「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1117 件
意地を貫く(いじをつらぬく)
心に決めたことをどこまでも押し通す。 「意地を貫く」ともいう。
いずれ菖蒲か杜若(いずれあやめかかきつばた)
どちらもすぐれていて優劣をつけにくく、選択に迷うたとえ。菖蒲も杜若もよく似た美しい花で区別がむずかしいことから。
痛い所をつく(いたいところをつく)
弱点や欠点を指摘してせめたてること。
戴く物は夏も小袖(いただくものはなつもこそで)
欲深いことのたとえ。 貰える物なら、その季節に不要な綿入れでも何でもよいとの意から。 「小袖」は、絹の綿入れのことで、冬に着用する衣服。 「貰う物は夏も小袖」ともいう。
板に付く(いたにつく)
経験を積んで、動作や態度などが職業や地位にふさわしくなること。 「板」は芝居の舞台のこと。 役者の芸が舞台にぴったり合うとの意から。
至れり尽くせり(いたれりつくせり)
配慮が細かく行き届いていて申し分ない。
一芸は道に通ずる(いちげいはみちにつうずる)
一芸を極めた人は、他のどんな分野においても人にぬきんでることができるということ。
一日千秋の思い(いちじつせんしゅうのおもい)
待ち焦がれて、一日が千年もの長さに感じられること。
一日の計は朝にあり(いちじつのけいはあしたにあり)
一日の計画は朝のうちに立てるべきであるということ。何事も最初が肝心であるというたとえ。
一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり(いちじつのけいはあしたにあり、いちねんのけいはがんたんにあり)
一日の計画は朝のうちに立て、一年の計画は元旦に立てよということ。
一日の長(いちじつのちょう)
経験・知識が他の人より少しだけ優れていること。その人より一日分年長であるとの意から。
一日再び晨なり難し(いちじつふたたびあしたなりがたし)
一日に二度朝が来ることがない。だから時間を大切にして勉学に励めという戒めのことば。「晨」は朝の意。
一段落つく(いちだんらくつく)
物事がひと区切りつく。ひとまず片付く。
一人虚を伝うれば万人実を伝う(いちにんきょをつたうればばんにんじつをつたう)
一人がでたらめを伝えれば、大勢の人が次々にそれを言いふらして事実にしてしまうということ。
一念、天に通ず(いちねん、てんにつうず)
成し遂げようとする強い信念があれば、その意志は天に通じ必ず成就するということ。
一抹の不安(いちまつのふあん)
ほんの少し、気がかりなことがある。 「一抹」は、絵筆のひとはけの意。
一脈相通ずる(いちみゃくあいつうずる)
ちょっと見ただけではかけ離れているように見えるものの間にも、何かしら共通点があるということ。
いちゃもんを付ける(いちゃもんをつける)
根拠のないことを言って、相手を困らせること。 「言い掛かりを付ける」の俗語的な言い方。
一犬影に吠ゆれば百犬実を伝う(いっけんかげにほゆればひゃっけんじつをつたう)
一人がいいかげんなこと言い出すと、世間の多くの人がそれを真実として広めてしまうことのたとえ。 一匹の犬が何かの影を見て吠え出すと、辺りの百匹の犬がそれにつられて吠え出すとの意から。 「影に」は「形に」「虚を」、「百犬」は「千犬」「万犬」、「声に吠ゆ」は「実を伝う」「虚を伝う」「実に吠ゆる」などと多くの表現がある。
一札入れる(いっさついれる)
約束や謝罪などの文書を相手に差し出すこと。
一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
輝かしい功績をあげた人の陰には、多くの人の努力や苦労があるというたとえ。 指導者だけが功名を得ることを嘆く言葉。 一人の将軍が輝かしい功名をあげた陰には、犠牲となった一万人もの兵士の骨が戦場にさらされているとの意から。
一升入る壺は一升(いっしょうはいるつぼはいっしょう)
一升入りの容器には、どうやっても一升しか入らないということ。物にはそれそれの限度があることのたとえ。
一席打つ(いっせきぶつ)
大勢の前で威勢よく演説をする。得意げに話をする。
一朝の怒りに一生を過つ(いっちょうのいかりにいっしょうをあやまつ)
一時的な怒りのために我を忘れて行動すること。 また、そのような行動は身を滅ぼすことになるという戒め。 「一朝の怒りに一生を過つ」ともいう。
一髪、千鈞を引く(いっぱつ、せんきんをひく)
非常に危険なことのたとえ。 「千鈞」は約6.7kgで非常に重い物こと。 一本の髪の毛で、千鈞の重さがある物ものを引っ張ることから。
一発嚙ます(いっぱつかます)
相手の気勢をそぐために、あらかじめ威嚇する。
一筆入れる(いっぴついれる)
後の証拠となるように、文書を作成する。
何時にない(いつにない)
普段とは違っている。平生とは異なる。
溢美の言(いつびのげん)
ほめ過ぎのことば。 「溢美」は、ほめすぎること。
鷸蚌の争い(いつぼうのあらそい)
両者が争っている隙につけ入り、第三者が利益を横取りすることのたとえ。 「漁夫」は漁師のこと。漁父とも書く。 鴫(しぎ)と蛤(はまぐり)が争っている間に、漁師が両方とも捕まえたという中国の故事から。 「鷸蚌の争い」ともいう。
いつまでもあると思うな親と金(いつまでもあるとおもうなおやとかね)
独立と倹約を心がけよという戒めのことば。 親はいつまでも面倒見てくれるわけでもなく、金も使えばなくなることから。
いつも月夜に米の飯(いつもつきよにこめのめし)
飽きることのない気楽な生活のたとえ。また、現実はなかなかそうはいかないということ。 昔の人にとって月の光はありがたく、また米の飯は貴重だったため、それが毎日続けば言うことがないとの意から。 「月夜に米の飯」ともいう。
乙夜の覧(いつやのらん)
天子が読書すること。 書物を読むことの大切さをいう言葉。 「乙夜」は午後十時ごろ。 「覧」は読書のこと。 天子はとても忙しいため、夜遅くになってはじめて読書する時間ができるとの意から。 「乙覧」と略して使うこともある。
佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
味方はゆっくりと休養し、相手の疲れるのを待って戦うということ。味方はじっくりと休養を取って力を蓄え、遠くから攻めてくる敵の疲れるのを待って迎え討つということ。「佚」は気ままにのんびりするという意。
犬は人につき猫は家につく(いぬはひとにつきねこはいえにつく)
引っ越す時、犬は飼い主について行くが猫は家から離れようとしないということ。
命の綱(いのちのつな)
命をつなぎとめるために大切なもの。生きていくための頼みとなるもの。
命を擲つ(いのちをなげうつ)
自分の命をそっくり投げ出す覚悟で物事を行うこと。 「擲つ」は、惜しげもなく投げ出すこと。
医は仁術(いはじんじゅつ)
医術は病気を治すことによって、相手に仁徳を施す術でもあるということ。
衣鉢を継ぐ(いはつをつぐ)
学問・芸術などで、弟子が師から奥義を受け継ぐこと。 「衣鉢」は仏教語で僧侶が身にまとう袈裟と鉢のこと。転じて、その道の奥義の意。
衣鉢を伝う(いはつをつたう)
学問・芸術などで、師が弟子に奥義を教え伝えること。 「衣鉢」は仏教語で僧侶が身にまとう袈裟と鉢のこと。転じて、その道の奥義の意。
意表を突く(いひょうをつく)
相手の予想外のことをしたり言ったりして驚かせる。 「意表」は、思いがけないこと。考えてもいなかったこと。
韋編三度絶つ(いへんみたびたつ)
繰り返して書を読むこと。 「韋編」は、字を書いた木や竹の札を、なめし皮の紐(ひも)でとじた中国の昔の書物。 孔子は「易経」を愛読し繰り返し何度も読んだため、書物をとじている革紐が三度も切れたという故事から 「[[韋編三絶*https://yoji.jitenon.jp/yojih/3680.html]]」ともいう。
居仏が立ち仏を使う(いぼとけがたちぼとけをつかう)
座っている者が、立っている者に用事を頼むたとえ。「居仏」は、座像の仏のこと。
今際の念仏誰も唱える(いまわのねんぶつだれもとなえる)
不信心な人でも、死に際には念仏を唱えて仏にすがるということ。
芋幹で足を衝く(いもがらであしをつく)
思いもよらぬ弱者や無力な存在に足をすくわれ、失敗すること。 また、通常では考えられないような誇張された出来事のたとえ。 「芋幹」は「芋茎」、「衝く」は「突く」とも書く。 また、「長芋で足を突く」ともいう。
いらぬ物も三年立てば用に立つ(いらぬものもさんねんたてばようにたつ)
今は必要ない物でも、役に立つことがあるかもしれないので、むやみに捨てるものではないということ。 今は不要な物も、三年も取っておけばきっと役に立つ機会があるとの意から。
居留守を使う(いるすをつかう)
家にいるのに、不在のふりをする。
色目を使う(いろめをつかう)
相手の気を引くような態度をとる。気のありそうな素ぶりを見せる。
色を付ける(いろをつける)
物事の扱いで、相手に多少の利益を与えること。
曰く付き(いわくつき)
何らかの好ましくない事情があること。
意を尽くす(いをつくす)
相手に理解してもらうために、自分の考えをすべて言い表すこと。また、わかりやすく丁寧に言うこと。
意を強くする(いをつよくする)
他人の支持を得て、自信を深めること。他人の賛同を心強く思うこと。
慇懃を通ずる(いんぎんをつうずる)
男女がひそかに情交を結ぶ。 「慇懃」は、親しい交際のこと。
因縁を付ける(いんねんをつける)
つまらない理由を付けて、文句を言ったり脅したりすること。
憂いも辛いも食うての上(ういもつらいもくうてのうえ)
悲しい・辛いなどの不満は、衣食が満たされているから言える事なので、食べることさえままならない状況ではそんな事は言っていられないということ。
上に立つ(うえにたつ)
組織や集団の中で、人を統率し指導する立場にある。
浮き足立つ(うきあしだつ)
恐怖や不安などを感じて、逃げようとするときの腰の構えになること。
憂き身をやつす(うきみをやつす)
苦労や辛さなどを意に介さずに物事に熱中すること。 また、無意味なことに夢中になること。 「憂き身」は辛いことが多い身の意。
受けて立つ(うけてたつ)
相手からの挑戦に応じ、立ち向かうこと。
兎の罠に狐がかかる(うさぎのわなにきつねがかかる)
思いがけない幸運や収穫を得ることのたとえ。
兎も七日なぶれば噛みつく(うさぎもなぬかなぶればかみつく)
おとなしい人でも、たびたび辱めを受けるとついには怒るというたとえ。おとなしい兎でも七日もいじめられればついには噛みつくというたとえ。
牛の角突き合い(うしのつのつきあい)
仲が悪く、何かにつけて争い合うこと。
牛の角を蜂が刺す(うしのつのをはちがさす)
なんとも感じないこと、あるいは効果がないことのたとえ。牛は蜂に角を刺されても、まったく痛くもかゆくも感じないことから。
嘘つきは泥棒の始まり(うそつきはどろぼうのはじまり)
平気で嘘をつくようになると、泥棒をするのも平気になるということ。
嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれる(うそをつくとえんまさまにしたをぬかれる)
嘘をつくと、死んでから地獄の閻魔大王に悪い舌を抜かれる。だから嘘をついてはいけないと、子どもを戒めたことば。
嘘をつけ(うそをつけ)
相手が見えすいた嘘を言っていることをとがめる言葉。 「嘘を言え」ともいう。
歌は世につれ世は歌につれ(うたはよにつれよはうたにつれ)
歌は世相の変化に伴って変わっていき、世相も歌の流行に影響されるということ。
打たれても親の杖(うたれてもおやのつえ)
親が子を杖で打つ叱り方も、慈愛がこもっているので子は感謝すべきだということ。
うだつが上がらぬ(うだつがあがらぬ)
逆境から抜け出せずに地位や生活がよくならにことのたとえ。 「うだつ」は梁の上に立てて棟木を支える短い柱のこと。 棟木に押さえられて頭が上がらない、出世できないとの意から。
美しい花には棘がある(うつくしいはなにはとげがある)
美しいものには人を傷つける一面があるということ。
現を抜かす(うつつをぬかす)
ある事に夢中になり本心を失うこと。 「現(うつつ)」は正気のことで、正気をなくすとの意から。
打つも撫でるも親の恩(うつもなでるもおやのおん)
子を叱ってぶつのも、ほめて撫でるのも、すべて親の愛情のあらわれだということ。
移れば変わる世の習い(うつればかわるよのならい)
時代が移り変われば世の中も変わっていくのが当然だということ。 「移り変わるは浮き世の習い」ともいう。
腕が立つ(うでがたつ)
優れた技量を持っている。
兎の毛で突いたほど(うのけでついたほど)
きわめて小さいことのたとえ。 うさぎの細い毛の先で突いた程度との意から。
馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)
人の意見や忠告を上の空で聞き流すため、まったく効果のないことのたとえ。
生まれる前の襁褓定め(うまれるまえのむつきさだめ)
物事の手回しがよすぎて大げさなことのたとえ。 「襁褓」は、おむつのこと。 生まれる前から、赤ん坊のおむつの準備で大騒ぎするとの意から。
馬を水辺につれていけても水を飲ませることはできない(うまをみずべにつれていけてもみずをのませることはできない)
その気のない人間は、周囲がいくら心配したり気をもんだりしても無駄であるというたとえ。
海の物とも山の物ともつかぬ(うみのものともやまのものともつかぬ)
この先どうなるか見当がつかないこと。また、正体がわからないこと。
有無相通じる(うむあいつうじる)
互いに足りないものを交換し融通し合うこと。