「が」を含む故事・ことわざ・慣用句
「が」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1359 件
底が浅い(そこがあさい)
見た目だけで内容に深みがないこと。 または、器量や能力が大したものではないこと。
底が知れない(そこがしれない)
限度がはかれないほど深いこと。程度が甚だしいこと。
底が割れる(そこがわれる)
隠していた本音や嘘などが見破られること。
粗相が御意に叶う(そそうがぎょいにかなう)
目上の者には、そそっかしい性格の目下の者がほほえましく見え、そうした者がかえって気に入られるということ。
外面がいい(そとづらがいい)
身内以外の人と接する時のほうが態度がよいこと。
その国に入ればその俗に従う(そのくににいればそのぞくにしたがう)
その土地に行ったら、その土地の習慣やしきたりに従うべきであるということ。
空吹く風と聞き流す(そらふくかぜとききながす)
関心を示さずに無視すること。素知らぬ顔をすること。
反りが合わない(そりがあわない)
性格や考え方などが相手と合わず、うまくいかないこと。 刀の反りが鞘に合わないとの意から。
算盤が合う(そろばんがあう)
計算の結果が正しいこと。計算が合うこと。 または、収支を計算して収入のほうが多いこと。採算がとれること。
添わぬうちが花(そわぬうちがはな)
結婚して一緒に生活するようになると、お互いの欠点が目立つようになるので、結婚前が一番楽しい時期だということ。
造詣が深い(ぞうけいがふかい)
学問や芸術などの深い知識や技能を持ち、すぐれた理解力があること。
大旱の雲霓を望むが如し(たいかんのうんげいをのぞむがごとし)
物事の到来を待ち望むことのたとえ。 「大旱」はひどい日照り、「雲霓」は雲と虹のこと。 ひどい日照りの時に、雨の前触れである雲や虹を待ち望むとの意から。
大概にする(たいがいにする)
ほどほどにする。ある程度でやめておく。「大概にしろ」の形で使われることが多い。
対岸の火事(たいがんのかじ)
自分にはまったく影響がなく、苦痛を感じないたとえ。向こう岸の火事はこちらまで燃え移ってくる危険がないことから。
大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし)
本当に賢い人は知識をひけらかさないから、一見愚か者のように見えるということ。
大功は拙なるが如し(たいこうはせつなるがごとし)
真の名人は小細工をしないので、一見すると下手に見えるということ。
大食腹に満つれば学問腹に入らず(たいしょくはらにみつればがくもんはらにいらず)
食べ過ぎて満腹になると、頭の働きが鈍くなり、学問に集中できなくなるということ。
態度が大きい(たいどがおおきい)
分を弁えない無礼な態度であること。横柄な態度であること。
大勇は怯なるが如し(たいゆうはきょうなるがごとし)
本当に勇気のある人はむやみに人と争ったりしないので、一見勇気がないように見えるということ。「大勇は闘わず」「大勇は怯なるが如し」ともいう。
高が知れる(たかがしれる)
程度がわかり、たいしたことはないということ。「高」は数量や金額の意。
宝の山に入りながら手を空しくして帰る(たからのやまにいりながらてをむなしくしてかえる)
よい機会に恵まれながら、結局何の利益も得られないで終わることのたとえ。
箍が外れる(たががはずれる)
規律や束縛がない状態になる。 「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属の輪。
箍が緩む(たががゆるむ)
緊張が緩んだり、年をとったりして、締まりがなくなること。 「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属の輪。
箍を締める(たがをしめる)
緩んだ気持ちや規律を引き締める。 「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属の輪。
箍を外す(たがをはずす)
規律や束縛から抜け出し、自由に行動する。 「箍(たが)」は、桶(おけ)や樽(たる)の周りにはめて緩まないようにする竹や金属の輪。
蛸の糞で頭へあがる(たこのくそであたまへあがる)
自分は思いあがって得意になっているが、他人からはいやしめられていることのたとえ。 かつては、本来の蛸の胴部が頭であると考えられていたことから、糞が頭にあることをいった語。
他事ながら(たじながら)
「あなたには直接関係のないことですが」の意。 手紙で自分の出来事や様子などを述べるときに用いる語。
叩けば埃が出る(たたけばほこりがでる)
どんなものであっても細かく調べれば、欠点や弱点が出てくるものだということ。
畳の上の怪我(たたみのうえのけが)
安全なはずの畳の上でさえ怪我をすることがあるように、どこで災難に遭うか予測できないというたとえ。
太刀打ちができない(たちうちができない)
相手のほうが力が上で、勝負にならない。相手にならない。 「太刀打ちできない(たちうちできない)」ともいう。
立場が無い(たちばがない)
信用を失ったり評価が下がったりして、面目を失う。
立ち仏が居仏を使う(たちぼとけがいぼとけをつかう)
立っている者が、座っている者に用事を頼むたとえ。自分で出来ることを無精して人にさせるたとえ。「居仏」は、座像の仏のこと。
立つ瀬が無い(たつせがない)
立場が無くなる。面目を失う。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花(たてばしゃくやく、すわればぼたん、あるくすがたはゆりのはな)
美人の容姿や立ち居振る舞いを形容することば。
他人の飯には骨がある(たにんのめしにはほねがある)
他人の家に世話になって生活することは、どこか窮屈で何かと気を遣うことが多いということ。また、他人の親切には底意があり、頼りきっているとひどい目に遭うこともあるということ。 他人の家で食べる飯は、まるで骨でもあるかのようにのどを通りにくいとの意から。 「他人の飯には棘がある」「他人の飯は強い」ともいう。
狸が人に化かされる(たぬきがひとにばかされる)
相手を甘く見て油断したために、だまそうとした相手から逆にだまされることのたとえ。 人をだますと言われている狸が、人からだまされてしまうことから。
種が割れる(たねがわれる)
隠していた仕掛けや真実が明らかになること。
田の事すれば畑が荒れる(たのことすればはたけがあれる)
一方に気をとられていると他方がおろそかになってしまうので、両方同時にはできないということ。 田んぼのことをすれば、畑まで手が回らずに荒れてしまうとの意から。
頼む木陰に雨が漏る(たのむこかげにあめがもる)
頼みにしていたのに、当てが外れることのたとえ。 雨宿りした木陰にも雨が漏ってくるとの意から。 「頼む木の下に雨漏る(たのむこのもと(きのした・きのもと)にあめもる)」ともいう。
旅の犬が尾をすぼめる(たびのいぬがおをすぼめる)
自分が威張っていられる家の中などでは威勢がいいが、外へ出ると意気地がなくなることのたとえ。犬が自分のなわばりから出ると、威勢がなくなり尾を垂れることから。
環の端無きが如し(たまきのはしなきがごとし)
巡り巡って終わりがないことのたとえ。 「環」は、輪の形をした飾り。 輪の形をしている環に端がないように、終わりがないとの意。
魂が抜ける(たましいがぬける)
気力がなくなること。
玉の杯、底なきが如し(たまのさかずき、そこなきがごとし)
外見はすばらしいが、肝心なところに欠点があり、実際には約に立たないもののたとえ。 美しい杯も、底がなければ使い物にならないとの意から。
玉磨かざれば光なし(たまみがかざればひかりなし)
才能や素質に恵まれていても、努力しなければ立派な人間になることはできないというたとえ。 どれほどすばらしい玉でも、磨かなければ光を放たないとの意から。 「玉磨かざれば器を成さず」ともいう。
玉を転がすよう(たまをころがすよう)
音や声が高く澄んで美しい様子の形容。
溜め息をすれば親の寿命が縮む(ためいきをすればおやのじゅみょうがちぢむ)
子どもがため息をつけば、親は寿命が縮むほど心配するから、親にそんな態度を見せてはいけないということ。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)
いろいろな角度からよく観察すること。 「矯める」は、目を据えてじっと見ること。 「眇める」は、片目を細めて見ること。
袂に縋る(たもとにすがる)
相手の同情を引いて、必死に求めることのたとえ。 「袂」とは、和服の袖(そで)の下の垂れ下がった部分。 願いを聞いてもらおうと、袂を捉えて引き留めるとの意から。
誑しが誑しに誑される(たらしがたらしにたらされる)
いつも人をだましている人が、だまそうとして反対に自分がだまされてしまうこと。「誑し」は、人をだます者のこと。
鱈汁と雪道は後が良い(たらじるとゆきみちはあとがよい)
鱈汁は煮込むほどだしが出ておいしくなるので、あとから食べるほうがいいし、雪道は人が歩いたあとを行くと歩きやすいということ。
たわいがない(たわいがない)
取るに足らないこと、または思慮分別がないこと。 「たわい」は「たあい」ともいう。
大根の皮取らぬ阿呆、生姜の皮取る阿呆(だいこんのかわとらぬあほう、しょうがのかわとるあほう)
大根は皮をむかないとまずい。生姜は皮をむくと食べるところが少なくなる。物事の適正を知らない愚か者のたとえ。
橙が赤くなれば医者の顔が青くなる(だいだいがあかくなればいしゃのかおがあおくなる)
橙が色づく秋頃は過ごしやすく病人も少なくなり、仕事が減った医者の顔が青くなるということ。
誰が猫に鈴をつけるというのか(だれがねこにすずをつけるというのか)
いろいろ議論しても、いざ実行となると誰が実行するのか非常に難しいことのたとえ。鼠たちが集まり、猫の首に鈴をつけて、その音で身を守ろうと考えたが、実行する鼠はいなかったというイソップ寓話から。
誰でも自分の荷が一番重いと思う(だれでもじぶんのにがいちばんおもいとおもう)
自分のしていることが一番大変だと思いがちで、他人のしていることは楽に見えるが、実際にやってみると簡単ではないということ。
弾丸黒子の地(だんがんこくしのち)
非常に狭い土地のたとえ。「弾丸」は昔、中国で鳥などを捕るために、はじき弓につけて飛ばしたたま、「黒子」はほくろのこと。
知恵が回る(ちえがまわる)
頭の回転が早く、その場に応じた適切な判断ができること。
知恵の鏡も曇る(ちえのかがみもくもる)
運が傾いてくると普段の知恵も鈍ってしまうということ。頭に「貧には」を付けていうこともある。
地が傾いて舞が舞われぬ(ちがかたむいてまいがまわれぬ)
言い訳ばかりして実行に移さないこと。また、状況や環境の不備を理由に、自らの責任を回避しようとすること。 「舞が舞えないのは地面が傾いているせいだ」という発想に由来する言葉。
血が通う(ちがかよう)
事務的、形式的ではなく、人間らしい思いやりや優しさがあること。
血が騒ぐ(ちがさわぐ)
興奮してじっとしていられなくなること。
血が滾る(ちがたぎる)
血が沸き立つかのように、激しい感情が沸き上がること。
血が繋がる(ちがつながる)
血縁関係にある。
血が引く(ちがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血が沸く(ちがわく)
気持ちがたかぶる。興奮する。
血の雨が降る(ちのあめがふる)
戦争や殺傷事件などによって多くの血が流れる。
血の気が失せる(ちのけがうせる)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血の気が多い(ちのけがおおい)
興奮しやすく、感情のままに行動する性質。
血の気が引く(ちのけがひく)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血の巡りが悪い(ちのめぐりがわるい)
頭の働きが鈍く、理解や判断が遅い。
調子が合う(ちょうしがあう)
互いの性質や考え方などが合致していること。
調子がいい(ちょうしがいい)
相手の機嫌を取ることがうまいこと。 または、体の状態や物事の進み方などの具合がよいこと。
調子が付く(ちょうしがつく)
物事の勢いが増していくこと。
帳尻が合う(ちょうじりがあう)
決算で収入と支出が正しく合うこと。または、物事の辻褄が合うこと。
提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)
釣り合わないこと、比較にならないことのたとえ。提灯と釣り鐘は形は似ているが重さがまるで違うことから。
長範が当て飲み(ちょうはんがあてのみ)
人の金を当てにして失敗してしまうことのたとえ。大泥棒の熊坂長範が、金を奪う前にその金を当てにして酒盛りをし、牛若丸に退治されてしまったという話から。
ちょっと嘗めたが身の詰まり(ちょっとなめたがみのつまり)
ほんのちょっとだけ、と軽い気持ちで手を出したために、どうにもならない窮地に追い込まれること。
狆が嚏をしたよう(ちんがくしゃみをしたよう)
ひどく醜い顔つきのこと。 「狆」は、顔が小さく目鼻がくしゃくしゃ集まった感じの小型犬。 略して「[[狆くしゃ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p33494]]」ともいう。
沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)
この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。
杖に縋るとも人に縋るな(つえにすがるともひとにすがるな)
むやみに人をあてにするなといういましめ。