとえ。
酸いも甘いも噛み分ける(すいもあまいもかみわける)
経験が豊かで、世間の事情も人の心の繊細さも知り尽くしていること。 酸っぱい物と甘い物を区別して味わい、いい点と悪い点をよく知っているとの意から。 「酸いも甘いも知っている」「酸いも甘いも知り抜く」ともいう。
末大なれば必ず折る(すえだいなればかならずおる)
下の者の勢力が強くなると、上の者は必ず倒されてしまうということ。 松葉が茂り重くなると、強い幹も折れてしまうとの意から。
素顔を見せる(すがおをみせる)
飾り立てていない本当の姿を見せること。
過ぎたるは猶及ばざるが如し(すぎたるはなおおよばざるがごとし)
物事の度が過ぎると、足りないのと同じくらい良くないので、何事もほどほどが最良だということ。
凄みを利かせる(すごみをきかせる)
相手を脅すような言動をすること。
雀、海に入って蛤となる(すずめ、うみにいってはまぐりとなる)
思いがけない変化があることのたとえ。晩秋の海辺で騒ぐ雀が蛤になるという中国の古い俗信から。
雀の千声鶴の一声(すずめのせんこえつるのひとこえ)
つまらない者がいろいろ言うよりも、すぐれた者の一声のほうが勝っているというたとえ。「鶴の一声」だけでも使われる。
スタートを切る(すたーとをきる)
走り始めること。出発すること。 または、新たに物事を始めること。
捨て石になる(すていしになる)
大きな目的を達成するために犠牲になるたとえ。「捨て石」は、囲碁で、作戦上相手に取らせるように打つ石のこと。
捨て子は世に出る(すてごはよにでる)
捨て子は出世するということ。親に見捨てられるような人間は逆境にも負けず、たくましく育ち、かえって世に出るものであるということ。
捨てる神あれば拾う神あり(すてるかみあればひろうかみあり)
人から見捨てられることもあれば、親切に助けてくれる人もいる。たとえ不運なことがあっても、くよくよするなということ。 「捨てる神あれば助ける神あり」ともいう。
脛に疵持てば笹原走る(すねにきずもてばささはらはしる)
自分の身にやましいところのある者は、落ち着いて生活することができないということ。 脛に傷のある者は笹が傷にふれると痛いので笹原を走り抜ける、または後ろめたいことがある者は笹の葉のそよぐ音にもおびえて走り出すとの意から。
スポットを当てる(すぽっとをあてる)
その物事に特に注目して取り上げること。 「スポット」は「スポットライト」を略したもの。
相撲に勝って勝負に負ける(すもうにかってしょうぶにまける)
内容や経過は良いにもかかわらず、結果的に失敗してしまうことのたとえ。 相撲の内容では優勢だったのに、ちょっとしたはずみで負けてしまうとの意から。
相撲に負けて妻の面張る(すもうにまけてつまのつらはる)
外でうまくいかないことがあった男が、家で妻に八つ当たりすること。また、弱い者が自分よりさらに弱い者をいじめること。 相撲に負けて帰った男が、腹いせに妻の顔を殴るとの意から。 「喧嘩に負けて妻の面を張る」ともいう。
擂り粉木で芋を盛る(すりこぎでいもをもる)
絶対にできないことのたとえ。不可能なことのたとえ。 「擂り粉木」は、すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒。 丸い棒を用いて、丸い芋を皿に盛りつけようとしてもできないとの意から。
擂り粉木で腹を切る(すりこぎではらをきる)
出来るはずがないこと、不可能なことのたとえ。 「擂り粉木」は、すり鉢で物をするときに用いる先の丸い棒。 すりこぎを刀のかわりにしても、腹を切ることはできないことから。
駿河の富士と一里塚(するがのふじといちりづか)
かけ離れていて比較にならないことのたとえ。 「一里塚」は、街道の一里の目印として土を小高く盛って作った塚のこと。 形は似ていても大きさのかけ離れた一里塚と富士山を比べるとの意から。
する事なす事(することなすこと)
その人の行いの全て。
随徳寺をきめる(ずいとくじをきめる)
後先かまわずに一目散に逃げ出すこと。 「ずいと出て行く」をしゃれで寺の名に見立てたもの。 また、「一目散」を山号になぞらえて「一目山随徳寺」ともいう。
ずきが回る(ずきがまわる)
逃げた犯人などが手配されること。手が回ること。 「ずき」は盗賊などが使う隠語で、刑事のこと。
図に当たる(ずにあたる)
物事が予測や計画の通りに進むこと。
図に乗る(ずにのる)
狙い通りになって得意になること。つけあがること。
図抜ける(ずぬける)
他のものよりも際立ってすぐれていること。並外れる。ずば抜ける。