「い」を含む故事・ことわざ・慣用句
「い」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2678 件
畑違い(はたけちがい)
専門とする分野や領域が違うようす。
裸一貫(はだかいっかん)
自分の体のほかには、資本となるものを持っていないこと。 「貫」は昔の貨幣の単位。銭一千文。 裸の身だけが唯一の資本との意から。 「腕一本」「褌一貫」ともいう。
破竹の勢い(はちくのいきおい)
止めようがないほどの激しい勢いのたとえ。「破竹」は、竹を割ること。竹は始めの一節を割ると、残りが次々と割れていくことから。
八細工七貧乏(はちざいく、しちびんぼう)
なんでもできるような器用な人は一つの事に専念できずにどれも中途半端になってしまい、そのためにかえって貧乏するということ。 「七細工八貧乏」ともいう。
蜂の巣をつついたよう(はちのすをつついたよう)
大騒ぎになって、手がつけられない様子。蜂の巣をつつくと、多くの蜂がいっせいに飛び出す様子から。
鳩に三枝の礼あり、烏に反哺の孝あり(はとにさんしのれいあり、からすにはんぽのこうあり)
子の親に対する礼儀や孝行の大切さをいう言葉。 鳩は親鳥よりも三本下の枝にとまり、烏は恩を忘れずに老いた親鳥の口に餌を運んで孝行するといわれる。 鳥でさえ親の恩に報いるのだから、人間はなおさら礼儀を尊び親孝行しなければならないということ。
鼻息が荒い(はないきがあらい)
物事に取り組もうとする意気込みが激しい様子。
鼻息を窺う(はないきをうかがう)
相手の機嫌や考えをそれとなく探ること。
花一時、人一盛り(はないっとき、ひとひとさかり)
花が咲き誇るのもほんの一時であるように、人も盛んな時はごく短い一時期に過ぎないということ。
端から和尚はない(はなからおしょうはない)
物事には順序や段階があり、一足飛びには上に進めないというたとえ。「端」は、物事の最初の意。
鼻が高い(はながたかい)
得意げな様子。誇らしく思っている様子。
話が早い(はなしがはやい)
話そうとしていることを相手が既に知っているため、説明する必要がない様子。
話にならない(はなしにならない)
話し合いができる状態ではないこと。 または、酷すぎて話す価値がないこと。
鼻血も出ない(はなぢもでない)
金を全て使い果たして一円もないこと。
鼻っ柱が強い(はなっぱしらがつよい)
相手に負けまいとする気持ちが強く、簡単に主張を曲げたり、くじけたりしないこと。
鼻の下が長い(はなのしたがながい)
女性に対して甘いこと。女性の色気に惑わされやすいこと。
歯の根が合わない(はのねがあわない)
寒さや恐怖で身体がふるえ、歯をかみしめていることが出来ないようす。
早いのが一の芸(はやいのがいちのげい)
物事を手早く処理するのも芸のうちということ。また、仕事は手早いことが大切で、技巧は二の次ということ。
早い話が(はやいはなしが)
手短に言えば。要するに。 話を手早く済ませようとする時に使う言葉。
早い者勝ち(はやいものがち)
何事も人より早いほうが有利だということ。 「早いが勝ち」ともいう。
早い者に上手なし(はやいものにじょうずなし)
仕事が早いものには、仕上がりが雑になるという短所があるということ。
早くて悪し大事なし、遅くて悪し猶悪し(はやくてわるしだいじなし、おそくてわるしなおわるし)
早く仕上げた仕事の出来が悪いのは仕方がないが、仕上がりが遅くて出来が悪いのは許しがたいということ。
早寝早起き、病知らず(はやねはやおき、やまいしらず)
早寝早起きの習慣をつければ、健康に恵まれて病気もしないということ。
早飯も芸の中(はやめしもげいのうち)
飯を早く食べることも、特技の一つだということ。
はやり目なら病み目でもよい(はやりめならやみめでもよい)
やたらに流行を追いかける者の愚かさをいう言葉。 流行していることなら、たとえそれが目の病気でも真似をしたいとの意から。
はやる芝居は外題から(はやるしばいはげだいから)
内容も大切だが、まずは見た目が良くなければならないということ。 人々の話題になるような芝居は、題名からして人をひきつけるものであるとの意から。
腹が大きい(はらがおおきい)
細かいことに拘らず、広く受け入れることができること。度量が大きいこと。
腹が黒い(はらがくろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
腹が立つなら親を思い出せ(はらがたつならおやをおもいだせ)
腹が立って怒りそうになったときには親のことを思い浮かべると、問題を起こして心配をかけたくないという気持ちになって、怒りをしずめることができるということ。 「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさができぬ)
何事も空腹では十分な働きができないということのたとえ。
腹に一物(はらにいちもつ)
心に何かたくらみを抱いていること。 「腹」は心の中のこと。 「胸に一物」ともいう。
腹の立つ事は明日言え(はらのたつことはあすいえ)
腹立たしくても怒りに任せて物を言うのではなく、じっくりと考えてから言うほうが失言しないということ。
腹の立つように家蔵建たぬ(はらのたつようにいえくらたたぬ)
世の中には腹が立つことが多いので、腹を立てるのは簡単だが、家や蔵を建てるくらいの金を稼ぐのは簡単にはいかないということ。
腹八分に医者いらず(はらはちぶにいしゃいらず)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどに抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分目に医者いらず」「腹八合に医者いらず」「腹八合に病なし」などともいう。
腹を痛める(はらをいためる)
子どもを産むこと。出産の痛みを経験するとの意から。 または、自分の金銭を使うこと。
針ほどのことを棒ほどに言う(はりほどのことをぼうほどにいう)
小さなことを大げさにいうことのたとえ。 針くらいの小さいものを、棒ほどの大きさにいうとの意から。
春の雪とおばの杖は怖くない(はるのゆきとおばのつえはこわくない)
春の雪はたとえ大雪でもすぐに溶ける。また、おばが杖で叩いても力が弱い。恐れるに足りないことを並べていった語。
葉を欠いて根を断つ(はをかいてねをたつ)
小さな欠点を直そうして、根本をだめにしてしまうことのたとえ。余分な枝葉を刈り取ろうとして、大事な根を傷つけてしまうということから。
犯罪の陰に女あり(はんざいのかげにおんなあり)
犯罪の動機には女性問題がからむことが多いということ。
半畳を入れる(はんじょうをいれる)
他人の言動を茶化したり野次ったりすることのたとえ。 「半畳」は、芝居小屋などで見物人が敷いた小さなござのこと。 芝居に不満な時、その半畳を舞台に投げ込んだことから。 「半畳を打つ」ともいう。
枚を銜む(ばいをふくむ)
声を立てず、息をこらすことのたとえ。「枚」は昔、夜襲の時に、兵士や馬が声を出さないように口にくわえさせた棒のこと。「銜む」は、くわえる意。
馬鹿と暗闇おっかない(ばかとくらやみおっかない)
暗闇も怖いが、馬鹿も何をしでかすか予想できないので恐ろしいということ。
馬鹿と煙は高いところへ上る(ばかとけむりはたかいところへのぼる)
愚か者はおだてにのりやすいというたとえ。
馬鹿と鋏は使いよう(ばかとはさみはつかいよう)
人を使うときは、使い方次第で役に立たせることができるということ。 鋏(はさみ)も使い方次第で切れたり切れなかったりするように、愚かな人間も上手に使えば役に立つということ。
馬鹿な子ほど可愛い(ばかなこほどかわいい)
親にとっては、賢い子より愚かな子のほうがふびんでかわいいということ。
馬鹿に付ける薬はない(ばかにつけるくすりはない)
愚かな者の頭を賢くする薬はない。愚か者は救いようがないということ。
馬鹿の一念(ばかのいちねん)
愚か者も一心に事をおこなえば、すばらしい大事業を成し遂げられるということ。
馬鹿の大食い(ばかのおおぐい)
愚か者にかぎって大食をするということ。また、食事の作法をわきまえないことの非難していう言葉。 「阿保の大食い」ともいう。
馬鹿の三杯汁(ばかのさんばいじる)
何杯も汁のおかわりをする作法知らずをあざけっていう言葉。また、愚か者にかぎって大食をすることのたとえ。 「阿呆の三杯汁」ともいう。
馬鹿は死ななきゃ治らない(ばかはしななきゃなおらない)
愚か者の性質は治そうとしても治らない、手の施しようがないということ。
馬鹿も休み休み言え(ばかもやすみやすみいえ)
くだらないことを言うのもいい加減にしろということ。
ばつが悪い(ばつがわるい)
その場に居続けることが気まずいと感じること。
祖母育ちは三百安い(ばばそだちはさんびゃくやすい)
祖母に育てられた子どもは、甘やかされ大切にされるので、わがままで出来の悪い子になるということ。
馬齢を重ねる(ばれいをかさねる)
特に大きな成果や変化なく年齢が増えていくことを謙遜していう言葉。 ここでの「馬齢」は、自分の年齢をへりくだっていう語。 「馬齢を加える」ともいう。
万死一生を顧みず(ばんしいっしょうをかえりみず)
万に一つも生き延びる希望を持たないこと。
万卒は得易く、一将は得難し(ばんそつはえやすく、いっしょうはえがたし)
平凡な人物はたくさんいるが、優秀な人物に巡り会うのは難しいということ。 平凡な兵士を集めることは難しくないが、一人の名将を得ることは難しいとの意から。
万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅうこういってん)
多数の男性の中に、女性が一人華やかに混じっていることのたとえ。また、多くのものの中で、ただ一つ際立っているもののたとえ。 「万緑」は見渡す限り一面の緑、「叢中」はくさむらの中のこと。 見渡す限りの緑の草木の中に、紅い花が一輪あでやかに咲いている意から。 略して「[[紅一点*https://kokugo.jitenon.jp/word/p15923]]」ともいう。
ぱっとしない(ぱっとしない)
これといって目立つところがない様子。
日、西山に薄る(ひ、せいざんにせまる)
年老いて、死期が間近に迫っていることのたとえ。太陽が西の山に今にも沈もうとしている意から。
贔屓の引き倒し(ひいきのひきたおし)
贔屓をしすぎるあまりに、かえってその人に迷惑をかけてしまうこと。
贔屓目に見る(ひいきめにみる)
実際よりも好意的に判断すること。
火打ち石据え石にならず(ひうちいしすえいしにならず)
小さいものでは大きいものの代わりにはならないというたとえ。火打ち石は火をおこすときは役立つが、家の土台石にはならないということ。
日が浅い(ひがあさい)
その状態になったり、その物事を始めたりしてからそれほど日が経っていないこと。
日が当たらない(ひがあたらない)
地位や環境などに恵まれないこと。
東に近ければ西に遠い(ひがしにちかければにしにとおい)
一方に都合よければ、他方には都合が悪く、どちらにも偏らないようにするのは難しいということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。
干潟の鰯(ひがたのいわし)
自滅するのを待つしかないことのたとえ。 干潟に取り残された鰯は死ぬしかないとの意から。
引き合いに出す(ひきあいにだす)
比べたり、参考にしたり、証拠にしたりするために、例として持ち出すこと。
蟇の息さえ天に昇る(ひきのいきさえてんにのぼる)
誰でも一心に事を行えば望みを遂げられるということ。 「蟇」は、ヒキガエルの別名。 一心に努力すればヒキガエルのような弱い生き物の吐息も、天まで届かせることができるとの意から。
引くに引けない(ひくにひけない)
引き下がりたいと思っても、立場や状況などから簡単には引き下がれない状態にあること。
ひそかに諌めて公に褒めよ(ひそかにいさめておおやけにほめよ)
人を叱ったり注意したりする時は、他の人の居ないところで行い、褒める時はみんなの前で行えということ。人の心を傷つけず、やる気にさせるには、それが良い方法だということ。
額に汗する(ひたいにあせする)
頑張って仕事に取り組むこと。
額に皺を寄せる(ひたいにしわをよせる)
深く考え込む様子。
額に八の字を寄せる(ひたいにはちのじをよせる)
機嫌が悪かったり、悩んだりしている様子。 眉を八の字の形にすることから。 「八の字を寄せる」ともいう。
額を集める(ひたいをあつめる)
関係者が集まって話し合いをすること。
左鮃右鰈(ひだりひらめみぎかれい)
鮃と鰈の見分け方をいったもの。目がからだの左側にあるのが鮃で、右側にあるのが鰈だということ。
筆舌に尽くし難い(ひつぜつにつくしがたい)
文章でも言葉でも十分に表現できないということ。「筆舌」は、文章と言葉の意。
必要は発明の母(ひつようははつめいのはは)
発明は必要に迫られるからこそ生まれるということ。
一息入れる(ひといきいれる)
物事の途中で少し休むこと。
人一寸(ひといっすん)
身長差は、少しの違いでもかなり違っているように見えるということ。
人が悪い(ひとがわるい)
人が困ることをして喜ぶような性格。意地の悪い性格。