「な」を含む故事・ことわざ・慣用句
「な」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1701 件
鼻の下が長い(はなのしたがながい)
女性に対して甘いこと。女性の色気に惑わされやすいこと。
花の下より鼻の下(はなのしたよりはなのした)
花を楽しむより、鼻の下にある口に食べさせることのほうが大事だということ。
鼻の下を長くする(はなのしたをながくする)
女性の色香に惑わされて甘い態度をとること。
花は折りたし梢は高し(はなはおりたしこずえはたかし)
欲しいけれど手に入れる方法がないこと、また思うようにいかないことのたとえ。 「梢」は、木の幹や枝の先の部分。 花のついた枝を折りたいが、梢が高くて届かないことから。
花は桜木、人は武士(はなはさくらぎ、ひとはぶし)
花は桜が最も美しく、人は武士が一番だということ。桜がぱっと咲いて散るように、武士の死に際も潔いことから。
花は根に鳥は古巣に(はなはねにとりはふるすに)
物事はすべて、その根源に戻るということ。咲いた花は木の根元に落ちて肥やしになり、空を飛ぶ鳥もやがては巣に帰ることから。
花道を飾る(はなみちをかざる)
最後に立派な功績を残して惜しまれながら引退すること。 「花道」は歌舞伎の劇場に設けられた、客席を貫く通路のこと。俳優の登退場に用いられる。
花も折らず実も取らず(はなもおらずみもとらず)
欲張って両方を手に入れようとして、結局どちらも得られないことのたとえ。
花も実もある(はなもみもある)
外観と内容がともに充実していること、または人情も道理もわきまえていることのたとえ。 花が咲いて美しいうえに実までなることから。
花より団子(はなよりだんご)
外観より実利があるもののほうがよいということ。 食べられない花より、団子のほうがありがたいという意味から。
鼻を明かす(はなをあかす)
自分よりも優位な相手を出し抜いて、その人を驚かせること。
鼻を折る(はなをおる)
得意げな相手の心をくじいて恥をかかせること。 「鼻っ柱を折る」ともいう。
花を咲かせる(はなをさかせる)
すぐれた成果を上げて著名になること。 または、盛んにすること。盛り上げること。
花を添える(はなをそえる)
美しいものを加えること。華やかさを増すこと。
鼻を高くする(はなをたかくする)
評価や名声が高くなるような良い結果を出して、得意になること。
鼻を鳴らす(はなをならす)
鼻にかかった声を出して、甘えたりすねたりすること。
花を持たせる(はなをもたせる)
身を退いて、勝利や名誉などを人に譲ること。
歯の根が合わない(はのねがあわない)
寒さや恐怖で身体がふるえ、歯をかみしめていることが出来ないようす。
浜の真砂(はまのまなご)
浜辺の砂。転じて、数がきわめて多いことのたとえ。
早い話が(はやいはなしが)
手短に言えば。要するに。 話を手早く済ませようとする時に使う言葉。
早い者に上手なし(はやいものにじょうずなし)
仕事が早いものには、仕上がりが雑になるという短所があるということ。
早くて悪し大事なし、遅くて悪し猶悪し(はやくてわるしだいじなし、おそくてわるしなおわるし)
早く仕上げた仕事の出来が悪いのは仕方がないが、仕上がりが遅くて出来が悪いのは許しがたいということ。
はやり目なら病み目でもよい(はやりめならやみめでもよい)
やたらに流行を追いかける者の愚かさをいう言葉。 流行していることなら、たとえそれが目の病気でも真似をしたいとの意から。
腹が立つなら親を思い出せ(はらがたつならおやをおもいだせ)
腹が立って怒りそうになったときには親のことを思い浮かべると、問題を起こして心配をかけたくないという気持ちになって、怒りをしずめることができるということ。 「腹が立つなら親を思い出すが薬」ともいう。
腹八合に病なし(はらはちごうにやまいなし)
食事をするときは、常に満腹の八割ほどに抑えておくほうが健康でいられるということ。 「腹八分目に医者いらず」「腹八合に医者いらず」「腹八合に病なし」などともいう。
春の雪とおばの杖は怖くない(はるのゆきとおばのつえはこわくない)
春の雪はたとえ大雪でもすぐに溶ける。また、おばが杖で叩いても力が弱い。恐れるに足りないことを並べていった語。
犯罪の陰に女あり(はんざいのかげにおんなあり)
犯罪の動機には女性問題がからむことが多いということ。
馬鹿と暗闇おっかない(ばかとくらやみおっかない)
暗闇も怖いが、馬鹿も何をしでかすか予想できないので恐ろしいということ。
馬鹿な子ほど可愛い(ばかなこほどかわいい)
親にとっては、賢い子より愚かな子のほうがふびんでかわいいということ。
馬鹿に付ける薬はない(ばかにつけるくすりはない)
愚かな者の頭を賢くする薬はない。愚か者は救いようがないということ。
馬鹿は死ななきゃ治らない(ばかはしななきゃなおらない)
愚か者の性質は治そうとしても治らない、手の施しようがないということ。
馬鹿を笑うも貧乏を笑うな(ばかをわらうもびんぼうをわらうな)
愚か者は自分が悪いのだが、貧乏は本人のせいばかりではないので、笑ってはいけないという戒めの言葉。
万斛の涙(ばんこくのなみだ)
とめどなく流れる涙のこと。「斛」は石(こく)で、十斗のこと。万斛は、非常に多い分量のたとえ。
ぱっとしない(ぱっとしない)
これといって目立つところがない様子。
火打ち石据え石にならず(ひうちいしすえいしにならず)
小さいものでは大きいものの代わりにはならないというたとえ。火打ち石は火をおこすときは役立つが、家の土台石にはならないということ。
日陰の梨(ひかげのなし)
形が整っていても内容が悪いもののたとえ。日が当たらない場所で実った梨は形はまあまあでも味がよくないことから。
光るほど鳴らぬ(ひかるほどならぬ)
口うるさい人は案外怖くないということ。また、口で偉そうに言うものにかぎって意外に弱いということ。稲光がすごいわりには雷鳴が小さいとの意から。
日が当たらない(ひがあたらない)
地位や環境などに恵まれないこと。
引き金になる(ひきがねになる)
ある物事が起こる直接の原因になること。 「引き金」は銃などで弾丸を発射するための金具。
引くに引けない(ひくにひけない)
引き下がりたいと思っても、立場や状況などから簡単には引き下がれない状態にあること。
顰みに倣う(ひそみにならう)
事の良し悪しを考えず、むやみに人の真似をするたとえ。また、人に倣って物事をすることを謙遜していう言葉。 「顰」は、眉をひそめること。 中国の越の西施(せいし)という美女が胸の病気の痛みで顔をしかめたところ、それを見た醜女が自分も顔をしかめれば美しく見えるかと思い、真似をして眉をひそめたという故事から。 「西施の顰みに倣う」「顰みを学ぶ」ともいう。
必要の前に法律なし(ひつようのまえにほうりつなし)
必要に迫られた緊急事態の時は、法律など気にしていられないということ。
人ある中に人なし(ひとあるなかにひとなし)
世の中に人間はたくさんいるが、役に立つ立派な人間はなかなかいないということ。
人衆ければ則ち狼を食らう(ひとおおければすなわちおおかみをくらう)
多数の力が強大であることのたとえ。 人数が多ければ、一人では到底勝てない狼をも倒して食ってしまうとの意から。
人屑と縄屑は余らぬ(ひとくずとなわくずはあまらぬ)
縄の切れ端でも何かの役に立つように、つまらない人間のようでも、その能力に応じて使い道があるということ。
一筋縄では行かない(ひとすじなわではいかない)
普通のやり方では思うようにいかない、うまく対処できないこと。 「一筋縄」は一本の縄のことで、普通のやり方のたとえ。 一本の縄だけでは対処できず、二本、三本と使うような状態との意から。
一つ事は同じ事(ひとつことはおなじこと)
言い方を変えてみても、結局言っていることは同じ事だということ。わかりきっている、という気持ちを表す言葉としても使う。
人に勝たんと欲する者は必ず先ず自ら勝つ(ひとにかたんとほっするものはかならずまずみずからかつ)
人に勝とうと思うなら、まず自分自身の色々な欲望に打ち勝つ必要があるということ。
人に七癖、我が身に八癖(ひとにななくせ、わがみにやくせ)
他人の癖は目につきやすが、自分の癖にはなかなか気がつかないから自戒せよということ。
人に施しては慎みて念うこと勿れ(ひとにほどこしてはつつしみておもうことなかれ)
他人に与えた恩恵のことは、恩着せがましくならないように、早くその事を忘れるように心がけよということ。
人の噂は倍になる(ひとのうわさはばいになる)
噂話は、事実よりずっと大げさに伝わるということ。
人の七難より我が十難(ひとのしちなんよりわがじゅうなん)
人の欠点は少しのことでも気がつくが、自分の欠点はなかなか気がつかないということ。 「難」は欠点のこと。 「人の七難より我が八難」「人の七難は見ゆれど我が十難は見えず」ともいう。
人の十難より我が一難(ひとのじゅうなんよりわがいちなん)
人の身に起こった多くの災難より、自分の身に起きた小さな災難のほうが大ごとだということ。
人の情けは世にある時(ひとのなさけはよにあるとき)
世間の人が好意を示してくれるのは、こちらの羽振りがよく栄えている間だけで、落ち目になると誰も見向きもしないということ。
人の花は赤い(ひとのはなはあかい)
他人の物はなんでもよく見えるというたとえ。 人の家に咲いている花は、自分の家の花より赤く見えるとの意から。
人のふり見て我がふり直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)
人の行いの善し悪しを見て、自分の行いを反省して改めよということ。「ふり」は、形(なり)振り・振る舞いの意。
人の将に死なんとするその言や善し(ひとのまさにしなんとするそのげんやよし)
人が死に際に語る言葉は真実で純粋なものであるということ。
人は一代、名は末代(ひとはいちだい、なはまつだい)
人のからだは死ねば滅びてしまうが、その人の名は後世にまで残るので、死後に名前を残すような立派なことをせよということ。
人は万物の尺度なり(ひとはばんぶつのしゃくどなり)
この世のすべての物事は、個々の人間の感覚を基準として測られるものであるということ。 ギリシャの哲学者プロタゴラスの言葉から。 「人は万物の尺度なり」ともいう。
独り自慢の褒め手なし(ひとりじまんのほめてなし)
ほめてくれる人がいないので、ただ独り自分で自慢をするということ。
人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)
人に悪いことをすれば、いつか自分の身にもはね返ってくるというたとえ。 「穴」は、墓穴のこと。 人を呪い殺そうとすれば、いつか自分もその報いで殺されることになるので、二つの墓穴が必要になるとの意から。
人を以て鑑と為す(ひとをもってかがみとなす)
他人の言葉や行動を手本にして、自分を正せということ。「鑑」は手本・模範の意。
日に就り、月に将む(ひになり、つきにすすむ)
学業や事業などが着実に進むことのたとえ。 「就り」は成り、「将む」は進むこと。 事が日ごとに成り、月ごとに進むとの意から。
火のない所に煙は立たぬ(ひのないところにけむりはたたぬ)
火の気がない所に煙が立たないように、根拠がまったくないところに噂は立たない。噂が立つのは、なんらかの根拠があるはずだということ。
日の下に新しきものなし(ひのもとにあたらしきものなし)
新発見とか新発明といわれているものでも、この世にあるすべてのものは本当に新しいものはなく、これまでにあったものに多少の手を加えて新しい形に変化させたにすぎないということ。
火花を散らす(ひばなをちらす)
激しく争い合うこと。 互いの刀を打ち合わせて火花が出るということから。
雲雀の口に鳴子(ひばりのくちになるこ)
ひっきりなしに続くおしゃべりのたとえ。「鳴子」は、田畑で作物を荒らす鳥を追い払うために使う道具。よくさえずる雲雀の口に鳴子をつけたようにやかましいことから。
暇ほど毒なものはない(ひまほどどくなものはない)
暇があって時間を持て余すと、つまらない事を考えたり、しでかしたりする。暇になるとろくなことはないということ。
百害あって一利なし(ひゃくがいあっていちりなし)
弊害ばかりで利点は一つもないということ。
百戦百勝は善の善なる者に非ず(ひゃくせんひゃくしょうはぜんのぜんなるものにあらず)
百回戦って百勝しても、何らかの損害がでるので得策とはいえない。戦わずに勝つことが出来れば、それが一番いい方法だということ。
百里を行く者は九十里を半ばとす(ひゃくりをいくものはくじゅうりをなかばとす)
何事も終わり近くになると困難が多くなるので、最後まで気を抜いてはいけないということ。 百里の道を行く者は、九十里来たところが半分だと思えとの意から。
平仄が合わない(ひょうそくがあわない)
話のつじつまが合わないこと。 「平仄」は、漢詩を作る時の平声字と仄声字の配列の規則、転じて物事の道理。道筋。
瓢箪で鯰を押さえる(ひょうたんでなまずをおさえる)
とらえどころがなく、いっこうに要領を得ないこと。 つるつるした瓢箪で、ぬるぬるした鯰を押さえようとする意から。 略して「瓢箪鯰」ともいう。
瓢箪の川流れ(ひょうたんのかわながれ)
瓢箪が川面をぷかぷかと流れていくように、浮かれて落ち着きのない様子のたとえ。
貧ほど辛いものはなし(ひんほどつらいものはなし)
悲しいことやつらいことがたくさんある世の中で、貧乏ほどつらいことはないということ。
びくともしない(びくともしない)
その物に何をしても少しも動かないこと。 または、何があっても動揺したり、驚いたりしないこと。
美人に年なし(びじんにとしなし)
美しい女性は、まるで年をとらないかのように、何歳になっても若く美しく見えるということ。
美人は言わねど隠れなし(びじんはいわねどかくれなし)
美人の存在は、自分から吹聴しなくても自然と世間に知れ渡るということ。
貧乏怖いものなし(びんぼうこわいものなし)
失う物を持たない人に、怖いものは何もないということ。
貧乏難儀は時の回り(びんぼうなんぎはときのまわり)
貧乏したり苦労したりするのは、時のめぐりあわせにすぎないから悲観することはないということ。