「つ」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「つ」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 191 件
挨拶より円札(あいさつよりえんさつ)
お礼の言葉より、金銭をもらうほうがありがたいということ。「拶」と「札」を語呂合わせにしたことば。
間に立つ(あいだにたつ)
当事者同士の間に入り、交渉や話し合いを仲介して、調整やとりまとめを行うこと。 「間に入る」ともいう。
相槌を打つ(あいづちをうつ)
相手の話に調子を合わせて頷くこと。「相槌」は鍛冶仕事で鉄を鍛える時、相方と向かい合い交互に槌を打ち合わせること。
赤子は泣き泣き育つ(あかごはなきなきそだつ)
赤ちゃんが泣くのは健康な証拠で、赤ちゃんは泣きながら成長していくということ。
証が立つ(あかしがたつ)
自分が潔白であったり、確かであることを証明する。疑いを晴らす。
秋風が立つ(あきかぜがたつ)
男女の間の愛情がなくなること。「秋」を「飽き」に掛けた言葉。「秋風が吹く」とも。
商人は損していつか倉が建つ(あきんどはそんしていつかくらがたつ)
商人は、損をしたなどと言いながら、いつの間にか倉が建つほどの金持ちになっていることが多いということ。
朝題目に宵念仏(あさだいもくによいねんぶつ)
しっかりとした考えをもたないことのたとえ。 朝は日蓮宗の南無妙法蓮華経の題目を唱え、夕方は浄土宗の南無阿弥陀仏の念仏を唱えることから。 「朝題目に夕念仏」ともいう。
足下から鳥が立つ(あしもとからとりがたつ)
身近なところで、突然思いもかけないことが起きることのたとえ。また、急に思い立って物事を始めるようす。
阿堵物(あとぶつ)
金銭のこと。「阿堵」は「この」の意。中国、晋の王衍が金銭を忌んで「この物」と呼んだという故事から。
雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
小さな努力も根気強く続けていけば、いつかは成功することのたとえ。 わずかな雨垂れでも長い年月、同じ所に落ち続ければ、石に穴をあけることができるとの意から。 「点滴石を穿つ」ともいう。
異彩を放つ(いさいをはなつ)
際立ってすぐれて見えること。 他とは違った色彩を放っているとの意から。
一席打つ(いっせきぶつ)
大勢の前で威勢よく演説をする。得意げに話をする。
一朝の怒りに一生を過つ(いっちょうのいかりにいっしょうをあやまつ)
一時的な怒りのために我を忘れて行動すること。 また、そのような行動は身を滅ぼすことになるという戒め。 「一朝の怒りに一生を過つ」ともいう。
佚を以って労を待つ(いつをもってろうをまつ)
味方はゆっくりと休養し、相手の疲れるのを待って戦うということ。味方はじっくりと休養を取って力を蓄え、遠くから攻めてくる敵の疲れるのを待って迎え討つということ。「佚」は気ままにのんびりするという意。
命を擲つ(いのちをなげうつ)
自分の命をそっくり投げ出す覚悟で物事を行うこと。 「擲つ」は、惜しげもなく投げ出すこと。
医は仁術(いはじんじゅつ)
医術は病気を治すことによって、相手に仁徳を施す術でもあるということ。
韋編三度絶つ(いへんみたびたつ)
繰り返して書を読むこと。 「韋編」は、字を書いた木や竹の札を、なめし皮の紐(ひも)でとじた中国の昔の書物。 孔子は「易経」を愛読し繰り返し何度も読んだため、書物をとじている革紐が三度も切れたという故事から 「[[韋編三絶*https://yoji.jitenon.jp/yojih/3680.html]]」ともいう。
いらぬ物も三年立てば用に立つ(いらぬものもさんねんたてばようにたつ)
今は必要ない物でも、役に立つことがあるかもしれないので、むやみに捨てるものではないということ。 今は不要な物も、三年も取っておけばきっと役に立つ機会があるとの意から。
上に立つ(うえにたつ)
組織や集団の中で、人を統率し指導する立場にある。
浮き足立つ(うきあしだつ)
恐怖や不安などを感じて、逃げようとするときの腰の構えになること。
受けて立つ(うけてたつ)
相手からの挑戦に応じ、立ち向かうこと。
腕が立つ(うでがたつ)
優れた技量を持っている。
馬の耳に念仏(うまのみみにねんぶつ)
人の意見や忠告を上の空で聞き流すため、まったく効果のないことのたとえ。
瓜二つ(うりふたつ)
縦に二つに割った瓜のように、顔かたちがとてもよく似ていること。
穎脱(えいだつ)
他より抜きん出た才能があること。錐の先端が袋を突き破るという意味から。
江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)
意外な場所で、または筋違いのことで、昔の恨みの仕返しをするたとえ。江戸で恨みを受けた相手を、遠い長崎で討ち果たすということから。
煙霞の痼疾(えんかのこしつ)
自然の風景を愛する気持ちが非常に強いこと。または、隠居して自然と親しみながら暮らすこと。 「烟霞」はもやと霞のこと。転じて自然の景色。 「痼疾」は治ることなく長い期間患っている病。持病。 山水の美しい風景を愛好する習性を持病にたとえた言葉。
追いつ追われつ(おいつおわれつ)
両者の実力が同じくらいで、追いかけたり追いかけられたりしている様子。
老いの一徹(おいのいってつ)
自分の意見や意向を押し通そうとする、老人の頑固な気質のこと。「一徹」は頑固の意。
大木の下に小木育つ(おおきのしたにおぎそだつ)
強大な権力を持つ人物のもとには、その庇護を受けている者がたくさんいることのたとえ。
頤を放つ(おとがいをはなつ)
あごが外れるほど大口を開けて笑うこと。 「頤」はあご、「解く」は外すこと。 「頤を外す」「頤を放つ」ともいう。
男が立つ(おとこがたつ)
男としての名誉や面目が維持できること。
男は二十五の暁まで育つ(おとこはにじゅうごのあかつきまでそだつ)
男は二十五歳くらいまでは成長するということ。
鬼の念仏(おにのねんぶつ)
鬼のように冷酷な心を持った者が、うわべだけ情け深い様子を見せること。
思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)
何かをしようと思ったら、その日が吉日としてすぐに始めるのがよいということ。「吉日」は暦で縁起がいい日。
思う事一つ叶えばまた一つ(おもうことひとつかなえばまたひとつ)
欲望には限りがないということ。一つ望みが叶うと、すぐにまた次を望む意から。
表に立つ(おもてにたつ)
世間にその存在を示して行動すること。
親はなくとも子は育つ(おやはなくともこはそだつ)
親がいなくても、子どもはなんとか成長していく。世の中は、そう心配することもないというたとえ。
快刀、乱麻を断つ(かいとう、らんまをたつ)
込み入ってどうにもならない問題などを、鮮やかに解決することのたとえ。 「快刀」はよく切れる刀、「乱麻」はもつれた麻糸のこと。 切れ味のよい刀で、もつれた麻糸をすぱっと切るとの意から。 略して「快刀乱麻」ともいう。
顔が立つ(かおがたつ)
その人の面目や名誉がたもたれるということ。
鎹分別(かすがいふんべつ)
二つの事をどちらも成功させようとする考え。 「鎹」は、材木と材木をつなぐために用いるコの字形の釘。 釘でつなぎ止めるように、両方を得ようとすることから。 「鎹分別」ともいう。
稼げば身立つ(かせげばみたつ)
一生懸命働けば、貧乏に苦しむことはないというたとえ。 「稼ぐに貧乏追い付かず」「辛抱に追い付く貧乏なし」「稼げば身立つ」ともいう。
肩を持つ(かたをもつ)
その人の味方になって、援助したりかばったりする。
渇に臨みて井を穿つ(かつにのぞみていをうがつ)
必要に迫られてから慌てて対処しても間に合わないことのたとえ。事前に適切な対策や準備をしておかなければならないということ。 のどが渇いてから、ようやく井戸を掘るとの意から。
角が立つ(かどがたつ)
人と人との関係が険悪になること。また、事が荒だつこと。
角番に立つ(かどばんにたつ)
その成否が、これからの運命を決定する重大な局面をむかえること。 「角番」は、囲碁・将棋・相撲などでその勝負に敗れると負けが決まる局番。相撲では、負け越すと大関の地位から降格する場所のこと。
悲しい時は身一つ(かなしいときはみひとつ)
困ったり落ちぶれたりすると、他人は当てにならず、頼りになるのは自分だけだということ。「身一つ」は財産もなく自分の体だけという意。
蟹の念仏(かにのねんぶつ)
蟹が口から泡を出すように、口の中でぶつぶつとつぶやくことのたとえ。
株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)
古い習慣や過去の偶然の成功にこだわり、進歩や向上がないことのたとえ。 中国・宋の農民が農作業をしていると、兎が木の切り株にぶつかって死んだ。農民は労せず兎を手に入れることができたその経験以来、農作業をせずに毎日切り株を見張っていたという故事から。 「守株」ともいう。
間一髪(かんいっぱつ)
事態が非常に差し迫っていること。寸前のところ。 髪の毛一本ほどの狭い隙間のことから。
雁がたてば鳩もたつ(がんがたてばはともたつ)
身のほども考えず、むやみに人まねしようとすること。渡り鳥である雁が飛び立つのを見て、遠くまで飛べない鳩も飛び立つことから。
雁札(がんさつ)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
気が立つ(きがたつ)
感情が高ぶって、興奮したりいらいらしたりするさま。
巨星墜つ(きょせいおつ)
偉大な人物が死ぬことのたとえ。「巨星」は、輝かしい業績をあげた偉大な人物の意。
岐路に立つ(きろにたつ)
将来を決定するような重要な場面に直面することのたとえ。 「岐路」は分かれ道。
気を確かに持つ(きをたしかにもつ)
気持ちを抑えてしっかりと意識を保つこと。
義理が立つ(ぎりがたつ)
受けた恩に対して、適切な見返りを与えること。
食い物と念仏は一口ずつ(くいものとねんぶつはひとくちずつ)
食べ物は一口ずつでもみんなで分け合って食べたほうがよいということ。また、念仏は一人が一口ずつ唱えてもご利益があるということ。 「食い物」は「食べ物」ともいう。
糞も味噌も一つ(くそもみそもひとつ)
見た目が似ていれば、良いものも悪いものも同じように扱うこと。すべてをごちゃまぜにしてしまうこと。 「糞も味噌も一緒」「糞も味噌も一つ」ともいう。
口では大阪の城も建つ(くちではおおさかのしろもたつ)
口で言うだけなら、どんな立派なことでも言えるというたとえ。
水母の行列(くらげのぎょうれつ)
水母が勝手きままに泳いでいるように、きちんと並んでいないことのたとえ。
蛍雪(けいせつ)
苦労を重ねながら学問に励むこと。中国晋の車胤と孫康はともに貧しく、車胤は蛍の光で、孫康は雪明りで書物を読み勉学に励んだという故事から。
啓発(けいはつ)
普通の人が気付かないことを教え悟らせること。
光彩を放つ(こうさいをはなつ)
他よりも優れていて、ひときわ目立つさま。 「光彩」はうつくしい輝き。
公然の秘密(こうぜんのひみつ)
表向きは秘密とされているが、実際には広く世間に知れ渡っていること。 「公然」は誰もが知っているということ。
心は二つ身は一つ(こころはふたつみはひとつ)
あれもこれもと心は二つのことを望むが、自分のからだは一つしかなく、思い通りにならないということ。
心を打つ(こころをうつ)
見聞きした人に強い影響や感銘をあたえること。
乞食にも三つの理屈(こじきにもみっつのりくつ)
どんな人でも、その人なりの言い分や理屈があるということ。
竿竹で星を打つ(さおだけでほしをうつ)
不可能なことをしようとする愚かさのたとえ。また、思うところに手が届かないもどかしさのたとえ 竿竹で天にある星を打ち落とすとの意から。
差しつ差されつ(さしつさされつ)
親しく酒を飲む様子。互いに酒を注ぎ合うという意味から。
蹉跌(さてつ)
物事がうまくいかずに失敗すること。 「蹉」と「跌」はどちらも躓くこと。
山雨来らんとして風楼に満つ(さんうきたらんとしてかぜろうにみつ)
何事か変事が起こる前に、なんとなく不穏な気配がただよう様子。 「楼」は、高殿のこと。 山の雨が降り出す前には、前ぶれの風が高殿へ吹きつけることから。 「山雨来らんと欲して風楼に満つ」ともいう。
三十にして立つ(さんじゅうにしてたつ)
三十歳で自己を確立し独立すること。
座を取り持つ(ざをとりもつ)
同席している人たちが白けないように応対すること。
死屍に鞭打つ(ししにむちうつ)
死者を非難したり責めたてたりするたとえ。 中国春秋時代に楚の伍子胥が、父と兄を殺した平王の墓を掘り起こし、死体に鞭を打って恨みを晴らしたという故事から。 「屍に鞭打つ」「死者に鞭打つ」ともいう。
舌鼓を打つ(したつづみをうつ)
美味しい物を食べて満たされる様子。美味しい物を食べて舌の音を鳴らすという意味から。 「舌鼓」は「したづつみ」とも読む。
舌の剣は命を絶つ(したのつるぎはいのちをたつ)
軽率な発言は、命にかかわるような大事を引き起こすこともあるので、言葉は慎むべきであるというたとえ。
芝居を打つ(しばいをうつ)
作り事を言ったり、見せたりして人を騙そうとすること。
終止符を打つ(しゅうしふをうつ)
物事を終わりにすること。「終止符」は、欧文などで文の終わりに打つ符号。