「かる」を含む故事・ことわざ・慣用句
「かる」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 71 件
明るけりゃ月夜だと思う(あかるけりゃつきよだとおもう)
考え方が単純で現実を知らないことのたとえ。外が明るいとすべて月夜だと思う意から。
明るみに出る(あかるみにでる)
隠されていたり知られていなかった物事が、多くの人々に知られる。世間に知られる。
おもに、知られると悪い物事について用いる。足下の明るいうち(あしもとのあかるいうち)
自分が不利な状態にならないうちに、手遅れにならないうちに、ということ。
預かる物は半分の主(あずかるものははんぶんのぬし)
人から預かった物は、半分は自分の物だと思ってもかまわないということ。 「預かり半分」「預かり半分の主」「預かり物は半分の主」「預かる物は半分の主」「拾い主は半分」「拾うた者は半分の主」などともいう。
阿弥陀も銭で光る(あみだもぜにでひかる)
金の力は絶大だというたとえ。阿弥陀仏の御利益も供える金の多少に影響されるということから。
網にかかるは雑魚ばかり(あみにかかるはざこばかり)
悪事をはたらいても捕まるのは小物ばかりで、大物は巧みに逃げてなかなか捕まらないということ。
過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)
過ちを犯したことに気がついたら、体面や体裁などにとらわれず、すぐに改めるべきだという戒め。
息が掛かる(いきがかかる)
有力者の影響や支配を受けていること。
一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
輝かしい功績をあげた人の陰には、多くの人の努力や苦労があるというたとえ。 指導者だけが功名を得ることを嘆く言葉。 一人の将軍が輝かしい功名をあげた陰には、犠牲となった一万人もの兵士の骨が戦場にさらされているとの意から。
命を預かる(いのちをあずかる)
相手から信頼されて、その人の生き死にをゆだねられる。
兎の罠に狐がかかる(うさぎのわなにきつねがかかる)
思いがけない幸運や収穫を得ることのたとえ。
エンジンが掛かる(えんじんがかかる)
物事に始める意欲がわくこと。 また、物事が順調に進むこと。
お声が掛かる(おこえがかかる)
目上の人から招待されたり特別な計らいを受けたりすること。
お座敷が掛かる(おざしきがかかる)
芸者や芸人などが客に呼ばれること。 また、会合や宴席などに招待されること。
お相伴にあずかる(おしょうばんにあずかる)
同伴者として、もてなしを受けること。 「相伴」は主客と一緒に行ってもてなしを受けること。
おじが甥の草を刈る(おじがおいのくさをかる)
目上の者が目下の者のために奔走させられることのたとえ。また、物事の順序が逆なことのたとえ。
己を以て人を量る(おのれをもってひとをはかる)
人はとかく自分を基準にして、他人のことを判断しがちだということ。
お目に掛かる(おめにかかる)
お会いする。また、目上の人から認められる。
貝殻で海を量る(かいがらでうみをはかる)
自分の狭い見聞や浅薄な知識で、大きな問題を議論することのたとえ。 貝殻で海の水をすくい、海の水の量をはかろうとすることから。
懸かるも引くも折による(かかるもひくもおりによる)
事を始めるのも終わらせるのも時機が大事だというたとえ。
嵩に懸かる(かさにかかる)
自分の優位な立場や地位を利用して、相手を威圧すること。 「嵩」は、ものの分量や大きさのこと。
風が吹けば桶屋が儲かる(かぜがふけばおけやがもうかる)
思いもかけないところに影響が出るたとえ。また、あてにならない期待をするたとえ。 大風が吹けば土ぼこりが舞い上がって目に入り、目の不自由な人が増える。目の不自由な人は三味線で生計を立てようとするので、三味線に使う猫の皮がたくさん必要になる。猫が捕らえられて少なくなるとねずみが増える。ねずみは桶をかじるので桶屋が儲かるという話から。 「風」は「大風」、「儲かる」は「喜ぶ」ともいう。
肩が軽くなる(かたがかるくなる)
重たい責任や負担がなくなって気が楽になること。 肩こりがとれて楽になるとの意から。
肩に掛かる(かたにかかる)
ある人が責任や任務などの負担を負わなければならなくなること。
狩人、罠にかかる(かりゅうど、わなにかかる)
人をおとし入れようとして仕組んだ悪だくみで、自分がひどいめにあうことのたとえ。獲物を獲ろうとして仕掛けた罠に猟師自身がかかるということから。
軽い返事に重い尻(かるいへんじにおもいしり)
簡単に引き受けて、なかなか実行しないことのたとえ。 返事はすぐにしても、なかなか尻を上げないとの意から。
軽口を叩く(かるくちをたたく)
気軽に冗談をいったり滑稽な話をしたりすること。
気合が掛かる(きあいがかかる)
ある物事に全力で取り組もうとする気力がわいている様子。 「気合が掛かる」ともいう。
狐虎の威を藉る(きつねとらのいをかる)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
気に掛かる(きにかかる)
心配事があって、心に引っかかっている様子。
決めてかかる(きめてかかる)
まだ確定していないのに、初めからそうであると思い込むこと。
管を以て大空を測る(くだをもっておおぞらをはかる)
自分の狭い見識で、大きな問題について勝手に判断することたとえ。 「管」は「かん」とも読む。 「管を以て大空を測る」「管の穴から天を覗く」「針の穴から天を覗く」ともいう。
口が掛かる(くちがかかる)
芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。
口が軽い(くちがかるい)
言ってはいけないことまでも軽率に話してしまうこと。
口の端に掛かる(くちのはにかかる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
声が掛かる(こえがかかる)
勧誘されたり招待されたりすること。 また、目上の人から推薦されること。
子供叱るな来た道だもの年寄り笑うな行く道だもの(こどもしかるなきたみちだものとしよりわらうなゆくみちだもの)
子どものいたずらなどは誰しも身に覚えがあるので叱るべきではないし、自分もいずれ年をとるので老人を笑いものにすべきではないということ。
芝居掛かる(しばいがかる)
振る舞いが芝居をしているかのように大げさになること。
性根を据えて掛かる(しょうねをすえてかかる)
どんな苦労も耐えるという覚悟をもって取り組むこと。
升を以て石を量る(しょうをもってこくをはかる)
小人物には大人物を理解することはできないこと、または小さな基準では大きな物をはかることができないことのたとえ。 一升ますでは一石をはかることはできない。また、無理にはかっても誤差が生じてしまうことから。
尻が軽い(しりがかるい)
慎重さが足りない行動をする様子。軽率な様子。または、女性が浮気なこと。
時代掛かる(じだいがかる)
当時よりも昔の時代の感じを与える。古びている。
大海を耳搔きで測る(たいかいをみみかきではかる)
とても大きな問題に対して、自分の小さな力や考えで判断しようとするたとえ。広い海の水を耳掻きで汲んではかろうとすることから。
束になって掛かる(たばになってかかる)
大勢の人が一緒になって、一つのものに向かったり、一人に対抗したりすること。
他聞を憚る(たぶんをはばかる)
他人に聞かれると不都合があること。
台所を預かる(だいどころをあずかる)
家庭や組織などで、金銭のやりくりを任される。
使っている鍬は光る(つかっているくわはひかる)
いつも努力を忘れない人は、生き生きとして見えるというたとえ。いつも使っている鍬は錆びずに光っていることから。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
手が掛かる(てがかかる)
面倒なことが多く、労力や時間がかかること。世話が焼けること。
手に掛かる(てにかかる)
ある人に直接取り扱われること。 または、殺されること。
遠ざかるほど思いが募る(とおざかるほどおもいがつのる)
人を思う気持ちは、遠く離れたりして会えないほど、強くなるということ。
徳俵に足がかかる(とくだわらにあしがかかる)
追い詰められているさま。後がないさま。 「徳俵」は、相撲の土俵上の円の東西南北の四ケ所に設けられた俵一つ分の出っ張りのこと。 土俵上で内外の境界となる徳俵に足がかかることから、追い詰められた状態を表す。
虎の威を藉る狐(とらのいをかるきつね)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
嘗めてかかる(なめてかかる)
相手を馬鹿にしたりあなどったりすること。
縄に掛かる(なわにかかる)
犯人がつかまること。 昔、捕らえた罪人を縄でしばったことから。
憎まれっ子世に憚る(にくまれっこよにはばかる)
人から憎まれるような者にかぎって、世の中では幅をきかせているということ。 「憚る」とは幅をきかすこと。 「憎まれっ子」は「憎まれ子」ともいう。 また、「憎まれ子国にはびこる」「憎まれ子国にはだかる」「憎まれ子世に出ず」「憎まれ者世に憚る」などともいう。
ぬるま湯に浸かる(ぬるまゆにつかる)
緊張感や刺激の少ない環境に甘んじて、のんびりと気楽に暮らすこと。
根浅ければ則ち末短く、本傷るれば則ち枝枯る(ねあさければすなわちすえみじかく、もとやぶるればすなわちえだかる)
基礎がしっかりしていない物事は発展せず、いずれ衰えるということのたとえ。 「末」は枝や葉、「本」は幹こと。 根が十分張っていなければ枝葉も成長しない、幹がいためばいずれ枝も枯れることから。
話が分かる(はなしがわかる)
相手の気持ちや立場などをよく理解できること。
光るほど鳴らぬ(ひかるほどならぬ)
口うるさい人は案外怖くないということ。また、口で偉そうに言うものにかぎって意外に弱いということ。稲光がすごいわりには雷鳴が小さいとの意から。
人目を憚る(ひとめをはばかる)
人に知られると困る事情があるために人に見られることを避けること。
降りかかる火の粉は払わねばならぬ(ふりかかるひのこははらわねばならぬ)
自分の身に危険が迫れば、積極的にその危険を退けなければならないというたとえ。自分の体に降りかかってくる火の粉は、払わなければ火傷してしまうということから。
慢心鼻を弾かる(まんしんはなをはじかる)
おごり高ぶっていると、大恥をかくはめになるから注意せよということ。
身が軽い(みがかるい)
からだの動きが軽快な様子。 また、責任や負担などがなく身軽な様子。
目が光る(めがひかる)
監視が厳しいこと。
物が分かる(ものがわかる)
物事の道理や世の中の人情をよくわきまえていること。
刃に掛かる(やいばにかかる)
刃物によって命を奪われること。
余勢を駆る(よせいをかる)
何かを成し遂げた勢いのまま、次の行動に移ること。
世を憚る(よをはばかる)
世間に気がねすること。世間との交わりを避けること。
瑠璃も玻璃も照らせば光る(るりもはりもてらせばひかる)
すぐれた才能や素質を持つ者は、どこにいても際立つことたとえ。また、そのような者は活用次第で能力を存分に発揮するということ。 「瑠璃」は青色の宝玉、「玻璃」は水晶のことで、たとえ他の物に混じっていても光を当てればどちらも美しく輝くことから。
我が物と思えば軽し笠の雪(わがものとおもえばかるしかさのゆき)
つらいことも苦しいことも、自分のためだと思えば苦にならないものだというたとえ。 笠に降り積もる重い雪も自分のものだと思えば軽く感じられるということ。 江戸時代の俳人、宝井其角の句「我が雪と思へば軽し笠の上」から。
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