「山」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 104 件
「山」を含む漢字が使われている故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。
故事・ことわざ・慣用句一覧
秋葉山から火事(あきばさんからかじ)
人を戒める指導的立場の者が、自ら過ちを犯してしまうたとえ。「秋葉山」は火災除けの神を祭る静岡県の秋葉神社のこと。
あだし野の露、鳥部山の煙(あだしののつゆ、とりべやまのけむり)
人の命のもろさ、この世の移ろいやすさのたとえ。 「あだし野」は、京都の嵯峨野にあった墓地。 「鳥辺野」は、京都の東山にあった火葬場。 人生を、はかなく消える墓地の露と火葬場の煙にたとえた言葉。 「あだし野」は「仇野」「徒野」、「鳥辺野」は「鳥部野」とも書く。 「鳥辺野」は「鳥部山」ともいう。
後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ)
目前の問題さえ片付けば、あとはどうなってもよいということ。
石、玉をつつみて山輝く(いし、たまをつつみてやまかがやく)
内に秘めた優れたものは、包み隠しても外へにじみ出て、そのもの全体を照らす。文の一句が一篇を支えることにも、人の器量が身の回りを明るませることにも使う。 石が玉を抱いていれば山までが輝いて見える、という句から。
何れを見ても山家育ち(いずれをみてもやまがそだち)
大勢いる者のどれを見ても田舎育ちで、誰一人役に立ちそうにない。
一度焼けた山は二度は焼けぬ(いちどやけたやまはにどはやけぬ)
一度災いに遭うと二度と同じ災いに遭うことはないと、災難に遭った人を慰めて言うことば。
一目山随徳寺(いちもくさんずいとくじ)
後先かまわずに一目散に逃げ出すこと。 「ずいと出て行く」をしゃれで寺の名に見立てたもの。 また、「一目散」を山号になぞらえて「一目山随徳寺」ともいう。
一葉目を蔽えば泰山を見ず(いちようめをおおえばたいざんをみず)
ほんの小さな事柄や自分だけの都合に気持ちがふさがれると、本当に大切な筋道さえ見落とす、というたとえ。 木の葉がたった一枚、目の上にかぶさるだけで、泰山のようにとてつもなく大きな山でさえ視界から消える。その様子から出た言葉。泰山は、中国の山東省で古くから名高い山。 『鶡冠子』では、国を治める人は耳や目で見聞きしたことに頼って決めず、守るべき道にそって判断するものだ、という話の中に出てくる。すぐあとには、豆が二粒耳に詰まれば雷の音さえ届かない、という句が並ぶ。 趣旨のよく似た言葉に[[木を見て森を見ず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/2932.php]]がある。[[獣を逐う者は目に太山を見ず*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/6599.php]]も大きな山が目に入らない様子を言い表すが、そちらは一つの獲物を追うのに夢中で、まわりの危うさに気づかない姿を指す。 [[一片の雲も日を蔽う*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/8836.php]]も、小さなものが大きなものをさえぎる眺めを使った似た句だが、こちらとはちがって、取るに足りなく見えるものも油断なく見よ、と教える。
馬を華山の陽に帰し、牛を桃林の野に放つ(うまをかざんのみなみにきし、うしをとうりんのやにはなつ)
戦いがすっかりやんで武器を手放し、世の中に穏やかな日々がよみがえるありさまを言う。 中国の古い本『書経』の「武成」の章に見える話から出た。周の武王は殷の紂王を倒して天下を治めると、いくさに使った馬は華山という山の南側へ帰し、荷運びをさせた牛は桃林という土地の野原に放して、二度と兵を動かすつもりはないと世に知らせた。 同じいきさつは、四字熟語では[[帰馬放牛*https://yoji.jitenon.jp/yojif/2916]]の形で伝わっている。
海に千年山に千年(うみにせんねんやまにせんねん)
長い年月のあいだに数多くの経験を積み、世の中の表も裏も知り抜いていること。そうしたしたたかな人を指してもいう。 海と山にそれぞれ千年ずつ棲み続けた蛇は竜に化けるという古い言い伝えがもとになっている。 「海に千年河に千年」「海千山千」の形でも使われる。
海の物とも山の物ともつかぬ(うみのものともやまのものともつかぬ)
この先どうなるか見当がつかないこと。また、正体がわからないこと。
遠山の眉(えんざんのまゆ)
遠くにかすむ山並みのように、細くゆるやかな弧をえがき、ほのかに青みを帯びて見える眉。 美しい女性の眉をほめるときに使うたとえ。 「遠山」は、はるか遠くの山を指す。眉墨で薄く引いた眉についても同じように言い、その意味では「遠山の黛」ともいう。 山を使った似たたとえに、横へ長く引いた眉を連なる山になぞらえる[[連山の眉*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/1365.php]]がある。
円石を千仞の山に転ず(えんせきをせんじんのやまにてんず)
非常に勢いが激しく、抑えようがないことのたとえ。 高い山から丸い石を落とすと、ものすごい勢いで転がることから。
奥山の杉のともずり(おくやまのすぎのともずり)
誰のせいでもなく、自分でしたことが原因で、結局は自分がつらい思いを味わうたとえ。 「ともずり」は、木の枝や葉がたがいにこすれ合うさまをいう。人の入らない深い山で、杉どうしの枝がこすれ合ううちに火が起こり、その杉は自分から出た火で焼かれてしまう。その様子を、人の行いの報いにあてはめた。 「[[自業自得*https://yoji.jitenon.jp/yoji/401]]」や「[[身から出た錆*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/40.php]]」と同じような意味で使う。
驚き、桃の木、山椒の木(おどろき、もものき、さんしょのき)
たいそう驚いたということを「き」の語呂合わせでいった言葉。
お山の大将(おやまのたいしょう)
小さな集団や狭い世界の中で、自分が一番偉いと得意になって威張っている人のこと。
海賊が山賊の罪をあげる(かいぞくがさんぞくのつみをあげる)
自分の悪行は棚に上げて他人の悪行を非難するたとえ。また、同類であっても利害が共通しない者は敵対するということ。 「山賊の罪を海賊があげる」ともいう。
風は吹けども山は動ぜず(かぜはふけどもやまはどうぜず)
周囲の騒ぎの中で、少しも動じないで悠然としていることのたとえ。 激しい風が吹き荒れても山はびくともしないとの意から。
片山曇れば片山日照る(かたやまくもればかたやまひてる)
一方に悪いことがあれば、もう一方に良いことがあり、世の中は様々だということ。
蕪は鶉となり、山芋は鰻となる(かぶらはうずらとなり、やまいもはうなぎとなる)
ありえないと思われていたことが、思いがけず現実になるたとえ。目立たなかった人が急に高い地位についたり、金持ちになったりする場合にもいう。 形が少し似ているというだけで、蕪(かぶら)が鶉(うずら)に、山芋が鰻に変わることなどまずないが、それが本当に起きるという意から。 「山の芋鰻になる」「山の芋が鰻になる」ともいう。
枯れ木も山の賑わい(かれきもやまのにぎわい)
とるに足りないものでも、まるで無いよりは数のうちに入るというたとえ。葉の落ちた木でも、山の景色をいくぶんにぎやかに見せる意から。自分をへりくだっていうときに使い、他人に向けて使うのは失礼にあたる。
箕山の節(きざんのせつ)
官に就く道をみずから退け、山に入って世の誉れや地位に心を動かされずに過ごすこと。尭が帝位を譲ると持ちかけたのを許由が受けず、箕山の奥へ移り住んだという故事から。
来て見ればさほどでもなし富士の山(きてみればさほどでもなしふじのやま)
何事もおおげさに言われるもので、実際に見てみると想像していたほどのものではないことが多いというたとえ。 富士山はすばらしいと言われているけれども、来てみればそれほどの山ではなかったとの意から。
茸採った山は忘れられない(きのことったやまはわすれられない)
一度うまい思いをした場所へ、人は何度でも足を向けたくなるということ。 茸がよく採れた山の味を覚えた者は、次の年もまたその山へ入るものだから。
綺麗な花は山に咲く(きれいなはなはやまにさく)
見事なものほど、人の足が向かない奥まった場所にひそむということ。 里に咲く花と違い、山中の花は分け入った者の目にしか触れない意から。
義は泰山より重く、命は鴻毛より軽し(ぎはたいざんよりおもく、いのちはこうもうよりかるし)
守るべき筋の重さの前には、一身の生き死になど後回しになる。 同じ死でも、その場面によって値打ちがまるで違うとする。
玉山崩る(ぎょくざんくずる)
容姿の立派な人が酔いつぶれるたとえ。「玉山」は、珠玉のとれる山から転じて、容姿のあでやかなことのたとえ。
国破れて山河在り(くにやぶれてさんがあり)
戦乱で国が滅びても、自然の山や川はもとのままの姿で存在しているということ。
車は海へ舟は山(くるまはうみへふねはやま)
物事がさかさまなことのたとえ。
黒山の人だかり(くろやまのひとだかり)
数え切れないくらい大勢の人が、一つの場所にぎっしりと群れをなしている有様。 日本人の多くは髪が黒いため、大勢が寄り合うと黒い頭が連なり、黒々とした大きな山を思わせる。そこから生まれたたとえ。「人だかり」は、人が寄ってきて群れを作ることをいう。 大勢の人で込み合う有様をいう句には、[[押し合いへし合い*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/9003.php]]や[[立錐の余地もない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/193.php]]などもある。
