「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2361 件
一度あることは二度ある(いちどあることはにどある)
一度起きたことは、後でまた同じようなことが起こりやすいので注意せよということ。この後に続けて「二度あることは三度ある」ともいう。
一堂に会する(いちどうにかいする)
一つの場所に集まること。
市に帰するが如し(いちにきするがごとし)
多くの人が市場に集まるように、人徳のある人のところへ人々が慕って集まるということ。
一番風呂は馬鹿が入る(いちばんぶろはばかがはいる)
沸かしたてのお湯はきめが粗くて刺激が強く体によくないということ。
一脈相通ずる(いちみゃくあいつうずる)
ちょっと見ただけではかけ離れているように見えるものの間にも、何かしら共通点があるということ。
一命を取り止める(いちめいをとりとめる)
あやうく死にそうなところで、かろうじて生き延びられる。
いちゃもんを付ける(いちゃもんをつける)
根拠のないことを言って、相手を困らせること。 「言い掛かりを付ける」の俗語的な言い方。
一葉落ちて天下の秋を知る(いちようおちててんかのあきをしる)
わずかな前兆を見て、その後の大事を予知するたとえ。
一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)
わずかなことを聞いただけで全体を知得すること。頭の回転が速く理解力があるたとえ。
一家を立てる(いっかをたてる)
家庭を持つ。また、学問や芸術の分野で新しい流派を立ち上げる。 「一家を立てる」ともいう。
一計を案じる(いっけいをあんじる)
目的を達成するため、計略を思いめぐらすこと。
一犬影に吠ゆれば百犬実に吠ゆる(いっけんかげにほゆればひゃっけんじつにほゆる)
一人がいいかげんなこと言い出すと、世間の多くの人がそれを真実として広めてしまうことのたとえ。 一匹の犬が何かの影を見て吠え出すと、辺りの百匹の犬がそれにつられて吠え出すとの意から。 「影に」は「形に」「虚を」、「百犬」は「千犬」「万犬」、「声に吠ゆ」は「実を伝う」「虚を伝う」「実に吠ゆる」などと多くの表現がある。
一考を要する(いっこうをようする)
慎重に考えてみる必要がある。
一国一城の主(いっこくいちじょうのあるじ)
他からの援助や指図を受けず、独立している人のたとえ。 一つの国、一つの城を領有している人の意から。
一札入れる(いっさついれる)
約束や謝罪などの文書を相手に差し出すこと。
一将功成りて万骨枯る(いっしょうこうなりてばんこつかる)
輝かしい功績をあげた人の陰には、多くの人の努力や苦労があるというたとえ。 指導者だけが功名を得ることを嘆く言葉。 一人の将軍が輝かしい功名をあげた陰には、犠牲となった一万人もの兵士の骨が戦場にさらされているとの意から。
一笑に付する(いっしょうにふする)
ただ笑って、まったく問題にしない。
一升入る壺は一升(いっしょうはいるつぼはいっしょう)
一升入りの容器には、どうやっても一升しか入らないということ。物にはそれそれの限度があることのたとえ。
一指を染める(いっしをそめる)
ある物事に、ほんの少し関わる。
一矢を報いる(いっしをむくいる)
相手の攻撃に対して反撃すること。「一矢」は、一本の矢。自分への攻撃に対して一本の矢を射返して報復するということから。
一寸延びれば尋延びる(いっすんのびればひろのびる)
目の前の困難を切り抜ければ、先々楽になるということのたとえ。 「一寸」は約3センチ、「一尋」は約180センチ。 今、一寸延ばすことが出来れば、先々一尋延びるのと同じ結果になるとの意から。 「一寸延びれば尋」「一寸延びれば尺」ともいう。
一世を風靡する(いっせいをふうびする)
その時代の人々を、一つの傾向に従わせること。また、その時代に大きな影響を与えること。
一席設ける(いっせきもうける)
宴席を用意して人をもてなすこと。
一石を投じる(いっせきをとうじる)
平穏なところに反響を呼ぶような問題を投げかけること。静かな水面に石を一つ投げると波紋が生じるところから。
一線を画する(いっせんをかくする)
はっきり区別し、けじめをつけること。
一戦を交える(いっせんをまじえる)
ひと勝負する。一度たたかう。
一籌を輸する(いっちゅうをゆする)
わずかに負ける。ちょっと劣る。 「籌」は、勝負の点数を数える竹の棒。 「輸する」は、負けるの意。 勝負で相手に籌一本分負けるということから。
一朝の怒りにその身を忘る(いっちょうのいかりにそのみをわする)
一時的な怒りのために我を忘れて行動すること。 また、そのような行動は身を滅ぼすことになるという戒め。 「一朝の怒りに一生を過つ」ともいう。
言って退ける(いってのける)
普通は言いにくいとされることをあえて言うこと。また、堂々と言うこと。
一途を辿る(いっとをたどる)
ひたすらその方向へ向かって進み続ける。 「一途」は、ひと筋の道。
一敗、地に塗れる(いっぱい、ちにまみれる)
二度と立ち上がることができないほど大敗してしまうこと。 「地に塗れる」とは、地面に散らばった戦死者の内臓が泥まみれになるとの意から。 「一敗、地に塗る(いっぱい、ちにまみる)」ともいう。
一杯食わされる(いっぱいくわされる)
すっかりだまされる。たくらみに引っかかる。
一斑を見て全豹を知る(いっぱんをみてぜんぴょうをしる)
物事の一部分だけを見て、全体を推し量る愚かさをいう言葉。 「一斑」は、豹(ひょう)の毛皮にあるまだら模様のうちの一つのこと。転じて物事の一部分。 「卜す」は、占うこと。判断すること。 毛皮にある一部のまだら模様を見て、豹であること、またどのような豹であるかを断定すること。
一匹の馬が狂えば千匹の馬も狂う(いっぴきのうまがくるえばせんびきのうまもくるう)
一人の行いが他の大勢を駆り立ててしまうことのたとえ。群集が他人の言動に同調しやすいことのたとえ。 群れの中の一匹の馬が異常な行動をして騒ぎ出せば、群れ全体が巻き込まれて騒ぎ出すとの意から。
一筆入れる(いっぴついれる)
後の証拠となるように、文書を作成する。
一服盛る(いっぷくもる)
人を殺すために、ひそかに毒薬を飲ませる。 「一服」は、粉薬一回分。
一歩譲る(いっぽゆずる)
能力などが、相手より一段階劣ること。 また、自分の主張を少し抑えて、相手の意見を聞き入れること。
一本取られる(いっぽんとられる)
相手にやり込められる。議論で言い負かされる。 「一本」は、柔道や剣道などで一つ技が決まること。 「一本参る」ともいう。
一本取る(いっぽんとる)
剣道や柔道などで技が決まる。 議論などで言い負かす。相手をやり込める。
いつまでもあると思うな親と金(いつまでもあるとおもうなおやとかね)
独立と倹約を心がけよという戒めのことば。 親はいつまでも面倒見てくれるわけでもなく、金も使えばなくなることから。
田舎の学問より京の昼寝(いなかのがくもんよりきょうのひるね)
田舎で勉強するより、たとえ昼寝をしながらのんびり過ごしたとしても、都会に身を置いたほうがさまざまな人や物に接するため、多くのことを学ぶということ。
稲荷の前の昼盗人(いなりのまえのひるぬすびと)
神をも恐れない図々しい人のたとえ。 白昼堂々、稲荷神社の前で物を盗む不届き者のことから。
意に介する(いにかいする)
気に掛ける。気にする。気にとめる。
イニシアチブを取る(いにしあちぶをとる)
率先して物事を行い、他を導く。主導権をにぎる。
犬と猿(いぬとさる)
仲の悪い関係のたとえ。 単に「犬猿」、また「犬と猿」ともいう。
犬も歩けば棒に当たる(いぬもあるけばぼうにあたる)
何かしようとすれば、災難に遭いやすいというたとえ。 または、何かをやっているうちに思わぬ幸運にめぐりあうことのたとえ。 犬はあちこち歩きまわり、人間の振り回す棒に当たる羽目になるということから、本来は出しゃばると思わぬ災難に遭うとの意味であったが、現在は幸運にめぐりあうとの意味でも用いられるため、幸運と災難のどちらの意味でも使われる言葉。 江戸いろはがるたの一つ。
意のある所(いのあるところ)
言おうとしている本当の気持ち。真意。
命に過ぎたる宝なし(いのちにすぎたるたからなし)
命以上に大切なものはこの世にないということ。
命を預かる(いのちをあずかる)
相手から信頼されて、その人の生き死にをゆだねられる。
命を預ける(いのちをあずける)
相手を信頼して、自分の生き死にをゆだねる。
命を懸ける(いのちをかける)
命を捨てる覚悟で物事に取り組む。
胃の腑に落ちる(いのふにおちる)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
祈るより稼げ(いのるよりかせげ)
困難に直面した時は、神仏に祈るより、自力で働いて解決しろということ。
位牌に泥を塗る(いはいにどろをぬる)
祖先の名誉や名声を傷つける。 「位牌」は、死者の戒名などを記した木の札。 「位牌に泥を塗る」ともいう。
衣鉢を伝える(いはつをつたえる)
学問・芸術などで、師が弟子に奥義を教え伝えること。 「衣鉢」は仏教語で僧侶が身にまとう袈裟と鉢のこと。転じて、その道の奥義の意。
意表に出る(いひょうにでる)
相手の予想外のことをしたり言ったりする。 「意表」は、思いがけないこと。考えてもいなかったこと。
今際の念仏誰も唱える(いまわのねんぶつだれもとなえる)
不信心な人でも、死に際には念仏を唱えて仏にすがるということ。
芋蔓式(いもづるしき)
ある物事がきっかけとなり、それに関連する人物や物などが次々と明らかになる様子。 芋の蔓をたどると、土の中から次々に芋が出てくることから。
厭と頭を縦に振る(いやとかぶりをたてにふる)
うわべの態度と本心とがまるで違うことのたとえ。 口ではいやだと言いながら、首を縦にふって承諾することから。
入り船に良い風出船に悪い(いりふねによいかぜでふねにわるい)
一方に良いことはもう一方には悪く、両方に良いことはないというたとえ。 入り船に都合のよい順風は、出船にとっては逆風になるとの意から。 「出船によい風は入り船に悪い」ともいう。
居留守を使う(いるすをつかう)
家にいるのに、不在のふりをする。
入るを量りて出ずるを為す(いるをはかりていずるをなす)
収入の額を計算し、それに見合った支出をするということ。
色が褪せる(いろがあせる)
以前のような新鮮さが感じられなくなること。 古くなって色が薄くなるとの意から。 「色褪せる」ともいう。
色眼鏡で見る(いろめがねでみる)
先入観や偏見をもって物事を判断する。
色を付ける(いろをつける)
物事の扱いで、相手に多少の利益を与えること。
鰯網で鯨捕る(いわしあみでくじらとる)
思いがけない幸運や収穫を得たりすることのたとえ。また、あるはずのないことのたとえ。
言わぬは言うに勝る(いわぬはいうにまさる)
口に出して言うより黙っていたほうが、深い意味を相手に伝えることがあるということ。
意を決する(いをけっする)
きっぱりと心を決める。
意を体する(いをたいする)
他人の意見や教えを理解し、それに従う。
異を立てる(いをたてる)
異なる意見や反対の意見を述べること。
意を強くする(いをつよくする)
他人の支持を得て、自信を深めること。他人の賛同を心強く思うこと。
異を唱える(いをとなえる)
他人の考えに反対し、異なる意見を主張すること。
威を振るう(いをふるう)
権威を誇示する。
意を迎える(いをむかえる)
相手に気に入られるように、言いなりになる。迎合する。
意を用いる(いをもちいる)
心を配る。気にかける。
因果の小車(いんがのおぐるま)
悪行に対しては悪い報いがすぐにめぐってくるということ。 小さな車輪がくるくる回転するように、悪い行いは悪い結果となってすぐに回ってくるとの意から。
因果を含める(いんがをふくめる)
事情を説明して諦めさせること。
慇懃を通ずる(いんぎんをつうずる)
男女がひそかに情交を結ぶ。 「慇懃」は、親しい交際のこと。
咽喉を扼する(いんこうをやくする)
大事な地点を占める。 「扼する」は、要所をおさえること。
員数を揃える(いんずうをそろえる)
質はともかく、決められた数を揃える。