「く」を含む故事・ことわざ・慣用句
「く」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1851 件
楽屋で声を嗄らす(がくやでこえをからす)
無駄な努力をするたとえ。また、いくら努力しても人に認められないことのたとえ。役者が楽屋で稽古をし過ぎて声を嗄らし、本番の舞台で声が出なくなることから。
がたが来る(がたがくる)
長い間使ってきた機械や道具の調子が悪くなること。 また、ひとが年をとって体の調子が悪くなること。
合点が行く(がてんがいく)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)
最後の大切な仕上げを怠ったために、全体が不完全になったり、引き立たなかったりすることのたとえ。「画竜点睛」は、中国の絵の名人が壁に竜の絵を描き、最後に瞳を書き入れたら天に昇ったという故事から最後の大事な仕上げの意で、その仕上げを欠いてしまうということから。「睛」は、「瞳」の意。
雁首を揃える(がんくびをそろえる)
その場に関係者が集まる様子。 「雁首」は人の首や頭の俗称。
顔色なし(がんしょくなし)
恐れや驚きのために、顔色が真っ青になること。また、完全に圧倒されてどうにもならないようす。
雁帛(がんぱく)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
聞いた百文より見た一文(きいたひゃくもんよりみたいちもん)
人から百文の値打ちと聞かされるよりも、自分の目で見たほうが値打ちがあるということ。
聞いて極楽、見て地獄(きいてごくらく、みてじごく)
話に聞くのと実際に見るのでは大差があるというたとえ。
聞いてびっくり、見てびっくり(きいてびっくり、みてびっくり)
聞かされた話が意外であることにびっくりし、実際に見てみると聞いた話とまったく違うので、またびっくりすること。
気炎を吐く(きえんをはく)
威勢のいいことを得意げに言うこと。また、意気盛んに議論を交わすこと。 「上げる」は「揚げる」とも書く。 また「気炎を吐く」ともいう。
奇貨、居くべし(きか、おくべし)
絶好の機会は、逃さずうまく利用せよということ。 秦の国の相となった呂不韋がまだ若くて商人だった頃、趙の人質となっていた太子の子、子楚を助けて将来うまく利用しようと「此れ奇貨居くべし」と言った故事にもとづく。 「奇貨」は珍しい品物、「居く」は蓄えるの意。
聞かぬ事は後学にならず(きかぬことはこうがくにならず)
どんなことでも聞いておかなければ将来のための教養にならないということ。
気が利く(きがきく)
細かなところまで注意が行き届いていて、臨機応変な対応ができること。
気が腐る(きがくさる)
気になることがあって気分が晴れないさま。
気が急く(きがせく)
物事を早く進めようとしたり、急がなければいけないと思ったりして、気持ちが落ち着かないさま。
気が付く(きがつく)
細かなところまで注意が行きとどくこと。
気が向く(きがむく)
それをやろうという気持ちになること。
聞くと見るとは大違い(きくとみるとはおおちがい)
人から聞いたのと実際に見るのとでは大きな違いがあるということ。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(きくはいっときのはじ、きかぬはいっしょうのはじ)
知らないことを聞くのはほんの一時の恥で済むが、聞かずに知らないまま過ごすのは一生恥ずかしいということ。
聞けば気の毒、見れば目の毒(きけばきのどく、みればめのどく)
聞けば聞いたで心を悩ませ、見れば見たで心を悩ませる。聞くもの見るものすべて煩悩の種となり気にかかるということ。
気色が悪い(きしょくがわるい)
気味が悪く不快に感じるさま。
杞梓連抱にして数尺の朽有るも良工は棄てず(きしれんぽうにしてすうせきのくちあるもりょうこうはすてず)
杞や梓のような良材に、たとえ数尺の腐りが含まれていても、腕のよい職人は捨てずに用いる。 人材においても、短所があろうとも、その人の長所を見抜き、それを活かして用いることが、人を生かす道であるというたとえ。 「朽」は「きゅう」とも読む。
机上の空論(きじょうのくうろん)
頭の中だけで考えられた、実際には役に立たない理論。
驥足を展ばす(きそくをのばす)
すぐれた才能を持った人がそれを十分に発揮すること。「驥足」は駿馬のすぐれた脚力のことで、転じてすぐれた才能の意。
汚く稼いで清く暮らせ(きたなくかせいできよくくらせ)
稼ぐ時にはがめついくらいに金儲けをして、そのかわり使う時には使ってすがすがしい生活をせよということ。
機転が利く(きてんがきく)
その場の状況に応じて、即座に適切な判断や行動ができること。
木で鼻をくくる(きではなをくくる)
無愛想に応対するたとえ。冷淡にあしらうたとえ。 「くくる」は、こするという意の「こくる」が変化したもの。 略して「木で鼻」ともいう。
気に食わない(きにくわない)
自分の好みや考えに合わず気に入らない様子。
絹を裂くよう(きぬをさくよう)
非常に甲高くて鋭い叫び声のたとえ。 絹布を裂くとき、高く鋭い音がすることから。
気の毒は身の毒(きのどくはみのどく)
「気の毒」は自分の気持ちの毒になることの意で、心配事は身体に悪いということ。
起爆剤になる(きばくざいになる)
ちょっとした事が、重大な事件や運動を引き起こすきっかけとなること。
決まりが付く(きまりがつく)
物事が何らかの結果に落ち着き、決着すること。
気脈を通じる(きみゃくをつうじる)
互いにひそかに連絡をとって意志を通じ合うこと。「気脈」は、血液の通う道筋から転じて、考えや気持ちのつながりの意。
気脈を通ずる(きみゃくをつうずる)
他に知られないように連絡を取り合って気持ちを通じ合わせること。
気持ちが傾く(きもちがかたむく)
当初とは考え方や感じ方が変わり、次第にそれが好ましく感じられて惹きつけられること。
気持ちを汲む(きもちをくむ)
相手の意向や事情を推察する。
客が付く(きゃくがつく)
買い手が決まること。また、接客業などで得意客ができること。
客人一杯手八杯(きゃくじんいっぱいてはちはい)
客に酒を一杯すすめる間に、主人が手酌で酒を八杯飲むということ。酒好きの人が客にかこつけて酒を飲むことにもいう。
客と白鷺は立ったが見事(きゃくとしらさぎはたったがみごと)
客は長居をしないで、早く帰るほうがよいということ。白鷺の美しい立ち姿に掛けていった言葉。
客の朝起き(きゃくのあさおき)
泊り客がその家の人より早く起きるのは、対応に困って迷惑するということ。 「客の朝起き宿の迷惑」ともいう。
急所を衝く(きゅうしょをつく)
物事の核心となる部分を鋭く指摘すること。
九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)
長い間の努力も最後のわずかなところでやめてしまえば無駄になることのたとえ。 「九仞」は非常に高い、「一簣」は一杯のもっこの意。 高い山を築くのに、最後のもっこ一杯の土を虧く(欠く)と完成しないとの意から。
朽木は雕る可からず(きゅうぼくはえるべからず)
やる気のない怠け者は教育のしようがないことのたとえ。 「雕る」は、彫刻すること。 朽ちた木は彫刻できないとの意から。 このあとに「糞土の牆は塗るべからず」と続く。
窮余の一策(きゅうよのいっさく)
追いつめられて困ったあげく、苦しまぎれに思いついた一つの方法のこと。「窮余」は、行き詰まった末という意。
胸襟を開く(きょうきんをひらく)
心の中に思っていることをすっかり打ち明けること。「胸襟」は、胸と襟から転じて心の中の意。
胸中、成竹あり(きょうちゅう、せいちくあり)
事をするにあたって、あらかじめ十分な見通しが立っていることのたとえ。 「成竹」は、事前に心の中で考えている計画のこと。 竹の絵を描くときには、胸の中に竹の形を思い浮かべてから描きはじめるとの意から。
京の着倒れ、大坂の食い倒れ(きょうのきだおれ、おおさかのくいだおれ)
京都の人は衣装にお金をかけ、大阪の人はぜいたくな飲食をして、そのために財産をなくしてしまう人さえあるということ。
京へ筑紫に坂東さ(きょうへつくしにばんどうさ)
方向を示す助詞を京都では「へ」、九州では「に」、関東では「さ」を用いるように、地方によって方言に特徴があるということ。
旭日昇天の勢い(きょくじつしょうてんのいきおい)
天に昇る朝日のように、勢いが盛んなようす。「旭日」は、朝日の意。
曲水の宴(きょくすいのえん)
平安時代、陰暦の三月三日の節句に宮中で行われた行事の一つ。庭園の曲水に臨んで座し、上流から流される杯が自分の前を通り過ぎないうちに詩歌を詠み、その杯を取って酒を飲むという遊び。「ごくすいのえん」とも読む。
虚を衝く(きょをつく)
相手の弱点や無防備な所につけ込んで攻撃すること。
気を配る(きをくばる)
さまざまな方面に配慮したり、注意を払ったりすること。
気を抜く(きをぬく)
それまでの緊張感を緩め、リラックスすること。
気を吐く(きをはく)
威勢のいいことを得意げに言ったり、意気盛んなところを見せたりすること。
気を引く(きをひく)
相手の気持ちをそれとなく探ること。 また、相手の関心を自分に向けさせようとすること。
気を悪くする(きをわるくする)
他人の言動によって不愉快な気持ちになること。
玉山崩る(ぎょくざんくずる)
容姿の立派な人が酔いつぶれるたとえ。「玉山」は、珠玉のとれる山から転じて、容姿のあでやかなことのたとえ。
玉斧を乞う(ぎょくふをこう)
人に詩や文章の添削を頼むことのたとえ。「玉斧」は、他人が詩文の添削をすることを、敬っていう言葉。
魚腹に葬らる(ぎょふくにほうむらる)
海や川で水死するたとえ。 海や川で溺れ死んで魚の餌となり、その腹に葬られるとの意から。
苦あれば楽あり(くあればらくあり)
人生はいつも楽しいことばかりではなく苦しいこともある、逆に苦しいことばかりではなく楽しいこともあるということ。 「楽あれば苦あり」のあとに続けても言う。
株を守りて兎を待つ(くいぜかぶをまもりてうさぎをまつ)
古い習慣や過去の偶然の成功にこだわり、進歩や向上がないことのたとえ。 中国・宋の農民が農作業をしていると、兎が木の切り株にぶつかって死んだ。農民は労せず兎を手に入れることができたその経験以来、農作業をせずに毎日切り株を見張っていたという故事から。 「守株」ともいう。
食い足りない(くいたりない)
物事の内容が不十分で、不満のあるさま。 食べても食べても満足できないとの意から。
食い溜め寝溜めは何にもならぬ(くいだめねだめはなんにもならぬ)
余分に食べたり寝たりしても、時間が経てば腹も空くし眠くもなるので無駄であるということ。
食い付き馬に乗ったよう(くいつきうまにのったよう)
危険なことをやめることができないたとえ。 食いつく癖のある馬に乗ると、乗っているのも危ないが、降りると馬に食いつかれるので降りられないとの意から。
食いつく犬は吠えつかぬ(くいつくいぬはほえつかぬ)
自信や実力のある者はむやみに騒ぎ立てたりしないというたとえ。 臆病な犬はむやみに吠えるが、強い犬はむやみに吠えたりせず行動に出るということから。
食い物と念仏は一口ずつ(くいものとねんぶつはひとくちずつ)
食べ物は一口ずつでもみんなで分け合って食べたほうがよいということ。また、念仏は一人が一口ずつ唱えてもご利益があるということ。 「食い物」は「食べ物」ともいう。
食うか食われるか(くうかくわれるか)
優劣がつけられないほど、実力に差のない者同士が生き残りをかけて命懸けで戦うこと。 相手を食うか自分が食われるかとの意から。
空谷の跫音(くうこくのきょうおん)
退屈な時や孤独な時に、思いがけない訪問があったり便りが届いたりする喜びのたとえ。 「空谷」はひと気のないさびしい谷間、「跫音」は足音のこと。 人のいないさびしい山奥で聞く人の足音との意から。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
食うた餅より心持ち(くうたもちよりこころもち)
ごちそうしてもらったり、贈り物をもらったりするのもうれしいが、それをしてくれた相手の心持ちがもっとうれしいということ。「餅」と「持ち」をかけたしゃれ。
食うに倒れず病むに倒れる(くうにたおれずやむにたおれる)
食べることはなんとかなるが、病気になると治療費で財産を失うことになるということ。
空腹は最上のソース(くうふくはさいじょうのそーす)
空腹の時は何を食べてもおいしいということ。
食うや食わず(くうやくわず)
食事も満足に取れないほど、非常に生活が苦しいようす。
食えない(くえない)
ずるがしこく、気を許すことができない。油断ができない。
「―人だ」釘の裏を返す(くぎのうらをかえす)
念には念を入れて間違いのないようにすることのたとえ。打った釘の裏の先を曲げてたたくと釘が抜けにくくなることから。
釘を刺す(くぎをさす)
あとで問題が起こらないように確かめ、念を押すたとえ。
臭い飯を食う(くさいめしをくう)
刑務所にはいること。 刑務所の飯が臭かったことから。
臭い物に蓋をする(くさいものにふたをする)
人に知られて困る悪事や醜聞などを、一時しのぎで隠そうとするたとえ。容器に蓋をして悪臭が漏れないようにする意から。
臭いもの身知らず(くさいものみしらず)
自分の悪臭に気がつかないように、欠点は自覚しにくいというたとえ。