「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2361 件
有るか無きか(あるかなきか)
有るのか無いのかわからないほど、ほんのわずかなさま。
歩く足には塵が付く(あるくあしにはちりがつく)
何か物事を行おうとすれば必ず煩わしいことが起きる。だから何もせずじっとしているのにかぎるということ。 「歩く足には泥が付く」ともいう。
ある手からこぼれる(あるてからこぼれる)
金持ちは金が有り余るほどあるから、自然にまわりに金がこぼれ落ちる。だから施す気持ちがなくても、まわりの人々に恩恵を施していることになるということ。
ある時は米の飯(あるときはこめのめし)
あとで困ると思いながらも、余裕のある時は贅沢や浪費をしてしまうということ。米の飯が貴重だった昔、特別な日に腹いっぱい米の飯を食べつくしてしまうことから。
ある時払いの催促なし(あるときばらいのさいそくなし)
金の都合がついた時に返せばいい、催促は一切しないという寛大な借金の返済条件をいう言葉。
あるところにはあるもの(あるところにはあるもの)
世間の多くの人は金で苦労するものだが、一方で金持ちは有り余るほどの金を持っているということ。
あるは厭なり思うは成らず(あるはいやなりおもうはならず)
ものごとが思うようにいかないこと。 自分を好きになってくれる相手は好きになれず、自分が思う相手はふりむいてくれないという意味から。
あるはないに勝る(あるはないにまさる)
何事であれ、まったく無いよりは少しでもあるほうがましということ。
アルファでありオメガである(あるふぁでありおめがである)
最初であると同時に最後でもあるということ。 すべて。ぜんぶ。 アルファはギリシャ語の最初の文字で、オメガは最後の文字。
合わせる顔がない(あわせるかおがない)
相手の期待や信頼を裏切るようなことをして、申し訳なくてその人に会いにくいというたとえ。 「あわせる」は「あわす」ともいう。 また「合」は「会」とも書く。
慌てる蟹は穴へ入れぬ(あわてるかにはあなへはいれぬ)
何事も焦ったり慌てたりすると失敗するというたとえ。 「慌てる蟹は穴の口で死ぬ」ともいう。
慌てる乞食は貰いが少ない(あわてるこじきはもらいがすくない)
急ぎ過ぎると、かえって失敗したり損をすることのたとえ。 先を争って施し物を貰おうとすると反感を買ってしまい、貰える物が少なくなってしまうとの意から。
泡を吹かせる(あわをふかせる)
驚き慌てさせる。度肝を抜く。
暗影を投ずる(あんえいをとうずる)
これからの成り行きに対する不安を投げかけること。 「暗影」は暗い影。転じて不安や不吉の兆し。
暗礁に乗り上げる(あんしょうにのりあげる)
思わぬ障害によって、物事の進行が阻まれることのたとえ。 「暗礁」は水面下にあって見えない岩のこと。 船が海の中の見えない岩に乗り上げて、先に進めなくなるとの意から。
案じてたもるより銭たもれ(あんじてたもるよりぜにたもれ)
心配して下さるより銭を下さいということ。口だけで心配してくれても、実質が伴わなければ役に立たない。心配するより銭をくれ、ということをおもしろい語呂合わせで言った言葉。「たもる」は「賜わる」が転じた言葉。
案じるより団子汁(あんじるよりだんごじる)
あれこれ心配しても仕方ないから、団子汁でも食べて気を紛らわしたほうがよいという助言。 「案じる」は「餡汁」の語呂合わせ。 団子汁は餡汁に団子を入れたもの。ただの餡汁よりいいというしゃれでもある。
案ずるより産むが易し(あんずるよりうむがやすし)
あれこれ心配するより、物事は実際にやってみると意外とたやすく出来るということのたとえ。出産の前はいろいろ心配するものだが、終わってみると心配したほどではなかったということから。
アンテナを張る(あんてなをはる)
いろいろな手段や方法をとって、情報を集めること。
案に相違する(あんにそういする)
前もって考えていたこととは違うということ。予想がはずれる。 「案に違う」ともいう。
Rのない月の牡蠣はよくない(あーるのないつきのかきはよくない)
英語の月名でRの文字が入っていない月(5月~8月)の牡蠣は食べるべきではないということ。 この時期は牡蠣の産卵期にあたることから。 May(5月)、June(6月)、July(7月)、August(8月)このように5月~8月はRの文字が入っていない。
いい後は悪い(いいあとはわるい)
いい事があった後は、とかく悪いことが起こりがちであるから、調子に乗ってはいけないということ。
言い掛かりを付ける(いいがかりをつける)
根拠のないことを言って、相手を困らせること。
いい気になる(いいきになる)
思いあがる。うぬぼれる。
異域の鬼となる(いいきのおにとなる)
外国で死ぬこと。「異域」は外国、「鬼」はは死者の意。
いい薬になる(いいくすりになる)
辛い経験や失敗などが教訓として役に立つ、という意。
いい子になる(いいこになる)
自分だけがよく思われるように、ずるく立ち回ること。
いい仲になる(いいなかになる)
男女が親密な間柄になること。
言い含める(いいふくめる)
事情や内容を理解してもらえるようにしっかりと言うこと。
「事情を―」いい目が出る(いいめがでる)
物事が思い通りになること。運が向いてくること。 さいころ賭博(とばく)で、望み通りの目が出るということから。
いい目を見る(いいめをみる)
幸せな状態を経験すること。
いいようにする(いいようにする)
自分の思い通りに事を運ぶこと。
言い寄る(いいよる)
仲良くなろうとして異性に近付く。くどく。
「異性に―」言うと行うとは別問題である(いうとおこなうとはべつもんだいである)
口で言うことと、それを実行することとは別で、言葉通りに実践するのは難しいということ。
家給し人足る(いえきゅうしひとたる)
全ての家庭と人々が豊かで満足のいく生活を送り、盗みや争いがなく、社会が平和で安定している様子。
家貧しくして孝子顕る(いえまずしくしてこうしあらわる)
貧乏な家庭では、子どもも親を助けるために働いたりするので、その孝行ぶりが目立って人に知られるようになるということ。 逆境のときに、それを助けるものが現れること。
家を傾ける(いえをかたむける)
一家の財産をなくすこと。身代を持ち崩す。
家を外にする(いえをそとにする)
事情があって外出していること。また、自分の家に帰らず、外泊すること。
怒り心頭に発する(いかりしんとうにはっする)
心の底から激しい怒りがわきあがること。 「心頭」は心の中の意。
怒れる拳、笑顔に当たらず(いかれるこぶし、えがおにあたらず)
怒って強い態度で向かってきた者に対しても、優しい態度で接するほうが効果的であるということ。怒って振り上げた拳も、相手の笑顔に気勢をそがれて打ち下ろせないとの意から。
毬栗も内から割れる(いがぐりもうちからわれる)
誰でも年ごろになると自然と色気が出てくるということのたとえ。特に女性についていう。 鋭いとげのある毬栗でも熟せば自然にはじけて実が飛び出すとの意から。
鋳型に嵌める(いがたにはめる)
画一化すること。一定の枠にはめ込んで特徴のないものを作ること。
意気が揚がる(いきがあがる)
何かをやり遂げようとする積極的な気持ちが高まること。
息が掛かる(いきがかかる)
有力者の影響や支配を受けていること。
息が切れる(いきがきれる)
呼吸が苦しくなること。また、物事を長く続けられなくなること。
息が詰まる(いきがつまる)
極度の緊張で、息苦しい気分になること。
息切れがする(いきぎれがする)
呼吸が苦しくなること。また、物事を長く続けられなくなること。
生き血をすする(いきちをすする)
情け容赦なく、他人のものを取り上げること。 「生き血をすする」「生き血をしぼる」ともいう。
生きている犬は死んだライオンに勝る(いきているいぬはしんだらいおんにまさる)
どんな偉人でも死んでしまってはおしまいだから、凡人でも生きてる方がいいということ。
意気投合する(いきとうごうする)
互いの気持ちがぴったりと一致すること。
生きとし生けるもの(いきとしいけるもの)
この世に生きているすべてのもの。
意気に感じる(いきにかんじる)
相手のひたむきな気持ちに感動し、自分も物事を行おうとする気持ちになる。
意気に燃える(いきにもえる)
物事を積極的に行おうとする意欲を強く抱くこと。
息抜きをする(いきぬきをする)
緊張を緩めて一休みすること。 「息抜きをする」ともいう。
息の根を止める(いきのねをとめる)
殺す。また、二度と立ち直れないように、徹底的に打ち負かす。
生きるべきか死すべきかそれが問題だ(いきるべきかしすべきかそれがもんだいだ)
生きるか死ぬか、どちらの方法を選ぶべきなのかなど、選択すべき状況で思い悩む気持ちを表す言葉。シェークスピアの戯曲『ハムレット』から。
息を詰める(いきをつめる)
呼吸を抑えて、動かずにじっとしている。
息を弾ませる(いきをはずませる)
激しい運動や興奮のために、荒い息づかいをすること。
息を引き取る(いきをひきとる)
死ぬ。呼吸が止まる。
息を潜める(いきをひそめる)
存在に気づかれないように、息をおさえてじっとしていることのたとえ。
生ける屍(いけるしかばね)
身体が生きているだけで、精神的には死んだも同然の人。
意見と餅はつくほど練れる(いけんともちはつくほどねれる)
餅は、つけばつくほど練れて粘りのあるおいしい餅になる。他人の意見も、つき従うようにすればするほど、よい結果が得られるということ。
意志のある所には道がある(いしのあるところにはみちがある)
実現しようという意志があれば、できないことはないというたとえ。
石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)
用心の上にも用心を重ねて事を行うことのたとえ。 丈夫な石橋ですら安全を確かめてから渡るとの意から。
医者が取るか坊主が取るか(いしゃがとるかぼうずがとるか)
生死の境にいるような重病人のこと。生きているうちは医者が金を取り、死んでしまえば僧侶が金を取るということから。また、所詮あの世に金は持っていけないと守銭奴を皮肉ることば。
医者と味噌は古いほどよい(いしゃとみそはふるいほどよい)
医者は経験を積んだ年寄りのほうが信頼できるし、味噌は年月が経ったもののほうがおいしいということ。
衣食足りて栄辱を知る(いしょくたりてえいじょくをしる)
人は生活にゆとりができて、初めて礼儀や節度をわきまえるようになるということ。
衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)
人は生活にゆとりができて、初めて礼儀や節度をわきまえるようになるということ。
石を抱きて淵に入る(いしをいだきてふちにいる)
自分から進んで災難や危険を招くようなことをするたとえ。自ら石を抱いて、川の深みに入るような無謀なことをするの意から。
意地になる(いじになる)
何があっても譲らず、自分の主張を押し通そうとすること。
意地張るより頬張れ(いじはるよりほおばれ)
意地を張って食べずにいるより、卑しく思われても食べるほうがいいということ。
意地を張る(いじをはる)
何が何でも自分の考えを押し通そうとすること。
磯際で船を破る(いそぎわでふねをやぶる)
物事が達成する直前で失敗してしまうこと。 港の近くまできた船が難破してしまうとの意から。
痛い目を見る(いたいめをみる)
つらい体験をすること。ひどい目にあう。 「遭う」は「合う」とも書く。 また「痛い目を見る」ともいう。
痛くもない腹を探られる(いたくもないはらをさぐられる)
やましいところがないのに疑いをかけられること。 腹痛でもないのに、痛いところはどこかと探られるとの意から。
鼬の道を切る(いたちのみちをきる)
交際や音信が途絶えることのたとえ。 鼬(イタチ)は一度通った道は二度と通らないといわれることから。 「鼬の道を切る」「鼬の道が切れる」「鼬の道」ともいう。
板挟みになる(いたばさみになる)
対立する両者の間で、どちらに付くこともできず思い悩むこと。 板と板の間に挟まれて身動きがとれないとの意から。
痛む上に塩を塗る(いたむうえにしおをぬる)
悪いことにさらに悪いことが重なるたとえ。 痛みがある傷口に塩を塗れば、いっそう痛くなることから。
一瓜実に二丸顔(いちうりざねににまるがお)
女性の顔立ちで、一番良いのはやや細長く白い瓜実顔、二番目は愛嬌のある丸顔だということ。その後に「三平顔に四長顔、五まで下がった馬面顔」と続く。
一芸は道に通ずる(いちげいはみちにつうずる)
一芸を極めた人は、他のどんな分野においても人にぬきんでることができるということ。