「つ」で終わる故事・ことわざ・慣用句
「つ」で終わる故事・ことわざ・慣用句 — 191 件
笑殺(しょうさつ)
笑って取り合わないこと。または、馬鹿にして笑うこと。
消息を絶つ(しょうそくをたつ)
連絡が取れなくなり、どこにいるのかわからなくなること。行方不明になる。
所帯を持つ(しょたいをもつ)
独立した生計を立てて一家を構えること。 または、結婚して親元を離れて暮らすこと。
背負って立つ(しょってたつ)
組織や団体などの主要な立場になり、全ての責任を負うこと。
白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ)
多くの人の中から特別に選び出されること。人身御供として選んだ少女の家の屋根に、神が人知れずしるしの白羽の矢を立てたという俗説から。
深窓に育つ(しんそうにそだつ)
良家の女性などが、世間のけがれを知らずに、大切に育てられること。 「深窓」は建物の奥にある部屋。
心腹に落つ(しんぷくにおつ)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
而立(じりつ)
「三十歳」の別称。論語の「三十にして立つ」から。
人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ)
出来る限りのことをして、あとは天命に任せるということ。「人事」は人間の力で出来る事柄、「天命」は天の命令の意。
筋が立つ(すじがたつ)
言動などが道理に適っていて、最初から最後まで一貫していること。
脛に疵持つ(すねにきずもつ)
やましいことや人に知られたくない前歴があることのたとえ。 他人の目につきにくい脛に傷があるとの意から。
精彩を放つ(せいさいをはなつ)
他と比べて、良さが際立っていること。
先手を打つ(せんてをうつ)
これから先に起こるであろうことを予測して対策をしておくこと。 または、相手より先に攻撃を加えること。 また、囲碁や将棋で先に打つこと。
千に一つ(せんにひとつ)
非常に珍しいこと。 多くある中のたったひとつとの意から。
千三つ(せんみつ)
土地や建物の売買や貸金の仲介などを行う人。 千の内、三つくらいしか成立しないとの意から。 または、嘘ばかりつく人。嘘つき。 千の内、三つくらいしか正しいことを言わないとの意から。
千里の野に虎を放つ(せんりののにとらをはなつ)
災いのもとになりそうな危険なものを放っておくことのたとえ。 広い野原に虎を野放しにするとの意から。 「虎を野に放つ」ともいう。
千慮の一失(せんりょのいっしつ)
どんなに賢い人でも、多くの考えの中には一つくらい失敗もあるということ。また、十分に注意していても思わぬ失敗が起こるということ。 「千慮」は、いろいろと考えを巡らすこと。
総毛立つ(そうけだつ)
寒さや恐怖によって全身の毛が逆立つこと。
葬礼九つ酒七つ(そうれいここのつさけななつ)
葬儀は昼の十二時頃、酒宴は午後四時頃に行うのが習わしだということ。
太鼓を持つ(たいこをもつ)
他人に同調して機嫌をとること。太鼓を叩く。
大珠小珠、玉盤に落つ(たいじゅしょうじゅ、ぎょくばんにおつ)
大小の真珠が玉の皿に落ちるように、美しく澄んだ琵琶の音色が響き渡ること。
高みの見物(たかみのけんぶつ)
高い所から下の騒ぎを見物するように、第三者の立場から、事の成り行きを興味本位に傍観すること。「高み」は、高い所の意。
竹の子生活(たけのこせいかつ)
たけのこの皮を一枚ずつはいでいくように、身の回りの物を少しずつ売りながら暮らす生活。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)
いろいろな角度からよく観察すること。 「矯める」は、目を据えてじっと見ること。 「眇める」は、片目を細めて見ること。
袂を分かつ(たもとをわかつ)
それまで行動を共にしていた人と別れる。親しくしていた人との関係を断つ。 「袂」は、着物の袖の垂れ下がって袋のような形をした部分。 「袖を分かつ」ともいう。
長蛇の列(ちょうだのれつ)
非常に長く続いている人の列。 長く続く人の列を蛇にたとえた表現。
提灯を持つ(ちょうちんをもつ)
ある人の手先になって、頼まれてもいないのに、その人を褒めたり宣伝したりすること。
塵に立つ(ちりにたつ)
世間にうわさが立つこと。
月落ち烏啼いて霜天に満つ(つきおちからすないてしもてんにみつ)
月が西に傾いて落ち、烏が鳴いて、霜の気配が夜空に満ちあふれている。夜半の情景をうたった詩句。
鼎沸(ていふつ)
多くの人が盛んに議論すること。また、議論がわき立つこと。鼎(かなえ)は物を煮る大きな銅器のことで、鼎の中がぐらぐら煮えたぎる意から。
鼎立(ていりつ)
三者、三つの勢力が互いに向き合って対立すること。鼎(かなえ)は物を煮る大きな銅器のことで、三本の足で立っていることから。
手付けを打つ(てつけをうつ)
契約を履行する保証として、いくらかの金銭を渡すこと。手付金を渡すこと。
手を打つ(てをうつ)
掌を打ち付けて音を出すこと。 または、問題を解決するために対策すること。 また、話し合いなどがまとまること。交渉などがまとまった時に拍手することから。
天井を打つ(てんじょうをうつ )
相場がこれ以上上がらない最高の値になること。
点を打つ(てんをうつ)
欠点を指摘して責めること。 または、詩歌や文章などを批評すること。
薹が立つ(とうがたつ)
人の盛りの時期が過ぎること。蕗など野菜の花軸が伸びて堅くなること。
時を待つ(ときをまつ)
好機が訪れるのを待つこと。時機を待つこと。
年寄りの物忘れ、若者の無分別(としよりのものわすれ、わかもののむふんべつ)
年寄りは物忘れをしがちで、若者は思慮が足りないふるまいをしがちだということ。それぞれの著しい欠点をあげた言葉。
鳥肌が立つ(とりはだがたつ)
恐怖や寒さなどによって、腕などの毛穴が収縮して、羽を毟(むし)った鳥のようになること。 また、近年では感動を表す言葉として用いられることもある。
駑馬に鞭打つ(どばにむちうつ)
能力のない者に、能力以上のことをさせるたとえ。多くは自分が努力することをへりくだっていう言葉。
仲に立つ(なかにたつ)
仲介役として、両者の間にはいること。
仲を取り持つ(なかをとりもつ)
双方の仲立ちをすること。
名が立つ(ながたつ)
評判が高くなり、世間の噂になることのたとえ。
流れ川を棒で打つ(ながれがわをぼうでうつ)
無駄骨を折ることや、やりがいのない行為のたとえ。 流れゆく川の水面を棒で叩いても、水の流れには何の影響も与えられないことから。
泣く子は育つ(なくこはそだつ)
大きな声でよく泣く子どもは元気で、丈夫にたくましく育つということ。
波風が立つ(なみかぜがたつ)
それまで平穏だったところから、揉め事や争い事が生じるたとえ。
縄を打つ(なわをうつ)
犯人などを捕まえて縄でしばること。
荷が勝つ(にがかつ)
その人が備えている能力に比べて、責任や負担が重すぎる様子。
肉を切らせて骨を断つ(にくをきらせてほねをたつ)
自分自身も犠牲を払いながら、相手にはより大きな打撃を与えることのたとえ。 「肉を斬らせて骨を斬る」「肉を切らせて骨を断つ」などともいう。
逃げを打つ(にげをうつ)
逃げるための支度をすること。責任を負わされないよう事前に策を講じておくこと。
日日是好日(にちにちこれこうじつ)
毎日毎日が平和で良い日であるということ。
抜きつ抜かれつ(ぬきつぬかれつ)
両者の実力が同じくらいで、お互いに追いかけたり追いかけられたりするさま。
盗人にも一理屈(ぬすびとにもひとりくつ)
どんなことでも、こじつければ理屈はつけられるということ。 盗みは悪いことだが、それを正当化する三分ほどの理屈があるとの意から。 「泥棒にも三分の道理」「盗人にも一理屈」ともいう。
寝返りを打つ(ねがえりをうつ)
寝たままの状態で、体の方向をかえること。 また、味方を裏切って敵の仲間に加わること。
根に持つ(ねにもつ)
人から受けた仕打ちをいつまでも忘れず、いまだにそのことを恨んでいる様子。
寝る子は育つ(ねるこはそだつ)
よく眠る子は元気で丈夫に育つということ。
根を断つ(ねをたつ)
悪い行いや関係などを根本から取り去ること。
鼻に反りを打つ(はなにそりをうつ)
鼻高々と自慢すること。「反りを打つ」とは反りかえらせるという意。
腹が立つ(はらがたつ)
怒ること。立腹すること。
腹鼓を打つ(はらつづみをうつ)
満腹になって満足し、鼓を鳴らすように腹を叩いて音を鳴らすこと。 「腹鼓」は「はらつづみ」と読むのが正しいとされるが、「はらづつみ」と読まれる場合も多く、一般的となっている。
腹に一物(はらにいちもつ)
心に何かたくらみを抱いていること。 「腹」は心の中のこと。 「胸に一物」ともいう。
葉を欠いて根を断つ(はをかいてねをたつ)
小さな欠点を直そうして、根本をだめにしてしまうことのたとえ。余分な枝葉を刈り取ろうとして、大事な根を傷つけてしまうということから。
半畳を打つ(はんじょうをうつ)
他人の言動を茶化したり野次ったりすることのたとえ。 「半畳」は、芝居小屋などで見物人が敷いた小さなござのこと。 芝居に不満な時、その半畳を舞台に投げ込んだことから。 「半畳を打つ」ともいう。
馬鹿があればこそ利口が引き立つ(ばかがあればこそりこうがひきたつ)
愚かな人間がいて利口な人間が目立つように、世の中は種々雑多な人間で成り立っている。世の中はさまざまな人間が、持ちつ持たれつの関係で生きているということ。
博打を打つ(ばくちをうつ)
失敗する可能性が高いと分かった上で成功することに期待してやってみること。
膝を打つ(ひざをうつ)
何か思いついたり、感心したりした時に行う動作。
人衆ければ天に勝つ(ひとおおければてんにかつ)
人の勢力が強い時は、道理に背いても、一時的には天の理に勝つこともあるということ。
一芝居打つ(ひとしばいうつ)
作り事を言ったり、見せたりして人を騙そうとすること。
一つよければまた二つ(ひとつよければまたふたつ)
人間の欲望には限りがないということ。 一つ願いが叶えば、もう一つ、さらにもう一つと欲が出て満足することがないとの意から。
人に勝たんと欲する者は必ず先ず自ら勝つ(ひとにかたんとほっするものはかならずまずみずからかつ)
人に勝とうと思うなら、まず自分自身の色々な欲望に打ち勝つ必要があるということ。
人を呪わば穴二つ(ひとをのろわばあなふたつ)
人に悪いことをすれば、いつか自分の身にもはね返ってくるというたとえ。 「穴」は、墓穴のこと。 人を呪い殺そうとすれば、いつか自分もその報いで殺されることになるので、二つの墓穴が必要になるとの意から。
百日の説法、屁一つ(ひゃくにちのせっぽう、へひとつ)
長い間苦労してきたことが、わずかな失敗によって無駄になってしまうことのたとえ。 百日間も説いてきた説法も、お坊さんのおならを一つでありがたみがなくなってしまうとの意から。
百年河清を俟つ(ひゃくねんかせいをまつ)
いつまで待っても実現する見込みがないことのたとえ。また、どんなに待っても無駄なことのたとえ。 常に濁っている中国の黄河の水が澄むのを百年待ち続けることから。 単に「河清を俟つ」、また「百年黄河の澄むを俟つ」ともいう。
微に入り細を穿つ(びにいりさいをうがつ)
非常に細かいところまで気を配る様子。
ピリオドを打つ(ぴりおどをうつ)
物事を終わりにすること。
河豚食う無分別、河豚食わぬ無分別(ふぐくうむふんべつ、ふぐくわぬむふんべつ)
河豚(ふぐ)には毒があるのでむやみに食べるのも愚かだが、毒を恐れておいしい河豚を食べないのも愚かであるということ。 「河豚食う無分別河豚食わぬ無分別」ともいう。
二つに一つ(ふたつにひとつ)
二つの内の一方。 または、二つのどちらかを選ばなければならない状態。
筆が立つ(ふでがたつ)
文章を書くのがうまいこと。
船は帆でもつ、帆は船でもつ(ふねはほでもつ、ほはふねでもつ)
世の中は互いに助け合って成り立っているということ。 帆掛け船は帆がなければ進まず、帆は船があってこそのものとの意から。
分別の上の分別(ふんべつのうえのふんべつ)
思慮の上に思慮を重ねるのがよいということ。「分別」は思慮の意。