「く」から始まる故事・ことわざ・慣用句
「く」から始まる故事・ことわざ・慣用句 — 179 件
苦あれば楽あり(くあればらくあり)
人生はいつも楽しいことばかりではなく苦しいこともある、逆に苦しいことばかりではなく楽しいこともあるということ。 「楽あれば苦あり」のあとに続けても言う。
苦あれば楽あり、楽あれば苦あり(くあればらくあり、らくあればくあり)
人生はいつも楽しいことばかりではなく苦しいこともある、逆に苦しいことばかりではなく楽しいこともあるということ。 「楽あれば苦あり」「苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」とも言う。 江戸いろはがるたの一つ。
株を守りて兎を待つ(くいぜかぶをまもりてうさぎをまつ)
古い習慣や過去の偶然の成功にこだわり、進歩や向上がないことのたとえ。 中国・宋の農民が農作業をしていると、兎が木の切り株にぶつかって死んだ。農民は労せず兎を手に入れることができたその経験以来、農作業をせずに毎日切り株を見張っていたという故事から。 「守株」ともいう。
食い足りない(くいたりない)
物事の内容が不十分で、不満のあるさま。 食べても食べても満足できないとの意から。
食い溜め寝溜めは何にもならぬ(くいだめねだめはなんにもならぬ)
余分に食べたり寝たりしても、時間が経てば腹も空くし眠くもなるので無駄であるということ。
食い付き馬に乗ったよう(くいつきうまにのったよう)
危険なことをやめることができないたとえ。 食いつく癖のある馬に乗ると、乗っているのも危ないが、降りると馬に食いつかれるので降りられないとの意から。
食いつく犬は吠えつかぬ(くいつくいぬはほえつかぬ)
自信や実力のある者はむやみに騒ぎ立てたりしないというたとえ。 臆病な犬はむやみに吠えるが、強い犬はむやみに吠えたりせず行動に出るということから。
食い物と念仏は一口ずつ(くいものとねんぶつはひとくちずつ)
食べ物は一口ずつでもみんなで分け合って食べたほうがよいということ。また、念仏は一人が一口ずつ唱えてもご利益があるということ。 「食い物」は「食べ物」ともいう。
食うか食われるか(くうかくわれるか)
優劣がつけられないほど、実力に差のない者同士が生き残りをかけて命懸けで戦うこと。 相手を食うか自分が食われるかとの意から。
空谷の跫音(くうこくのきょうおん)
退屈な時や孤独な時に、思いがけない訪問があったり便りが届いたりする喜びのたとえ。 「空谷」はひと気のないさびしい谷間、「跫音」は足音のこと。 人のいないさびしい山奥で聞く人の足音との意から。
食うことは今日食い、言うことは明日言え(くうことはきょうくい、いうことはあすいえ)
食べ物は早く食べたほうがおいしく味わえるが、ものを言うのはよく考えてからのほうが賢明だということ。
食うた餅より心持ち(くうたもちよりこころもち)
ごちそうしてもらったり、贈り物をもらったりするのもうれしいが、それをしてくれた相手の心持ちがもっとうれしいということ。「餅」と「持ち」をかけたしゃれ。
食うに倒れず病むに倒れる(くうにたおれずやむにたおれる)
食べることはなんとかなるが、病気になると治療費で財産を失うことになるということ。
空腹は最上のソース(くうふくはさいじょうのそーす)
空腹の時は何を食べてもおいしいということ。
食うや食わず(くうやくわず)
食事も満足に取れないほど、非常に生活が苦しいようす。
食えない(くえない)
ずるがしこく、気を許すことができない。油断ができない。
「―人だ」釘の裏を返す(くぎのうらをかえす)
念には念を入れて間違いのないようにすることのたとえ。打った釘の裏の先を曲げてたたくと釘が抜けにくくなることから。
釘を刺す(くぎをさす)
あとで問題が起こらないように確かめ、念を押すたとえ。
臭い飯を食う(くさいめしをくう)
刑務所にはいること。 刑務所の飯が臭かったことから。
臭い物に蓋をする(くさいものにふたをする)
人に知られて困る悪事や醜聞などを、一時しのぎで隠そうとするたとえ。容器に蓋をして悪臭が漏れないようにする意から。
臭いもの身知らず(くさいものみしらず)
自分の悪臭に気がつかないように、欠点は自覚しにくいというたとえ。
草木も靡く(くさきもなびく)
権力や勢力が盛んで、多くの人々が従う様子。
草木も眠る(くさきもねむる)
真夜中になり、辺りが静まり返っている様子。 「草木も眠る丑三つ時」の形で使われることが多い。
草木も眠る丑三つ時(くさきもねむるうしみつどき)
夜が更けて、すっかり静かになった真夜中のこと。「丑三つ時」は、昔の時刻で牛の刻を四分した三番目の時刻のことで、現在の午前二時から二時半頃。人だけでなく、草木までも眠って静まりかえった真夜中の意から。
腐っても鯛(くさってもたい)
優れたものは、痛んでもそれなりの値打ちがあるというたとえ。
楔を打ち込む(くさびをうちこむ)
敵陣に攻め入って相手の勢力を二分したり、相手の組織に自分側の勢力を送り込むこと。 また、二人の仲を裂こうと邪魔をすること。 「楔」は木製や金属製のV字形をした道具。木や石などを割るときや重い物を押し上げるときに用いられる。
腐れ縁は離れず(くされえんははなれず)
悪縁は、切ろうとしてもなかなか断ち切れないということ。
草を打って蛇を驚かす(くさをうってへびをおどろかす)
何気なくしたことが意外な結果を招くたとえ。また、一人を懲らしめることで、これに関連する他の者たちを戒めるたとえ。
櫛の歯が欠けたよう(くしのはがかけたよう)
そろって並んでいるはずのものが、ところどころ欠けている様子。
櫛の歯を挽く(くしのはをひく)
物事が絶え間なく続く様子。櫛は、次々歯と歯の間を挽いて作ったことから。
九尺二間に戸が一枚(くしゃくにけんにとがいちまい)
間口が九尺、奥行き二間、入り口の戸が一枚だけというような、きわめて狭く粗末な家のたとえ。
孔子の倒れ(くじのたおれ)
どんなにすぐれた人でも失敗することがあるというたとえ。「孔子」は孔子(こうし)の呉音読み。
薬師は人を殺せど薬人を殺さず(くすしはひとをころせどくすりひとをころさず)
物は使い方ひとつで、役にも立つし害にもなるということ。 「薬師」は、医者のこと。 薬によって人が死んだとしても、それは薬を処方した医者が殺したのであって、薬が人を殺したのではないとの意から。 「薬人を殺さず、薬師人を殺す」ともいう。
楠の木分限、梅の木分限(くすのきぶげん、うめのきぶげん)
生長は遅いが、着実に根を張り大木となる楠の木のように堅実な金持ちと、生長が早い梅の木のようなにわか成金のたとえ。「分限」は、「ぶんげん」とも読み、金持ちのこと。
薬が効く(くすりがきく)
人に与えた忠告や注意の効果があらわれること。
薬になる(くすりになる)
今まで経験してきた失敗や挫折などが、後に本人にとっていい影響を与えるということ。
薬は毒ほど効かぬ(くすりはどくほどきかぬ)
よい事は、悪い事ほど強い影響を及ぼさないというたとえ。
薬は身の毒(くすりはみのどく)
病気を治すための薬も、適量以上飲めばかえって体に悪いということ。
薬も過ぎれば毒となる(くすりもすぎればどくとなる)
どんなによいものでも、度が過ぎれば害になるというたとえ。 病気を治すための薬も、適量以上に飲めば害になることから。
薬より養生(くすりよりようじょう)
病気になって薬に頼るより、普段から養生して健康を保つことが大事だということ。
苦する良かろう楽する悪かろう(くするよかろうらくするわるかろう)
いま苦労すれば将来はよくなり、あとで楽ができるが、いま楽をして遊んで暮らせば、あとで苦労しなければならないということ。
糞食らえ(くそくらえ)
他者の言動に対して、ののしりかえすときの言葉。
糞も味噌も一緒(くそもみそもいっしょ)
見た目が似ていれば、良いものも悪いものも同じように扱うこと。すべてをごちゃまぜにしてしまうこと。 「糞も味噌も一緒」「糞も味噌も一つ」ともいう。
管を巻く(くだをまく)
酒に酔って、くだらないことをくどくど言い続けたり他人に絡んだりすること。「管」は、紡績に使う糸を巻きつける小さな軸。糸車の音がぶんぶんと音を立てるのを、酔っ払いの繰り言にたとえたことから。
管を以て天を窺う(くだをもっててんをうかがう)
自分の狭い見識で、大きな問題について勝手に判断することたとえ。 「管」は「かん」とも読む。 「管を以て大空を測る」「管の穴から天を覗く」「針の穴から天を覗く」ともいう。
件の如し(くだんのごとし)
前に述べた通りである。文章の末尾などに用いられる。 多く「よって件の如し」の形で使われる。
口あれば京に上る(くちあればきょうにのぼる)
その気になればなんでもできるというたとえ。 口さえあれば、道を尋ねながら都まででも行くことができるという意味から。
口裏を合わせる(くちうらをあわせる)
両者が事前に示し合わせて、話の内容が食い違わないようにすること。 「口を合わせる」ともいう。
口から先に生まれる(くちからさきにうまれる)
口が達者でお喋りな人に対していう言葉。
口から出れば世間(くちからでればせけん)
いったん口出したことは、いつの間にか世間に広まるから、口は慎めということ。
口が動けば手が止む(くちがうごけばてがやむ)
話に夢中になると、仕事をする手先がおろそかになるということ。
口が多い(くちがおおい)
よく喋るさま。 「口数が多い」ともいう。
口が奢る(くちがおごる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、食に贅沢であることのたとえ。
口が重い(くちがおもい)
言葉数が少なく、積極的には人と喋らないようす。
口が掛かる(くちがかかる)
芸人などが、客から呼ばれたり仕事の依頼を受けたりすること。
口が堅い(くちがかたい)
他人に言ってはいけないことを軽々しく口にしない様子。
口が軽い(くちがかるい)
言ってはいけないことまでも軽率に話してしまうこと。
口が腐っても(くちがくさっても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口が肥える(くちがこえる)
味が良いものや質の高いものなどを食べ慣れていて、味の良し悪しに対する感覚が鋭くなること。 「舌が肥える」ともいう。
口が裂けても(くちがさけても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口が寂しい(くちがさびしい)
口に何かを入れておかないと物足りなくて落ち着かない様子。
口が過ぎる(くちがすぎる)
相手に対して、言わなくてもいいことや失礼なことを言うことのたとえ。
口が干上がる(くちがひあがる)
生活が苦しくなり、食べていけなくなること。
口が減らない(くちがへらない)
あれこれと屁理屈をつけて反論したり、負け惜しみを言ったりするようす。
口が曲がる(くちがまがる)
お世話になった人や目上の人に対して悪口を言うと、罰としてその口が歪むということのたとえ。 悪口をいうことを止めさせるときに用いる言葉。
口が回る(くちがまわる)
滞ることなく滑らかに喋ること。 または、話が巧みであること。 「舌が回る」ともいう。
口が悪い(くちがわるい)
人の心を傷つけるようなことを平気でいう様子。
朽ち木は柱にならぬ(くちきははしらにならぬ)
朽ちた木が柱にならないように、心の腐った者は使いものにならないというたとえ。
口車に乗せる(くちぐるまにのせる)
巧みな言葉で言いくるめて人をだますことのたとえ。
口先の裃(くちさきのかみしも)
言葉はていねいで相手をうやまっているように見えるが、実はうわべだけで誠意がないこと。
口自慢の仕事下手(くちじまんのしごとべた)
口は達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口添えをする(くちぞえをする)
依頼や交渉などがうまくいくように、脇から言葉を添えてとりなすこと。
口叩きの手足らず(くちたたきのてたらず)
おしゃべりは達者だが、仕事はさっぱりできないこと。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。
口と財布は締めるが得(くちとさいふはしめるがとく)
口と財布はきちっと締めておいたほうが得策だから、おしゃべりと浪費は慎めということ。
口に合う(くちにあう)
食べ物の味が自分の好みと合っていることのたとえ。
口にする(くちにする)
口にだして言うこと。 また、飲んだり食べたりすること。
口に出す(くちにだす)
思っていることを言葉にして話すこと。
口に上る(くちにのぼる)
人々の話題になったり、噂になったりすること。
口には関所がない(くちにはせきしょがない)
人の口から出る言葉をさまたげる関所はない。だから何を言っても自由だというたとえ。