「っ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「っ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 666 件
衆目の一致する所(しゅうもくのいっちするところ)
大勢の見方や評価などが同じであること。
出家の念仏嫌い(しゅっけのねんぶつぎらい)
もっとも大切なことが嫌いだったり、出来なかったりすることのたとえ。 僧となって仏道を修行する者が念仏を唱えるのが嫌いとの意から。
手套を脱す(しゅとうをだっす)
秘めていた本来の力を発揮するたとえ。「手套」は、手袋のことで、それを脱ぐということから。
春宵一刻値千金(しゅんしょういっこくあたいせんきん)
おぼろ月夜に花の香りが漂う春の宵のひとときは、千金にも値するほどすばらしいということ。「一刻」はわずかな時間、「千金」は千両・大金の意。
春秋の筆法(しゅんじゅうのひっぽう)
物事を厳格に批判する態度。また、間接の原因を直接の原因のように言う表現方法。「春秋」は、中国の歴史書で孔子が加筆し、その書き方が厳正だったことから。
雌雄を決する(しゆうをけっする)
戦って勝敗を決めること。決着をつけること。「雌雄」は、優劣・勝ち負けの意。
正直は一生の宝(しょうじきはいっしょうのたから)
正直者は人から信頼され、それによって成功や幸福を手にすることができる。正直こそ一生を通じて大切に守るべき宝だというたとえ。
商売は道によって賢し(しょうばいはみちによってかしこし)
商人は、商売に関しては何でもよく知っているということ。専門家は、専門とする分野についてよく知っているというたとえ。
将を射んと欲すれば先ず馬を射よ(しょうをいんとほっすればまずうまをいよ)
何かを達成したり手に入れたりしようとするときには、まずは周囲にあるものから狙うのがよいというたとえ。 敵将を射ようとするのであれば、まず敵将の乗っている馬を射止めるのがよいとの意から。 「将を射んとせば先ず馬を射よ」「人を射んとせば先ず馬を射よ」ともいう。
升を以て石を量る(しょうをもってこくをはかる)
小人物には大人物を理解することはできないこと、または小さな基準では大きな物をはかることができないことのたとえ。 一升ますでは一石をはかることはできない。また、無理にはかっても誤差が生じてしまうことから。
食後の一睡、万病円(しょくごのいっすい、まんびょうえん)
食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病円」は、万病に効果があるといわれる丸薬。
食後の一睡、万病丹(しょくごのいっすい、まんびょうたん)
食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病丹」は、万病に効果があるといわれる丸薬。
蜀犬、日に吠ゆ(しょっけん、ひにほゆ)
無知なために、当たり前のことに疑いを抱いて騒ぎ立てるたとえ。また、見識が狭い人が他人のすぐれた言動を疑って非難するたとえ。 「蜀犬」は、中国の蜀地方の犬のこと。 蜀地方は、山地で雨の降ることが多く、天気の良い日が少ないため、太陽が出ると犬が怪しんで吠えるということから。
背負って立つ(しょってたつ)
組織や団体などの主要な立場になり、全ての責任を負うこと。
尻の持って行き場がない(しりのもっていきばがない)
不平や不満、苦情などを訴える所がないこと。
心肝に徹する(しんかんにてっする)
ある出来事や言動などから、強い衝撃を受けて心に刻み込まれること。 「心肝」は心臓と肝臓のことで、転じて、心の奥底という意味。
身体髪膚、これを父母に受く(しんたいはっぷ、これをふぼにうく)
人の身体はすべて父母から受けたものであるから、大切にしなければならないということ。後に「敢えて毀傷せざるは孝の始めなり」と続く。
心頭滅却すれば火もまた涼し(しんとうめっきゃくすればひもまたすずし)
どんな困難でも、精神の持ち方次第で乗り越えられるということ。 「心頭」は、心の中。 心の中から雑念を消し去り、無念無想の境地に至れば、火さえも涼しく感じられるとの意から。 武田信玄に仕えた禅僧快川が、甲斐の恵林寺で織田信長の軍勢に攻められたとき、火中に正座して言ったとされる言葉。
地獄で仏に会ったよう(じごくでほとけにあったよう)
大変困っているときに、思いがけず手を差し伸べてくれる人が現れることのたとえ。 「地獄で仏に会う」「地獄で仏」ともいう。
地獄の一丁目(じごくのいっちょうめ)
きわめて恐ろしい所のたとえ。また、悪の道や破滅に向かう始まりのたとえ。「一丁目」は入り口の意。
地獄の上の一足飛び(じごくのうえのいっそくとび)
きわめて危険な行為のたとえ。
十指に余る(じっしにあまる)
数が多いこと。十本の指で数え切れないということから。
十把一絡げ(じっぱひとからげ)
いろいろな種類のものを、区別無くひとまとめにして取り扱うこと。また、一つ一つ取り上げるほどの価値がないものとして粗末に取り扱うこと。
十遍探して人を疑え(じっぺんさがしてひとをうたがえ)
物がなくなった時には、自分でよく探してみるのが先で、軽率に人を疑ってはいけないという戒めの言葉。 七回探しても見つからない時に、はじめて他人を疑うべきとの意から。 「七度探して人を疑え」
十遍読むより一遍写せ(じっぺんよむよりいっぺんうつせ)
十回読むよりも一回書き写した方が内容をよく理解できるということ。 「十遍読むより一遍写せ」ともいう。
重箱の隅を突っつく(じゅうばこのすみをつっつく)
どうでもいいようなつまらない所まで取り上げて、口うるさく言うことのたとえ。 「楊枝で重箱の隅をほじくる」「楊枝で重箱の隅をつつく」「小楊枝で重箱の隅をほじくる」「重箱の隅を突っつく」などともいう。
十目の見る所、十指の指さす所(じゅうもくのみるところ、じっしのゆびさすところ)
多くの人が一致して認めること。 十人の目が見て、十人の指が指し示す所との意から。 「十指の指す所」「十目の視る所、十手の指す所」ともいう。
述懐奉公身を持たず(じゅっかいぼうこうみをもたず)
不平、不満を持ちながら働いていても、身が持たないということ。
術中に陥る(じゅっちゅうにおちいる)
相手が仕掛けた計略に引っかかること。 「術中にはまる」ともいう。
常軌を逸する(じょうきをいっする)
常識外れなことを行ったり言ったりすること。
酸いも甘いも知っている(すいもあまいもしっている)
経験が豊かで、世間の事情も人の心の繊細さも知り尽くしていること。 酸っぱい物と甘い物を区別して味わい、いい点と悪い点をよく知っているとの意から。 「酸いも甘いも知っている」「酸いも甘いも知り抜く」ともいう。
雀、海に入って蛤となる(すずめ、うみにいってはまぐりとなる)
思いがけない変化があることのたとえ。晩秋の海辺で騒ぐ雀が蛤になるという中国の古い俗信から。
鈴を張ったよう(すずをはったよう)
大きく美しい女性の目を言い表す言葉。
擦った揉んだ(すったもんだ)
話し合いなどで意見がまとまらずに揉めること。
酸っぱい葡萄(すっぱいぶどう)
負け惜しみのたとえ。腹を空かせた狐が、木に実った葡萄を取ろうとするが、どうしても取れず「どうせあの葡萄は酸っぱい」と言ったというイソップ物語から。
すっぱ抜く(すっぱぬく)
他人の秘密や悪事などを明るみに出すこと。
「素破(すっぱ)」は、忍びの者のことで、その活動や不意に刀を抜いたりしたことに由来する。脛一本、腕一本(すねいっぽん、うでいっぽん)
地位、名誉、財産などもなく、自分のほかには頼るものがないことのたとえ。
滑ったの転んだの(すべったのころんだの)
くだらないことであれこれと騒ぎ立てること。
スポットを当てる(すぽっとをあてる)
その物事に特に注目して取り上げること。 「スポット」は「スポットライト」を略したもの。
相撲に勝って勝負に負ける(すもうにかってしょうぶにまける)
内容や経過は良いにもかかわらず、結果的に失敗してしまうことのたとえ。 相撲の内容では優勢だったのに、ちょっとしたはずみで負けてしまうとの意から。
精神一到、何事か成らざらん(せいしんいっとう、なにごとかならざらん)
精神を集中して取り組めば、どんな難しいことでもできないことはないということ。
世界半分自惚れしっかり(せかいはんぶんうぬぼれしっかり)
世の中のことは半分しかわかっていないのに、自惚れだけはしっかりあるということ。
世上物騒我が身息災(せじょうぶっそうわがみそくさい)
世間にどんな事が起こっても、自分の身が安全ならかまわない。世の中に無関心で利己主義な人のことをいう。
切匙で腹を切る(せっかいではらをきる)
不可能なことのたとえ。切匙を刀がわりにしても腹は切れないことから。「切匙」は、すり鉢の内側についたものをかき落とす時に使う木製の道具。
尺蠖の屈するは伸びんがため(せっかくのくっするはのびんがため)
将来の成功のためには、一時的に不遇に耐え忍ぶことも必要であるというたとえ。 「尺蠖」は、尺取り虫。 尺取り虫が体を屈めるのは、伸ばした時により前進するためであるとの意から。
折檻(せっかん)
厳しく意見すること。また、懲らしめのために体罰を加えること。 中国前漢の成帝が、臣下である朱雲による諫言に怒り、朝廷から引きずり出そうとしたとき、朱雲は欄檻にしがみついて抵抗したため、ついには欄檻が折れてしまった。 国のこと思い諫言を続けた朱雲の行動に、最後は成帝も怒りを収めたという故事から。
節季の風邪は買っても引け(せっきのかぜはかってもひけ)
節季のような忙しい時でも、病気ならば公然と休めるから、病気もときには重宝だということ。
節制は最良の薬なり(せっせいはさいりょうのくすりなり)
節制して質素な暮らしをすることが最も健康によいということ。 「Temperance is the best physic.」を訳した言葉。
雪駄の裏に灸(せったのうらにきゅう)
長居をする客を早く帰らせるためのおまじない。 「草履に灸」ともいう。
雪駄の土用干し(せったのどようぼし)
ふんぞり返って、偉そうに歩く者をあざけっていう言葉。雪駄を土用の頃日に干すと反り返るところから。
雪隠詰め(せっちんづめ)
将棋で王将を盤の隅に追い込んで詰めること。また、逃げ道のない所へ追い詰めること。
雪隠で饅頭(せっちんでまんじゅう)
空腹を満たすのに場所を選ばないことのたとえ。また、人に隠れて、自分だけこっそりいい思いをすることのたとえ。
切羽詰まる(せっぱつまる)
どうすることもできない状態に追い詰められること。 「切羽」は日本刀の鍔の前後の両面に添える金属のこと。 刀の構造上、切羽が詰まることは考えにくいことから、詰まる部分は鎺(はばき)と考えられ、これが詰まると鞘から刀が抜けなくなることから。 また、もとは違う言葉が「切羽」に置き換わったともいわれる。
節を屈する(せつをくっする)
信念や主義などを曲げて人に従うこと。 「節」は、節操のこと。 「節を屈する」「節を曲げる」ともいう。
千貫のかたに編笠一蓋(せんがんのかたにあみがさいっかい)
大きな元手のわりに利益が少なく、損益が釣り合わないことのたとえ。 「千貫」は銭の単位。一貫の千倍。転じて非常に高価なこと。 千貫の借金の担保が、編み笠一つということから。 「一蓋」は「ひとがい」とも読む。
千金の裘は一狐の腋に非ず(せんきんのきゅうはいっこのえきにあらず)
国を治めるには、多くの有能な人材が必要だというたとえ。 「裘」は獣の毛皮で作った衣服。皮衣。「腋」は脇の下。 千金もする皮衣は、一匹の狐のわきの毛だけでは作れないとの意から。
千石万石も飯一杯(せんごくまんごくもめしいっぱい)
人には必要な物が必要な分だけあれば十分だということ。 千石、万石といった高い俸禄を得ている人でも、一日に食べる米の量は五合にすぎないとの意から。 「千石万石も飯一杯」ともいう。
千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰いゆ(せんじょうのつつみもろうぎのあなをもってついゆ)
わずかな油断・不注意から大事が起こることのたとえ。 千丈の堤防でも螻(けら)や蟻のあける穴から崩れることもあるとの意から。
千日に刈った萱一日に亡ぼす(せんにちにかったかやいちにちにほろぼす)
長年苦労して築き上げたものを一瞬にして失うことのたとえ。 「萱」は、屋根をふくのに用いる植物の総称。 千日もかけて刈り集めた萱をたった一日で燃やしてしまうとの意から。
仙人の千年、蜉蝣の一時(せんにんのせんねん、かげろうのいっとき)
長い短いの違いはあっても、どちらも一生であることに変わりないことのたとえ。また、同じ一生でも長短の差が大きいことのたとえ。
千人の諾諾は一士の諤諤に如かず(せんにんのだくだくはいっしのがくがくにしかず)
他人の言葉になんでも賛同して従う千人は、権勢に媚びずに正しいと思うことを主張する一人には及ばないということ。「諾諾」は、他人の言葉にさからわないで従うさま。「諤諤」は、正しいと思うことを恐れはばかることなく述べるさま。
千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
大きな目標・目的を達成するためには、身近なことからこつこつと努力を積み重ねていくことが大切であるということ。 千里の道のりも踏み出した一歩から始まるとの意から。 「千里の行も足下より始まる」ともいう。
千慮の一失(せんりょのいっしつ)
どんなに賢い人でも、多くの考えの中には一つくらい失敗もあるということ。また、十分に注意していても思わぬ失敗が起こるということ。 「千慮」は、いろいろと考えを巡らすこと。
千慮の一得(せんりょのいっとく)
愚かな者でも、たまには一つぐらいよい考えを出すこともあるということ。
絶景というは樽肴ありてこそ(ぜっけいというはたるさかなありてこそ)
すばらしい景色は、酒や肴があってこそ楽しく、酒抜きで景色を見てもつまらないということ。
是非は道によって賢し(ぜひはみちによってかしこし)
物事のよしあしを判断するのは、その道の専門家に任せるのが確かだということ。
想像を絶する(そうぞうをぜっする)
想像することができる程度を大きく上回っていること。
相場が決まっている(そうばがきまっている)
一般的にそうであると認識されていること。
即時一杯の酒(そくじいっぱいのさけ)
死んでから受ける名誉より、今すぐ飲める一杯の酒のほうがありがたいということ。
粗相も時の一興(そそうもときのいっきょう)
失敗も、時によってはその場を和ませるような笑いを誘う一つの面白みであるということ。
率土の浜(そっとのひん)
陸地の果てのこと。また、国土のこと。
そっぽを向く(そっぽをむく)
相手を見ずに別の方を見ること。または、相手にしない態度をとること。無視すること。 「横を向く」ともいう。
揃いも揃って(そろいもそろって)
同じ種類のものが揃っていることを強調して言う言葉。 特に悪い意味で使う言葉。
ぞっとしない(ぞっとしない)
その物事によい感情をもてないこと。あまり感心しない。
大海の一滴(たいかいのいってき)
大きな海の中の一滴の水のように、広大なところにきわめて小さなものがあることのたとえ。
大義、親を滅す(たいぎ、しんをめっす)
国や君主に尽くす時は親子兄弟さえ犠牲にすることがあるということ。
大魚を逸する(たいぎょをいっする)
大きな仕事・手柄などをあと少しのところで逃すこと。 大きな魚を取り逃すことから。
大山鳴動して鼠一匹(たいざんめいどうしてねずみいっぴき)
前触ればかりが大きくて、実際の結果は小さいことのたとえ。 大きな山が音を立てて揺れ動くので、何か大きな事が起こるのかと身構えていると、鼠がたった一匹出てきただけだったとの意から。 「大山」は「泰山」とも書く。
太山を挟んで北海を超ゆ(たいざんをわきばさんでほっかいをこゆ)
人間の力では出来るはずがないことのたとえ。 「太山」は泰山、「北海」は中国北東部にある渤海湾(ぼっかいわん)のこと。 泰山を小脇にかかえて渤海湾を飛び越えるとの意から。
竹を割ったよう(たけをわったよう)
さっぱりしていて、わだかまりのない気性のたとえ。竹が一直線に割れることから。