「か」を含む故事・ことわざ・慣用句
「か」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2213 件
親方日の丸(おやかたひのまる)
国家が後ろ盾になっている官庁や公営企業などは、倒産の心配もなく利益を図る必要もないだろうと、公務員の気楽さを皮肉っていうことば。
親子の仲でも金銭は他人(おやこのなかでもきんせんはたにん)
金銭に関しては、親子の間でも他人と同じようにけじめをつけるべきだということ。
親の顔が見たい(おやのかおがみたい)
よその子の行動や態度の悪さに、驚きあきれて発する言葉。
親の脛を齧る(おやのすねをかじる)
子どもが独立した生活が出来ずに親に養われて生活すること。
親の光は七光り(おやのひかりはななひかり)
親の地位や名声のおかげで、子どもが恩恵を受け得をすること。
親馬鹿子馬鹿(おやばかこばか)
わが子かわいさのあまり、親は子の愚かさを見抜けず、子は親の愛情に甘えて愚かなまねをするということ。
親を睨むと鰈になる(おやをにらむとかれいになる)
親に反抗したりおろそかに扱ったりしてはいけないという戒めの言葉。 親を睨んだりすると、ばちが当たって鮃(ひらめ)のように目がかたよってしまうとの意から。 「親を睨むと鰈(かれい)になる」ともいう。
泳ぎ上手は川で死ぬ(およぎじょうずはかわでしぬ)
自分の力を過信するあまり、得意なことで失敗してしまうことのたとえ。 泳ぎの上手な人が油断して、川で死んでしまうことがあるとの意から。
及びも付かない(およびもつかない)
差がありすぎて、到底かなわない。
愚か者に福あり(おろかものにふくあり)
愚か者は欲も野心もないので、人に恨まれたり憎まれたりすることもなく、平穏無事で幸福な人生を送ることができるということ。
負わず借らずに子三人(おわずからずにこさんにん)
人の世話にならず、借金もなく、子どもが三人ぐらいいる家庭が理想的で幸福だということ。
尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)
従順な人は誰からも害を加えられることはないというたとえ。尾を振ってなついてくる犬は人から叩かれないということから。
女賢しゅうして牛売り損なう(おんなさかしゅうしてうしうりそこなう)
女は利口そうに見えても、目先の利にとらわれて大局を見通せずに失敗するというたとえ。 女がでしゃばりすぎて売り物の牛について余計なことを言い、売り損なってしまったという話から。
女三人寄れば姦しい(おんなさんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まれば大変にやかましいということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
女は衣装髪かたち(おんなはいしょうかみかたち)
女は着る物と髪かたちによって見違えるほど美しくなれる。女にとって着る物と髪かたちはとても大切なものだということ。
女は己を説ぶ者のために容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
女は自分を愛してくれる男のために、よりいっそう念入りに化粧をし着飾ったりするということ。
隠密の沙汰は高く言え(おんみつのさたはたかくいえ)
秘密の話はこそこそ言わずに大きな声で話せということ。 ひそひそ話は人の好奇心をかきたて注意をひきやすいので、普通に話しているほうが目立たず秘密が守れるとの意から。
恩を仇で返す(おんをあだでかえす)
恩を受けた相手に、感謝するどころか害を与えるようなことをすること。 単に「恩を仇」ともいう。
飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)
日頃から特別に目をかけていた者や信用していた者に裏切られることのたとえ。
貝殻で海を量る(かいがらでうみをはかる)
自分の狭い見聞や浅薄な知識で、大きな問題を議論することのたとえ。 貝殻で海の水をすくい、海の水の量をはかろうとすることから。
会稽の恥(かいけいのはじ)
戦いに敗れて受けた恥のこと。また、他人から受けた耐え難い屈辱のこと。 中国の春秋時代、越王の勾践が呉王の夫差と会稽山で戦って敗北した。その後、勾践は長年の苦労に耐え、夫差に復讐をとげてその恥を雪いだという故事から。
会稽の恥を雪ぐ(かいけいのはじをすすぐ)
戦いに敗れた屈辱、または人から受けた忘れることが出来ない屈辱を晴らすこと。
解語の花(かいごのはな)
美人のたとえ。「解語」は言葉を解することで、言葉がわかる花の意。唐の玄宗皇帝が楊貴妃のこと指して言ったという故事から。
快哉を叫ぶ(かいさいをさけぶ)
愉快なできごとに歓声をあげること。 「快哉」は「快きかな」の意。
膾炙(かいしゃ)
人々の評判になり、知れ渡ること。「膾」はなます、「炙」はあぶった肉のことで、この二つはどちらとも美味として多くの人に知られていることから。
甲斐性が無い(かいしょうがない)
積極的に物事をやり遂げようという気力がなく、頼りにならないことのたとえ。
会心の笑みをもらす(かいしんのえみをもらす)
思い描いた通りの結果となり、満足して喜びの表情をすること。
灰燼に帰す(かいじんにきす)
跡形もなく燃え尽きてしまうこと。「灰燼」は灰と燃えかすの意。
海賊が山賊の罪をあげる(かいぞくがさんぞくのつみをあげる)
自分の悪行は棚に上げて他人の悪行を非難するたとえ。また、同類であっても利害が共通しない者は敵対するということ。 「山賊の罪を海賊があげる」ともいう。
書いた物が物を言う(かいたものがものをいう)
口約束はあてにならないが、紙に書いた物は証拠になるということ。
海中より盃中に溺死する者多し(かいちゅうよりはいちゅうにできしするものおおし)
海で溺れて死ぬ人より酒の飲みすぎで死ぬ人の方が多いということ。
快刀、乱麻を断つ(かいとう、らんまをたつ)
込み入ってどうにもならない問題などを、鮮やかに解決することのたとえ。 「快刀」はよく切れる刀、「乱麻」はもつれた麻糸のこと。 切れ味のよい刀で、もつれた麻糸をすぱっと切るとの意から。 略して「快刀乱麻」ともいう。
海棠の睡り未だ足らず(かいどうのねむりいまだたらず)
眠り足らず酔いのさめきらない美人の、なまめかしい姿の形容。「海棠」は、春に薄紅色の美しい花が咲く庭木。玄宗皇帝が楊貴妃を評した言葉から。
櫂は三年、櫓は三月(かいはさんねん、ろはみつき)
櫂の扱い方は、櫓の扱い方に比べてずっと難しいということ。
隗より始めよ(かいよりはじめよ)
大きな事業を行う時には、まず手近なところから始めよということ。また事を始めるときには、まず言い出した者から実行すべきであるということ。 中国の戦国時代、燕の昭王から賢者の集め方を問われた郭隗が「まず凡人の私を優遇してみて下さい。そうすれば私よりすぐれた人物が自然と集まってくるでしょう」と答えたという故事から。
怪力乱神を語らず(かいりょくらんしんをかたらず)
君子というものは道理にそむいたこと、理性で説明がつかないことは口にしないということ。転じて、不確かなこと、怪しげなことは口にすべきではないということ。「怪力乱神」は、「怪しく不思議なこと」「強い力」「道理を乱すこと」「鬼神」をあわせていったもので、計り知れない不思議な現象や存在のこと。
回禄の災い(かいろくのわざわい)
火事・火災のこと。 「回禄」は、中国の火の神の名。その火の神から受けた災いのことから。
買うは貰うに勝る(かうはもらうにまさる)
人から物を貰えば得したような気がするが、気持ちの負担になるし相手に借りができてしまったりする。物はもらうよりも自分で買うほうがよいということ。
替え着なしの晴れ着なし(かえぎなしのはれぎなし)
いつもいい服を着ているが、それ一枚だけで他に着替えを持ってないことをいう。
返す刀(かえすかたな)
一方を攻撃したあと、間を置かずに他方を攻撃するさま。 一方を斬りつけた刀を素早くひるがえして、他方に斬りかかる意から。
返す言葉がない(かえすことばがない)
自分の失敗や誤りなどを他者から指摘され、弁解や反論する余地がないこと。
帰らぬ人となる(かえらぬひととなる)
死ぬこと。亡くなること。
顧みて他を言う(かえりみてたをいう)
答えに窮して、話題を逸らしたり話をはぐらかしたりすること。孟子に問い詰められた梁の恵王が、左右を顧みて、無関係な別のことを言ったという故事から。
蛙の子は蛙(かえるのこはかえる)
子どもは親に似るものであるということ。また、凡人の子はやはり凡人であるというたとえ。
蛙の面に水(かえるのつらにみず)
どんなことをされても気にせず平気でいることのたとえ。蛙は顔に水をかけられても平気でいることから。
蛙は口から呑まるる(かえるはくちからのまるる)
余計なことを言ったために、災いを招いてしまうことのたとえ。 蛙は鳴き声をだすことから蛇に気づかれ、吞み込まれてしまう意から。
顔色を窺う(かおいろをうかがう)
相手の表情から、その人の機嫌の善し悪しを察すること。 「顔色を見る」「顔色を読む」ともいう。
顔から火が出る(かおからひがでる)
大変恥ずかしいおもいをすることのたとえ。 顔が真っ赤になる意から。
顔が合わせられない(かおがあわせられない)
面目がなくてその人に会うことができないというたとえ。
顔が売れる(かおがうれる)
世間に広く名前が知れわたること。
顔が利く(かおがきく)
信用や権力があって相手に無理がとおり、便宜を図ってもらえること。
顔が揃う(かおがそろう)
集まるべき人が、全員その場に集まること。
顔が立つ(かおがたつ)
その人の面目や名誉がたもたれるということ。
顔が潰れる(かおがつぶれる)
その人の名誉が傷つけられることのたとえ。
顔が広い(かおがひろい)
交際範囲がひろく、知り合いが多いことのたとえ。
顔で笑って心で泣く(かおでわらってこころでなく)
泣きたいほどつらくても顔では笑ってみせるということ。
顔に書いてある(かおにかいてある)
なにも言わなくても、相手の表情からその人の本心を読み取ることができるということ。
顔に出る(かおにでる)
何も言わなくても、本心や体調などが表情にあらわれること。
顔に泥を塗る(かおにどろをぬる)
恥をかかせたり名誉を傷つけたりすること。 単に「泥を塗る」ともいう。
顔に紅葉を散らす(かおにもみじをちらす)
若い女性が恥ずかしさのあまり、まるで紅葉の葉を散らすように顔をぱっと赤くする様子。 単に「紅葉を散らす」ともいう。
顔向けができない(かおむけができない)
恥ずかしさや申し訳なさから、人に顔を合わせることができないたとえ。 世間や社会に対して、責任を痛感している気持ちを言ったことば。
顔を合わせる(かおをあわせる)
試合や競技などで対戦相手となる。また、演劇や映画などで共演する。 「顔が合う」ともいう。
顔を売る(かおをうる)
自らの名前が広く世間にしられるように、行動することのたとえ。
顔を貸す(かおをかす)
人から頼まれて、ある場所に出向いたり人と会ったりすることのたとえ。
顔を利かす(かおをきかす)
自らが持つ権力や影響力などを用いて、無理をとおしたり、物事を有利に運んだりすること。
顔を曇らせる(かおをくもらせる)
心配事や悲しみなどで暗い表情をすることのたとえ。
顔を拵える(かおをこしらえる)
化粧をすることのたとえ。
顔を顰める(かおをしかめる)
心配ごとがあったり不快を感じたりして、眉周辺にしわを寄せること。
顔を立てる(かおをたてる)
その人の名誉が保たれるようにすること。
顔を出す(かおをだす)
人を訪問したり、会合などに出席したりすることのたとえ。 顔や姿をその場にあらわす意から。
顔を作る(かおをつくる)
化粧をすることのたとえ。 また、むりにそのような表情をすることのたとえ。
顔を繋ぐ(かおをつなぐ)
時折ひとを訪ねたり、会合に出席したりして、その人との関係を保つことのたとえ。
顔を潰す(かおをつぶす)
相手の面目や名誉を傷つけて、恥をかかせること。
顔を直す(かおをなおす)
汗や皮脂などでくずれた化粧を整えることのたとえ。
顔をほころばせる(かおをほころばせる)
嬉しさなどで思わず笑顔になること。
顔を見せる(かおをみせる)
会合に出席したり、人を訪問したりすること。
顔を汚す(かおをよごす)
その人の面目を失わせたり、恥をかかせたりすることのたとえ。
嬶天下にからっ風(かかあでんかにからっかぜ)
上州(群馬県)名物といわれる嬶天下とからっ風の二つを並べて、上州人の気質や風土性を言ったことば。
河海は細流を択ばず(かかいはさいりゅうをえらばず)
度量の広い大人物は、どんな人でも受け入れるというたとえ。「河」は黄河のこと。黄河や大きな川はどんな小さな流れでも差別なく受け入れるという意味から。