「頭」を含む故事・ことわざ・慣用句
「頭」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 87 件
頭打ちになる(あたまうちになる)
物事が限界に達して、それ以上には上がらない状態になること。
頭押さえりゃ尻上がる(あたまおさえりゃしりあがる)
両方うまくはいかないということ。頭を押さえれば尻が持ち上げるように、一方がうまくいけば、もう片方がうまくいかなくなるということから。
頭搔くか字を書くか(あたまかくかじをかくか)
文字を書くのが苦手な者が、字を書かなければならくなり、困り果てている様子をからかっていう言葉。「掻く」と「書く」は語呂をあわせ。
頭隠して尻隠さず(あたまかくしてしりかくさず)
悪事や欠点の一部を隠して、全部を隠したつもりでいる者をあざけっていう言葉。雉(きじ)が草むらに頭を突っ込み隠れたつもりでも、尾が見えていることから。
頭から(あたまから)
状況や事情などを考慮せず、一方的な態度をとるようす。
頭から水を浴びたよう(あたまからみずをあびたよう)
突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。
頭から水を掛けられたよう(あたまからみずをかけられたよう)
突然起こった恐ろしい出来事に、驚き恐れてぞっとすることのたとえ。
頭から湯気を立てる(あたまからゆげをたてる)
激怒するようす。かんかんになって怒るようす。
頭が上がらない(あたまがあがらない)
相手に対して負い目があったり、恩義があったりして、対等の立場で接することができないようす。
頭が痛い(あたまがいたい)
心配事や解決し難い問題などを抱えて、思い悩んでいるようす。
頭が動けば尾も動く(あたまがうごけばおもうごく)
上に立つ者が行動すれば、下の者は自然と従うということ。 動物の頭と尾は一体で、頭が動けば当然尾も動くという意味から。
頭が固い(あたまがかたい)
既存の観念にとらわれて、柔軟な考え方が出来ないこと。融通が利かないこと。
頭が切れる(あたまがきれる)
頭の回転が速く、物事に対して的確な対処ができるさま。
頭が下がる(あたまがさがる)
相手の人がらや行いが立派で、感心すること。心から敬服すること。
頭が低い(あたまがひくい)
人に対する態度が、謙虚で丁寧であるさま。
頭が古い(あたまがふるい)
物事に対する考え方や価値観が、古臭く時代遅れであること。
頭が割れるよう(あたまがわれるよう)
頭痛がひどいことのたとえ。
頭剃るより心を剃れ(あたまそるよりこころをそれ)
外見より精神が大事だということ。 頭を剃って姿だけ僧になるより、まず心を清浄せよということ。
頭でっかち尻つぼみ(あたまでっかちしりつぼみ)
最初は威勢よく、だんだん勢いがなくなり、最後はだらしなくなること。
頭に入れる(あたまにいれる)
しっかりと理解して、記憶にとどめること。
頭に来る(あたまにくる)
怒る。かっとなる。
頭に血が上る(あたまにちがのぼる)
感情がたかぶって冷静な判断ができなくなる。かっとなる。
頭の上の蠅も追われぬ(あたまのうえのはえもおわれぬ)
自分自身のことさえ満足に出来ないことのたとえ。 自分の頭にたかる蠅さえ追い払えないという意味から。
頭の上の蠅を追え(あたまのうえのはえをおえ)
他人のことをとやかく言ったり世話を焼いたりする前に、まずは自分自身のことを始末しなさい、という教え。
頭の黒い鼠(あたまのくろいねずみ)
物を盗む人のこと。家に住んでいて、物を盗む頭髪の黒い人間を、鼠になぞらえて言う言葉。
頭の天辺から足の爪先まで(あたまのてっぺんからあしのつまさきまで)
人の身体の上から下まで。全身のこと。転じて、何から何まで。全部。すべて。
頭の濡れぬ思案(あたまのぬれぬしあん)
先のことを考えるより、まずは自分の身に及んでいる問題を解決することが大事だということ。 いま降っている雨で頭を濡れないようにすることが先決だとの意から。
頭禿げても浮気はやまぬ(あたまはげてもうわきはやまぬ)
年をとっても色気がなくならず、浮気心はおさまらないということ。
頭を痛める(あたまをいためる)
ある物事について、心配したり思い悩んだりする。
頭を抱える(あたまをかかえる)
心配事や悩み事について、良い解決策が見つからずに苦しむ。困り果てる。
頭を搔く(あたまをかく)
小さな失敗について気まずく感じたり、恥ずかしく照れたりしたときなどに行う、頭に手をやって軽くかくしぐさのこと。
頭を切り替える(あたまをきりかえる)
それまでの考え方から離れて、別の考え方や手法に改める。
頭を下げる(あたまをさげる)
謝ること。お辞儀をすること。また、感服すること。尊敬すること。
頭を絞る(あたまをしぼる)
よい方法や意見などが思いつくように、一生懸命考え抜くこと。
頭を突っ込む(あたまをつっこむ)
興味や関心のある物事に関わりを持つ。仲間になる。また、深入りする。
頭を悩ます(あたまをなやます)
どうしたらよいかと、あれこれ考えて苦しむさま。
頭を撥ねる(あたまをはねる)
他人の利益の一部をかすめとって、自分のものにする。
頭を捻る(あたまをひねる)
よいやり方を工夫したり、物事の対処のためにいろいろと考えたりすること。
頭を冷やす(あたまをひやす)
興奮を静めて、冷静になる。
頭を丸める(あたまをまるめる)
髪の毛を剃って、丸坊主にする。転じて、出家すること。
頭を擡げる(あたまをもたげる)
今まで意識していなかった考えや思いが浮かんでくること。 また、少しずつ力をつけて、実力を示すようになること。台頭する。
怒り心頭に発する(いかりしんとうにはっする)
心の底から激しい怒りがわきあがること。 「心頭」は心の中の意。
一頭地を抜く(いっとうちをぬく)
他の人より一段と優れていること。 「一頭地」の「一頭」は頭一つ分の高さのことで、「地」は助辞で意味はもたない。 人より頭一つ分抜きん出ているとの意から。
芋頭でも頭は頭(いもがしらでもかしらはかしら)
どんなに小さな集団の長でも、長にかわりはないということ。「芋頭」は里芋の球茎、親芋。
厭と頭を縦に振る(いやとかぶりをたてにふる)
うわべの態度と本心とがまるで違うことのたとえ。 口ではいやだと言いながら、首を縦にふって承諾することから。
鰯の頭も信心から(いわしのあたまもしんじんから)
どんなつまらないものでも、信じる心があれば尊く思われるということ。節分の夜、鰯の頭をひいらぎの枝に刺して門口に置くと鬼気を追い払うといわれてきたことから。
己の頭の蠅を追え(おのれのあたまのはえをおえ)
他人のことをあれこれ言う前に、まずは自分の問題を始末せよということ。 他人にたかる蠅を追い払うより、まずは自分にたかる蠅を追い払えとの意から。 単に「己の頭の蠅を追え」とも、「我が頭の蠅を追え」ともいう。
音頭を取る(おんどをとる)
大勢で何かを行うとき、先頭に立って取りまとめをすること。
踵で頭痛を病む(かかとでずつうをやむ)
見当違いの心配をするたとえ。
頭が動かねば尾が動かぬ(かしらがうごかねばおがうごかぬ)
上に立つ者がすすんんで行動しなければ、下の者は働かないというたとえ。
頭に霜を戴く(かしらにしもをいただく)
頭髪が白髪になること。白髪が目立つこと。 白髪を霜にたとえた言葉。 「頭に霜を置く」「霜を置く」ともいう。
頭を下ろす(かしらをおろす)
頭髪を剃り落として尼僧になること。 「頭を下ろす」ともいう。
頭を振る(かぶりをふる)
頭を左右にふって、不承知または否定のきもちをあらわす。
神は正直の頭に宿る(かみはしょうじきのこうべにやどる)
正直で誠実な人には必ず神の助けがあるということ。
烏の頭の白くなるまで(からすのあたまのしろくなるまで)
いつまで経ってもその時がこないことのたとえ。中国、戦国時代に燕の太子丹が人質になった時、奏王が「烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら国へ帰す」と言ったという故事から。
橋頭堡(きょうとうほ)
事に着手する時の足がかり・拠点。本来は、橋を守るために橋のたもとに構築した陣地や、川・湖・海を渡った敵地につくる上陸拠点のこと。もとの読みは「きょうとうほう」。
口頭の交わり(こうとうのまじわり)
口先だけの交際。うわべだけの付き合い。
ごまめでも尾頭つき(ごまめでもおかしらつき)
小さいながらも立派に形が整っていることのたとえ。「ごまめ」は片口鰯を干したもので、小さくても頭から尾までそろっていることから。
正直の頭に神宿る(しょうじきのこうべにかみやどる)
正直な人には必ず神の助けがあるということ。
心中より饅頭(しんじゅうよりまんじゅう)
見栄や体裁よりも、実際の利益を重んじるべきだということ。義理立てして心中するより、饅頭で腹を満たしたほうがいいということから。
心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)
どんな困難でも、精神の持ち方次第で乗り越えられるということ。 「心頭」は、心の中。 心の中から雑念を消し去り、無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられるとの意から。 武田信玄に仕えた禅僧快川が、甲斐の恵林寺で織田信長の軍勢に攻められたとき、火中に正座して言ったとされる言葉。
頭が高い(ずがたかい)
上の立場の人に無礼な態度をとること。 礼をする時の頭の下げ方が足りないという意味から。
頭痛の種(ずつうのたね)
苦労や悩みなどの原因となるもの。
雪隠で饅頭(せっちんでまんじゅう)
空腹を満たすのに場所を選ばないことのたとえ。また、人に隠れて、自分だけこっそりいい思いをすることのたとえ。
先頭を切る(せんとうをきる)
誰よりも先に始めること。
船頭多くして、船、山へ登る(せんどうおおくして、ふね、やまへのぼる)
指図する人間が多すぎて統一が取れず、物事が順調に運ばなかったり、とんでもない方向へ進んでしまったりすることのたとえ。 「船頭」は船長のこと。 まるで船頭かのように指示を出す人間が多すぎると、船が山に登ってしまうような見当違いの方向に物事が進んでしまうとの意から。
船頭のそら急ぎ(せんどうのそらいそぎ)
本当は急いでいないのに、急いでいるふりをすることのたとえ。船頭が「船が出るぞ」と言って客を船に乗り込ませながら、なかなか船を出さないことから。
鯛の尾より鰯の頭(たいのおよりいわしのかしら)
大きな集団の最後についているよりも、たとえ小さな集団でもその先頭に立つほうがいいというたとえ。
蛸の糞で頭へあがる(たこのくそであたまへあがる)
自分は思いあがって得意になっているが、他人からはいやしめられていることのたとえ。 かつては、本来の蛸の胴部が頭であると考えられていたことから、糞が頭にあることをいった語。
他人の疝気を頭痛に病む(たにんのせんきをずつうにやむ)
自分には関係のない物事で、いらぬ心配をすることのたとえ。 「疝気」は漢方で腰・下腹部の病気のこと。 他人の疝気を心配して自分が頭痛になることから。 「人の疝気を頭痛に病む」「隣の疝気を頭痛に病む」ともいう。
出船に船頭待たず(でふねにせんどうまたず)
好機が到来したら、他の事情などをかまってはいられないということ。出航にちょうどいい風向きになったら、たとえ船頭がいなくても待っていられないということから。
頭角を現す(とうかくをあらわす)
才能や腕前が群を抜いてすぐれ、際立って目立つこと。「頭角」とは頭の先のことで、大勢の中で頭の先を他者より高く現しているという意味。
時の花を挿頭にせよ(ときのはなをかざしにせよ)
時流に乗って世渡りすることがよいということ。 「挿頭」は髪や冠に挿す飾り花のこと。 その時季に咲く花を飾るように、その時代の風潮や傾向に合わせて暮らすべきであるということ。
年寄りと釘頭は引っ込むが良し(としよりとくぎがしらはひっこむがよし)
打った釘の頭が飛び出ていないほうがいいように、年よりもでしゃばらないほうがいいということ。
泣く子と地頭には勝てぬ(なくことじとうにはかてぬ)
道理の通じない相手にはかなわないから、争っても無駄ということのたとえ。 「地頭」は、中世の荘園管理に当たった権力ある役人。
二八月は船頭のあぐみ時(にはちがつはせんどうのあぐみどき)
二月と八月は、海が荒れて舟が出せない日が多いので、船頭も困るということ。
念頭に置く(ねんとうにおく)
常にそのことを意識すること。
恥と頭は搔き次第(はじとあたまはかきしだい)
どんなに恥をかいてもいっこうに平気で、恥ずかしいことを続けていくこと。自由に頭を掻くように、恥をかき続けてもまるで気にしないことから。
百尺竿頭一歩を進む(ひゃくしゃくかんとういっぽをすすむ)
目標を達成しても、さらに向上しようと努力すること。また、十分に説明をした上に、さらに一歩進めて説明すること。 百尺の竿の先端に達しても、さらに一歩進もうとするとの意から。 「百尺」は「ひゃくせき」ともいう。
舟は船頭に任せよ(ふねはせんどうにまかせよ)
何事もその道の専門家に任せたほうがうまくいくというたとえ。 船に乗った時は、口出しせずに船頭に任せるのが一番よいとの意から。