「く」を含む故事・ことわざ・慣用句
「く」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1857 件
断を下す(だんをくだす)
決定する。決断する。
小さく生んで大きく育てる(ちいさくうんでおおきくそだてる)
子どもは小さい子を楽に生んで大きく育てるのが賢明だということ。事業なども小規模で始めてだんだん大きくしていくのがよいやり方だということ。
小さくとも針は呑まれぬ(ちいさくともはりはのまれぬ)
小さいからといって侮ってはいけないという戒め。 いくら小さくても針をのみこむことはできないことから。
小さくなる(ちいさくなる)
ひどくかしこまったり遠慮したりする。身を縮めてかしこまる。
地位は人を作る(ちいはひとをつくる)
それなりの地位に就くと、その地位にふさわしい人間に成長していくということ。
知恵の鏡も曇る(ちえのかがみもくもる)
運が傾いてくると普段の知恵も鈍ってしまうということ。頭に「貧には」を付けていうこともある。
知恵の持ち腐れ(ちえのもちくされ)
すぐれた知恵を持っていながら、有効に活用できないこと。また、有効に活用しないこと。
近くて見えぬは睫(ちかくてみえぬはまつげ)
身近なことは気付いて当然なのに、案外わからないものだというたとえ。自分で自分の睫は見えないことから。
血が引く(ちがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血が沸く(ちがわく)
気持ちがたかぶる。興奮する。
畜生の浅ましさ(ちくしょうのあさましさ)
畜類の愚かなさま。転じて、人間の卑しさや醜さのこと。
竹帛の功(ちくはくのこう)
歴史に残るような偉大な功績。「竹帛」は昔中国で竹を削った札や帛に文字を書いたことから書物や歴史の意。
竹馬の友(ちくばのとも)
子供のころからの親友や幼馴染のこと。 「竹馬」は一本の竹の棒を馬に見立てたもの。 幼いころから竹馬で駆け回って一緒に遊んだ友達という意味から。
竹林の七賢(ちくりんのしちけん)
中国晋代に、俗世間を避けて竹林に集まり、清談を行った七人の隠者のこと。阮籍・嵆康・山濤・向秀・劉伶・阮咸・王戎の七人。
逐鹿(ちくろく)
帝位や王位、政権を得ようとして争うこと。[[中原に鹿を逐う*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7465.php]]とも。
痴人の前に夢を説く(ちじんのまえにゆめをとく)
このうえなく馬鹿げたことをするたとえ。愚かな人にとりとめない夢の話を説き聞かせる意から。
痴人夢を説く(ちじんゆめをとく)
話のつじつまの合わないこと、または要領を得ないことのたとえ。 愚かな者が、自分の見た夢の説明をするとの意から。
知足(ちそく)
みずからの分をわきまえそれ以上は求めないこと。分相応で満足すること。足るを知る。
父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し(ちちのおんはやまよりもたかく、ははのおんはうみよりもふかし)
父母から受けた恩は広大で深いということ。 両親の愛情をたとえたもの。 「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」ともいう。
帙を繙く(ちつをひもとく)
書物を開く。読書をする。 「帙」は、書物を保護するために包む覆い。
血となり肉となる(ちとなりにくとなる)
学んだことや経験したことがしっかりと身について、将来に役立つようになること。 摂取した食物がよく吸収されて、やがて体の一部(血や肉)になるとの意から。
血の気が引く(ちのけがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
注意を引く(ちゅういをひく)
人々の注意や関心をこちらに向けさせる。
忠臣は二君に仕えず(ちゅうしんはにくんにつかえず)
忠義を重んじる臣下は、その生涯でただ一人の主君にしか仕えないということ。
宙に浮く(ちゅうにうく)
計画などが途中で止まって終わりが見えなくなること。
注目を浴びる(ちゅうもくをあびる)
世間の人々から意識を向けられること。関心を集めること。
調子が付く(ちょうしがつく)
物事の勢いが増していくこと。
長袖よく舞い、多銭よく賈う(ちょうしゅうよくまい、たせんよくかう)
素質と条件に恵まれた者が有利で、思い通りに事が運べるというたとえ。 長袖の着物を着た人は舞うと美しく見え、多くの金銭を持つ者は商売がしやすいとの意から。 「賈う(かう)」は、「商う(あきなう)」ともいう。
提灯で餅を搗く(ちょうちんでもちをつく)
思い通りにいかないことのたとえ。 または、年老いた男性の性事情を馬鹿にしていう言葉。
緒に就く(ちょにつく)
物事を実際に始めること。または、その物事が順調に進行するようになること。 「諸」は「しょ」とも読む。
血湧き肉躍る(ちわきにくおどる)
戦闘や勝負などの前に高揚して全身に力が満ちる様子。
血を吐く思い(ちをはくおもい)
耐えられないほど辛く苦しい気持ちのこと。 または、ひどく悲しい気持ちのこと。
血を引く(ちをひく)
祖先や親の気質や体質、身体的特徴などを受け継ぐこと。 「血を受ける」ともいう。
狆が嚏をしたよう(ちんがくしゃみをしたよう)
ひどく醜い顔つきのこと。 「狆」は、顔が小さく目鼻がくしゃくしゃ集まった感じの小型犬。 略して「[[狆くしゃ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p33494]]」ともいう。
沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)
この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。
沈黙を破る(ちんもくをやぶる)
今まで黙っていた人が喋り始めること。 また、一時的に活動を停止していたものが、再び活動し始めること。
朔日ごとに餅は食えぬ(ついたちごとにもちはくえぬ)
世の中はいつもいい事ばかりあるとは限らないというたとえ。 正月に餅が食べられても、毎月の朔日(ついたち)に餅が食べられるわけではないという意。
痛棒を食らわす(つうぼうをくらわす)
厳しく叱ったり、責めたりすること。 「痛棒」は座禅で、心が乱れている人を打ち付けるための棒。
杖を曳く(つえをひく)
杖を持って歩くこと。散歩すること。 または、目的地へ行くこと。旅をすること。
使っている鍬は光る(つかっているくわはひかる)
いつも努力を忘れない人は、生き生きとして見えるというたとえ。いつも使っている鍬は錆びずに光っていることから。
付き合いなら家でも焼く(つきあいならいえでもやく)
付き合いは、大切なものを犠牲にしてもしなければならないくらい大事だということ。また、付き合いを大事にして自分の家庭をかえりみないことを戒めて言うことば。
月に叢雲、花に風(つきにむらくも、はなにかぜ)
良いことや楽しいことには邪魔が入りやすく長続きしないということ。 名月には雲がかかって見えなくなったり、満開の花には風が吹いて花びらを散らしてしまったりすることから。
月満つれば則ち虧く(つきみつればすなわちかく)
何事も頂点に達したあとは、必ず衰え始めるというたとえ。 月は満月のあと徐々に欠けていくことから。 「満つれば虧く」ともいう。
付けが回って来る(つけがまわってくる)
悪事や手抜きなどの報いが後になって現れること。 後日、代金の請求が来るという意味から。
土が付く(つちがつく)
相撲で負けること。または、勝負事で負けること。
槌で大地を叩く(つちでだいちをたたく)
まるで大地を槌で打つように、確実で絶対に失敗しないことのたとえ。 「槌で大地を叩く」「地を打つ槌」ともいう。
槌で庭掃く(つちでにわはく)
急な来客にあわてふためきながらも手厚くもてなそうとすることのたとえ。 「横槌で庭掃く」「才槌で庭掃く」ともいう。
常に来る客は歓迎されず(つねにくるきゃくはかんげいされず)
たまに来る人は歓迎されるが、いつも来る人は客として喜ばれないという戒め。
潰しが効く(つぶしがきく)
それまでの仕事を辞めても、別の仕事で働くことができる能力があること。 金属製品を溶かすと再利用できるとの意から。
躓く石も縁の端(つまずくいしもえんのはし)
自分にかかわるすべてのものが、なんらかの因縁で結ばれているということ。 ふとつまずいた石も、多くの石の中で何かの縁があってつまずいたのであるとの意から。
妻の言うに向こう山も動く(つまのいうにむこうやまもうごく)
妻の言葉は夫に対して大きな力を持っていることのたとえ。 動くはずのない向こうの山でさえも、妻が言えば動いてしまうとの意から。
罪なくして配所の月を見る(つみなくしてはいしょのつきをみる)
流刑地のようなわびしい地で、罪人としてではなく、普通の人として月を眺めることができたら、さぞ趣きがあるだろうということ。 「配所」は罪によって流された土地のこと。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
罪を憎んで人を憎まず(つみをにくんでひとをにくまず)
犯した罪は憎むべきものだが、罪を犯した人を憎んではならないということ。 「その罪を憎んでその人を憎まず」ともいう。
冷たくなる(つめたくなる)
命がなくなること。死ぬこと。 または、愛情がさめて思いやりがなくなること。
爪に爪なく瓜に爪あり(つめにつめなくうりにつめあり)
「爪」という漢字と「瓜」という似ている漢字の違いを教えた言葉。
釣りは道楽の行き止まり(つりはどうらくのいきどまり)
魚釣りは最高の道楽だということ。
吊るし上げを食う(つるしあげをくう)
その場にいる大勢の人たちから厳しく責め立てられること。
手垢が付く(てあかがつく)
物事の方法や言葉などが長い間繰り返し使われ続けて、新鮮味がなくなること。 何度も使って手垢で汚れるということから。
亭主関白の位(ていしゅかんぱくのくらい)
家庭の中で夫が非常にいばっていること、また絶大な権威をもっていることのたとえ。 一家の主人が関白と同じ位にあるかのような権威をもっているとの意から。 「関白」は、昔、天皇を補佐した重職のこと。 「亭主関白」ともいう。
亭主三杯客一杯(ていしゅさんばいきゃくいっぱい)
客をもてなすために、主人が客よりたくさん酒をのむこと。また、客をだしにして主人がふだんより多く酒を飲むことにもいう。
亭主の好きを客に出す(ていしゅのすきをきゃくにだす)
自分の好きなものは相手も好きだと思い込んでしまい、無理に押しつけがちであるということ。 主人の好物を客にふるまうことから。
亭主を尻に敷く(ていしゅをしりにしく)
妻が夫を軽んじて好き勝手に振る舞うことのたとえ。
手が空く(てがあく)
仕事が終わったり一区切りついたりして、時間に余裕ができること。 「手が透く」ともいう。
手が空けば口が開く(てがあけばくちがあく)
仕事がなくなり手が空けば、食べる物もなくなり口も開いてしまう。また、暇になればつい無駄話をしがちだということ。
手が付く(てがつく)
新しいものが使われ始めること。 または、下の立場の女性と肉体関係を持つこと。
手が届く(てがとどく)
能力や権力などが及ぶ範囲の内側にあること。 または、細かいところまで世話が行き渡ること。 また、もう少しで、とある年齢に達すること。
敵に塩を送る(てきにしおをおくる)
敵対する相手の弱みにつけこまず、逆に援助の手を差し伸べることのたとえ。 戦国時代、越後の上杉謙信が敵対する甲斐の武田信玄が塩不足で苦しんでいるのを知り、塩を送らせたという故事から。
敵もさる者引っ搔くもの(てきもさるものひっかくもの)
相手の強さや実力などを認めるときに使う言葉。 「さる者(然る者)」は、なかなかの人物という意味。 さる者の「さる」に引っ掻く猿(さる)をかけた言葉。 単に「敵もさる者」ともいう。
手癖が悪い(てくせがわるい)
他人の者を盗む癖があること。 または、女癖が悪いこと。 「手癖」は「てぐせ」とも読む。
手薬煉引く(てぐすねひく)
十分用意をして待ち構えること。 「薬煉(くすね)」は弓の弦を強くするために塗る薬で、それを手に取って弦に塗って準備するとの意から。
手心を加える(てごころをくわえる)
相手や事情などを考慮に入れて寛大な処置をすること。手加減をすること。
手酌五合、髱一升(てじゃくごごう、たぼいっしょう)
手酌では五合しか飲めないが、若い女性の酌では一升でも飲んでしまうということ。「髱」は日本髪の後ろに張り出している部分で、転じて、若い女性の意。
手酌貧乏(てじゃくびんぼう)
手酌で酒を飲むのは、いかにも貧乏くさく、やはり酒は人からついでもらって飲むのがいいということ。
鉄槌を下す(てっついをくだす)
この上なく厳しい罰を与えること。 「鉄槌」は大きな金槌のこと。
手もなく(てもなく)
苦労せずに行う様子。簡単に行う様子。
てらつつきの子は卵から頷く(てらつつきのこはたまごからうなずく)
生まれながらの才能は、幼い時から自然に現れるというたとえ。「てらつつき」は、きつつきのこと。きつつきの子はえさの虫を捕るために、幼い時から首を上下に動かす癖があることから。
手を下す(てをくだす)
その人本人が直接行うこと。
手を組む(てをくむ)
目的を果たすために互いに協力すること。
手を加える(てをくわえる)
作品などをよりよくするために修正したり、補ったりすること。手を入れる。
