「ぐ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「ぐ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 181 件
呉牛、月に喘ぐ(ごぎゅう、つきにあえぐ)
取り越し苦労をするたとえ。「呉牛」は、中国の呉地方にいる水牛のこと。呉牛は暑さが苦手で、月を太陽と見誤って喘いだということから。
極楽の入り口で念仏を売る(ごくらくのいりぐちでねんぶつをうる)
知り尽くしている人にものを教えるたとえ。
探りを入れる(さぐりをいれる)
相手の隠していることを気づかれないように知ろうとすること。
沙中の偶語(さちゅうのぐうご)
臣下たちが集まって、密かに謀反の相談をすること。 中国の漢の高祖は、天下を取った後に臣下たちが砂地に集まって話しているのを見つけ、不審に思って調べさせると謀反の相談をしていたという故事から。 「沙中」は砂地。 「偶語」は互いに向かい合って話し合うこと。
鯖の生き腐れ(さばのいきぐされ)
鯖はいたみやすく、新鮮なように見えても腐りはじめてるいることがあるということ。
三軍も帥を奪うべきなり、匹夫も志を奪うべからず(さんぐんもすいをうばうべきなり、ひっぷもこころざしをうばうべからず)
大軍に守られている総大将でも討ち取ることは出来るが、たとえどんなに身分の低い男でも、意思が堅ければ、その志を変えさせることは出来ないということ。人の志は尊重すべきだということ。「三軍」は大軍、「帥」は大将、「匹夫」は身分のいやしい男の意。
敷居を跨ぐ(しきいをまたぐ)
家の中に入ること。または、家に出入りすること。
七年の病に三年の艾を求む(しちねんのやまいにさんねんのもぐさをもとむ)
事態が差し迫って慌てても間に合わないので、日ごろの心がけが大事だということ。七年もの間病気に苦しんだあとで、三年乾かさないといけない上等の艾を求めるということから。
駟の隙を過ぐるが若し(しのげきをすぐるがごとし)
月日が経つのが非常に早いことのたとえ。 「駟」は四頭立ての馬車。 四頭立ての馬車が走り去るのを、戸の隙間からのぞき見るのと同じくらい、時の流れはあっという間であるということ。
シャッポを脱ぐ(しゃっぽをぬぐ)
負けを認めること。降参すること。 「シャッポ」は帽子を指すフランス語。
朱を注ぐ(しゅをそそぐ)
恥ずかしさや怒りなどで顔が赤くなる様子。 「満面朱を注ぐ」ともいう。
尻拭いをする(しりぬぐいをする)
他人の失敗や不始末などの後始末をすること。 「尻を拭う」ともいう。
心血を注ぐ(しんけつをそそぐ)
全力で取り組むこと。
上知と下愚とは移らず(じょうちとかぐとはうつらず)
生まれつき賢い者、また、生まれつき愚かな者はあとからの教育や環境で変わるものではないということ。「上知」はすぐれた知恵、「下愚」はきわめて愚かなこと。
勝れて良き物は勝れて悪し(すぐれてよきものはすぐれてあし)
特にすぐれているということは、悪い面も持ち合わせているから、何事も普通がいいということ。
雀、海に入って蛤となる(すずめ、うみにいってはまぐりとなる)
思いがけない変化があることのたとえ。晩秋の海辺で騒ぐ雀が蛤になるという中国の古い俗信から。
千軒あれば共暮らし(せんけんあればともぐらし)
家が千軒もあれば、そこに住む人たちがそれぞれ商売をしたり互いに物の売り買いをしたりして、ともに生計を立てていくことができるということ。 「共過ぎ」は、人々が互いに助け合って生活していくこと。 「千軒あれば共暮らし」ともいう。
善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや(ぜんにんなおもておうじょうをとぐ、いわんやあくにんをや)
仏の救いを頼みとしない善人でさえ極楽往生を遂げる。まして、仏の救いにすがるしかない悪人が往生できないわけがないということ。
その手は桑名の焼き蛤(そのてはくわなのやきはまぐり)
うまいことを言っても、その手には乗らないというたとえ。 「[[その手は食わない*https://kotowaza.jitenon.jp/kotowaza/7298.php]]」の「食わな」と、焼き蛤で有名な「桑名」を掛けて言った言葉。
大海を手で塞ぐ(たいかいをてでふさぐ)
どうやっても出来るはずのない不可能なことをしようとすることのたとえ。 大海の水を手で堰き止めようとするとの意から。
大軍に関所なし(たいぐんにせきしょなし)
大きな勢力にはかなわないということ。大軍に攻められたらそれをはばむ関所などないという意味から。
大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし)
本当に賢い人は知識をひけらかさないから、一見愚か者のように見えるということ。
大智は愚の如し(たいちはぐのごとし)
真に知恵のある人物は、知識や知恵をひけらかさないので、一見愚か者のように見えるということ。
宝の持ち腐れ(たからのもちぐされ)
役に立つ物を持ちながら、利用しないたとえ。また、優れた才能や手腕がありながら、それを活用しないたとえ。
竹と人の心の直ぐなのは少ない(たけとひとのこころのすぐなのはすくない)
竹は意外に真っ直ぐなものは少なく、人も心が曲がらず正直な者は少ないということ。
蛸の共食い(たこのともぐい)
同類のものが害し合うことのたとえ。
民の口を防ぐは水を防ぐよりも甚だし(たみのくちをふせぐはみずをふせぐよりもはなはだし)
人々の言論の自由を封じることは、川の水をせき止めることよりも困難で危険であるということ。人民の言論の自由を奪うことの危険性をいった言葉。
地下に潜る(ちかにもぐる)
非合法な社会運動や政治活動などを、取り締まりや世間の目の届かない所で秘密裏に行うこと。
血が騒ぐ(ちがさわぐ)
興奮してじっとしていられなくなること。
血の巡りが悪い(ちのめぐりがわるい)
頭の働きが鈍く、理解や判断が遅い。
爪を研ぐ(つめをとぐ)
野望を密かに持ち、準備して機会を待つこと。 獣が爪を鋭くして獲物を捕らえようと待ち構えるとの意から。
面の皮を剝ぐ(つらのかわをはぐ)
図々しい人の正体をあばいて恥をかかせること。 「面皮(めんぴ)を剝ぐ」ともいう。
手薬煉引く(てぐすねひく)
十分用意をして待ち構えること。 「薬煉(くすね)」は弓の弦を強くするために塗る薬で、それを手に取って弦に塗って準備するとの意から。
手癖が悪い(てぐせがわるい)
他人の者を盗む癖があること。 または、女癖が悪いこと。 「手癖」は「てぐせ」とも読む。
手を繋ぐ(てをつなぐ)
互いに協力して行動すること。
天狗になる(てんぐになる)
いい気になってうぬぼれること。自慢すること。自慢することを「鼻が高い」といい、天狗の鼻が高いことから。
天狗の飛び損ない(てんぐのとびそこない)
日ごろ自慢している者が、油断して失敗してしまうことのたとえ。自由自在に飛び回る天狗が、何かの拍子に飛び損なってしまうということから。
点数を稼ぐ(てんすうをかせぐ)
相手に気に入られるようなことをして、立場などをよくしようとすること。
天に跼り地に蹐す(てんにせぐくまりちにぬきあしす)
ひどく怯えて、恐る恐る行動することのたとえ。また、肩身が狭く隠れるように生活することのたとえ。 高い天の下で体を屈め、厚い大地の上を抜き足でひっそりと歩くとの意から。 略して「跼蹐」「[[跼天蹐地*https://yoji.jitenon.jp/yojie/2227.html]]」ともいう。
時を稼ぐ(ときをかせぐ)
準備を整えたり有利な状況になったりするまで長引かせること。 「時間を稼ぐ」ともいう。
とぐろを巻く(とぐろをまく)
数人の人たちが、特に用をするでもなく、ある場所に集まってたむろしている様子。 蛇が体を渦巻き状にしてその場から動かないとの意から。
年寄れば愚に帰る(としよればぐにかえる)
年を取れば、子どものように愚かになってしまうということ。
毒を仰ぐ(どくをあおぐ)
自らの意思で毒を一気に飲むこと。
団栗の背比べ(どんぐりのせいくらべ)
どれも平凡で、特に目立つような優れたものがないことのたとえ。団栗を比べてみても、みんな同じような大きさでほとんど違いがないことから。
流れに枕し石に漱ぐ(ながれにまくらしいしにくちすすぐ)
負け惜しみが強いことのたとえ。また、屁理屈をつけて自分の間違いを正当化することのたとえ。晋の孫楚が「石に枕し、流れに漱ぐ」というべきところを間違えて「石に漱ぎ、流れに枕す」といった時、「石に漱ぐとは歯を磨くこと、流れに枕すとは耳を洗うことだ」とこじつけた故事から。夏目漱石の号もこの故事から。
仲人口は半分に聞け(なこうどぐちははんぶんにきけ)
仲人は縁談をまとめるために両方の良い所ばかりを話すので、話半分に聞いたほうがいいということ。
七つ道具(ななつどうぐ)
常に携行する道具のこと。
二階から目薬(にかいからめぐすり)
思うようにいかず、もどかしいことのたとえ。また、回りくどくて効果のないことのたとえ。 二階から階下の人に目薬をさそうとしても、上手くいかないことから。 「天井から目薬」ともいう。
憎まれ口を叩く(にくまれぐちをたたく)
人から嫌われたり憎たらしく思われるような言い方をすること。
逃ぐるが一の手(にぐるがいちのて)
困難に直面したら、とりあえず逃げて身の安全をはかるのが上策だということ。また、面倒なことは避けるのが一番いい方法だということ。
二八月は船頭のあぐみ時(にはちがつはせんどうのあぐみどき)
二月と八月は、海が荒れて舟が出せない日が多いので、船頭も困るということ。
年貢の納め時(ねんぐのおさめどき)
悪事を重ねてきた者が、ついに捕まって罪に服さなければならない時。また、長い間続けてきた物事をあきらめなくてはならない時。年貢の滞納を清算しなければならない時の意から。
嚢中の物を探るが如し(のうちゅうのものをさぐるがごとし)
袋の中の物を探すように、非常に簡単なことのたとえ。 「嚢中」は袋の中。 「袋の物を探るが如し」ともいう。
敗軍の将は兵を語らず(はいぐんのしょうはへいをかたらず)
失敗した者は、そのことについて弁解する資格がないということ。戦いに敗れた将軍は兵法について発言する資格はないとの意から。
肺腑を抉る(はいふをえぐる)
心の奥底に衝撃を与えることのたとえ。また、深い感銘を与えることのたとえ。 「肺腑」は肺臓のこと。転じて心の底のこと。 「衝く」は「突く」とも書く。 また、「肺腑を貫く」「肺腑を抉る」ともいう。
籌を帷幄に運らし、勝ちを千里の外に決す(はかりごとをいあくにめぐらし、かちをせんりのほかにけっす)
計画や戦略の巧妙なことのたとえ。 「籌」は計略、「帷幄」は幕を張りめぐらした本陣、「千里の外」は遠い場所のこと。 本陣で計略を練り、遠く離れた戦場で勝利するとの意から。 「籌策を帷幄の中に運らし、勝ちを千里の外に決す」ともいう。
恥を雪ぐ(はじをすすぐ)
受けた恥を取り去って、名誉を取り戻すこと。 「雪ぐ」は「そそぐ」とも読む。
畑に蛤(はたけにはまぐり)
見当違いなことのたとえ。畑を掘って蛤を探しても見つかるはずのないことから。
白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし)
月日の過ぎるのが、きわめて早いことのたとえ。 「白駒」は白い馬、「隙」は壁のすき間のこと。 人の一生は、白い馬が走り過ぎるのを壁のすき間からちらっと見るようなものだとの意から。
鼻が胡坐をかく(はながあぐらをかく)
鼻が低く横に広がっている様子。
鼻薬を嗅がせる(はなぐすりをかがせる)
小額の賄賂を贈るたとえ。 「鼻薬」は、ちょっとした賄賂のたとえ。 「鼻薬を利かせる」「鼻薬を飼う」ともいう。
腹黒い(はらぐろい)
表向きは善人そうだが、密かに悪いことを考える性格であること。
腹を探る(はらをさぐる)
相手の考えていることなどをそれとなく知ろうとすること。
範を仰ぐ(はんをあおぐ)
見本として学ぶこと。
馬鹿の大食い(ばかのおおぐい)
愚か者にかぎって大食をするということ。また、食事の作法をわきまえないことの非難していう言葉。 「阿保の大食い」ともいう。
膝っ子に目薬(ひざっこにめぐすり)
はなはだしい見当違いのたとえ。努力しても無駄なことのたとえ。 膝に目薬をさしても効果がないことから。 「尻に目薬」「目薬を尻へさす」「疝気さ目薬」ともいう。
人と屏風は直ぐには立たぬ(ひととびょうぶはすぐにはたたぬ)
屏風は折り曲げないと立たないように、人も真っ正直なだけでは世の中を渡っていくことはできないということ。
一肌脱ぐ(ひとはだぬぐ)
相手を助けるために本気で力を貸すことのたとえ。 仕事をするときの姿、衣服の袖から腕を抜いて上半身の肌をあらわにする「肌脱ぎ」になることから力を尽くすことを意味する。
一人口は食えぬが二人口は食える(ひとりぐちはくえぬがふたりぐちはくえる)
結婚して二人で暮らせば節約できることが多くなり、無駄が多くなりがちな一人暮らしよりも経済的であるということ。 「二人口は過ごせるが一人口は過ごせぬ」ともいう。
火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)
燃えさかっている火に油をかけるように、勢いのあるものにさらに勢いを加えるたとえ。
河豚食う馬鹿、食わぬ馬鹿(ふぐくうばか、くわぬばか)
河豚(ふぐ)には毒があるのでむやみに食べるのも愚かだが、毒を恐れておいしい河豚を食べないのも愚かであるということ。 「河豚食う無分別河豚食わぬ無分別」ともいう。
河豚にも中れば鯛にも中る(ふぐにもあたればたいにもあたる)
運の悪い時には、安全であるはずのものでも害になることがあるというたとえ。毒のある河豚は中毒の危険があるが、毒のない鯛でも害になることもあるということ。
河豚は食いたし命は惜しし(ふぐはくいたしいのちはおしし)
おいしい河豚は食べたいが、毒にあたって命を落とすのが怖くて手が出せない。いい思いはしたいが、あとのたたりが怖くてためらうことのたとえ。
分別過ぐれば愚に返る(ふんべつすぐればぐにかえる)
あまり深く考え過ぎると、かえって失敗するということ。「分別」は思慮の意。
下手の道具調べ(へたのどうぐしらべ)
下手な者にかぎって、道具にこだわり注文をつけるということ。
屁と火事は元から騒ぐ(へとかじはもとからさわぐ)
張本人が一番最初に騒ぎ出すことが多いということのたとえ。 おならをした本人が真っ先に臭いと騒ぎ出し、火元の家の人が最初に火事だと騒ぎ出すとの意から。
減らず口を叩く(へらずぐちをたたく)
負けを認めずに強がりや屁理屈を言うこと。
ぺんぺん草が生える(ぺんぺんぐさがはえる)
建物や土地などが手入れされずに荒れ果てている様子。 「ぺんぺん草」はアブラナ科の植物のナズナの別称。 雑草であるナズナが生えたままになっている様子からいう言葉。
法網を潜る(ほうもうをくぐる)
法律や規則などに引っ掛からないように悪事を働くこと。
星を稼ぐ(ほしをかせぐ)
成績をよくすること。点数を稼ぐこと。
