「小」を含む故事・ことわざ・慣用句
「小」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
愛想も小想も尽き果てる(あいそもこそもつきはてる)
愛情や好意がすっかりなくなり、いやになってしまうこと。
愛は小出しにせよ(あいはこだしにせよ)
人を愛する時は、少しずつ長く続けるのがよいということ。
戴く物は夏も小袖(いただくものはなつもこそで)
欲深いことのたとえ。 貰える物なら、その季節に不要な綿入れでも何でもよいとの意から。 「小袖」は、絹の綿入れのことで、冬に着用する衣服。 「貰う物は夏も小袖」ともいう。
因果の小車(いんがのおぐるま)
悪行に対しては悪い報いがすぐにめぐってくるということ。 小さな車輪がくるくる回転するように、悪い行いは悪い結果となってすぐに回ってくるとの意から。
旨い物は小人数(うまいものはこにんずう)
旨い物を食べる時は小人数の方がたくさん食べられるということ。また、儲け話も小人数でやる方が、分け前が多くなってよいということ。
大嘘はつくとも小嘘はつくな(おおうそはつくともこうそはつくな)
誰も信用しなような大きな嘘はついても害が少ないが、小さな嘘は真偽がわかりにくく、人が信じ込む恐れがあるので、ついてはいけないということ。
大木の下に小木育たず(おおきのしたにおぎそだたず)
大きな権力の庇護の下では立派な人間は育ちにくいということ。 大きな木の下は採光や風通しが悪く、小さな木が育たないとの意から。
大木の下に小木育つ(おおきのしたにおぎそだつ)
強大な権力を持つ人物のもとには、その庇護を受けている者がたくさんいることのたとえ。
大遣いより小遣い(おおづかいよりこづかい)
大きくまとまった一度の出費よりも、日常のこまごました出費のほうが、かえって大きい金額になりやすいというたとえ。
大摑みより小摑み(おおづかみよりこづかみ)
一度に大儲けしようとするより、少しずつ確実に儲けていくほうが、結果的には成功するということ。
大所の犬になるとも小所の犬になるな(おおどころのいぬになるともこどころのいぬになるな)
どうぜ人に仕えるなら、勢力・権力のある相手の下につけというたとえ。
大取りより小取り(おおどりよりこどり)
一度に大儲けしようとするより、少しずつ確実に儲けていくほうが堅実だということ。
大荷に小づけ(おおににこづけ)
重い負担がある上に、さらに負担が加わること。 「小づけ」は、大きな荷物の上に乗せる小さな荷物のこと。 「大荷に小づけ」ともいう。
小田原評定(おだわらひょうじょう)
長引いてなかなか結論が出ない話し合いのこと。豊臣秀吉に攻められた北条氏は、小田原城の城内で戦うか降伏するかの相談をしたが結論が出るまで時間がかかったということから。
重荷に小づけ(おもににこづけ)
重い負担がある上に、さらに負担が加わること。 「小づけ」は、大きな荷物の上に乗せる小さな荷物のこと。 「大荷に小づけ」ともいう。
肝が小さい(きもがちいさい)
ちょっとしたことですぐに慌てたりうろたえたりする様子。
君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず(くんしはわしてどうぜず、しょうじんはどうじてわせず)
すぐれた人物は、人と仲良くするが自主性を失わずむやみに同調しない。つまらぬ人間は、すぐに同調し自主性を欠いているということ。
小馬の朝勇み(こうまのあさいさみ)
はじめに元気を出し過ぎて、最後まで続かないことのたとえ。 「駒」は、馬のこと。 馬は出発した朝は元気よく走るが、やがて疲れてしまう元気がなくなることから。 「駒の朝勇み」「小馬の朝駆け(朝勇み)」ともいう。
小馬の朝駆け(こうまのあさがけ)
はじめに元気を出し過ぎて、最後まで続かないことのたとえ。 「駒」は、馬のこと。 馬は出発した朝は元気よく走るが、やがて疲れてしまう元気がなくなることから。 「駒の朝勇み」「小馬の朝駆け(朝勇み)」ともいう。
小男の腕立て(こおとこのうでたて)
抵抗しようとしても、非力で問題にならないことのたとえ。「腕立て」は、自分の腕力をたのみとして人と争うこと。
小男の総身の知恵も知れたもの(こおとこのそうみのちえもしれたもの)
小男の全身が知恵だとしても、その量はたかが知れているということ。「大男総身に知恵が回りかね」に対して言い返す言葉。
小気味がいい(こきみがいい)
見たり聞いたりしているだけで、爽快な気分になる様子。痛快な様子。 「小気味」は「気味」を強めた表現。
小首を傾げる(こくびをかしげる)
首を軽く傾けて考えること。また、その動作。
小言八百愚痴千粒(こごとはっぴゃくぐちせんつぶ)
ささいな小言や愚痴など、言っても仕方がないことを延々と言う人のことを評した言葉。
小姑一人は鬼千匹にむかう(こじゅうとひとりはおにせんびきにむかう)
嫁にとって、小姑一人は鬼千匹にも匹敵するほどやっかいで、扱いにくい存在であるということ。「むかう」は、匹敵するという意。
小爪を拾う(こづめをひろう)
ことば尻を捕えて非難したり口答えをしたりすること。
小鍋はじきに熱くなる(こなべはじきにあつくなる)
小糠三合あったら入り婿すな(こぬかさんごうあったらいりむこすな)
男はわずかでも財産があるなら、気苦労の多い婿養子にはならずに独立して生計を立てよということ。 「小糠三合」は、わずかな財産のたとえ。 「婿に行くな」は「入り婿すな」「養子に行くな」などともいう。 「小糠」は「粉糠」とも書く。
小糠三合あったら婿に行くな(こぬかさんごうあったらむこにいくな)
男はわずかでも財産があるなら、気苦労の多い婿養子にはならずに独立して生計を立てよということ。 「小糠三合」は、わずかな財産のたとえ。 「婿に行くな」は「入り婿すな」「養子に行くな」などともいう。 「小糠」は「粉糠」とも書く。
小糠三合あったら養子に行くな(こぬかさんごうあったらようしいにいくな)
男はわずかでも財産があるなら、気苦労の多い婿養子にはならずに独立して生計を立てよということ。 「小糠三合」は、わずかな財産のたとえ。 「婿に行くな」は「入り婿すな」「養子に行くな」などともいう。 「小糠」は「粉糠」とも書く。
小船の宵拵え(こぶねのよいごしらえ)
準備が早すぎること、おおげさすぎることのたとえ。 小船を出そうとして、前の晩から船出の準備をすることから。
小股が切れ上がる(こまたがきれあがる)
きりっと引き締まって小粋な姿をしている女性を表す言葉。
小股を掬う(こまたをすくう)
相手の隙をねらって自分の利益をはかること。 相手の股の内側を手で掬(すく)ってたおす相撲の技から。 「小股を取る」ともいう。
小股を取る(こまたをとる)
相手の隙をねらって自分の利益をはかること。 相手の股の内側を手で掬(すく)ってたおす相撲の技から。 「小股を取る」ともいう。
小耳に挟む(こみみにはさむ)
うわさなどをたまたま聞くこと。 「小」は「ちょっと」の意。
小楊枝で重箱の隅をほじくる(こようじでじゅうばこのすみをほじくる)
どうでもいいようなつまらない所まで取り上げて、口うるさく言うことのたとえ。 「楊枝で重箱の隅をほじくる」「楊枝で重箱の隅をつつく」「小楊枝で重箱の隅をほじくる」「重箱の隅を突っつく」などともいう。
寒さ小便、ひだるさ欠伸(さむさしょうべん、ひだるさあくび)
寒い時にはやたらと小便がしたくなり、空腹の時にはしきりに欠伸が出るということ。 「ひだるい」は、空腹であること。 「ひだるさ欠伸、寒さ小便」ともいう。
山椒は小粒でもぴりりと辛い(さんしょはこつぶでもぴりりとからい)
体は小さくても、激しい気性と優れた才能を持ち、侮り難い存在のたとえ。山椒の実は小粒ながら、激しい辛味を持つことから。「山椒」は、本来「さんしょう」という。
小異を捨てて大同につく(しょういをすててだいどうにつく)
多少の意見の違いがあっても、多数が支持する意見に従うということ。「大同」は、多くの者が一つにまとまること。
小寒の氷大寒に解く(しょうかんのこおりだいかんにとく)
物事が必ず順に従って進むわけではないということのたとえ。 最も寒いはずの大寒が小寒よりも温かいとの意から。
小事は大事(しょうじはだいじ)
些細なことから大事が起こる。小事だからといって物事をあなどってはいけないということ。
小人閑居して不善をなす(しょうじんかんきょしてふぜんをなす)
小人物は暇を持て余すと、とかくろくでもないことをするということ。「小人」は君子に対する言葉で、人徳や教養のない卑しい者の意。「閑居」は本来「間居」と書き、暇でのんびり暮らすこと。
小人罪なし璧を懐いて罪あり(しょうじんつみなしたまをいだいてつみあり)
身分不相応なものを手にすると、災いを招いてしまうということ。 「小人」は凡人のこと。 凡人であることに罪はないが、凡人には不相応な宝玉を持ってしまうとその宝玉が災いを招く原因になるとの意から。 「小人」は「匹夫(ひっぷ)」とも、また単に「璧を懐いて罪あり」ともいう。
小人の過つや必ず文る(しょうじんのあやまつやかならずかざる)
小人の勇(しょうじんのゆう)
物事を深く考えていない、一時の感情に任せた軽率な勇気のこと。 「匹夫」は身分の低い人や教養のない人。転じて軽率な人のこと。 「小人の勇」ともいう。
小の虫を殺して大の虫を助ける(しょうのむしをころしてだいのむしをたすける)
小さなものを犠牲にして大きなものを守ること。 また、全体を生かすために一部分を犠牲にすることのたとえ。 「大の虫を生かして小の虫を殺す」ともいう。
小を捨てて大に就く(しょうをすててだいにつく)
小さなものを犠牲にして重要なものを守ること。
尻の穴が小さい(しりのあながちいさい)
心が狭いこと。度量が狭いこと。 「尻」は「けつ」とも読む。
事実は小説よりも奇なり(じじつはしょうせつよりもきなり)
この世の実際の出来事は、作り事の小説よりも変化に富んでおもしろいということ。イギリスの詩人バイロンの言葉。
上手の小糸(じょうずのこいと)
下手な人ほど無駄なことをして、上手な人ほど要領よくやるというたとえ。 裁縫の下手な人はむやみに長い糸を針につけるが、上手な人は必要な長さだけの糸をつけて縫いやすくすることから。 単に「上手の小糸」とも、また「下手の長糸遣い」ともいう。
女子と小人とは養い難し(じょしとしょうじんとはやしないがたし)
女性と器量の小さい人は扱いにくいということ。 孔子の言葉で、この後に「之(これ)を近づくれば則(すなわ)ち不遜(ふそん)、之を遠ざくれば則ち怨む」と続く。 親切にすると図に乗り、遠ざけると恨まれるとの意から。 「女子と小人とは養い難し」ともいう。
女子と小人は養い難し(じょしとしょうじんはやしないがたし)
女性と器量の小さい人は扱いにくいということ。 孔子の言葉で、この後に「之(これ)を近づくれば則(すなわ)ち不遜(ふそん)、之を遠ざくれば則ち怨む」と続く。 親切にすると図に乗り、遠ざけると恨まれるとの意から。 「女子と小人とは養い難し」ともいう。
大魚は小池に棲まず(たいぎょはしょうちにすまず)
大人物はつまらない仕事や地位には満足しないというたとえ。大きな魚は小さな池には棲んでいないという意味から。
大功を論ずる者は小過を録せず(たいこうをろんずるものはしょうかをろくせず)
大きな功績を表彰しようと議論する時、たとえそのかげに小さな過失があっても大目に見て問題にしないということ。
大敵と見て恐れず小敵と見て侮らず(たいてきとみておそれずしょうてきとみてあなどらず)
相手が強そうに見えても恐れてはいけないし、弱そうに見えても侮ってはいけないということ。
高い舟借りて安い小魚釣る(たかいふねかりてやすいこざかなつる)
好きな事のためには、損得など考えないということのたとえ。
胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す(たんはだいならんことをほっし、こころはしょうならんことをほっす)
度胸は大きく持ちたいし、注意は細やかでありたいということ。 「胆大心小」ともいう。
大事の前の小事(だいじのまえのしょうじ)
大きな事を行う時には、小さな事にも油断してはいけないということ。また、大きな目的を遂げるためには、小さな犠牲はやむを得ないということ。
大事は小事より起こる(だいじはしょうじよりおこる)
どのような大事も、取るに足りない小さなことが原因となって引き起こされるということ。小さな油断にも気をつけよという戒めの言葉。
大なり小なり(だいなりしょうなり)
多かれ少なかれ。程度の差はあれど。
大の虫を生かして小の虫を殺す(だいのむしをいかしてしょうのむしをころす)
小さなものを犠牲にして大きなものを守ること。 また、全体を生かすために一部分を犠牲にすることのたとえ。 「大の虫を生かして小の虫を殺す」ともいう。
大は小を兼ねる(だいはしょうをかねる)
大きな物は小さな物の代わりとしても使える。 小さい物より大きな物のほうが役に立つということ。
小さく生んで大きく育てる(ちいさくうんでおおきくそだてる)
子どもは小さい子を楽に生んで大きく育てるのが賢明だということ。事業なども小規模で始めてだんだん大きくしていくのがよいやり方だということ。
小さくとも針は呑まれぬ(ちいさくともはりはのまれぬ)
小さいからといって侮ってはいけないという戒め。 いくら小さくても針をのみこむことはできないことから。
小さくなる(ちいさくなる)
ひどくかしこまったり遠慮したりする。身を縮めてかしこまる。
知恵は小出しにせよ(ちえはこだしにせよ)
自分の持っている知恵を一度に出さず、必要に応じて少しずつ出すのが賢明だということ。
出遣いより小遣い(でづかいよりこづかい)
大きな買い物で多額に出費するよりも、日常のこまごました出費のほうが、積もり積もって大きい金額になるというたとえ。
夏の小袖(なつのこそで)
時期外れで不用な物のたとえ。 小袖は冬に用いるもので、夏には不用であることから。
女房は灰小屋から貰え(にょうぼうははいごやからもらえ)
妻を迎えるなら、自分より格下の家からもらうのがよいということ。 身分の高い家から妻をもらうと、親戚付き合いに苦労したり夫の権威が下がったりする恐れがあるとの意から。 「女房は台所から貰え」「女房は掃き溜めから拾え」「女房は庭から取れ」などともいう。
猫に小判(ねこにこばん)
どんなに貴重なものでも、その価値のわからないものには、なんの値打ちもないことのたとえ。
蚤の小便、蚊の涙(のみのしょうべん、かのなみだ)
極めてわずかなことのたとえ。
引かれ者の小唄(ひかれもののこうた)
どうにもならずに切羽詰まった者が、負け惜しみで強がりを言い、平気なふりをすることのたとえ。「引かれ者」は、刑場へ連れて行かれる罪人のこと。引かれ者が平静を装い、強がりを見せて小唄を口ずさんだことから。
ひだるさ欠伸、寒さ小便(ひだるさあくび、さむさしょうべん)
寒い時にはやたらと小便がしたくなり、空腹の時にはしきりに欠伸が出るということ。 「ひだるい」は、空腹であること。 「ひだるさ欠伸、寒さ小便」ともいう。
下手の長糸、上手の小糸(へたのちょういと、じょうずのこいと)
下手な人ほど無駄なことをして、上手な人ほど要領よくやるというたとえ。 裁縫の下手な人はむやみに長い糸を針につけるが、上手な人は必要な長さだけの糸をつけて縫いやすくすることから。 単に「上手の小糸」とも、また「下手の長糸遣い」ともいう。
婿は大名から貰え嫁は灰小屋から貰え(むこはだいみょうからもらえよめははいごやからもらえ)
婿は自分の家より家柄がよい家から貰うと家の格が上がり、嫁は自分の家より低い家柄から貰うと威張らずによく働くので家のためによいということ。 「婿は大名から貰え嫁は灰小屋から貰え」「嫁は下から婿は上から」ともいう。
貰う物は夏も小袖(もらうものはなつもこそで)
欲深いことのたとえ。 貰える物なら、その季節に不要な綿入れでも何でもよいとの意から。 「小袖」は、絹の綿入れのことで、冬に着用する衣服。 「貰う物は夏も小袖」ともいう。
門前の小僧、習わぬ経を読む(もんぜんのこぞう、ならわぬきょうをよむ)
普段から見聞きしていると、知らないうちに覚えてしまうことのたとえ。 寺の前に住んでいる子どもたちは、習わなくても自然に経を読めるようになるとの意から。
破れても小袖(やぶれてもこそで)
元の品質や価値が高ければ、古くなったり状態が悪くなったりしても相応の値打ちがあるということ。 「小袖」は、絹の綿入れのこと。 小袖が破れたとしても、絹の性質を失うわけではないとの意から。