「れ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「れ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 794 件
鬼にもなれば仏にもなる(おににもなればほとけにもなる)
相手次第、出方次第で、鬼のようにこわい存在にもなれば、仏のようにやさしい存在にもなるということ。
尾に鰭付ける(おにひれつける)
あることないことを付け足して物事を大げさに言うこと。 本体に余計な尾や鰭を付け足すことから。 「尾に尾を付ける」ともいう。
己に克ち、礼に復る(おのれにかち、れいにかえる)
理性と意思の力で欲望に打ち勝って、人として守るべき礼に従って行動すること。 「[[克己復礼*https://yoji.jitenon.jp/yojic/1487.html]]」ともいう。
己に如かざる者を友とするなかれ(おのれにしかざるものをともとするなかれ)
自分をより向上させるためには、自分より劣った者を友として交際すべきではないという教え
己の欲する所を人に施せ(おのれのほっするところをひとにほどこせ)
自分が他人にしてもらいたいことは、人にもしてやりなさいということ。
己の欲せざる所は人に施すこと勿れ(おのれのほっせざるところはひとにほどこすことなかれ)
自分が他人からされたくないと思うことは、決して他人にしてはならないということ。
己を責めて人を責めるな(おのれをせめてひとをせめるな)
自分の責任でさせたことを、人のせいにするなということ。徳川家康の遺訓から。
己を虚しゅうす(おのれをむなしゅうす)
自分の我をすてて、謙虚で素直な気持ちになること。
己を以て人を量る(おのれをもってひとをはかる)
人はとかく自分を基準にして、他人のことを判断しがちだということ。
尾鰭が付く(おひれがつく)
話に誇張や嘘が付け加わって物事が大げさになることのたとえ。
尾鰭を付ける(おひれをつける)
事実ではないことも付け加えて、話を大げさにすることのたとえ。 魚の本体に尾や鰭を付け加えるとの意から。
溺れる者は藁をも摑む(おぼれるものはわらをもつかむ)
危険が差し迫っているときは、頼りにならないものにまで頼ろうとするということ。 溺れかけている者は、水に浮かぶ藁のような頼りないものにもすがりついて助かろうとするとの意から。
思い内にあれば色外に現る(おもいうちにあればいろそとにあらわる)
心の中で思っていることは、自然と言動や態度にあらわれるということ。
思い面瘡、思われ面皰(おもいおもくさ、おもわれにきび)
人に恋したり、誰かに思いを寄せられたりすると、にきびができるということ。「面瘡」は、にきびの意。
思うに別れて思わぬに添う(おもうにわかれておもわぬにそう)
思い焦がれた相手とは結ばれず、好きではない相手と結婚すること。人の縁や運命は、思い通りにならないということ。
思えば思われる(おもえばおもわれる)
こちらが相手に好意を持てば、相手も好意を持ってくれるようになるということ。
親ずれより友ずれ(おやずれよりともずれ)
子どもにとっては、親から受ける影響よりも友達から受ける影響のほうが大きいということ。
お山の大将俺一人(おやまのたいしょうおれひとり)
小さな集団や狭い世界の中で、自分が一番偉いと得意になって威張っている人のこと。
親を睨むと鰈になる(おやをにらむとかれいになる)
親に反抗したりおろそかに扱ったりしてはいけないという戒めの言葉。 親を睨んだりすると、ばちが当たって鮃(ひらめ)のように目がかたよってしまうとの意から。 「親を睨むと鰈(かれい)になる」ともいう。
折に触れて(おりにふれて)
機会があるたびに。事あるごとに。
俺は言わぬがわれ言うな(おれはいわぬがわれいうな)
相手に口止めしながら、自分が人に秘密を漏らす人間に対していう言葉。「われ」は、お前のこと。俺は人には言わないが、おまえこそ人に秘密をしゃべらないように気をつけろという戒めの言葉。
終わりよければすべてよし(おわりよければすべてよし)
物事は結果さえよければ、動機や途中経過など問題にならないということ。
尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)
従順な人は誰からも害を加えられることはないというたとえ。尾を振ってなついてくる犬は人から叩かれないということから。
女三人あれば身代が潰れる(おんなさんにんあればしんだいがつぶれる)
娘が三人いると、嫁入り支度で財産がなくなってしまうということ。
女三人寄れば姦しい(おんなさんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まれば大変にやかましいということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。
女は己を説ぶ者のために容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
女は自分を愛してくれる男のために、よりいっそう念入りに化粧をし着飾ったりするということ。
負んぶすれば抱っこ(おんぶすればだっこ)
他人の力を当てにして、つけあがって甘えることのたとえ。 負んぶしてやると次には抱っことねだることから。 「負ぶえば抱かろう」「負んぶすれば抱っこ」「抱かさせば負ぶさる」ともいう。
飼い犬に手を噛まれる(かいいぬにてをかまれる)
日頃から特別に目をかけていた者や信用していた者に裏切られることのたとえ。
替え着なしの晴れ着なし(かえぎなしのはれぎなし)
いつもいい服を着ているが、それ一枚だけで他に着替えを持ってないことをいう。
顔が合わせられない(かおがあわせられない)
面目がなくてその人に会うことができないというたとえ。
顔が売れる(かおがうれる)
世間に広く名前が知れわたること。
顔が潰れる(かおがつぶれる)
その人の名誉が傷つけられることのたとえ。
顔ぶれが揃う(かおぶれがそろう)
集まるべき人が、全員その場に集まること。
核心に触れる(かくしんにふれる)
ものごとの最も重要なところに踏み込んで指摘すること。
隠れたるより現るるはなし(かくれたるよりあらわるるはなし)
やましいことや秘密は、隠そうとすればかえって人に知られてしまうというたとえ。
隠れての信は顕われての徳(かくれてのしんはあらわれてのとく)
心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。
隠れ蓑にする(かくれみのにする)
正体や目的を見破られないために、代わりの何かを用いること。 「隠れ蓑」は、鬼や天狗が持つとされる蓑(衣服の上から着る雨具)で、それを身につけると姿を隠すことができることから。
隠れもない(かくれもない)
世間に広く知れわたっているさま。 また、その事実が隠そうとしても隠せないほど明白なさま。
影を畏れ迹を悪む(かげをおそれあとをにくむ)
自分で勝手に悩みを作り、心を平静に保つことができないことのたとえ。 自分の影と足跡におびえ、それから逃れようと走り続けて、ついに力尽きて死んでしまったという故事から。
嘉肴ありと雖も食らわざればその旨きを知らず(かこうありといえどもくらわざればそのうまきをしらず)
何事も自分で体験してみなければ、その価値やすばらしさがわからないということ。 「嘉肴」は、おいしい料理。 どんなにおいしい料理も、自分で食べてみなければそのおいしさはわからないとの意から。
貸した物は忘れぬが借りたものは忘れる(かしたものはわすれぬがかりたものはわすれる)
人に貸したものは忘れないが、人から借りたものはつい忘れてしまうということ。 人間は身勝手なものだというたとえ。
堅い木は折れる(かたいきはおれる)
ふだんは強情な人が、何か問題にぶつかると意外にもろく、くじけやすいことのたとえ。また、頑丈な人が急に大病で倒れることのたとえ。柔軟性のない堅い木は、風が吹けば折れやすいことから。
肩入れする(かたいれする)
ある人や物を特別に援助したり贔屓したりすること。 物を担ぐのを助けるとの意から。
片腕をもがれたよう(かたうでをもがれたよう)
最も信頼していた人を失い、ひどく悲しむさま。 「片腕」は、自分の腕のように信頼できて頼りになる人のことで、その人を失うとの意から。
片手で錐は揉まれぬ(かたてできりはもまれぬ)
物事を成し遂げるためには、力を合わせることが大事だということ。 穴をあけるための錐は片手では揉むことができないとの意から。
刀折れ矢尽きる(かたなおれやつきる)
物事を続けていく手段がなくなってしまうことのたとえ。 刀が折れ、矢が尽きて戦う手段がなくなってしまうとの意から。 「弓折れ矢尽きる」ともいう。
片山曇れば片山日照る(かたやまくもればかたやまひてる)
一方に悪いことがあれば、もう一方に良いことがあり、世の中は様々だということ。
肩を入れる(かたをいれる)
ある人や物を特別に援助したり贔屓したりすること。物を担ぐために物の下に肩をあてて助けるとの意から。 また、[[肌脱ぎ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p41092]]の状態から着物を着ること。
河童に水練(かっぱにすいれん)
ある分野に精通している人に対して、その分野のことを教えようとする愚かさのたとえ。 「水練」は、泳ぎの練習のこと。 泳ぎが得意である河童に泳ぎを教えることは見当違いであるとの意から。
河童の川流れ(かっぱのかわながれ)
どんな達人でも、たまには失敗することがあるということ。 泳ぎが得意なはずの河童でも、時には水に押し流されることがあるとの意から。
活を入れる(かつをいれる)
元気のない人や弱気になっている人に刺激を与えて、元気を呼び戻したり活気づけたりすること。 「活」は、柔道などで気を失った人に刺激を与えて意識を回復させること。
勝てば官軍、負ければ賊軍(かてばかんぐん、まければぞくぐん)
道理の有無にかかわらず戦いに勝ったほうが正義、負けたほうが悪になるというたとえ。 単に「勝てば官軍」ともいう。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
人から疑われるような行動は避けるべきであるという戒めの言葉。 「瓜田」は、瓜(うり)を育てている畑。 「李下」は、李(すもも)の木の下。 瓜を盗むのではないかと疑われるので瓜田では靴を履きなおしてはいけない、李を盗むのではないかと疑われるので李の木の下では冠をかぶりなおしてはいけないということ。 単に「瓜田に履を納れず」「李下に冠を正さず」ともいう。 また、「李下の冠、瓜田の履」ともいう。
角が取れる(かどがとれる)
年を取ったりして嫌味がなくなり、人柄が穏やかになること。
金鎖も引けば切れる(かなぐさりもひけばきれる)
鉄製の鎖も時には切れることがあるように、どんなに意志の強い人でも誘惑に負けることがあるというたとえ。
金槌の川流れ(かなづちのかわながれ)
人に頭が上がらないことのたとえ。また、出世する見込みがないことのたとえ。水に入れた金槌は、柄は浮くが頭の部分は沈むことから。
金があれば馬鹿も旦那(かねがあればばかもだんな)
金さえ持っていれば、馬鹿でも旦那と持ち上げられるということ。人柄や経歴に関係なく、金の力が威光のもとだということ。
金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる(かねさえあればとぶとりもおちる)
世の中のたいがいの事が金で解決できるということのたとえ。
金の切れ目が縁の切れ目(かねのきれめがえんのきれめ)
金がある時はちやほやされるが、金がなくなると相手にされず関係が切れるということ。
金は良き召し使いなれど悪しき主なり(かねはよきめしつかいなれどあしきしゅなり)
金は自分の意思で運用しているうちはよいが、金に使われるようになると害をもたらすという戒め。
金離れがいい(かねばなれがいい)
必要な時には惜しまずに金を出すさま。
金を貸したのが円の切れ目(かねをかしたのがえんのきれめ)
金の貸し借りには問題が起こりやすく、親しい友人同士でも金の貸し借りはするべきではないという戒め。
神は非礼を受けず(かみはひれいをうけず)
礼にはずれたことを願っても、神は聞き届けてはくれないということ。
髪結いの乱れ髪(かみゆいのみだれがみ)
日頃から仕事で使用しているものは、自分のためには使用しないということ。 また、他人の面倒を見るばかりで、自分のことには手が回らないこと。 「駕籠舁き」は、駕籠に人を乗せて運ぶことを職業にしている人。 駕籠舁きは、自分の駕籠には乗らないとの意から。
烏の濡れ羽色(からすのぬればいろ)
髪の毛が、水に濡れた烏の羽のように、真っ黒で艶やのあるようす。
空世辞は馬鹿を嬉しがらせる(からせじはばかをうれしがらせる)
愚か者は、口先だけのお世辞に喜ぶということ。
枯れ木に花咲く(かれきにはなさく)
老木に再び花が咲くように、一度衰えたものが再び盛んになることのたとえ。 「枯れ木に花咲く」ともいう。 また単に「老い木に花」や「枯れ木に花」ともいう。
枯れ木も山の賑わい(かれきもやまのにぎわい)
つまらないものでも、ないよりはあったほうがましだというたとえ。枯れ木でもいくらかは山に風情を添えるという意で、自分のことをへりくだって言う言葉。
彼も一時、此れも一時(かれもいちじ、これもいちじ)
時とともに、世の中のことは移り変わっていくものである。だから、あの時はあの時、今は今で、あの時と今とを単純に比べることはできないということ。また、栄枯盛衰も一時限りであるということ。「彼」は、あの時の意。
彼も人なり、我も人なり(かれもひとなり、われもひとなり)
彼も自分と同じ人間なのだから、彼にできることが自分にできないはずはないということ。 努力を怠らなければ、他人にできることは何でもできるということ。
彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)
敵と味方の情勢をしっかり把握して戦えば、何度戦っても負けることはないということ。 「殆うからず」は、危うくないという意味。
川越して宿とれ(かわこしてやどとれ)
先のことを考えて事前に対策を講じておくべきだということ。また、困難なことは後回しにせずに片付けておくべきだということ。 昔は大きな川には橋がなく、大雨が降ると渡れずに何日も足止めされることもあったので、宿を取るのは川を越してからにしろといわれていたことから。
川中には立てど人中には立たれず(かわなかにはたてどひとなかにはたたれず)
世渡りは難しいというたとえ。 流れが急な川の中に立つことはできても、世間に流されずに生きることは難しいとの意から。
変われば変わる(かわればかわる)
人や物がすっかり変わったことに対して、感心したり呆れたりしていう言葉。 「変わる」を強調した言い方。
間、髪を容れず(かん、はつをいれず)
少しの時間も置かず即座に行動するさま。 間に髪の毛一本さえも入る余地がないとの意から。
勘気に触れる(かんきにふれる)
主君や親など、目上の者から咎められること。
勘定に入れる(かんじょうにいれる)
何かを行う際に、事前にそのことを考慮する。
癇に触れる(かんにふれる)
他人の些細な言動などを腹立たしく思うこと。 「癇に触れる」ともいう。
堪忍袋の緒が切れる(かんにんぶくろのおがきれる)
もうこれ以上我慢できなくなり、怒りを爆発させることのたとえ。 「堪忍袋」は、辛抱できる心の広さを袋にたとえた言葉。 「堪忍袋の緒を切らす」「堪忍袋の口を開ける」ともいう。
看板倒れ(かんばんだおれ)
看板だけが立派で、実情が伴わないこと。 見かけはよくても、内容が乏しいこと。