「く」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「く」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 473 件
腕を磨く(うでをみがく)
能力や技術が向上するように習練に励むこと。
独活の大木(うどのたいぼく)
身体ばかり大きくて何の役にも立たない人のたとえ。 「独活」は植物の名。 独活は木のように大きくなるが、茎が柔らかいため材木にはならないことから。 「独活の大木柱にならぬ」ともいう。
埋もれ木に花咲く(うもれぎにはなさく)
長い間不運だった人に意外な幸運が訪れることのたとえ。また、世間から忘れ去られていた人が再び脚光を浴びて世に出ることのたとえ。 土の中に埋もれていた木に花が咲くとの意から。
裏の裏を行く(うらのうらをいく)
相手のやり方を見抜いて、相手の予想外の行動を取ること。
裏をかく(うらをかく)
相手が予想していない行動に出て、相手を出し抜くこと。
上手を行く(うわてをいく)
能力や才知などが他の人よりすぐれていること。 他の人より悪知恵が働くといった悪い意味にも使われる。
運が向く(うんがむく)
よい運がめぐってくること。
英雄、人を欺く(えいゆう、ひとをあざむく)
英雄といわれるほどの人物は才知にすぐれているので、凡人が考えつかないような策略を用いて人を欺くということ。
易簀(えきさく)
学徳にすぐれている人の死を敬っていう言葉。 「簀」は、寝台の上に敷くむしろ。 中国の孔子の弟子の曽子が、死の間際に大夫用の簀は自分には相応しくないとして質素な簀に変えさせたという故事から。 「易簀」ともいう。
越鳥南枝に巣くい、胡馬北風に嘶く(えっちょうなんしにすくい、こばほくふうにいななく)
故郷の忘れがたいことのたとえ。 中国南方の越の国から北国へ渡った鳥は樹木の南側の枝に巣をかけ、北方の胡の国から来た馬は北風が吹きよせると故郷を想って嘶(いなな)くとの意から。 『文選』の古詩「胡馬は北風に依り、越鳥は南枝に巣くう」による。 単に「越鳥南枝に巣くう」や「胡馬北風に嘶く」ともいう。
得手に鼻つく(えてにはなつく)
得意なことだと、つい気が緩んで失敗するというたとえ。
栄耀に餅の皮を剝く(えようにもちのかわをむく)
度を越したぜいたくをするたとえ。 「栄耀」は、ぜいたくをすること。 ぜいたくに慣れると、むく必要のない餅の皮までむいて食べるようになるとの意から。
襟元に付く(えりもとにつく)
権力者や財産のある人にこびへつらうこと。昔は金持ちほど重ね着をして襟が厚かったことから。
遠慮会釈なく(えんりょえしゃくなく)
相手を気遣うこともなく、自分の思い通りに事を行うさま。 「会釈」は、思いやりの意。
老い木に花咲く(おいきにはなさく)
老木に再び花が咲くように、一度衰えたものが再び盛んになることのたとえ。 「枯れ木に花咲く」ともいう。 また単に「老い木に花」や「枯れ木に花」ともいう。
大河を手で堰く(おおかわをてでせく)
無謀で不可能なことをするたとえ。大きな川を手で堰き止めようとするということから。
大きな口を利く(おおきなくちをきく)
実力もないのに偉そうなことを言うこと。
大口を叩く(おおぐちをたたく)
大げさなことを言う。偉そうなことを言う。
臆面もなく(おくめんもなく)
遠慮したり気後れしたりすることなく。図々しく。厚かましくも。
押さえが利く(おさえがきく)
相手を従わせたり、統率したりする力があること。
押しが利く(おしがきく)
相手を自分の思い通りに従わせる力があること。
お節介を焼く(おせっかいをやく)
余計な世話をすること。
お茶を挽く(おちゃをひく)
暇を持て余すこと。特に、芸者などが客がつかずに暇でいること。 茶臼で葉茶をひくのは、暇な遊女の仕事とされていたことから。
頤を解く(おとがいをとく)
あごが外れるほど大口を開けて笑うこと。 「頤」はあご、「解く」は外すこと。 「頤を外す」「頤を放つ」ともいう。
男鰥に蛆が湧き、女寡に花が咲く(おとこやもめにうじがわき、おんなやもめにはながさく)
妻のいない男は身の回りの世話をしてくれる人がいなくなり不潔な生活になりがちなのに対し、未亡人は、夫にわずらわされることがなくなり、自分の身を美しく清潔に出来るので、世間の男にもてはやされ華やかだということ。
男を磨く(おとこをみがく)
男としての面目を保てる人間になるために努力すること。 特に、義侠心を養う意味で使われる。
落とした物は拾い徳(おとしたものはひろいどく)
落し物は不注意な落とし主の責任だから、拾った人の物にしてもかまわないということ。
音に聞く(おとにきく)
世間の評判が高い。噂に聞く。
鬼の居ぬ間に洗濯(おにのいぬまにせんたく)
怖い人や気兼ねする人がいない間にのびのびと寛ぐこと。「洗濯」は命の洗濯の意で気晴らしのこと。
尾鰭が付く(おひれがつく)
話に誇張や嘘が付け加わって物事が大げさになることのたとえ。
重きを置く(おもきをおく)
あるものを大切だと考え、そこに力を入れること。
親の意見と冷や酒は後で利く(おやのいけんとひやざけはあとできく)
親の意見は聞き流してしまいがちだが、後になると納得できて、ありがたいと思うようになるということ。冷酒は飲みやすく、あとから酔いが回ってくる意から。
折り合いが付く(おりあいがつく)
互いに譲り合って、納得できる妥協点を見つけること。
尾を引く(おをひく)
物事が一段落しても、その影響がいつまでも残ること。
女寡に花が咲く(おんなやもめにはながさく)
未亡人は、夫にわずらわされることがなくなり、自分の身を美しく清潔に出来るので、世間の男の目を引き華やかだということ。
顔が利く(かおがきく)
信用や権力があって相手に無理がとおり、便宜を図ってもらえること。
顔で笑って心で泣く(かおでわらってこころでなく)
泣きたいほどつらくても顔では笑ってみせるということ。
核心を突く(かくしんをつく)
物事のもっとも重要な問題点をするどく指摘することのたとえ。
隠れての信は顕われての徳(かくれてのしんはあらわれてのとく)
心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。
陰口を叩く(かげぐちをたたく)
その人のいないところで悪口を言うこと。 「陰口を利く」ともいう。
陰で糸を引く(かげでいとをひく)
自分自身は表に出ないで、裏で他人を意のままに動かすこと。 人形師が糸を引いて人形を操ることから。 「裏で糸を引く」ともいう。
影の形に添うごとく(かげのかたちにそうごとく)
いつもいっしょにいて離れないこと。 影が必ず物につき随うことから。 「影の形に添うが如し」「影の形に添うように」ともいう。
頭に霜を戴く(かしらにしもをいただく)
頭髪が白髪になること。白髪が目立つこと。 白髪を霜にたとえた言葉。 「頭に霜を置く」「霜を置く」ともいう。
風邪を引く(かぜをひく)
テープや絆創膏などの粘着力が弱まって、役に立たなくなることのたとえ。
方が付く(かたがつく)
ものごとの処理が終わって決着がつくこと。解決すること。 「方」は「片」とも書く。
形の如く(かたのごとく)
ものごとが決まった法則の通りに行われるさま。
片目が開く(かためがあく)
相撲などで、負け続けていた勝負に、初めて勝利すること。
肩を叩く(かたをたたく)
相手の肩を軽くたたきながら頼みごとをすること。 特に、上役が部下に退職を勧めるときに用いられる。
格好が付く(かっこうがつく)
体裁が整うこと。
活路を開く(かつろをひらく)
行き詰った状況から抜け出す方法を見つけること。 「活路」は、生きるための方法。
褐を被て玉を懐く(かつをきてたまをいだく)
すぐれた才能を世間に知られないように隠していることのたとえ。 「褐」は粗末な衣服、「玉」はすぐれた才能のこと。 粗末な身なりをしていても、内にはすぐれた才能を秘めているとの意から。
金棒を引く(かなぼうをひく)
噂話などを大げさに触れ回ること。 「金棒」は、頭部に鉄輪を付けた棒のこと。昔、夜警などが棒を突き鳴らしながら歩いたことから。
痒い所に手が届く(かゆいところにてがとどく)
細かい点まで心配りが行き届いて、気が利いていることのたとえ。
体が空く(からだがあく)
仕事・用事が終わって時間ができること。
体が続く(からだがつづく)
仕事などで体に重い負担をかけているにも関わらず、健康を保っていること。
軽口を叩く(かるくちをたたく)
気軽に冗談をいったり滑稽な話をしたりすること。
皮引けば身が付く(かわひけばみがつく)
密接な関係にあるものは、一方に何かが生じると他方にも影響が及ぶことのたとえ。 皮を引っ張れば、その下の肉も一緒に付いてくることから。 「皮引けば身が痛い」ともいう。
華を去り実に就く(かをさりじつにつく)
見かけを華やかに飾ることよりも、手堅く確実な態度を選ぶこと。
閑古鳥が鳴く(かんこどりがなく)
人が集まらずものさびしい様子。特に商売などがはやらずさびれていることをいう。「閑古鳥」はかっこうの別名で、その鳴き声がさびしげに聞こえることから。
肝胆を砕く(かんたんをくだく)
大変苦労して、努力するたとえ。心を尽くすたとえ。「肝胆」は、肝臓と胆嚢のことで、転じて心の奥底・真心の意。
肝胆を披く(かんたんをひらく)
心を開いて打ち明けること。
官途に就く(かんとにつく)
役人になること。「官途」は、官吏の職務・地位のこと。
看板に傷が付く(かんばんにきずがつく)
店などの信用や評判が落ちること。
楽屋裏を覗く(がくやうらをのぞく)
部外者が、一般には知られていないような内部事情を知ってしまうこと。
合点が行く(がてんがいく)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく)
最後の大切な仕上げを怠ったために、全体が不完全になったり、引き立たなかったりすることのたとえ。「画竜点睛」は、中国の絵の名人が壁に竜の絵を描き、最後に瞳を書き入れたら天に昇ったという故事から最後の大事な仕上げの意で、その仕上げを欠いてしまうということから。「睛」は、「瞳」の意。
雁帛(がんぱく)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
聞いて極楽、見て地獄(きいてごくらく、みてじごく)
話に聞くのと実際に見るのでは大差があるというたとえ。
気炎を吐く(きえんをはく)
威勢のいいことを得意げに言うこと。また、意気盛んに議論を交わすこと。 「上げる」は「揚げる」とも書く。 また「気炎を吐く」ともいう。
気が利く(きがきく)
細かなところまで注意が行き届いていて、臨機応変な対応ができること。
気が急く(きがせく)
物事を早く進めようとしたり、急がなければいけないと思ったりして、気持ちが落ち着かないさま。
気が付く(きがつく)
細かなところまで注意が行きとどくこと。
気が向く(きがむく)
それをやろうという気持ちになること。
聞けば気の毒、見れば目の毒(きけばきのどく、みればめのどく)
聞けば聞いたで心を悩ませ、見れば見たで心を悩ませる。聞くもの見るものすべて煩悩の種となり気にかかるということ。
機転が利く(きてんがきく)
その場の状況に応じて、即座に適切な判断や行動ができること。
気の毒は身の毒(きのどくはみのどく)
「気の毒」は自分の気持ちの毒になることの意で、心配事は身体に悪いということ。
決まりが付く(きまりがつく)
物事が何らかの結果に落ち着き、決着すること。
気持ちが傾く(きもちがかたむく)
当初とは考え方や感じ方が変わり、次第にそれが好ましく感じられて惹きつけられること。
客が付く(きゃくがつく)
買い手が決まること。また、接客業などで得意客ができること。
客の朝起き宿の迷惑(きゃくのあさおきやどのめいわく)
泊り客がその家の人より早く起きるのは、対応に困って迷惑するということ。 「客の朝起き宿の迷惑」ともいう。