「け」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「け」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 74 件
形影相同じ(けいえいあいおなじ)
心の善悪が行動に出ること。 形が曲がれば影も曲がり、形がまっすぐであれば影もまっすぐであるように、心が正しければ行いも正しいということ。
形影相弔う(けいえいあいとむらう)
誰かが来ることもなく、一人で寂しい様子。 「形影」は形と影。 「弔う」はあわれむこと。 自分と自分の影で慰め合うことから孤独の意。
形影相伴う(けいえいあいともなう)
夫婦などがいつも一緒で、仲むつまじい様子。 「形影」は形と影。 「相伴う」は常に一緒にいること。
圭角が取れる(けいかくがとれる)
角が取れて人柄が円満になること。 「圭角」は玉(ぎょく)のとがったところのことで、それが取れることから。
傾蓋、旧の如し(けいがい、きゅうのごとし)
会ったばかりで旧友でもあるかのように親しく打ち解けることのたとえ。 「傾蓋」は孔子(こうし)と程子(ていし)がたまたま道で出会って車の蓋(かさ)を傾けて語りあったという故事から。
謦咳に接する(けいがいにせっする)
尊敬している人と会い、直接話を聞くこと。また、会うことの敬称。
「謦」「咳」とも咳払いのことで、間近で直接咳払いを聞けることもありがたいことから。荊棘の道(けいきょくのみち)
困難で苦しい人生のたとえ。「荊」「棘」とも茨の意で、困難や障害がある道ということ。
景気を付ける(けいきをつける)
なんらかの刺激をあたえて、雰囲気や気分が盛り上がるように活気付けること。
鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)
平凡な人の中に、一人だけ際立ってすぐれた者がいることのたとえ。 鶏の群の中に鶴が一羽混じっているということから。「群鶏の一鶴」ともいう。
経験は愚か者の師(けいけんはおろかもののし)
愚か者に教えるには、実際に経験させてみるのがいいということ。経験の大切さをいった言葉。
経験は知恵の父記憶の母(けいけんはちえのちちきおくのはは)
人間の知恵は、経験とその記憶によって成り立っているということ。
鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
たとえ小さな集団でもその頭になるほうが、大きな集団で人の尻についているよりもよいというたとえ。 「鶏口」は、鶏の口のことで小さな集団の長のたとえ。 「牛後」は、牛の尻のことで強大な者につき従って使われる者のたとえ。 略して「[[鶏口牛後(けいこうぎゅうご)*https://yoji.jitenon.jp/yoji/351.html]]」ともいう。
荊妻(けいさい)
自身の妻を謙遜していう言葉。中国の後漢の梁鴻の妻である孟光がいばらのかんざしを身に付けていたという故事から。[[愚妻*13408]]。
計算高い(けいさんだかい)
なにかを行う際に、損になるか得になるかを考えるさま。
敬して遠ざく(けいしてとおざく)
うわべは敬うふりをして、内心はうとんじて近づかないこと。
蛍雪(けいせつ)
苦労を重ねながら学問に励むこと。中国晋の車胤と孫康はともに貧しく、車胤は蛍の光で、孫康は雪明りで書物を読み勉学に励んだという故事から。
蛍雪の功(けいせつのこう)
苦労を重ねて勉学に励んだ成果のこと。「蛍雪」は苦労して勉学に励むことで、中国晋の車胤と孫康はともに貧しく、車胤は蛍の光で、孫康は窓の外の雪明りで読書し勉学に励んだという故事から。
継続は力なり(けいぞくはちからなり)
小さなことでも続けていけば、いつか大きなことが成し遂げられるということ。
兄たり難く、弟たり難し(けいたりがたく、ていたりがたし)
両方ともすぐれていて、優劣がつけ難いことのたとえ。 「兄」は上位、優れていること。 「弟」は下位、劣っていること。 優れているとすることも難しく、劣っているとすることも難しいとの意から。
兄弟牆に鬩げども外その務りを禦ぐ(けいていかきにせめげどもそとそのあなどりをふせぐ)
普段は喧嘩ばかりしている兄弟も、外部から侮辱を受けると協力してこれを防ぐということ。 「牆」は垣根、「鬩ぐ」は争うことから、「牆に鬩ぐ」は垣根の中(家の中)で争うこと。 「務り」は「侮り」と同じく侮辱のこと。
啓発(けいはつ)
普通の人が気付かないことを教え悟らせること。
桂馬の高上がり(けいまのたかあがり)
身分や実力に不相応な地位につくと、とかく失敗するおそれがあるということ。将棋で桂馬が進みすぎると歩に取られてしまうことがあることから。
毛色の変わった(けいろのかわった)
同じようなもの中で、様子や性質などが他とは異なっていること。
怪我と弁当は自分持ち(けがとべんとうはじぶんもち)
自分で負った怪我は自分の責任だ、という職人の間で言われている言葉。
怪我の功名(けがのこうみょう)
過ちや災難と思われていたことが、偶然にもよい結果になることのたとえ。 「怪我」は、ここでは過ちや災難のこと。 過ちや災難が生んだ手柄との意から。 「過ちの功名」ともいう。
けじめを付ける(けじめをつける)
ものごとの区別をはっきりさせること。 また、間違いなどについて責任をとること。
桁が違う(けたがちがう)
規模や数量などに大きな差があること。かけ離れていること。
桁が外れる(けたがはずれる)
程度や規模などがかけ離れていること。
けちを付ける(けちをつける)
些細なミスや欠点などを取りあげて、あれこれと非難すること。荒さがしをすること。
けちん坊の柿の種(けちんぼうのかきのたね)
食べたあとの柿の種さえ惜しんで人にやらないほどけちな人のこと。極度のけちを罵って言うことば。
決河の勢い(けっかのいきおい)
猛烈な勢いのたとえ。「決」は、切れる意。川の水の流れが堤防を決壊するようなすさまじい勢いであるということ。
結構毛だらけ(けっこうけだらけ)
「大変結構だ」ということをおかしくいったもの。 「結構毛だらけ猫灰だらけ」「結構毛だらけ灰だらけ」ともいう。
結構は阿呆のうち(けっこうはあほうのうち)
あまりにお人好しなのは、馬鹿と同じだということ。 「結構は阿呆の唐名」ともいう。
血相を変える(けっそうをかえる)
怒ったり驚いたりして、顔色や顔の表情を変えること。 「血相」は、顔色や顔の表情のこと。
尻の穴が小さい(けつのあながちいさい)
心が狭いこと。度量が狭いこと。 「尻」は「けつ」とも読む。
血涙を絞る(けつるいをしぼる)
悲しみや憤りのあまりに涙を流す。
血路を開く(けつろをひらく)
困難な状況から抜け出す方法を見つけること。 敵の包囲を破って逃れるとの意から。
決を採る(けつをとる)
議案の可否を賛成者の数できめること。
尻を捲る(けつをまくる)
穏やかな態度から急に喧嘩腰な態度を取ること。居直ること。 素行の悪い人が着物の裾をまくって座り込む様子から。 「尻」は「けつ」とも読む。
褻にも晴れにも歌一首(けにもはれにもうたいっしゅ)
普段の時も晴れの席でも、同じ歌一首しか詠めないということ。無能無芸を嘲笑う言葉。「褻」は、普段。
毛のない猿(けのないさる)
人情や良心がない人のたとえ。 体に毛がないことだけが、猿との違いだとの意から。 「毛のない犬」ともいう。
螻蛄才(けらざい)
多芸多才でありながら、特に上手なものがないことのたとえ。 「螻蛄」は、土の中にいる虫で、飛ぶ、登る、潜る、掘る、走るの五つの能力があるが、どれも特別上手ではないことから。 「螻蛄芸」ともいう。
螻蛄の水渡り(けらのみずわたり)
初めは熱心で、途中でやめてしまうことのたとえ。また、努力しても成し遂げられないことのたとえ。土の中にいる螻蛄は水中に入ると泳ぎだすが、大きな川などは泳ぎきることができないことから。
けりが付く(けりがつく)
物事が決着すること。終了すること。 和歌や俳句などが、助動詞「けり」で終わることが多いことから。
けりを付ける(けりをつける)
物事に決着をつけて終わりにすること。 和歌や俳句などが、助動詞「けり」で終わることが多いことから。
蹴る馬も乗り手次第(けるうまものりてしだい)
乱暴で扱いにくい者でも頭の上がらない相手がいる、または上手い扱い方があるということのたとえ。 暴れ馬でも乗り手の調教次第でおとなしくなるとの意から。
毛を吹いて疵を求む(けをふいてきずをもとむ)
毛を吹き分けて隠れた小さな傷を探すようにして、むやみに人の欠点を暴き立てようとすること。 また、そのように人の過ちを暴こうとしているうちに自分の弱点をさらけ出してしまうこと。
毛を見て馬を相す(けをみてうまをそうす)
外見だけで物事の価値を判断することのたとえ。毛並みだけを見て馬の値打ちを判断する意から。
犬猿の仲(けんえんのなか)
仲の悪い関係のたとえ。 単に「犬猿」、また「犬と猿」ともいう。
喧嘩過ぎての空威張り(けんかすぎてのからいばり)
喧嘩の最中は意気地なくこそこそし、喧嘩が終わったとたん虚勢を張って強がること。 「喧嘩過ぎての向こう鉢巻」ともいう。
喧嘩過ぎての棒乳切り(けんかすぎてのぼうちぎり)
時機に遅れて何の役にも立たないことのたとえ。 「棒乳切り」は棒の切れ端のこと。 喧嘩が終わってから、棒切れを持ち出しても役に立たないことから。 「争い果てて」は「諍い果てて」や「喧嘩過ぎて」、「棒乳切り」は「乳切り木(千切り木)」などともいう。
喧嘩に負けて妻の面を張る(けんかにまけてつまのつらをはる)
外でうまくいかないことがあった男が、家で妻に八つ当たりすること。また、弱い者が自分よりさらに弱い者をいじめること。 相撲に負けて帰った男が、腹いせに妻の顔を殴るとの意から。 「喧嘩に負けて妻の面を張る」ともいう。
喧嘩は降り物(けんかはふりもの)
喧嘩は雨などのように、いつどこで身に降りかかってくるかわからないということ。
喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)
喧嘩や争いをした者を、理非を問わず、双方とも同じように処罰すること。「成敗」は、処罰の意。
喧嘩を売る(けんかをうる)
わざと人に喧嘩をしかけること。
懸河の弁(けんがのべん)
すらすらと流れるような弁舌のこと。「懸河」は、勢いよく流れる川のことで、その川のような弁舌の意から。
剣が峰(けんがみね)
相撲の土俵の円を作っている俵の表面の名称。
健康は富に勝る(けんこうはとみにまさる)
財産より健康が大事だということ。
賢者ひだるし、伊達寒し(けんじゃひだるし、だてさむし)
人並みのことをしない者はつらい目に遭うということ。 「ひだるし」は、ひもじいの意。 賢者は富を求めず質素な生活をするのでひもじい思いをし、伊達者は見栄を張って薄着でいるので寒い思いをするとの意から。
献上の鴨(けんじょうのかも)
着物は汚くみすぼらしいが、足袋や履物だけは綺麗にしている者をののしって言うことば。 江戸時代、将軍へ鴨を献上する際に、鴨の足を白紙で包んだことから。
健全なる精神は健全なる身体に宿る(けんぜんなるせいしんはけんぜんなるしんたいにやどる)
身体が健康であれば、それに伴って精神も健全であるということ。ローマの詩人ユウェナリスの詩集から出た言葉。本来は「健やかな身体に健やかな精神が宿るように望むべきである」の意。
軒輊(けんち)
上がり下がりや高低。転じて、優劣のこと。「軒」は車の前が高い、「輊」は車の前が低いという意。
見当を付ける(けんとうをつける)
大体の目当てを付けること。
犬兎の争い(けんとのあらそい)
無益な争いをしている間に、第三者に利益を横取りされてることのたとえ。 犬が兎を追いかけている間に、両者とも力尽きて死んでしまった。 それを通りかかった農夫が自分の獲物として手にいれたという故事から。
犬馬の心(けんばのこころ)
臣下が主君のために尽くし、恩に報いようとする忠誠心のこと。
犬馬の養い(けんばのやしない)
父母をただ養うだけで、尊敬する気持ちのないこと。 父母を養うのに、ただ衣食の面倒をみるだけで、まるで犬や馬を養うように敬う気持ちがないとの意から。
犬馬の齢(けんばのよわい)
自分の年齢をへりくだっていう言葉。 大きな功績を残すわけでもなく、犬や馬のようにただ重ねただけの年齢との意から。 「犬馬の年」ともいう。
犬馬の労(けんばのろう)
他人のために力を尽くして働くことをへりくだっていう言葉。犬や馬程度の苦労や労働の意から。
堅白同異の弁(けんぱくどういのべん)
こじつけの論理、詭弁のこと。中国戦国時代、趙の公孫竜が説いた論法。 「固くて白い石は、目で見た時に白さはわかるが堅さはわからない。手で触れた時は堅さはわかるが白さはわからない。ゆえに、堅いことと白いことは同時には成り立たない」と論じたものから。
けんもほろろ(けんもほろろ)
人の頼みや相談にまったく取り合わず冷たく断る様子。「けん」も「ほろろ」も雉の鳴き声で、無愛想に聞こえることから。
倹約と吝嗇は水仙と葱(けんやくとけちはすいせんとねぎ)
倹約とけちは、水仙と葱のように見た目は似ているが、実はまったく違うということ。
権輿(けんよ)
ものごとの始まり、発端。「権」は重り、「輿」は荷台の意で。秤を作るときは重りから、車は荷台から作り始めることから。
剣を落として舟を刻む(けんをおとしてふねをきざむ)
古いしきたりや習わしにとらわれて、状況の変化に応じることができない愚かさのたとえ。 中国の楚の人が舟で長江を渡る途中に乗っている舟から剣を落としたため、慌てて舟べりに印をつけて、舟が岸に着いた後に印をつけた場所の川底を捜したという故事から。 「舟に刻(こく)して剣を求む」「剣を落として舟を刻む」「刻舟」ともいう。
姸を競う(けんをきそう)
女性たちが美しさを競い合うようす。
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