「ら」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ら」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1236 件
- 腹を拵える(はらをこしらえる)- 仕事などに取り組む前に、食事をして腹を満たしておくこと。 「腹拵えをする」ともいう。 
- 腹を肥やす(はらをこやす)- 公的な地位や立場を利用して不正に個人の利益を得ること。 「腹を肥やす」ともいう。 
- 腹を探る(はらをさぐる)- 相手の考えていることなどをそれとなく知ろうとすること。 
- 腹を据える(はらをすえる)- 覚悟を決めること。 
- 腹を立てる(はらをたてる)- 怒ること。立腹すること。 
- 腹を見抜く(はらをみぬく)- 相手の言動などから、相手の考えや気持ちなどを推測して知ること。 または、相手のたくらみを知ること。 
- 腹を読む(はらをよむ)- 相手の言動から、相手の考えていることを推察すること。 
- 腹を割る(はらをわる)- 本心を隠さずに話すこと。 
- 張子の虎(はりこのとら)- 虚勢を張って、空威張りする人。また、首を振る癖がある人。張子の虎は、虎の形をしていても中が空洞だから恐くもなんともないし、首を振り動かすしくみのおもちゃであることから。 
- 覇を争う(はをあらそう)- 競技などで優勝を目指して互いに競い合うこと。 
- 犯罪の陰に必ず女あり(はんざいのかげにかならずおんなあり)- 犯罪の動機には女性問題がからむことが多いということ。 
- 馬鹿と暗闇おっかない(ばかとくらやみおっかない)- 暗闇も怖いが、馬鹿も何をしでかすか予想できないので恐ろしいということ。 
- 馬鹿は死ななきゃ治らない(ばかはしななきゃなおらない)- 愚か者の性質は治そうとしても治らない、手の施しようがないということ。 
- 馬鹿を笑うも貧乏を笑うな(ばかをわらうもびんぼうをわらうな)- 愚か者は自分が悪いのだが、貧乏は本人のせいばかりではないので、笑ってはいけないという戒めの言葉。 
- 馬脚を露す(ばきゃくをあらわす)- 隠していたことがばれてしまうたとえ。 芝居で馬の足を演じている人が姿を見せてしまうことから。 
- 薔薇に棘あり(ばらにとげあり)- 美しい薔薇に棘があるように、美しいものには人を傷つける一面があるということ。 
- 火打ち石据え石にならず(ひうちいしすえいしにならず)- 小さいものでは大きいものの代わりにはならないというたとえ。火打ち石は火をおこすときは役立つが、家の土台石にはならないということ。 
- 光を和らげ塵に同ず(ひかりをやわらげちりにどうず)- 才能や学徳を隠して、俗世で目立たないように暮らすこと。また、仏や菩薩が衆生を救うために、本来の姿を隠して、塵のような俗世に現れること。 「[[和光同塵*https://yoji.jitenon.jp/yoji/236.html]]」ともいう。 
- 光るほど鳴らぬ(ひかるほどならぬ)- 口うるさい人は案外怖くないということ。また、口で偉そうに言うものにかぎって意外に弱いということ。稲光がすごいわりには雷鳴が小さいとの意から。 
- 日が当たらない(ひがあたらない)- 地位や環境などに恵まれないこと。 
- 日が西から出る(ひがにしからでる)- ありえないことのたとえ。 
- 引きも切らず(ひきもきらず)- 途切れることなく続く様子。絶え間なく。 
- 庇を貸して母屋を取られる(ひさしをかしておもやをとられる)- 一部を貸したために、あとで全部を奪われてしまうことになるたとえ。また、恩を仇で返されることのたとえ。 
- 膝が笑う(ひざがわらう)- 歩き疲れたりして膝に力が入らなくなり、がくがくすること。 
- 顰みに倣う(ひそみにならう)- 事の良し悪しを考えず、むやみに人の真似をするたとえ。また、人に倣って物事をすることを謙遜していう言葉。 「顰」は、眉をひそめること。 中国の越の西施(せいし)という美女が胸の病気の痛みで顔をしかめたところ、それを見た醜女が自分も顔をしかめれば美しく見えるかと思い、真似をして眉をひそめたという故事から。 「西施の顰みに倣う」「顰みを学ぶ」ともいう。 
- 左鮃右鰈(ひだりひらめみぎかれい)- 鮃と鰈の見分け方をいったもの。目がからだの左側にあるのが鮃で、右側にあるのが鰈だということ。 
- 匹夫も志を奪うべからず(ひっぷもこころざしをうばうべからず)- どんなに身分の低い者でも、意思が堅ければ、誰もその志を変えさせることは出来ないということ。人の志は尊重すべきだということ。「匹夫」は、身分の低い男の意。 
- 人、木石に非ず(ひと、ぼくせきにあらず)- 感情を持たない木や石とは違い、人は喜怒哀楽をさまざまな形で表す感情豊かな動物であるということ。 「人は岩木に非ず」ともいう。 
- 人衆ければ則ち狼を食らう(ひとおおければすなわちおおかみをくらう)- 多数の力が強大であることのたとえ。 人数が多ければ、一人では到底勝てない狼をも倒して食ってしまうとの意から。 
- 人屑と縄屑は余らぬ(ひとくずとなわくずはあまらぬ)- 縄の切れ端でも何かの役に立つように、つまらない人間のようでも、その能力に応じて使い道があるということ。 
- 人食らい馬にも合い口(ひとくらいうまにもあいくち)- 乱暴者にも頭の上がらない相手や気の合った者がいるように、どんな人間にもその人に合った相手がいることのたとえ。 人に噛み付く癖のある馬でも、相性のいい乗り手に対してはおとなしいことから。 「人噛み馬にも合い口」「人食らい馬にも合い口」ともいう。 
- 人肥えたるが故に貴からず(ひとこえたるがゆえにたっとからず)- 人間の価値は、外見ではなく内面で決まるということ。見かけより実質が重要であるということのたとえ。 
- 人盛んにして神祟らず(ひとさかんにしてかみたたらず)- 人の運勢が盛んな時は、神仏でもこれをとどめることが出来ないということ。 
- 人に勝たんと欲する者は必ず先ず自ら勝つ(ひとにかたんとほっするものはかならずまずみずからかつ)- 人に勝とうと思うなら、まず自分自身の色々な欲望に打ち勝つ必要があるということ。 
- 人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ)- 世間の噂話は止めることができないということ。 「立てる」は閉めることで、「閉てる」とも書く。 「開いた口に戸は立てられぬ」「世間の口に戸は立てられぬ」ともいう。 
- 人の苦楽は壁一重(ひとのくらくはかべひとえ)- 壁一つ隔てただけで隣の様子がわからないように、他人の苦しみや楽しみは他人事で自分とはなんの係わりもないということ。 
- 人の空言は我が空言(ひとのそらごとはわがそらごと)- 他人の話を受け売りすると、もしその話が嘘だった時は、自分が嘘をついたのと同じことになる。人の話を簡単に受け売りするなという戒めの言葉。「空言」は何の根拠もない噂のこと。 
- 人の宝を数える(ひとのたからをかぞえる)- 自分には何の得にもならないことのたとえ。 「他人の宝を数える」「隣の宝を数える」「隣の家の宝を数える」ともいう。 
- 人は足るを知らざるを苦しむ(ひとはたるをしらざるをくるしむ)- 人間の欲望には際限がなく、そのために苦しむということ。 
- 人はパンのみにて生くるにあらず(ひとはぱんのみにていくるにあらず)- 人間は物質的満足だけを目的として生きるものではないということ。 
- 人は見かけによらぬもの(ひとはみかけによらぬもの)- 人の性質や能力は外見だけでは判断しにくく、外見と中身は往々にして異なることが多いので、外見だけで軽々しく判断してはいけないということ。 
- 瞳を凝らす(ひとみをこらす)- 瞬きせずに一つの所を集中して見ること。 
- 一人の文殊より三人のたくらだ(ひとりのもんじゅよりさんにんのたくらだ)- 優れた人物が一人で考えるより、愚か者でも何人かで考えたほうが良い考えが浮かぶことのたとえ。 「文殊」は知恵をつかさどる菩薩のこと。 「たくらだ」はじゃこう鹿に似た獣。じゃこう鹿を狩る時に、猟師が飛び出してきたたくらだを誤って狩ったことから、自分に無関係なことで死んだり傷ついたりする者のこと。転じて、愚か者・まぬけのことをいう。 
- 人を怨むより身を怨め(ひとをうらむよりみをうらめ)- 人の仕打ちをうらむ前に、自分の至らなさを反省せよという戒めの言葉。 
- 人を叩いた夜は寝られぬ(ひとをたたいたよはねられぬ)- 人に害を加えられた者より、害を加えた者のほうが苦しいというたとえ。人を叩いた夜は、気がとがめて寝ていられないということ。 
- 人を恃むは自ら恃むに如かず(ひとをたのむはみずからたのむにしかず)- 他人は当てにならないから、人に頼るよりも自分自身を頼りにするのが確かだということ。「恃む」は、頼るという意。 
- 人を見たら泥棒と思え(ひとをみたらどろぼうとおもえ)- 他人は信用できないので、泥棒と疑ってかかるくらい用心したほうがよいということ。 
- 火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)- 燃えさかっている火に油をかけるように、勢いのあるものにさらに勢いを加えるたとえ。 
- 日の下に新しきものなし(ひのもとにあたらしきものなし)- 新発見とか新発明といわれているものでも、この世にあるすべてのものは本当に新しいものはなく、これまでにあったものに多少の手を加えて新しい形に変化させたにすぎないということ。 
- 火は火元から騒ぎ出す(ひはひもとからさわぎだす)- 最初に騒ぎ出した者が、事件の張本人であることが多いということ。火事の時、まず火元の家人が騒ぎ立てることから。 
- 火花を散らす(ひばなをちらす)- 激しく争い合うこと。 互いの刀を打ち合わせて火花が出るということから。 
- 百歳の童(ひゃくさいのわらんべ)- 年を取ってもなお、子どもにも劣る愚かな老人。また、年老いて子ども返りした者。 
- 百戦百勝は善の善なる者に非ず(ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず)- 百回戦って百勝しても、何らかの損害がでるので得策とはいえない。戦わずに勝つことが出来れば、それが一番いい方法だということ。 
- 百日の労、一日の楽(ひゃくにちのろう、いちにちのらく)- 働くばかりではなく、たまには休むほうがよいということ。 百日も働いたら、一日くらいゆっくり休養したほうがよいとの意から。 
- 瓢箪から駒が出る(ひょうたんからこまがでる)- 思いがけない場所や状況から意外な出来事や物が現れることのたとえ。 または、冗談で言ったことが本当になることのたとえ。 「駒」は馬を意味し、普通なら瓢箪(ひょうたん)から出てくるはずのない馬が出てくるという意味から。 
- 平たく言えば(ひらたくいえば)- 分かりやすく言うと。 簡単な言葉に置き換える時に使う言葉。 
- 火を見たら火事と思え(ひをみたらかじとおもえ)- 何事も用心を重ね、警戒を怠りなくせよという教え。 少しの火でも火事だと思って用心せよということ。 
- 火を見るより明らか(ひをみるよりあきらか)- きわめて明らかで疑う余地がまるでないようす。 火を見れば火だとわかるが、それよりもっと明らかとの意から。 
- 貧の楽は寝楽(ひんのらくはねらく)- 貧しい人の楽しみは寝ることであるということ。 または、貧しい人は盗まれるものがないので安心して寝られるということ。 
- 貧ほど辛いものはなし(ひんほどつらいものはなし)- 悲しいことやつらいことがたくさんある世の中で、貧乏ほどつらいことはないということ。 
- ピンからキリまで(ぴんからきりまで)- 最初から最後まで。また、最上から最低まで。「ピン」はさいころ等の1のこと。転じて、はじめの意。「キリ」は10のこと。転じて終わりの意。 
- 風采が上がらない(ふうさいがあがらない)- 容姿や服装などの見た目が質素で垢抜けていないこと。 
- 夫婦喧嘩もないから起こる(ふうふげんかもないからおこる)- 金がなくて生活が苦しいと、しなくてもよい夫婦喧嘩も起こるということ。 
- 笛吹けども踊らず(ふえふけどもおどらず)- 誘ったり勧めたりしても、相手がそれに応じて動かないことのたとえ。 
- 吹く風枝を鳴らさず(ふくかぜえだをならさず)- 世の中がよく治まり平和なようすのたとえ。 吹く風が静かで枝は音も立てないとの意から。 
- 覆水、盆に返らず(ふくすい、ぼんにかえらず)- 離縁した夫婦の仲はもとどおりにならないことのたとえ。また、一度してしまったことは取り返しがつかないというたとえ。 中国の太公望が出世して斉に封ぜられた時、離縁した妻が復縁を求めてやってきた。太公望は盆の水をひっくり返し「こぼれた水を元に戻せたら希望通りにしよう」と言って復縁を断ったという故事から。 
- 不平を鳴らす(ふへいをならす)- 不平を強く言い立てること。 
- 冬来りなば春遠からじ(ふゆきたりなばはるとおからじ)- つらく厳しい時期を耐え抜けば、その先には幸せが待っているというたとえ。 寒い冬が来たということは、遠くないうちに暖かい春もやってくるということから。 イギリスの詩人シェリーの「西風に寄せる歌」の一節から。 
- 降らぬ先の傘(ふらぬさきのかさ)- 失敗しないように前もって準備することのたとえ。 雨が降る前から傘を用意するとの意から。 「降らぬ先の傘」ともいう。 
- 降りかかる火の粉は払わねばならぬ(ふりかかるひのこははらわねばならぬ)- 自分の身に危険が迫れば、積極的にその危険を退けなければならないというたとえ。自分の体に降りかかってくる火の粉は、払わなければ火傷してしまうということから。 
- 故きを温ねて新しきを知る(ふるきをたずねてあたらしきをしる)- 昔のことを研究し、そこから新しい知識や道理を発見すること。 「[[温故知新(おんこちしん)*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1122.html]]」ともいう。 
- 降れば必ず土砂降り(ふればかならずどしゃぶり)- 不運が続くことのたとえ。 雨が降れば必ず土砂降りになるとの意から。 
- 無精者の一時働き(ぶしょうもののいっときばたらき)- いつも怠けている者が、急に思い立って働いても、一時的だということ。また、そういう者をあざけっていう言葉。 
- 無精者の隣働き(ぶしょうもののとなりばたらき)- 自分の家の用は頼まれても何もしない無精な人間が、隣の家では余計な事まで手伝うということ。 
- 平地に波瀾を起こす(へいちにはらんをおこす)- 世の中が平和に治まっているときに、わざわざもめごとを起こすたとえ。 
- 下手の鉄砲烏が怖じる(へたのてっぽうからすがおじる)- まともな人間は相手にしやすいが、無茶苦茶な人間は相手にしにくいということ。 下手な者の射る矢はどこへ飛ぶかわからないので避けようがないとの意から。 「狐が下手の射る矢を恐る」「下手の鉄砲烏が怖じる」ともいう。 
- 下手の道具調べ(へたのどうぐしらべ)- 下手な者にかぎって、道具にこだわり注文をつけるということ。 
- 屁と火事は元から騒ぐ(へとかじはもとからさわぐ)- 張本人が一番最初に騒ぎ出すことが多いということのたとえ。 おならをした本人が真っ先に臭いと騒ぎ出し、火元の家の人が最初に火事だと騒ぎ出すとの意から。 
- 蛇に睨まれた蛙(へびににらまれたかえる)- 恐ろしいものや苦手なものの前で、身がすくんで動けなくなる状態のたとえ。 蛇にねらわれた蛙が恐ろしさのあまり動けなくなることから。 「蛇に見込まれた蛙」ともいう。 
- 減らず口を叩く(へらずぐちをたたく)- 負けを認めずに強がりや屁理屈を言うこと。 
 
         
    