「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1117 件
恨み骨髄に徹す(うらみこつずいにてっす)
相手を激しく恨む様子。 相手への恨みが骨の髄まで染みるとの意から。
瓜に爪あり爪に爪なし(うりにつめありつめにつめなし)
「瓜」という漢字と「爪」という漢字の違いを教えた言葉。
瓜の蔓に茄子は生らぬ(うりのつるになすびはならぬ)
一つの原因からは、それ相応の結果しか生まれないということ。また、平凡な親からは、非凡な子どもは生まれないということのたとえ。
瓜二つ(うりふたつ)
縦に二つに割った瓜のように、顔かたちがとてもよく似ていること。
運を待つは死を待つに等し(うんをまつはしをまつにひとし)
努力せずに、ただ幸運を待っているのは、自らの死を待つように愚かなことだということ。
穎脱(えいだつ)
他より抜きん出た才能があること。錐の先端が袋を突き破るという意味から。
英雄、閑日月あり(えいゆう、かんじつげつあり)
英雄といわれるほどの人物は小事にとらわれず悠然としているので、傍から見ると暇な日々を送っているように見えるということ。 「閑日月」は、暇な月日、また気分がゆったりしていること。
越王、怒蛙に式す(えつおう、どあにしょくす)
小さな勇気をも評価して礼をもって称えること。また、ほめることで人のやる気を引き出すこと。 春秋時代、越王が出征の途中、腹をふくらませて立ち向かう蛙を見て、「小さな勇気がある」と称え、車上から敬礼した。この話が国中に広まり、勇者たちが次々に名乗りを上げて集まったという故事から。
悦に入る(えつにいる)
事がうまく運んで満足し、心の中で喜ぶこと。
笑壺に入る(えつぼにいる)
思い通りに事が運んで大喜びすること。
得手に鼻つく(えてにはなつく)
得意なことだと、つい気が緩んで失敗するというたとえ。
江戸っ子は五月の鯉の吹き流し(えどっこはさつきのこいのふきながし)
江戸っ子は口は悪いが気性はさっぱりとしていて、物事にこだわらないということ。また、口先ばかり威勢がよくて意気地がないということ。「吹き流し」は、鯉のぼりのことで、吹き抜けで腹の中が空洞になっていることから。「口先ばかりで腸なし」と続けてもいう。
江戸っ子は宵越しの銭は使わぬ(えどっこはよいごしのぜにはつかわぬ)
江戸っ子はその日に稼いだお金はその日のうちに使ってしまうということ。江戸っ子の気前のよさを自慢して言った言葉。
江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)
意外な場所で、または筋違いのことで、昔の恨みの仕返しをするたとえ。江戸で恨みを受けた相手を、遠い長崎で討ち果たすということから。
海老で鯛を釣る(えびでたいをつる)
わずかな元手や労力で大きな利益を得るたとえ。 略して「[[海老鯛(えびたい)*https://kokugo.jitenon.jp/word/p56920]]」ともいう。 また、「蝦蛄(しゃこ)で鯛を釣る」「雑魚(ざこ)で鯛を釣る」「飯粒(めしつぶ)で鯛を釣る」「麦飯(むぎめし・むぎいい)で鯉を釣る」「鼻糞で鯛を釣る」などともいう。
衣紋を繕う(えもんをつくろう)
襟元をかき合わせて衣服の着崩れを整えること。 また、衣服に乱れがないように気を配ること。
選んで粕を摑む(えらんでかすをつかむ)
えり好みをし過ぎたために、かえってつまらないものを掴んでしまうたとえ。
襟付きが厚い(えりつきがあつい)
金回りがよく、裕福であること。 かつては重ね着ができる者が富裕層とされ、襟元の厚さで貧富が判断されたことから。
襟元に付く(えりもとにつく)
権力者や財産のある人にこびへつらうこと。昔は金持ちほど重ね着をして襟が厚かったことから。
煙霞の痼疾(えんかのこしつ)
自然の風景を愛する気持ちが非常に強いこと。または、隠居して自然と親しみながら暮らすこと。 「烟霞」はもやと霞のこと。転じて自然の景色。 「痼疾」は治ることなく長い期間患っている病。持病。 山水の美しい風景を愛好する習性を持病にたとえた言葉。
縁起を担ぐ(えんぎをかつぐ)
縁起がよいのか縁起が悪いのかを気にすること。 「担ぐ」は何かを気にしたり、とらわれたりすること。
猿猴が月を取る(えんこうがつきをとる)
自分の能力をわきまえず、欲張ったまねをして失敗することのたとえ。 猿が水に映った月を取ろうとしたとき、枝が折れ水に落ちて溺れ死んだという故事から。 「猿猴が月」「水の月取る猿」「月の影取る猿」ともいう。
縁の切れ目は子で繋ぐ(えんのきれめはこでつなぐ)
夫婦仲がうまくいかなくなっても、子どもがいれば縁をつなぎとめてくれるということ。
お誂え向き(おあつらえむき)
希望や要求通りであること。
お医者様でも草津の湯でも惚れた病は治りゃせぬ(おいしゃさまでもくさつのゆでもほれたやまいはなおりゃせぬ)
恋の病は、医者の出す薬や温泉でも治せないというたとえ。 「草津」は「有馬」ともいう。
追いつ追われつ(おいつおわれつ)
両者の実力が同じくらいで、追いかけたり追いかけられたりしている様子。
老いの一徹(おいのいってつ)
自分の意見や意向を押し通そうとする、老人の頑固な気質のこと。「一徹」は頑固の意。
応接に暇あらず(おうせつにいとまあらず)
人の相手をするのに追われて休む暇もないようす。また、ものごとが次から次へと起こって多忙なようす。もとは、美しい自然の風景が次から次に展開し、ゆっくり味わう暇がない意から。
大嘘はつくとも小嘘はつくな(おおうそはつくともこうそはつくな)
誰も信用しなような大きな嘘はついても害が少ないが、小さな嘘は真偽がわかりにくく、人が信じ込む恐れがあるので、ついてはいけないということ。
大木の下に小木育つ(おおきのしたにおぎそだつ)
強大な権力を持つ人物のもとには、その庇護を受けている者がたくさんいることのたとえ。
置き酌失礼、持たぬが不調法(おきじゃくしつれい、もたぬがぶちょうほう)
お酌のとき、置いた杯に酒を注ぐのも失礼だが、杯を持とうとしない受け手も不調法である。酒の席での微妙なおもむきを言ったことば。
奢る者は心常に貧し(おごるものはこころつねにまずし)
贅沢な生活を好む者は、満足することを知らず、満たされずに常に不平不満の気持ちを持ち続け、その心は貧しいということ。
お先棒を担ぐ(おさきぼうをかつぐ)
人の手先になって軽々しく行動すること。 「お先棒」は二人で棒を使って荷物を担ぐ時、棒の前方を担ぐ人のこと。
押しが強い(おしがつよい)
強引に自分の意見や希望を押し通そうとすること。
押し付けがましい(おしつけがましい)
相手の気持ちや事情を考えもせず、自分の意向を強引に押し付けようとするさま。
お釈迦様でも気がつくまい(おしゃかさまでもきがつくまい)
誰も気がつかないだろう、誰も知らないだろうを強調していう言葉。 何でもお見通しのお釈迦様でも知らないだろうとの意から。 「お釈迦様でも御存知あるまい」ともいう。
お陀仏になる(おだぶつになる)
死ぬこと。また、物事が途中でだめになること。 阿弥陀仏を唱えて往生するとの意から。
落ちをつける(おちをつける)
物語や笑い話などの結末を効果的に終わらせること。
押っ取り刀で駆けつける(おっとりがたなでかけつける)
大急ぎで駆けつけること。 緊急のときには、刀を腰に差す余裕もなく手に持って駆けつけるとの意から。
乙に絡む(おつにからむ)
いつもと違い、変に嫌味なことを言う。しつこく言ってからむ。 「乙」は、普段とは違って変なさま。
乙に澄ます(おつにすます)
妙に気取った態度をとる。 「乙」は、普段とは違って変なさま。
お釣りが来る(おつりがくる)
十分に足りていて、余りが出ること。
落つれば同じ谷川の水(おつればおなじたにがわのみず)
出発点は違っていても、行き着く先は同じだということ。また、人間も身分や貧富の差があっても、死ねばみな同じであるということ。 雨・霰(あられ)・雪・氷など形はさまざまでも、地上に落ちてしまえば同じ谷川を流れる水になるとの意から。 「雨霰雪や氷と隔(へだ)つらん落つれば同じ谷川の水」との和歌より。
頤を放つ(おとがいをはなつ)
あごが外れるほど大口を開けて笑うこと。 「頤」はあご、「解く」は外すこと。 「頤を外す」「頤を放つ」ともいう。
男が立つ(おとこがたつ)
男としての名誉や面目が維持できること。
男は二十五の暁まで育つ(おとこはにじゅうごのあかつきまでそだつ)
男は二十五歳くらいまでは成長するということ。
男は松、女は藤(おとこはまつ、おんなはふじ)
男は大地にしっかりと根を張る松のようなもので、女はその松にからむ藤のように男を頼りにするものだということのたとえ。
男冥利に尽きる(おとこみょうりにつきる)
男としてこれ以上の幸福はないということ。「男冥利」は男に生まれた幸せ、「尽きる」はこれ以上はないという意。
落とし前をつける(おとしまえをつける)
失敗や無礼などによるもめごとの後始末をすること。 「落とし前」は、もとは店と客が交渉して、折り合いがつくところまで商品の値段を下げること。
同じ羽の鳥は集まるものだ(おなじはねのとりはあつまるものだ)
同じような趣味や考え方の人間は、自然と集まって仲間になるということ。
鬼の念仏(おにのねんぶつ)
鬼のように冷酷な心を持った者が、うわべだけ情け深い様子を見せること。
尾に鰭付ける(おにひれつける)
あることないことを付け足して物事を大げさに言うこと。 本体に余計な尾や鰭を付け足すことから。 「尾に尾を付ける」ともいう。
鬼も角折る(おにもつのおる)
悪人がふとしたきっかけで、善いことをしたり真人間になったりすることのたとえ。 鬼が邪悪のシンボルである角を折ることから。
尾鰭が付く(おひれがつく)
話に誇張や嘘が付け加わって物事が大げさになることのたとえ。
尾鰭を付ける(おひれをつける)
事実ではないことも付け加えて、話を大げさにすることのたとえ。 魚の本体に尾や鰭を付け加えるとの意から。
オブラートに包む(おぶらーとにつつむ)
相手を刺激するような直接的な表現を避け、遠回しにやわらかく言うこと。 苦い薬をオブラートに包んで飲みやすくすることから。
おべっかを使う(おべっかをつかう)
自分の利益になる相手の機嫌をとり、こびへつらうこと。
溺れる者は藁をも摑む(おぼれるものはわらをもつかむ)
危険が差し迫っているときは、頼りにならないものにまで頼ろうとするということ。 溺れかけている者は、水に浮かぶ藁のような頼りないものにもすがりついて助かろうとするとの意から。
思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)
何かをしようと思ったら、その日が吉日としてすぐに始めるのがよいということ。「吉日」は暦で縁起がいい日。
思う事一つ叶えばまた一つ(おもうことひとつかなえばまたひとつ)
欲望には限りがないということ。一つ望みが叶うと、すぐにまた次を望む意から。
思う壺に嵌まる(おもうつぼにはまる)
期待通りの結果になる。狙い通りになる。 「壺」は、ここでは博打でさいころを入れて振る道具のこと。 さいころの目を思った通りに出すとの意から。
表に立つ(おもてにたつ)
世間にその存在を示して行動すること。
表を繕う(おもてをつくろう)
内情を知られないように、見かけを立派に整えること。
親と月夜はいつも良い(おやとつきよはいつもよい)
親がそばに居る時は何の不安もなく、明るい月の夜は安心して歩けるので、どちらもありがたいということ。
親の意見と茄子の花は千に一つも無駄はない(おやのいけんとなすびのはなはせんにひとつもむだはない)
茄子の花に無駄花がないように、親が子どもにいう意見も一つも無駄がなく、すべて子どもの役に立つことばかりであるということ。
親はなくとも子は育つ(おやはなくともこはそだつ)
親がいなくても、子どもはなんとか成長していく。世の中は、そう心配することもないというたとえ。
及びも付かない(およびもつかない)
差がありすぎて、到底かなわない。
折り合いが付く(おりあいがつく)
互いに譲り合って、納得できる妥協点を見つけること。
折り紙付き(おりがみつき)
絶対に間違いないと保証できること。「折り紙」は、鑑定書のことで、書画や骨董品などに折り紙がついて品質が保証されていたことから。
折り紙を付ける(おりがみをつける)
人物や品物が、確かなものであることを保証すること。 「折り紙」は、書画や刀剣などの鑑定書。
女三人あれば身代が潰れる(おんなさんにんあればしんだいがつぶれる)
娘が三人いると、嫁入り支度で財産がなくなってしまうということ。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
女冥利に尽きる(おんなみょうりにつきる)
女に生まれてこれ以上の幸せはないということ。
隠密の沙汰は高く言え(おんみつのさたはたかくいえ)
秘密の話はこそこそ言わずに大きな声で話せということ。 ひそひそ話は人の好奇心をかきたて注意をひきやすいので、普通に話しているほうが目立たず秘密が守れるとの意から。
海賊が山賊の罪をあげる(かいぞくがさんぞくのつみをあげる)
自分の悪行は棚に上げて他人の悪行を非難するたとえ。また、同類であっても利害が共通しない者は敵対するということ。 「山賊の罪を海賊があげる」ともいう。
快刀、乱麻を断つ(かいとう、らんまをたつ)
込み入ってどうにもならない問題などを、鮮やかに解決することのたとえ。 「快刀」はよく切れる刀、「乱麻」はもつれた麻糸のこと。 切れ味のよい刀で、もつれた麻糸をすぱっと切るとの意から。 略して「快刀乱麻」ともいう。
櫂は三年、櫓は三月(かいはさんねん、ろはみつき)
櫂の扱い方は、櫓の扱い方に比べてずっと難しいということ。
蛙の面に水(かえるのつらにみず)
どんなことをされても気にせず平気でいることのたとえ。蛙は顔に水をかけられても平気でいることから。
顔が立つ(かおがたつ)
その人の面目や名誉がたもたれるということ。
顔が潰れる(かおがつぶれる)
その人の名誉が傷つけられることのたとえ。