「もた」を含む故事・ことわざ・慣用句
「もた」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 39 件
畦から行くも田から行くも同じ(あぜからいくもたからいくもおなじ)
手段や方法が違っても、同じ結果になることのたとえ。 畦道から行っても田から行っても、結局行き着く所は同じということから。 「田から行くも畦から行くも同じ事」「田を行くも畦を行くも同じ」「田歩くも畔歩くも同じ」などともいう。異形の多い語。
頭を擡げる(あたまをもたげる)
今まで意識していなかった考えや思いが浮かんでくること。 また、少しずつ力をつけて、実力を示すようになること。台頭する。
寇に兵を藉し、盗に糧を齎す(あだにへいをかし、とうにかてをもたらす)
敵に利益を与えるような行動、また自らの損失となるような行動をするたとえ。 「寇」は敵、「兵」は武器の意。 敵に武器を貸し与えたり、盗賊に食糧を与えたりすることから。
一樹の陰一河の流れも他生の縁(いちじゅのかげいちがのながれもたしょうのえん)
この世で起こるすべての出来事は、すべて前世からの因縁によるものなので大切にしなければならないということ。 同じ木の陰で雨宿りをしたり、同じ流れの水を飲んだりするといった、偶然のちょっとした出来事も、すべて前世からの縁によるものであるとの意から。 「一河の流れを汲むも他生の縁」ともいう。
居ても立っても居られない(いてもたってもいられない)
不安なことや嬉しいことがあり、心がそわそわして落ち着かないさま。
嘘にも種が要る(うそにもたねがいる)
嘘をつくのにも、何か材料が必要である。何事にもそれ相応の準備が必要で、物事はそう簡単にはいかないということ。
馬持たずに馬貸すな(うまもたずにうまかすな)
物の扱い方を知らない人に、物を貸してはいけないということ。 「馬持たず」は馬を持っていない人のこと。 馬を持ったことのない人は、馬を粗末に扱うかもしれないので貸してはいけないとの意から。
置き酌失礼、持たぬが不調法(おきじゃくしつれい、もたぬがぶちょうほう)
お酌のとき、置いた杯に酒を注ぐのも失礼だが、杯を持とうとしない受け手も不調法である。酒の席での微妙なおもむきを言ったことば。
鬼も頼めば人食わず(おにもたのめばひとくわず)
相手の好きな事であっても、こちらから頼むともったいぶってしてくれないことのたとえ。 鬼に食べてくれとこちらから頼めば、かえってたべないとの意から。 「頼めば鬼も人食わず」ともいう。
お椀を持たぬ乞食はない(おわんをもたぬこじきはない)
仕事に必要な道具はちゃんと揃えておけということ。 乞食でも、貰い物を入れるお椀はどんな時も持っているとの意から。
苛政は虎よりも猛し(かせいはとらよりもたけし)
悪政が人民に与える害は、虎よりも恐ろしいということ。 「苛政」は、人民を苦しめる過酷な政治のこと。 中国の泰山の麓で、家族を虎に食われ泣いていた婦人に孔子が「何故この国を出て行かないのか」と尋ねると「苛政がないからだ」と答えたという故事から。
鎌首をもたげる(かまくびをもたげる)
よくないことが起こる気配がある。また、暫く鳴りをひそめていた動きが再び活発化すること。 「鎌首」は、ヘビやカマキリなどが威嚇や攻撃をするために、鎌のように持ち上げた首。 「もたげる」は、持ち上げること。多くは、よくない動きについていう。
雁がたてば鳩もたつ(がんがたてばはともたつ)
身のほども考えず、むやみに人まねしようとすること。渡り鳥である雁が飛び立つのを見て、遠くまで飛べない鳩も飛び立つことから。
気を持たせる(きをもたせる)
思わせぶりな言動をして、相手に期待や希望をいだかせること。
腐っても鯛(くさってもたい)
優れたものは、痛んでもそれなりの値打ちがあるというたとえ。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。
転んでもただでは起きない(ころんでもただではおきない)
たとえ失敗しても、そこから何か利益を得ようとする欲深くて抜け目のないことのたとえ。
座がもたない(ざがもたない)
会話が続かなかったり、面白味がなくなったりして気まずい雰囲気になること。
尻が重たい(しりがおもたい)
面倒に思って行動に移せないこと。または、動作が鈍いこと。 「腰が重い」ともいう。
述懐奉公身を持たず(じゅっかいぼうこうみをもたず)
不平、不満を持ちながら働いていても、身が持たないということ。
次郎にも太郎にも足りぬ(じろうにもたろうにもたりぬ)
中途半端で使いみちがないこと。
沈香も焚かず、屁もひらず(じんこうもたかず、へもひらず)
優れてもなければ悪くもない、良いこともしないが悪いこともしない、平々凡々であることのたとえ。 沈香を焚いてよい香りを放つわけでもなく、屁をして悪臭を放つわけでもないとの意から。
千畳敷に寝ても畳一枚(せんじょうじきにねてもたたみいちまい)
人一人が必要な物は限られているので、むやみに欲を出すべきではないということ。 千畳もの広さがある部屋に寝ても、人が一人寝るのに必要な畳はせいぜい一枚であるとの意から。
袖振り合うも他生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)
見知らぬ人と袖が触れ合うようなちょっとしたことも、偶然ではなく前世からの因縁によるものなので、どんな出会いも大切にしなければならないということ。 「他生の縁」は前世からの因縁のこと。 「他生」は「多生」とも書く。 「袖振り合う」は「袖すり合う」「袖触れ合う」ともいう。
父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し(ちちのおんはやまよりもたかく、ははのおんはうみよりもふかし)
父母から受けた恩は広大で深いということ。 両親の愛情をたとえたもの。 「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」ともいう。
杖とも柱とも頼む(つえともはしらともたのむ)
全面的に頼りにすることのたとえ。
突っかけ者の人もたれ(つっかけもののひともたれ)
自分は何もしないで、他人を当てにして人任せにする者のこと。
美人局(つつもたせ)
夫婦や愛人などが共謀して、女が他の男と関係し、それを種にその男から金品などをゆすり取ること。もと博打の「筒持たせ」からきたものといわれ「美人局」の字は、中国の書にあるのを当てたもの。
飛ぶ鳥懐に入る時は狩人も助く(とぶとりふところにいるときはかりゅうどもたすく)
窮地に陥った者が救いを求めてくれば、どんな事情があっても助けるのが人情であるというたとえ。 追いつめられた鳥が自分のふところに飛び込んでくれば、さすがの猟師も殺したりは出来ないということから。
箸より重い物を持たない(はしよりおもいものをもたない)
裕福な家庭で育てられるなどして、労働の経験がないことのたとえ。 食事で使う箸以上に重たい物を持ったことがないとの意から。 「箸より重い物を持たない」ともいう。
花を持たせる(はなをもたせる)
身を退いて、勝利や名誉などを人に譲ること。
幅を持たせる(はばをもたせる)
細かい部分を意図的に明言せず、融通が利くようにすること。
文は遣りたし書く手は持たず(ふみはやりたしかくてはもたず)
恋文を書いて送りたいが文字が書けない、また代筆を頼むのも恥ずかしいと思い悩む心情をいう言葉。 「文は遣りたし書く手は持たぬ」ともいう。
間が持たない(まがもたない)
何もすることがなく、空いた時間の扱いに困ること。また、会話などが途切れて気まずい時間ができること。 「間が持たない」ともいう。
持ちつ持たれつ(もちつもたれつ)
お互いに助けあうさま。
持てる者と持たざる者(もてるものともたざるもの)
世の中は財産を持つ豊かな者と、それを持たない貧しい者の二種類しかないということ。
矢も楯もたまらず(やもたてもたまらず)
思いつめてじっとしていられない様子。 矢でも楯でも勢いを抑えることができないとの意から。
艪も櫂も立たぬ(ろもかいもたたぬ)
どうにもしようがないこと、打つべき手がまったくないことのたとえ。 艪も櫂も役に立たず舟を進めることができないことから。
艪を押して櫂は持たれぬ(ろをおしてかいはもたれぬ)
艪を漕ぎながら櫂を操ることはできないように、一人で同時に二つのことはできないというたとえ。
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