「後」を含む故事・ことわざ・慣用句
「後」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
明後日の方(あさってのほう)
見当違いの方向。
後足で砂をかける(あとあしですなをかける)
去り際に迷惑をかけたり、裏切ったりすることのたとえ。 犬などが糞をしたあとに、後ろ足で砂を蹴散らすようすから。
後味が悪い(あとあじがわるい)
物事が済んだ後に、後悔や不快感が残るさま。 飲食の後に口の中にいやな味が残ることから。
後押しをする(あとおしをする)
物事が順調に進むように、わきから援助すること。
後から剝げる正月言葉(あとからはげるしょうがつことば)
上品ぶった言葉や、うわべだけ飾った体裁だけのお世辞は、すぐに化けの皮がはがれるということ。「正月言葉」は正月に使う体裁ぶった言葉の意で、上品ぶった使いなれない言葉のこと。
後がない(あとがない)
逃げ場や退く余裕がなく、限界まで追い詰められている状況のこと。
後釜に据える(あとがまにすえる)
前任者がその地位や職務を退いて、誰かに受け継がせること。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後釜に座る(あとがまにすわる)
前任者が地位や職務を退いた後、それを受け継ぐこと。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後釜に据わる(あとがまにすわる)
前任者が地位や職務を退いた後、それを受け継ぐこと。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後口が悪い(あとくちがわるい)
物事が済んだ後に、後悔や不快感が残るさま。 飲食の後に口の中にいやな味が残ることから。
後先になる(あとさきになる)
後のものが先になり、先のものが後になること。物事の順序が逆になること。
後先見ず(あとさきみず)
後のことをよく考えずに行動するようす。
後先息子に中娘(あとさきむすこになかむすめ)
子どもを持つなら三人で、最初と最後は男、真ん中は娘が理想だということ。
後に引けない(あとにひけない)
自分の立場や面目を保つため、相手に譲歩したり引き下がれないこと。引っ込みがつかない。
後にも先にも(あとにもさきにも)
今までも、これから先もということ。これ一回きりであるということ。
後の雁が先になる(あとのかりがさきになる)
後から来た者が、先の者を追い抜いてしまうこと。また、年上の者より年下の者が先に死んだ時にも使う。列をなして飛ぶ雁行のようすから。「雁」は「がん」とも読む。
後の雁が先になる(あとのがんがさきになる)
後から来た者が、先の者を追い抜いてしまうこと。また、年上の者より年下の者が先に死んだ時にも使う。列をなして飛ぶ雁行のようすから。「雁」は「がん」とも読む。
後の喧嘩、先でする(あとのけんか、さきでする)
あとからもめ事が起こらないように、事前によく話し合いをしておくべきだということ。 あとで喧嘩をすることがないように、先に喧嘩しておけとの意から。
後の祭り(あとのまつり)
手遅れ。時機を逃したため、何の役にも立たないことのたとえ。
後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ)
目前の問題さえ片付けば、あとはどうなってもよいということ。
後腹が病める(あとばらがやめる)
物事が終わったあとにも、出費がかさんだり、障害が生じたりして苦しむこと。 「後腹」は産後の腹痛のこと。 物事が落ち着いた後の出費や障害を、産後の腹痛にたとえた言葉。
後へ引かない(あとへひかない)
自分の意見をあくまでも主張して、譲歩しようとしないこと。
後へも先へも行かぬ(あとへもさきへもいかぬ)
引くことも進むことも出来ず、動きがとれないようす。
後棒を担ぐ(あとぼうをかつぐ)
首謀者の手先として、悪事に加担すること。 「後棒」は、駕籠(かご)などの棒の後ろの方を担ぐ人。
後を引く(あとをひく)
物事の影響が、いつまでも残ること。とくに、悪い物事についていう。 また、飲食物などを引き続き欲してやめられなくなること。
いい後は悪い(いいあとはわるい)
いい事があった後は、とかく悪いことが起こりがちであるから、調子に乗ってはいけないということ。
鼬の最後っ屁(いたちのさいごっぺ)
困った時にとる非常手段のたとえ。鼬(イタチ)が追い詰められたとき、悪臭を放って敵をひるませることから。
今の情けは後の仇(いまのなさけはのちのあだ)
一時の安易な同情による手助けは、かえって相手のためにならず、あとになって害になることがあるということ。
雨後の筍(うごのたけのこ)
同じようなことが次々と起こることのたとえ。雨あがりに筍が次々に出てくることからいう。
後ろ髪を引かれる(うしろがみをひかれる)
まるで後ろ髪を引っ張られるような未練にとらわれ、心が残って思い切れないようす。
後ろ千両前一文(うしろせんりょうまえいちもん)
後ろ姿はとても美しいのに、前から見ると全然美しくないこと。
後ろに柱前に酒(うしろにはしらまえにさけ)
快く気楽な気分のたとえ。 後ろにある柱にもたれかかり酒を飲むことから。
後ろに目なし(うしろにめなし)
背後にあるものが見えないように、誰にでも気がつかないことがあるということ。
後ろ弁天、前不動(うしろべんてん、まえふどう)
後ろから見るとまるで弁天様のように美しいが、前から見ると不動明王のようにこわい顔をした女性のこと。
後ろ指を指される(うしろゆびをさされる)
他人から非難されること。「後ろ指」は他人を後ろから指差して陰口を言うこと。
後ろを見せる(うしろをみせる)
相手に背を向けて逃げ出すこと。また、弱みを見せること。
後れを取る(おくれをとる)
相手に先をこされること。 また、相手よりも劣った状態になること。
親の意見と冷や酒は後で利く(おやのいけんとひやざけはあとできく)
親の意見は聞き流してしまいがちだが、後になると納得できて、ありがたいと思うようになるということ。冷酒は飲みやすく、あとから酔いが回ってくる意から。
難きを先にし、獲るを後にす(かたきをさきにし、うるをのちにす)
困難な仕事を先に行い、自分の利益は後回しにすること。
勝った自慢は負けての後悔(かったじまんはまけてのこうかい)
勝負に勝った時に自慢しすぎると、負けた時に引っ込みがつかず、恥ずかしい思いをして後悔するということ。
聞かぬ事は後学にならず(きかぬことはこうがくにならず)
どんなことでも聞いておかなければ将来のための教養にならないということ。
今日の後に今日なし(きょうののちにきょうなし)
今日という日は二度とやってくることはない。だから今日できることは今日やっておけという戒めの言葉。
鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ)
たとえ小さな集団でもその頭になるほうが、大きな集団で人の尻についているよりもよいというたとえ。 「鶏口」は、鶏の口のことで小さな集団の長のたとえ。 「牛後」は、牛の尻のことで強大な者につき従って使われる者のたとえ。 略して「[[鶏口牛後(けいこうぎゅうご)*https://yoji.jitenon.jp/yoji/351.html]]」ともいう。
下種の後思案(げすのあとじあん)
愚かな者は必要なときは考えが浮かばず、事が終わった後に名案が思い浮かぶということ。 「下種の後知恵」ともいう。 また「下種」は「下衆」とも書く。
下衆の後思案(げすのあとじあん)
愚かな者は必要なときは考えが浮かばず、事が終わった後に名案が思い浮かぶということ。 「下種の後知恵」ともいう。 また「下種」は「下衆」とも書く。
下種の後知恵(げすのあとぢえ)
愚かな者は必要なときは考えが浮かばず、事が終わった後に名案が思い浮かぶということ。 「下種の後知恵」ともいう。 また「下種」は「下衆」とも書く。
下衆の後知恵(げすのあとぢえ)
愚かな者は必要なときは考えが浮かばず、事が終わった後に名案が思い浮かぶということ。 「下種の後知恵」ともいう。 また「下種」は「下衆」とも書く。
現世安穏、後生善処(げんぜあんのん、ごしょうぜんしょ)
法華経を信じる人は、この世では安穏に生活でき、あの世ではよい世界に生まれるということ。
後悔、先に立たず(こうかい、さきにたたず)
事が済んでしまったあとで後悔しても取り返しがつかない。だから、物事を行う前に十分考えることが大切だということ。
後悔は知恵の緒(こうかいはちえのいとぐち)
後悔することによって、次から事に備えることができる。後悔は気付きのきっかけであるということ。
後顧の憂い(こうこのうれい)
あとあとの心配のこと。 「後顧」はあとあとの心配をすること。あとをふりかえること。
後車の戒め(こうしゃのいましめ)
先人の失敗は後人の戒めになるというたとえ。 前の車が覆るのを見て、後の車は戒めにするとの意から。 単に「後車の戒め」ともいう。
後塵を拝する(こうじんをはいする)
地位や権力のある人を羨ましく思うこと、または優れた人物のあとにつき従うこと、または人に先んじられることのたとえ。 「後塵」は車馬が通り過ぎたあとの土ぼこりのことで、それを浴びて見送るとの意から。
後生、畏るべし(こうせい、おそるべし)
若い人はいろいろな可能性を持っていて、将来どんな力量を現すかわからないので恐れなければならないということ。「後生」は、あとから生まれる人、後輩の意。
紺屋の明後日(こうやのあさって)
約束の期限があてにならないことのたとえ。「紺屋」は染物屋のことで、もとは「こんや」ともいった。染物屋の仕事は天気に左右されるので、出来上がりが遅れがちでいつも「明後日」と言い訳していたことから。
紺屋の明後日(こんやのあさって)
約束の期限があてにならないことのたとえ。「紺屋」は染物屋のことで、もとは「こんや」ともいった。染物屋の仕事は天気に左右されるので、出来上がりが遅れがちでいつも「明後日」と言い訳していたことから。
後光より台座が高くつく(ごこうよりだいざがたかくつく)
ものごとは、目立たない基礎の部分に案外お金がかかるということ。 仏像は人目につく光背より、目立たない台座のほうが費用がかかるとの意から。
後生が大事(ごしょうがだいじ)
来世の安楽を願って信心することが大切だということ。
後生大事や金欲しや死んでも命のあるように(ごしょうだいじやかねほしやしんでもいのちのあるように)
来世の安楽を願いながら、現世の金も欲しいと、あれもこれも願う人間の強欲さのたとえ。
後生願いの六性悪(ごしょうねがいのろくしょうあく)
来世の安楽を願っていながら、たちの悪いことをするたとえ。「後生願い」は、来世の極楽往生を願うこと。「六性悪」は、喜・怒・哀・楽・愛・悪の六つの感情の「六性」と「性悪」をかけていったもの。
後生は徳の余り(ごしょうはとくのあまり)
一生懸命に徳を積めば、おのずと来世の安楽もかなえられるということ。また、現世の暮らしに余裕があってこそ、来世の安楽を祈ることができるということ。
後手に回る(ごてにまわる)
相手に先を越され、受け身の立場になったり対応が遅れたりすること。
後手を引く(ごてをひく)
相手に先を越され、受け身の立場になったり対応が遅れたりすること。
最後に笑う者が最もよく笑う(さいごにわらうものがもっともよくわらう)
最初に笑っていた者も最後に泣くこともある。最終の結果が出たあとに笑える者が最高であるということ。
最後は人の嗜み(さいごはひとのたしなみ)
人は死ぬときにこそ、日頃の心がけがもっともよく現れるということ。
最後を飾る(さいごをかざる)
すぐれた形で物事を終わらせること。
最初で最後(さいしょでさいご)
一度だけで二度はないこと。一度きりであること。
三度の火事より一度の後家(さんどのかじよりいちどのごけ)
三度火事に遭うより、一度だけでも夫に先立たれるほうが精神的打撃が大きくて立ち直りにくいというたとえ。
死して後、已む(ししてのち、やむ)
命がある限り精一杯努力し続けること。 死んではじめてやめるとの意から。
食後の一睡、万病円(しょくごのいっすい、まんびょうえん)
食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病円」は、万病に効果があるといわれる丸薬。
食後の一睡、万病丹(しょくごのいっすい、まんびょうたん)
食後のひと眠りはからだによいというたとえ。「万病丹」は、万病に効果があるといわれる丸薬。
後足を踏む(しりあしをふむ)
迷って行動できないこと。後退りすること。躊躇う。
後目に掛ける(しりめにかける)
他人を見下す態度を取ること。 「尻目」は目だけを動かして少し見ること。 「尻目」は「後目」とも書く。
人後に落ちない(じんごにおちない)
他人にひけをとらないこと。「人後」は、他人のうしろの意。
前後を忘れる(ぜんごをわすれる)
興奮したり動揺したりして、まともな判断ができなくなること。 または、酒に酔って意識がはっきりしなくなること。
前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)
先人の失敗は後人の戒めになるというたとえ。 前の車が覆るのを見て、後の車は戒めにするとの意から。 単に「後車の戒め」ともいう。
前門に虎を防ぎ後門に狼を進む(ぜんもんにとらをふせぎこうもんにおおかみをすすむ)
一つの災いを逃れても、さらにまた別の災難に見舞われることのたとえ。 前門で虎の侵入を防いだと思ったら、すでに後門に狼が入っていたとの意から。 「前門に虎を防ぎ後門に狼を進む」ともいう。
前門の虎、後門の狼(ぜんもんのとら、こうもんのおおかみ)
一つの災いを逃れても、さらにまた別の災難に見舞われることのたとえ。 前門で虎の侵入を防いだと思ったら、すでに後門に狼が入っていたとの意から。 「前門に虎を防ぎ後門に狼を進む」ともいう。
大家後なし(たいかのちなし)
その道の大家は一代限りで、子孫が大家になるとは限らないということ。
斃れて後、已む(たおれてのち、やむ)
命がある限り精一杯努力し続けること。 死んではじめてやめるとの意から。
頼めば越後から米搗きにも来る(たのめばえちごからこめつきにもくる)
真心をつくして頼めば、人は嫌とは言えないもので、難しいことであっても承知してくれるというたとえ。 「越後」は、現在の新潟県。ここでは遠いの場所のたとえ。 心から頼めば、遠い場所からでも米搗きに来てくれるとの意から。
鱈汁と雪道は後が良い(たらじるとゆきみちはあとがよい)
鱈汁は煮込むほどだしが出ておいしくなるので、あとから食べるほうがいいし、雪道は人が歩いたあとを行くと歩きやすいということ。
手が後ろに回る(てがうしろにまわる)
罪を犯して警察に捕まること。 昔の罪人は手を後ろで縛られていたことから。
天下の憂いに先立ちて憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ(てんかのうれいにさきだちてうれい、てんかのたのしみにおくれてたのしむ)
すぐれた政治家や指導者は、人々よりも先に国のことを心配し、人々が楽しんだ後で自身も楽しむべきだということ。 「[[先憂後楽*https://yoji.jitenon.jp/yojid/1517.html]]」ともいう。
歳寒くして松柏の凋むに後るるを知る(としさむくしてしょうはくのしぼむにおくるるをしる)
後の親が親(のちのおやがおや)
生んでくれた親より、育ててくれた親を敬い孝行せよという教え。
始めの囁き後のどよみ(はじめのささやきのちのどよみ)
始めはわずかな人々の間で噂されていたことが、のちに世間中の評判になるということ。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし)
最初のうちはおとなしく振る舞って相手を油断させ、その後は見違えるほど素早く行動して敵を倒すこと。 始めは処女のように弱々しく振る舞い、その後は逃げる兎のようにすばやく行動するとの意から。
春の晩飯後三里(はるのばんめしあとさんり)
春は晩飯を食べたあとでも三里の道を歩けるほど日が長いということ。 「春の夕飯食って三里」ともいう。
人と煙草の良し悪しは煙になって後の世に出る(ひととたばこのよしあしはけむりになってのちのよにでる)
百歳の後(ひゃくさいののち)
人の死んだ後。人の死後。 百歳を越えることは稀との意から。
冷や酒と親の意見は後で利く(ひやざけとおやのいけんはあとできく)
親の意見は聞き流してしまいがちだが、後になると納得できて、なるほどと思うようになるということ。冷酒は飲んですぐより、あとから酔いが回ってくる意から。
前急ぎは後急ぎ(まえいそぎはあといそぎ)
先へと急ぎすぎると失敗が多いということ。
前十両に後ろ三両(まえじゅうりょうにうしろさんりょう)
前から見ると美しいが、後姿はそれほどでもないということ。
前を踏み後ろにつまずく(まえをふみうしろにつまずく)
前に進むことも後ろに下がることもできないというたとえ。
祭りの渡った後のよう(まつりのわたったあとのよう)
にぎやかだったあと、急に静まりかえることのたとえ。にぎやかな祭りの行列が通り過ぎたあと静かになる意から。
よい花は後から(よいはなはあとから)
優れたものは後から現れるということ。 はじめに咲く花より、後から咲く花のほうが美しいという意味から。
我が亡き後に洪水よ来たれ(わがなきあとにこうずいよきたれ)
自分が死んだ後なら、洪水でもなんでも来てよい。今さえよければ、あとはどうなってもかまわないということ。