「わ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「わ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 785 件
顔で笑って心で泣く(かおでわらってこころでなく)
泣きたいほどつらくても顔では笑ってみせるということ。
顔を合わせる(かおをあわせる)
試合や競技などで対戦相手となる。また、演劇や映画などで共演する。 「顔が合う」ともいう。
隠すより現る(かくすよりあらわる)
隠し事は隠そうとすればするほど目立って、人に知られやすくなるということ。
隠れたるより現るるはなし(かくれたるよりあらわるるはなし)
やましいことや秘密は、隠そうとすればかえって人に知られてしまうというたとえ。
隠れての信は顕われての徳(かくれてのしんはあらわれてのとく)
心中に秘めている誠実さは、いつか自然に外にあらわれて自分自身の利得になるということ。 心中に神仏への信仰心があれば、必ずご利益があるとの意から。 「隠れたる信あらば顕われたる利生」「隠れたる信あらば顕われたる験」ともいう。
陰に回る(かげにまわる)
表立たないところで、人に気づかれないように行動すること。
嘉肴ありと雖も食らわずんばその旨きを知らず(かこうありといえどもくらわずんばそのうまきをしらず)
何事も自分で体験してみなければ、その価値やすばらしさがわからないということ。 「嘉肴」は、おいしい料理。 どんなにおいしい料理も、自分で食べてみなければそのおいしさはわからないとの意から。
駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人(かごにのるひとかつぐひと、そのまたわらじをつくるひと)
人の生き方は、貧富の差や境遇によってさまざまであるということ。また、そのさまざまな人のつながりで、世の中はうまく成り立っているということ。 世の中には駕籠に乗る身分の人もいれば、その駕籠を担ぐひともいる。また、駕籠を担ぐひとの履く草履を作る人もいる。 人の世は持ちつ持たれつであるとの意から。
風向きが悪い(かざむきがわるい)
相手の機嫌がよくないこと。 また、物事の形勢が自分にとって不利な方向にすすむこと。
貸した物は忘れぬが借りたものは忘れる(かしたものはわすれぬがかりたものはわすれる)
人に貸したものは忘れないが、人から借りたものはつい忘れてしまうということ。 人間は身勝手なものだというたとえ。
風の吹き回し(かぜのふきまわし)
そのときの成り行きによって、態度や気分がなどが変わること。 風の吹く方向が、その時々で変化することから。
片口聞いて公事を分くるな(かたくちきいてくじをわくるな)
訴訟の裁きは、一方の言い分だけを聞いて判定してはいけないということ。「片口」は一方だけの言い分、「公事」は訴訟のこと。
肩透かしを食わせる(かたすかしをくわせる)
意気込んで向かったところを、相手にうまくかわされてしまうことのたとえ。 「肩透かし」は、相撲の決まり手の一つであり、相手の攻めをかわして前へ引き倒す技のこと。
河童の川流れ(かっぱのかわながれ)
どんな達人でも、たまには失敗することがあるということ。 泳ぎが得意なはずの河童でも、時には水に押し流されることがあるとの意から。
鼎の沸くが如し(かなえのわくがごとし)
鼎の中で湯が沸き立つように、物事が混乱して騒がしく、おさまりがつかないことのたとえ。
金轡を嵌める(かなぐつわをはめる)
金銭を渡して苦情を言わせないようにすること。また、賄賂を渡して口止めすること。 馬に轡をはめて、乗り手の思いのままに走らせることから。
金槌の川流れ(かなづちのかわながれ)
人に頭が上がらないことのたとえ。また、出世する見込みがないことのたとえ。水に入れた金槌は、柄は浮くが頭の部分は沈むことから。
叶わぬ時には親を出せ(かなわぬときにはおやをだせ)
言い訳に困った時には、親を引き合いに出すことで口実を作れということ。
叶わぬ時の神頼み(かなわぬときのかみだのみ)
普段は信仰心を持たない者が、事が叶わない時だけ、神様に祈って助けてもらおうとすること。
金が言わせる旦那(かねがいわせるだんな)
旦那、旦那と世間からもてはやされるのは、金の力によるものであるということ。
金の貸し借り不和の基(かねのかしかりふわのもと)
金の貸し借りは仲たがいの原因になりがちだから気をつけよという戒め。
金の草鞋で捜す(かねのわらじでさがす)
根気強くあちこち探し回るたとえ。 いくら歩いても擦り減らない金の草鞋で探すという意味から。
金は世界の回り物(かねはせかいのまわりもの)
金は人から人へと渡り回っていくものだから、今は貧しくてもそのうちよくなる時も来るということ。
金は天下の回り物(かねはてんかのまわりもの)
金は人から人へと渡り回っていくものだから、いつか自分の所にも回ってくるはずだから、今は貧しくてもくよくよするなということ。
金は湧き物(かねはわきもの)
金は思いがけなく入ってくることもあるから、金がなくてもくよくよするなということ。
金回りがいい(かねまわりがいい)
収入が多くて経済的に余裕があるさま。
金持ち、金使わず(かねもち、かねつかわず)
金持ちはけちが多いということ。また、金持ちは無駄な金は使わないということ。
金を回す(かねをまわす)
手持ちの金銭を融通する。また、利潤をあげるために他へ投資する。
蚊の食う程にも思わぬ(かのくうほどにもおもわぬ)
影響などをまったく受けないということ。
禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)
わざわいと幸福は、より合わせた縄のように表裏一体を成しているということ。「糾う」とは縄をより合わせること。
紙子着て川へはまる(かみこきてかわへはまる)
軽率な行いによって、自ら破滅を招くことのたとえ。 「紙子」は、渋柿を塗った紙で仕立てた衣服。 紙の服を着て川の中へ入るという無謀なことをいう。
剃刀の刃を渡る(かみそりのはをわたる)
非常に危険で、失敗したら身を損ない兼ねない行動をすること。
髪結い髪結わず(かみゆいかみゆわず)
日頃から仕事で使用しているものは、自分のためには使用しないということ。 また、他人の面倒を見るばかりで、自分のことには手が回らないこと。 「駕籠舁き」は、駕籠に人を乗せて運ぶことを職業にしている人。 駕籠舁きは、自分の駕籠には乗らないとの意から。
体に障る(からだにさわる)
健康を害する原因となる。
体を壊す(からだをこわす)
無理をして健康をそこねる。病気になる。
空振りに終わる(からぶりにおわる)
企てたことが失敗におわること。 「空振り」は、野球やテニスなどでバットやラケットにボールがあたらないこと。
狩人、罠にかかる(かりゅうど、わなにかかる)
人をおとし入れようとして仕組んだ悪だくみで、自分がひどいめにあうことのたとえ。獲物を獲ろうとして仕掛けた罠に猟師自身がかかるということから。
枯れ木も山の賑わい(かれきもやまのにぎわい)
つまらないものでも、ないよりはあったほうがましだというたとえ。枯れ木でもいくらかは山に風情を添えるという意で、自分のことをへりくだって言う言葉。
彼も人なり、我も人なり(かれもひとなり、われもひとなり)
彼も自分と同じ人間なのだから、彼にできることが自分にできないはずはないということ。 努力を怠らなければ、他人にできることは何でもできるということ。
かわいい子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)
子どもがかわいいなら、甘やかして育てるより、世の中に出してつらさや苦しさを経験させたほうがいいということ。
可愛さ余って憎さが百倍(かわいさあまってにくさがひゃくばい)
かわいいと思う気持ちが強ければ強いほど、いったん憎いと思いはじめると憎み方が特別に激しくなるということ。
皮切りの一灸(かわきりのひとひ)
なんでも最初は苦しいものだというたとえ。一番初めにすえる灸が、ひどく熱いと感じられることから。
渇きを覚える(かわきをおぼえる)
欲望を無性に充足させたいと思う気持ちが募ること。 喉が渇いて水を飲みたいと感じるとの意から。
川口で船を破る(かわぐちでふねをわる)
長い航海を終えて港付近の川口で難破することから、成功の直前で失敗することのたとえ。 または、出航時に川口で船を損なうことから、物事の出だしで失敗することのたとえ。
川越して宿とれ(かわこしてやどとれ)
先のことを考えて事前に対策を講じておくべきだということ。また、困難なことは後回しにせずに片付けておくべきだということ。 昔は大きな川には橋がなく、大雨が降ると渡れずに何日も足止めされることもあったので、宿を取るのは川を越してからにしろといわれていたことから。
川立ちは川で果てる(かわだちはかわではてる)
人は得意なことほど油断して、かえって身を滅ぼすことがあるというたとえ。「川立ち」は、川のほとりで生まれ育った泳ぎ上手な人のこと。
川中には立てど人中には立たれず(かわなかにはたてどひとなかにはたたれず)
世渡りは難しいというたとえ。 流れが急な川の中に立つことはできても、世間に流されずに生きることは難しいとの意から。
川に水運ぶ(かわにみずはこぶ)
むだなことのたとえ。
川の字に寝る(かわのじにねる)
漢字の「川」の字のように寝ること。 特に、夫婦が子どもを真ん中にして寝ること。
皮引けば身が付く(かわひけばみがつく)
密接な関係にあるものは、一方に何かが生じると他方にも影響が及ぶことのたとえ。 皮を引っ張れば、その下の肉も一緒に付いてくることから。 「皮引けば身が痛い」ともいう。
川向こうの火事(かわむこうのかじ)
自分にはまったく影響がなく、苦痛を感じないたとえ。向こう岸の火事はこちらまで燃え移ってくる危険がないことから。
変われば変わる(かわればかわる)
人や物がすっかり変わったことに対して、感心したり呆れたりしていう言葉。 「変わる」を強調した言い方。
皮を切らせて肉を切り、肉を切らせて骨を切る(かわをきらせてにくをきり、にくをきらせてほねをきる)
自分自身も犠牲を払いながら、相手にはより大きな打撃を与えることのたとえ。 「肉を斬らせて骨を斬る」「肉を切らせて骨を断つ」などともいう。
感極まる(かんきわまる)
非常に感動し、胸がいっぱいになること。
癇に障る(かんにさわる)
他人の些細な言動などを腹立たしく思うこと。 「癇に触れる」ともいう。
看板に偽りあり(かんばんにいつわりあり)
外見と中身が一致していないこと。看板に掲げているものと、実際に売っているものが違っているということから。
看板に偽りなし(かんばんにいつわりなし)
外見と中身が一致していること。また、言動に行動が伴っていることのたとえ。看板に掲げているものと、実際に売っているものが同じということから。
管鮑の交わり(かんぽうのまじわり)
お互いを理解して心から信じ合った友人付き合いのこと。中国、春秋時代の管仲と鮑叔という二人は若い時から仲が良く、終生変わらぬ友情を持ち続けたという故事から。
歓楽極まりて哀情多し(かんらくきわまりてあいじょうおおし)
喜びや楽しみが極まると、あとは悲しみの情が生じるということ。
歓を極める(かんをきわめる)
大いに楽しんだり、喜んだりすること。 「歓を極める」ともいう。
気が回る(きがまわる)
細かなところまで注意が行き届くこと。
気が弱い(きがよわい)
他人の目が気になって、自分の思い通りの言動ができない様子。
気が若い(きがわかい)
年齢の割に、気持ちの持ち方が若い様子。
気色が悪い(きしょくがわるい)
気味が悪く不快に感じるさま。
気に食わない(きにくわない)
自分の好みや考えに合わず気に入らない様子。
気に障る(きにさわる)
相手の言動を不愉快だと感じること。
昨日は人の身、今日は我が身(きのうはひとのみ、きょうはわがみ)
人の運命は予測しがたく、他人にふりかかった災難が、いつ自分にもふりかかるかわからないということ。
気味が悪い(きみがわるい)
不愉快に感じる。また、恐ろしく感じる。
肝が据わる(きもがすわる)
どんな状況にも慌てたり恐れたりせず、落ち着いていて度胸がある様子。 「肝」は「胆」とも書く。 また、「胆が据わる」は「たんがすわる」とも読む。
客の朝起き宿の迷惑(きゃくのあさおきやどのめいわく)
泊り客がその家の人より早く起きるのは、対応に困って迷惑するということ。 「客の朝起き宿の迷惑」ともいう。
今日は人の上、明日は我が身の上(きょうはひとのうえ、あすはわがみのうえ)
他人に降りかかった不幸や苦しむ姿をみて、明日は自分に起こりえることかもしれないから用心せよ、という教え。
気を回す(きをまわす)
相手の気持ちをあれこれと必要以上に推量すること。
気を悪くする(きをわるくする)
他人の言動によって不愉快な気持ちになること。
金銀は回り持ち(きんぎんはまわりもち)
金は人から人へと渡り回っていくもので、いつか自分の所にも回ってくるはずなので、今は貧しくてもくよくよするなということ。
琴瑟相和す(きんしつあいわす)
夫婦の仲が非常によいたとえ。「瑟」は、大琴。琴と大琴の合奏は音がよく調和することから。
金石の交わり(きんせきのまじわり)
堅い友情で結ばれた、変わらない交わりのこと。 「金石」は、金と石で、きわめて堅いことのたとえ。
義理が悪い(ぎりがわるい)
付き合い上、相手に対してしなければならないことをしていないため、体裁が悪いこと。
食うか食われるか(くうかくわれるか)
優劣がつけられないほど、実力に差のない者同士が生き残りをかけて命懸けで戦うこと。 相手を食うか自分が食われるかとの意から。
食うや食わず(くうやくわず)
食事も満足に取れないほど、非常に生活が苦しいようす。
苦する良かろう楽する悪かろう(くするよかろうらくするわるかろう)
いま苦労すれば将来はよくなり、あとで楽ができるが、いま楽をして遊んで暮らせば、あとで苦労しなければならないということ。