「る」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「る」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 1843 件
頭を丸める(あたまをまるめる)
髪の毛を剃って、丸坊主にする。転じて、出家すること。
頭を擡げる(あたまをもたげる)
今まで意識していなかった考えや思いが浮かんでくること。 また、少しずつ力をつけて、実力を示すようになること。台頭する。
新しい酒を古い革袋に盛る(あたらしいさけをふるいかわぶくろにもる)
新しい内容を古い形式にはめ込むこと。多く内容も形式とが、ともに生かされないことにいう。
当たりを付ける(あたりをつける)
おおよその結果・程度について予測をすること。
当たりを取る(あたりをとる)
興行や商売などが成功する。好評を博する。
仇も情けも我が身より出る(あだもなさけもわがみよりでる)
人から憎まれたり愛されたりするのは、自分の心がけや行いによるということ。
仇を恩で報ずる(あだをおんでほうずる)
憎むべき相手を憎まずに、かえってその人に情けをかけること。
悪貨は良貨を駆逐する(あっかはりょうかをくちくする)
質の異なる貨幣が同一の価値を持って流通している場合、良質の貨幣は貯蔵・溶解などで市場から姿を消し、悪貨のみが流通するようになるという「グレシャムの法則」のこと。グレシャムは16世紀のイギリスの財政家。
呆気に取られる(あっけにとられる)
思いがけないことに出くわして、驚きあきれる。
あっと言わせる(あっといわせる)
想像もしていないような意外なことをして、周囲の人を驚かせたり、感心させたりする。
熱くなる(あつくなる)
一つのことに熱中して、他のことを忘れる。特に、異性に夢中になることについていう。 また、熱中するあまり、感情が高ぶって腹を立てる。かっとなる。
暑さ忘れれば陰忘れる(あつさわすれればかげわすれる)
苦しい時が過ぎると、助けてくれた人の恩をとかく忘れがちになるということ。 暑さが過ぎると、涼しい物陰のありがたみを忘れてしまうとの意から。
圧力を掛ける(あつりょくをかける)
権力や財力などで威圧して、相手を自分の意のままに従わせようとする。
当てが外れる(あてがはずれる)
期待や予想とは異なった結果になること。
当て事と越中褌は向こうから外れる(あてごととえっちゅうふんどしはむこうからはずれる)
当てにしていた事は相手の都合で外れることが多いことのたとえ。 「当て事」は当てにしている事。 「向こう」は身体の前、また、相手のこと。 越中褌が身体の前から外れやすいのと同じように、当てにしていた事は向こうから外れることが多いということ。 「当て事は向こうから外れる」「当て事と畚褌は先から外れる」ともいう。
後足で砂をかける(あとあしですなをかける)
去り際に迷惑をかけたり、裏切ったりすることのたとえ。 犬などが糞をしたあとに、後ろ足で砂を蹴散らすようすから。
後押しをする(あとおしをする)
物事が順調に進むように、わきから援助すること。
後釜に据える(あとがまにすえる)
前任者がその地位や職務を退いて、誰かに受け継がせること。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後釜に座る(あとがまにすわる)
前任者が地位や職務を退いた後、それを受け継ぐこと。 「後釜」は、かまどの残り火が消えないうちにかける、次の釜のこと。
後先になる(あとさきになる)
後のものが先になり、先のものが後になること。物事の順序が逆になること。
後の雁が先になる(あとのかりがさきになる)
後から来た者が、先の者を追い抜いてしまうこと。また、年上の者より年下の者が先に死んだ時にも使う。列をなして飛ぶ雁行のようすから。「雁」は「がん」とも読む。
後の喧嘩、先でする(あとのけんか、さきでする)
あとからもめ事が起こらないように、事前によく話し合いをしておくべきだということ。 あとで喧嘩をすることがないように、先に喧嘩しておけとの意から。
後腹が病める(あとばらがやめる)
物事が終わったあとにも、出費がかさんだり、障害が生じたりして苦しむこと。 「後腹」は産後の腹痛のこと。 物事が落ち着いた後の出費や障害を、産後の腹痛にたとえた言葉。
アドバルーンを揚げる(あどばるーんをあげる)
意図的に情報の一部を流して、世間の反響や相手の出方を見ること。
穴の開くほど見る(あなのあくほどみる)
何かをじっと見つめるさま。
穴の貉を値段する(あなのむじなをねだんする)
あてにならない事をあてにする愚かさをいうことば。 捕まえる前から穴の中の貉の値段を考えることから。
穴をあける(あなをあける)
金を使い込んだり、損失を生じさせたりすること。 また、物事が予定通り進まず空白の状態にしてしまうこと。
穴を埋める(あなをうめる)
欠損を補う。特に、金銭や人員を補充すること。
穴を掘って言い入れる(あなをほっていいいれる)
人に言えない悲しいこと悔しいことを、穴を掘って思いっきり言えば、気持ちが楽になるということ。
危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる)
危険な手段をとることのたとえ。 いまにも落ちそうな危険な橋を渡ることから。
油が切れる(あぶらがきれる)
元気がなくなり、体力や気力が続かなくなること。 機械の油がなくなってきて、正常に動かなくなるとの意から。 「ガソリンが切れる」ともいう。
脂が乗る(あぶらがのる)
魚などに脂肪がついておいしくなること。また、仕事などがおもしろくなり、調子が出ること。
油を売る(あぶらをうる)
無駄話などをして仕事を怠けること。江戸時代の髪油売りが、客相手に世間話をしながら商売をすることが多かったことから。
油を絞る(あぶらをしぼる)
過ちや失敗を厳しく責め立てること。昔、材料を搾木にかけて油を絞り取っていたことから。
甘く見る(あまくみる)
たいしたことはないと軽く見て、あなどる。
余り物には福がある(あまりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、思いがけずよいものがあるということ。
阿弥陀も銭で光る(あみだもぜにでひかる)
金の力は絶大だというたとえ。阿弥陀仏の御利益も供える金の多少に影響されるということから。
網の目に風たまる(あみのめにかぜたまる)
ありえないことのたとえ。 網の目を通り抜けるはずの風が網にたまるとの意から。
網の目を潜る(あみのめをくぐる)
捜査網や監視から巧みに逃れる。 また、法律や規則の盲点を突いて悪事をはたらく。
網を張る(あみをはる)
犯人や目当てのものをとらえるために、準備して待ち構えること。
雨晴れて笠を忘れる(あめはれてかさをわすれる)
苦しみが過ぎれば、すぐに受けた恩を忘れてしまうことのたとえ。雨がやむと、役に立った笠のことを忘れることから。
雨降って地固まる(あめふってじかたまる)
もめごとが解決したあとに、物事が前の状態より良くなること。
飴をしゃぶらせる(あめをしゃぶらせる)
うまいことを言って、相手を喜ばせ乗り気にさせること。また、大きく儲けるために、相手に少し儲けさせること。
過ちを文る(あやまちをかざる)
過ちを取り繕うために、あれこれ言い訳をしてごまかそうとすること。「文る」は飾るで、取り繕うという意。
過ちを観て仁を知る(あやまちをみてじんをしる)
人の過ちの種類を観察することによって、その人の人柄がわかるということ。
荒波に揉まれる(あらなみにもまれる)
世間の厳しい現実の中で、さまざまな苦労を重ねること。
蟻の穴から堤も崩れる(ありのあなからつつみもくずれる)
ちょっとした油断・不注意から大事が起こることのたとえ。 蟻の穴を見過ごしたために堤防が崩れることもあるとの意から。
蟻の思いも天に昇る(ありのおもいもてんにのぼる)
弱小な者でも懸命に努力すれば、希望を叶えることができるというたとえ。 蟻のように小さなものでも、一心に努力すれば願いは天に達するとの意から。 「蟻の思いも天に昇る」ともいう。
ある手からこぼれる(あるてからこぼれる)
金持ちは金が有り余るほどあるから、自然にまわりに金がこぼれ落ちる。だから施す気持ちがなくても、まわりの人々に恩恵を施していることになるということ。
あるはないに勝る(あるはないにまさる)
何事であれ、まったく無いよりは少しでもあるほうがましということ。
アルファでありオメガである(あるふぁでありおめがである)
最初であると同時に最後でもあるということ。 すべて。ぜんぶ。 アルファはギリシャ語の最初の文字で、オメガは最後の文字。
泡を吹かせる(あわをふかせる)
驚き慌てさせる。度肝を抜く。
暗影を投ずる(あんえいをとうずる)
これからの成り行きに対する不安を投げかけること。 「暗影」は暗い影。転じて不安や不吉の兆し。
暗礁に乗り上げる(あんしょうにのりあげる)
思わぬ障害によって、物事の進行が阻まれることのたとえ。 「暗礁」は水面下にあって見えない岩のこと。 船が海の中の見えない岩に乗り上げて、先に進めなくなるとの意から。
案じるより団子汁(あんじるよりだんごじる)
あれこれ心配しても仕方ないから、団子汁でも食べて気を紛らわしたほうがよいという助言。 「案じる」は「餡汁」の語呂合わせ。 団子汁は餡汁に団子を入れたもの。ただの餡汁よりいいというしゃれでもある。
アンテナを張る(あんてなをはる)
いろいろな手段や方法をとって、情報を集めること。
案に相違する(あんにそういする)
前もって考えていたこととは違うということ。予想がはずれる。 「案に違う」ともいう。
言い掛かりを付ける(いいがかりをつける)
根拠のないことを言って、相手を困らせること。
いい気になる(いいきになる)
思いあがる。うぬぼれる。
異域の鬼となる(いいきのおにとなる)
外国で死ぬこと。「異域」は外国、「鬼」はは死者の意。
いい薬になる(いいくすりになる)
辛い経験や失敗などが教訓として役に立つ、という意。
いい子になる(いいこになる)
自分だけがよく思われるように、ずるく立ち回ること。
いい仲になる(いいなかになる)
男女が親密な間柄になること。
言い含める(いいふくめる)
事情や内容を理解してもらえるようにしっかりと言うこと。
「事情を―」いい目が出る(いいめがでる)
物事が思い通りになること。運が向いてくること。 さいころ賭博(とばく)で、望み通りの目が出るということから。
いい目を見る(いいめをみる)
幸せな状態を経験すること。
いいようにする(いいようにする)
自分の思い通りに事を運ぶこと。
言い寄る(いいよる)
仲良くなろうとして異性に近付く。くどく。
「異性に―」言うと行うとは別問題である(いうとおこなうとはべつもんだいである)
口で言うことと、それを実行することとは別で、言葉通りに実践するのは難しいということ。
家給し人足る(いえきゅうしひとたる)
全ての家庭と人々が豊かで満足のいく生活を送り、盗みや争いがなく、社会が平和で安定している様子。
家貧しくして孝子顕る(いえまずしくしてこうしあらわる)
貧乏な家庭では、子どもも親を助けるために働いたりするので、その孝行ぶりが目立って人に知られるようになるということ。 逆境のときに、それを助けるものが現れること。
家を傾ける(いえをかたむける)
一家の財産をなくすこと。身代を持ち崩す。
家を外にする(いえをそとにする)
事情があって外出していること。また、自分の家に帰らず、外泊すること。
怒り心頭に発する(いかりしんとうにはっする)
心の底から激しい怒りがわきあがること。 「心頭」は心の中の意。
毬栗も内から割れる(いがぐりもうちからわれる)
誰でも年ごろになると自然と色気が出てくるということのたとえ。特に女性についていう。 鋭いとげのある毬栗でも熟せば自然にはじけて実が飛び出すとの意から。
鋳型に嵌める(いがたにはめる)
画一化すること。一定の枠にはめ込んで特徴のないものを作ること。
意気が揚がる(いきがあがる)
何かをやり遂げようとする積極的な気持ちが高まること。
息が掛かる(いきがかかる)
有力者の影響や支配を受けていること。
息が切れる(いきがきれる)
呼吸が苦しくなること。また、物事を長く続けられなくなること。
息が詰まる(いきがつまる)
極度の緊張で、息苦しい気分になること。