「ろ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ろ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 494 件
諦めは心の養生(あきらめはこころのようじょう)
失敗や不運をくよくよ考えるより、きっぱり諦めたほうが精神的に良いということ。
商人の子は算盤の音で目を覚ます(あきんどのこはそろばんのおとでめをさます)
人の習性は、育つ環境の影響を大きく受けるということ。 商人の子どもは金勘定に敏感で、眠っていても算盤の音で起きるという意味から。
悪妻は六十年の不作(あくさいはろくじゅうねんのふさく)
悪い妻は夫を一生不幸にするということ。 「悪妻は百年の不作」ともいう。
欠伸を嚙み殺す(あくびをかみころす)
退屈なことを嫌々ながら続けること。我慢をすること。 出かかったあくびを、口を閉じて無理やり我慢することから。
足並みを揃える(あしなみをそろえる)
多くの人の考え方や意見、方針が一致して、同じ行動をとる。
明日ありと思う心の仇桜(あすありとおもうこころのあだざくら)
いつ何が起こるかわからない、人生や世の中の無常をいった言葉。 桜の花が、明日も咲いているだろうと安心していると、夜中の嵐で散ってしまうかもしれないとの意から。 「夜半に嵐の吹かぬものかは」という句がこれに続く。
当たって砕けろ(あたってくだけろ)
うまくいくかどうかわからないが、思い切ってやってみよということ。
頭剃るより心を剃れ(あたまそるよりこころをそれ)
外見より精神が大事だということ。 頭を剃って姿だけ僧になるより、まず心を清浄せよということ。
頭の黒い鼠(あたまのくろいねずみ)
物を盗む人のこと。家に住んでいて、物を盗む頭髪の黒い人間を、鼠になぞらえて言う言葉。
新しい酒は新しい革袋に盛れ(あたらしいさけはあたらしいかわぶくろにもれ)
新しい内容を表現するためには、新しい形式が必要であるということ。
新しい酒を古い革袋に盛る(あたらしいさけをふるいかわぶくろにもる)
新しい内容を古い形式にはめ込むこと。多く内容も形式とが、ともに生かされないことにいう。
あだや疎か(あだやおろそか)
いい加減に扱うさま。軽々しく考えるさま。 後に否定の語を伴って用いる。
あっても苦労、なくても苦労(あってもくろう、なくてもくろう)
金と子どもは、あればあったで苦労するし、なければないで苦労するということ。
余す所なく(あますところなく)
残らず。全て。全部。ことごとく。
あまり円きはまろびやすし(あまりまろきはまろびやすし)
人柄があまり温和すぎるのもよしあしで、少しくらい角がないと人につけ込まれやすいということ。「まろぶ」は転ぶの意。「円くとも一角あれや人心」に続けて言われる。
雨が降ろうが槍が降ろうが(あめがふろうがやりがふろうが)
何が何でも決行するという気持ちを表すことば。
過ちは好む所にあり(あやまちはこのむところにあり)
過ちは、自分の好きな事や得意な事をしている時に、つい油断して起こるということ。
過つは人の性、許すは神の心(あやまつはひとのさが、ゆるすはかみのこころ)
人は誰でも過ちを犯すものなので、むやみに人を責めてはいけないということ。 「過ちは人の常、許すは神の業」ともいう。
歩く足には泥が付く(あるくあしにはどろがつく)
何か物事を行おうとすれば必ず煩わしいことが起きる。だから何もせずじっとしているのにかぎるということ。 「歩く足には泥が付く」ともいう。
あるところにはあるもの(あるところにはあるもの)
世間の多くの人は金で苦労するものだが、一方で金持ちは有り余るほどの金を持っているということ。
言うも愚か(いうもおろか)
当然のことで、わざわざ言う必要もないこと。
家に杖つく頃(いえにつえつくころ)
五十歳のこと。昔、中国では五十歳になれば屋敷内で杖をつくことが許されたことから。
家に女房なきは火のない炉のごとし(いえににょうぼうなきはひのないろのごとし)
家に主婦がいないのは、炉の中に火がないのと同じで、大事なものが欠けていて寂しいということ。
息を殺す(いきをころす)
呼吸を抑えて、動かずにじっとしている。
意志のある所には道がある(いしのあるところにはみちがある)
実現しようという意志があれば、できないことはないというたとえ。
居候、三杯目にはそっと出し(いそうろう、さんばいめにはそっとだし)
他人の家に世話になっている者は、食事の時も遠慮がちに三杯目のお代わりをするということ。居候の肩身のせまさを詠んだ川柳から。
痛い所をつく(いたいところをつく)
弱点や欠点を指摘してせめたてること。
一日一字を学べば三百六十字(いちにちいちじをまなべばさんびゃくろくじゅうじ)
毎日少しずつでも怠らずに勉強を続ければ、積もり積もって大きな成果が得られるというたとえ。
一の裏は六(いちのうらはろく)
悪いことの後には必ずいいことがあるというたとえ。さいころの一の裏は六であることから。
一番風呂は馬鹿が入る(いちばんぶろはばかがはいる)
沸かしたてのお湯はきめが粗くて刺激が強く体によくないということ。
一姫二太郎(いちひめにたろう)
一番最初に女の子が生まれ、次に男の子が生まれるという子供の生まれる順番のこと。その順番が子育てに適しているという意味で用いられる言葉。「うちの子供は女がひとりと男がふたりの一姫二太郎です」と子供の数を表す使い方は誤用。
一寸の光陰軽んずべからず(いっすんのこういんかろんずべからず)
ほんのわずかな時間でも無駄にしてはいけないということ。「光陰」は月日、時間の意。
一寸延びれば尋延びる(いっすんのびればひろのびる)
目の前の困難を切り抜ければ、先々楽になるということのたとえ。 「一寸」は約3センチ、「一尋」は約180センチ。 今、一寸延ばすことが出来れば、先々一尋延びるのと同じ結果になるとの意から。 「一寸延びれば尋」「一寸延びれば尺」ともいう。
佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
味方はゆっくりと休養し、相手の疲れるのを待って戦うということ。味方はじっくりと休養を取って力を蓄え、遠くから攻めてくる敵の疲れるのを待って迎え討つということ。「佚」は気ままにのんびりするという意。
犬に論語(いぬにろんご)
道理の通じない相手には何を説いても無駄ということのたとえ。犬に論語を説いて聞かせても、まったくわからないことから。
意のある所(いのあるところ)
言おうとしている本当の気持ち。真意。
命は鴻毛より軽し(いのちはこうもうよりかろし)
命は尊いものだが、正義のためなら捨てても少しも惜しくはないということ。「鴻毛」は鴻の羽毛で、きわめて軽いことのたとえ。
位牌に泥を塗る(いはいにどろをぬる)
祖先の名誉や名声を傷つける。 「位牌」は、死者の戒名などを記した木の札。 「位牌に泥を塗る」ともいう。
色男、金と力はなかりけり(いろおとこ、かねとちからはなかりけり)
美男子は、経済力も腕力もないものだということ。美男子をからかった川柳。
色香に迷う(いろかにまよう)
女性のあでやかな容姿に惑わされ自分を失ってしまうこと。
色が褪せる(いろがあせる)
以前のような新鮮さが感じられなくなること。 古くなって色が薄くなるとの意から。 「色褪せる」ともいう。
色気と痔の気のない者はない(いろけとじのけのないものはない)
人は誰でも似たり寄ったりだということ。痔で悩む人が多いことから、色気と痔の気の語呂を合わせて生まれたことわざ。
色気より食い気(いろけよりくいけ)
色欲より食欲が上だということ。また、外観より内容を取ることにもいう。
色気を示す(いろけをしめす)
社会的地位などへの誘いに積極的な関心を示すこと。
色気を出す(いろけをだす)
うまくいけば物事が都合よくいくかもしれないと欲を出す。 また、あるものに対して興味や関心を示す。
色の白いは七難隠す(いろのしろいはしちなんかくす)
色が白ければ、顔かたちに多少の欠点があっても気にならないということ。
色眼鏡で見る(いろめがねでみる)
先入観や偏見をもって物事を判断する。
色目を使う(いろめをつかう)
相手の気を引くような態度をとる。気のありそうな素ぶりを見せる。
色よい返事(いろよいへんじ)
望みに叶った期待通りの返事。
色を失う(いろをうしなう)
思いがない事態に直面して、驚きや恐怖で顔色が青ざめる。
色を付ける(いろをつける)
物事の扱いで、相手に多少の利益を与えること。
色をなす(いろをなす)
怒りで顔色を変える。
員数を揃える(いんずうをそろえる)
質はともかく、決められた数を揃える。
魚心あれば水心(うおごころあればみずごころ)
相手が好意を示せば、こちらもまた好意を持つ。 先方の出方次第で、こちらの態度が決まるということ。 もとは「魚、心あれば、水、心あり」で魚と心、水と心が一語化したものといわれる。 魚が水に好意を示せば、水もその魚に好意を持つであろうという意味から。 「水心あれば魚心」「網心あれば魚心」ともいう。
うかうか三十きょろきょろ四十(うかうかさんじゅうきょろきょろしじゅう)
歳月の過ぎるのが早く、人生が無為に過ぎることのたとえ。 うかうか過ごしているうちに三十代になり、きょろきょろしている間に四十代になってしまうとの意から。
後ろ髪を引かれる(うしろがみをひかれる)
まるで後ろ髪を引っ張られるような未練にとらわれ、心が残って思い切れないようす。
後ろ千両前一文(うしろせんりょうまえいちもん)
後ろ姿はとても美しいのに、前から見ると全然美しくないこと。
後ろに柱前に酒(うしろにはしらまえにさけ)
快く気楽な気分のたとえ。 後ろにある柱にもたれかかり酒を飲むことから。
後ろに目なし(うしろにめなし)
背後にあるものが見えないように、誰にでも気がつかないことがあるということ。
後ろ弁天、前不動(うしろべんてん、まえふどう)
後ろから見るとまるで弁天様のように美しいが、前から見ると不動明王のようにこわい顔をした女性のこと。
後ろ指を指される(うしろゆびをさされる)
他人から非難されること。「後ろ指」は他人を後ろから指差して陰口を言うこと。
後ろを見せる(うしろをみせる)
相手に背を向けて逃げ出すこと。また、弱みを見せること。
嘘つきは泥棒の始まり(うそつきはどろぼうのはじまり)
平気で嘘をつくようになると、泥棒をするのも平気になるということ。
生まれながらの長老なし(うまれながらのちょうろうなし)
生まれながらにすぐれた人間などいるはずもなく、みんな長い間の修養や経験をつんで立派な人間になるということ。
烏鷺の争い(うろのあらそい)
碁を打つこと。黒い烏と白い鷺を碁石に見立て、黒と白の石で勝負を争うことから。
胡乱の沙汰(うろんのさた)
疑わしいうわさのこと。「胡乱」は疑わしい、「沙汰」は評判の意。
英雄、色を好む(えいゆう、いろをこのむ)
英雄といわれる人物は何事にも精力的であり、女性関係にもその傾向が見られるということ。
柄のない所に柄をすげる(えのないところにえをすげる)
無理やり理屈をこじつけること。 柄が必要ないものにも無理に柄をつけるとの意から。
衣紋を繕う(えもんをつくろう)
襟元をかき合わせて衣服の着崩れを整えること。 また、衣服に乱れがないように気を配ること。
選ぶ所がない(えらぶところがない)
比較してみても、その実質や内容にほとんど違いがない。
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや(えんじゃくいずくんぞこうこくのこころざしをしらんや)
小人物には、大人物の志は理解できないということのたとえ。「燕雀」は小さな鳥の意から転じて小人物、「鴻鵠」は大きな鳥の意から転じて大人物のこと。
王事盬きことなし(おうじもろきことなし)
王室に関する事柄は、堅固で確実なものであるということ。
近江泥棒伊勢乞食(おうみどろぼういせこじき)
近江の人には商才があり、伊勢の人は倹約家であり、どちらも商人としての成功者が多いことを、江戸っ子がやっかみ半分に言った言葉。
狼に衣(おおかみにころも)
まるで僧衣をまとった狼のように、慈悲深い善人のようにみせかけて内面は恐ろしいことのたとえ。 「狼が衣を着たよう」ともいう。
大所の犬になるとも小所の犬になるな(おおどころのいぬになるともこどころのいぬになるな)
どうぜ人に仕えるなら、勢力・権力のある相手の下につけというたとえ。
大風呂敷を広げる(おおぶろしきをひろげる)
大げさなことを言うこと。また、ほらを吹くこと。
臆病の神降ろし(おくびょうのかみおろし)
臆病な者が神々に祈って加護を求めること。「神降ろし」は巫女などが神霊を呼び招く行為。
屋漏に愧じず(おくろうにはじず)
たとえ人が見ていない場所でも、人に知られて恥じるような行いはしないということ。「屋漏」は家の一番奥まった所、または人目につかない所の意。
奢る者は心常に貧し(おごるものはこころつねにまずし)
贅沢な生活を好む者は、満足することを知らず、満たされずに常に不平不満の気持ちを持ち続け、その心は貧しいということ。
お膳立てが揃う(おぜんだてがそろう)
すっかり準備が整えられる。 食膳がすべて並べられるという意味から。