「う」を含む故事・ことわざ・慣用句
「う」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2443 件
畜生の浅ましさ(ちくしょうのあさましさ)
畜類の愚かなさま。転じて、人間の卑しさや醜さのこと。
竹帛の功(ちくはくのこう)
歴史に残るような偉大な功績。「竹帛」は昔中国で竹を削った札や帛に文字を書いたことから書物や歴史の意。
知者は惑わず、勇者は懼れず(ちしゃはまどわず、ゆうしゃはおそれず)
知恵や知識のある者は道理をわきまえているので行動に迷いがなく、勇気のある者は信念を持って行動するので臆することがないということ。
馳走終わらば油断すな(ちそうおわらばゆだんすな)
人がご馳走してくれる時は何か魂胆があるかもしれないので油断するなということ。
父の恩は山よりも高く、母の恩は海よりも深し(ちちのおんはやまよりもたかく、ははのおんはうみよりもふかし)
父母から受けた恩は広大で深いということ。 両親の愛情をたとえたもの。 「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」ともいう。
血で血を洗う(ちでちをあらう)
血縁関係にある者同士が血を流し合うような争いをすること。 また、暴力に対して暴力、悪事に対して悪事で争うことのたとえ。 「血を以て血を洗う」ともいう。
血と汗の結晶(ちとあせのけっしょう)
たいへんな苦労や努力を重ねた末に得た成果。
血に飢える(ちにうえる)
人を傷つけたり殺したりしたいという衝動にかられること。
血の気が失せる(ちのけがうせる)
恐怖や緊張などにより、顔が青ざめる。
血の出るよう(ちのでるよう)
たいへんな苦労や努力をするさま。
血の滲むよう(ちのにじむよう)
たいへんな苦労や努力をするさま。
茶に酔うたふり(ちゃにようたふり)
知っているのに知らないふりをすること。 お茶を飲んで酒に酔ったふりをするとの意から。 「茶に酔うたよう」ともいう。
注意を引く(ちゅういをひく)
人々の注意や関心をこちらに向けさせる。
忠言、耳に逆らう(ちゅうげん、みみにさからう)
忠告の言葉は耳が痛く、素直に聞き入れられにくいということ。
籌策を帷幄の中に運らし、勝ちを千里の外に決す(ちゅうさくをいあくのなかにめぐらし、かちをせんりのほかにけっす)
計画や戦略の巧妙なことのたとえ。 「籌」は計略、「帷幄」は幕を張りめぐらした本陣、「千里の外」は遠い場所のこと。 本陣で計略を練り、遠く離れた戦場で勝利するとの意から。 「籌策を帷幄の中に運らし、勝ちを千里の外に決す」ともいう。
忠臣は二君に仕えず(ちゅうしんはにくんにつかえず)
忠義を重んじる臣下は、その生涯でただ一人の主君にしか仕えないということ。
柱石(ちゅうせき)
国家や組織などを支える重要な人物のこと。 柱と土台石が建物を支える重要な部分であることから。
忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず(ちゅうならんとほっすればこうならず、こうならんとほっすればちゅうならず)
主君に忠義を尽くそうとすれば親に逆らうこととなり孝行できず、親に孝行しようとすれば主君に背くことになり不忠となる。大切な二つのものの板ばさみになって進退きわまった状態のたとえ。平重盛が、父の清盛と朝廷との間で苦悩したときの言葉。
宙に浮く(ちゅうにうく)
計画などが途中で止まって終わりが見えなくなること。
宙に迷う(ちゅうにまよう)
物事が途中で止まって終わりが分からなくなること。
注目を浴びる(ちゅうもくをあびる)
世間の人々から意識を向けられること。関心を集めること。
注文を付ける(ちゅうもんをつける)
自分の希望などをうるさく言うこと。
昼夜を分かたず(ちゅうやをわかたず)
休まずに物事を行う様子。絶えず。 「昼夜を舎(お)かず」ともいう。
中流に船を失えば一瓢も千金(ちゅうりゅうにふねをうしなえばいっぴょうもせんきん)
つまらないものでも、場合によってはとても価値があるというたとえ。 流れの真ん中で船を失ったときには、ひょうたん一個でも浮き袋の代わりになるとの意から。
宙を飛ぶ(ちゅうをとぶ)
空を飛ぶかのように、非常に速く走ること。
寵愛昂じて尼になす(ちょうあいこうじてあまになす)
かわいがるのも度が過ぎると、かえって本人のためにならないというたとえ。 親が娘をかわいがるあまり、いつまでも嫁にやらずついには尼にしてしまうことから。 「尼になす」は「尼にする」ともいう。
長広舌を振るう(ちょうこうぜつをふるう)
滞ることなく、長々としゃべり続けること。 「長広舌」は「広長舌」が転じた言葉。
調子が合う(ちょうしがあう)
互いの性質や考え方などが合致していること。
調子がいい(ちょうしがいい)
相手の機嫌を取ることがうまいこと。 または、体の状態や物事の進み方などの具合がよいこと。
調子が付く(ちょうしがつく)
物事の勢いが増していくこと。
調子に乗る(ちょうしにのる)
物事が滞ることなく進むこと。 または、得意になって軽はずみな言動をすること。
長袖よく舞い、多銭よく賈う(ちょうしゅうよくまい、たせんよくかう)
素質と条件に恵まれた者が有利で、思い通りに事が運べるというたとえ。 長袖の着物を着た人は舞うと美しく見え、多くの金銭を持つ者は商売がしやすいとの意から。 「賈う(かう)」は、「商う(あきなう)」ともいう。
長所は短所(ちょうしょはたんしょ)
自分の長所を過信すると思わぬ失敗をすることがある。長所も時には短所になるということ。
調子を合わせる(ちょうしをあわせる)
相手に反発せずに話を合わせること。 または、音の高低や強弱などをある基準に合わせること。
調子を取る(ちょうしをとる)
釣り合いが取れた状態を保つこと。 または、音の高低や強弱などをある基準に合わせること。
長者富に飽かず(ちょうじゃとみにあかず)
金持ちがさらに金を欲しがるように、人間の欲望には限りがないことのたとえ。
長者に二代なし(ちょうじゃににだいなし)
ぜいたくに慣れた金持ちの子は、財産を守ったり増やしたりすることが出来ず、たいてい二代目でその家はつぶれてしまうということ。
長者の万灯より貧者の一灯(ちょうじゃのまんとうよりひんじゃのいっとう)
見栄を張った多くの贈り物より、たとえわずかでも真心のこもった贈り物のほうが尊いということ。 金持ちが一万もの灯明をともすよりも、たとえ一灯でも貧しい人の心のこもった灯明のほうが値打ちがあるとの意から。 阿闍世王が釈迦を招いた時、帰り道にたくさんの灯火をともした。それを見て感激した貧しい老婆が、やりくりして一本の灯火をともした。すると、王の灯明が消えたあとも老婆の灯火は朝まで光り続けたという故事から。 「貧者の一灯」ともいう。
帳尻が合う(ちょうじりがあう)
決算で収入と支出が正しく合うこと。または、物事の辻褄が合うこと。
帳尻を合わせる(ちょうじりをあわせる)
決算で収入と支出が正しく合うようにすること。または、物事の辻褄を合わせること。
長蛇の列(ちょうだのれつ)
非常に長く続いている人の列。 長く続く人の列を蛇にたとえた表現。
長蛇を逸す(ちょうだをいっす)
絶好の機会や非常に惜しい物などを取り逃がすこと。
長蛇を逸する(ちょうだをいっする)
もう少しの所で、大きな獲物や好機を逃すこと。
提灯で餅を搗く(ちょうちんでもちをつく)
思い通りにいかないことのたとえ。 または、年老いた男性の性事情を馬鹿にしていう言葉。
提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)
釣り合わないこと、比較にならないことのたとえ。提灯と釣り鐘は形は似ているが重さがまるで違うことから。
提灯持ち(ちょうちんもち)
人の手先になって、その人のことを褒めて回ること。また、それをする人。
提灯持ち川へはまる(ちょうちんもちかわへはまる)
人を導くべき人が、先に失敗してしまうことのたとえ。提灯を持って先導する人が、自分の足元が暗いため川に落ちてしまうということから。
提灯持ちは先に立て(ちょうちんもちはさきにたて)
指導的立場にある人は、先頭に立って模範を示すべきであるということ。 提灯を持って先導する人が先頭に立たずに後ろを歩いていても役に立たないとの意から。
提灯を持つ(ちょうちんをもつ)
ある人の手先になって、頼まれてもいないのに、その人を褒めたり宣伝したりすること。
町内で知らぬは亭主ばかりなり(ちょうないでしらぬはていしゅばかりなり)
女房の浮気を町内の者はみんな知っていて、亭主だけが知らないという間抜けぶりをあざけった言葉。
長範が当て飲み(ちょうはんがあてのみ)
人の金を当てにして失敗してしまうことのたとえ。大泥棒の熊坂長範が、金を奪う前にその金を当てにして酒盛りをし、牛若丸に退治されてしまったという話から。
掉尾を飾る(ちょうびをかざる)
最後を立派にしめくくること。 「掉尾」は、「とうび」とも読み、捕らえられた魚が死ぬ直前に尾を振ること。転じて、最後の意。
長命すれば恥多し(ちょうめいすればはじおおし)
長く生きていれば、それだけ恥をかく事も多くなるということ。 「恥」は「辱」とも書く。 また、「長生きは恥多し」「長生きすれば恥多し」「長命すれば恥多し」などともいう。
帳面づらを合わせる(ちょうめんづらをあわせる)
数字をいじって収入と収支が合うようにすること。
頂門の一針(ちょうもんのいっしん)
人の急所を突くような厳しい戒め。痛いところを突く教訓。 「頂門」は頭の上のことで、そこに針を突き刺すとの意から。
長夜の飲(ちょうやのいん)
夜通し酒を飲むこと。 古代中国殷の紂王(ちゅうおう)が、夜通し酒を飲み、夜が明けても戸も開けず明かりを灯したまま酒盛りを続けたという故事から。 「長夜の宴」ともいう。
蝶よ花よ(ちょうよはなよ)
親が自分の娘をかわいがり大事にするたとえ。「蝶よ花よと育てられる」の形で使われることが多い。
血を受ける(ちをうける)
祖先や親の気質や体質、身体的特徴などを受け継ぐこと。 「血を受ける」ともいう。
地を打つ槌(ちをうつつち)
まるで大地を槌で打つように、確実で絶対に失敗しないことのたとえ。 「槌で大地を叩く」「地を打つ槌」ともいう。
地を掃う(ちをはらう)
すっかり無くなってしまうこと。 ほうきで地面を掃いたように何も残っていないとの意から。
狆が嚏をしたよう(ちんがくしゃみをしたよう)
ひどく醜い顔つきのこと。 「狆」は、顔が小さく目鼻がくしゃくしゃ集まった感じの小型犬。 略して「[[狆くしゃ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p33494]]」ともいう。
沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)
この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。
追従も世渡り(ついしょうもよわたり)
人にこびへつらいお世辞をいうことも、世渡りの一つの手段であるということ。
つうと言えばかあ(つうといえばかあ)
お互いの気持ちが理解できていて、ちょっと言うだけで相手の意図がわかる様子。 「[[つうかあ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p33650]]」ともいう。
痛棒を食らわす(つうぼうをくらわす)
厳しく叱ったり、責めたりすること。 「痛棒」は座禅で、心が乱れている人を打ち付けるための棒。
痛痒を感じない(つうようをかんじない)
少しも利害や影響を受けない。
杖の下に回る犬は打てぬ(つえのしたにまわるいぬはうてぬ)
自分を慕ってくるものには残酷な仕打ちはできないということ。 追い払おうと振り上げた杖の下に、甘えてじゃれついてくる犬は人情として打つことはできないとの意から。
使う者は使われる(つかうものはつかわれる)
人を使うにはさまざまな気苦労があり、結局人に使われるのと同じようなものだということ。 「人を使うは使わるる」「人を使うは苦を使う」ともいう。
搗き臼で茶漬け(つきうすでちゃづけ)
大きすぎる物を小さな物のかわりには使おうとするたとえ。餅つき臼は、茶漬けを食べるには大きくて使えない、大は小を兼ねないということ。
月夜に提灯(つきよにちょうちん)
不必要なことのたとえ。月夜に提灯は必要ないことから。「月夜に提灯夏火鉢」と続けてもいう。
月夜に提灯も外聞(つきよにちょうちんもがいぶん)
実際は不必要なことでも、世間体のためにしなければならないたとえ。月夜に提灯をともすような無駄なことも、世間体のために必要なこともあるということから。
辻褄が合う(つじつまがあう)
話の内容などに、矛盾がなく一貫していること。
土一升金一升(つちいっしょうかねいっしょう)
土地の値段が非常に高いことのたとえ。 土一升が金一升に相当するとの意から。
土に灸(つちにきゅう)
いくらやっても効き目のないこと、無駄なことのたとえ。
土人形の水遊び(つちにんぎょうのみずあそび)
無謀なことをして自ら身を滅ぼすことのたとえ。 土で作られた仏が水遊びをすると溶けてしまうことから。 「土人形の水遊び」「雪仏の水遊び(日向遊び)」ともいう。
角ある獣に上歯なし(つのあるけものにうわばなし)
一人でいくつも優れたものを兼ね備えるのはむずかしいというたとえ。「上歯」は牙の意で、角がある獣には牙がないということから。
角を矯めて牛を殺す(つのをためてうしをころす)
わずかな欠点を直そうとして、かえって全体をだめにしてしまうたとえ。 「矯める」は、矯正すること。 曲がっている牛の角をまっすぐに直そうとして、牛を死なせてしまうことから。 「角を直して牛を殺す」ともいう。
粒が揃う(つぶがそろう)
集まっている人や物がどれもすぐれている様子。
妻の言うに向こう山も動く(つまのいうにむこうやまもうごく)
妻の言葉は夫に対して大きな力を持っていることのたとえ。 動くはずのない向こうの山でさえも、妻が言えば動いてしまうとの意から。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。