「い」を含む故事・ことわざ・慣用句
「い」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2678 件
ゆっくり急げ(ゆっくりいそげ)
急ぐ時こそ、慎重に行動すべきだということ。
湯に入りて湯に入らざれ(ゆにいりてゆにいらざれ)
何事もほどほどがよいというたとえ。 入浴も度を越すと、健康を損なうこともあるので適度がよいという意味から。
夢は五臓の患い(ゆめはごぞうのわずらい)
夢を見るのは五臓(肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓)が疲れているのが原因だということ。 「患い」は「煩い」とも書く。 また、「夢は五臓の疲れ」ともいう。
ユリイカ(ゆりいか)
「わかった」とか「見つけた」を意味する言葉。アルキメデスが、王冠の純度の測定法を発見した時に叫んだとされる言葉。
湯を沸かして水に入る(ゆをわかしてみずにいる)
せっかくの苦労を無駄にすることのたとえ。 せっかく沸かした湯を使わずに水にしてしまうことから。 「湯を沸かして水に入る」ともいう。
夜明け前が一番暗い(よあけまえがいちばんくらい)
どん底の後には必ずいいことがあるというたとえ。日が昇る直前に一番暗い時間があるということから。
良いうちから養生(よいうちからようじょう)
何事も日ごろから用心すれば、失敗しないですむというたとえ。元気なうちから身体を大切にするのが、健康を保つ秘訣であるということから。
酔いが回る(よいがまわる)
酒に酔って、判断力や感覚が鈍くなること。
宵越しの銭は使わぬ(よいごしのぜにはつかわぬ)
その日に儲けたお金はその日に使ってしまい、翌日には残さないということ。
宵越しの茶は飲むな(よいごしのちゃはのむな)
一度入れて一晩置いたお茶は飲まないようがいいということ。茶葉に含まれる成分が、時間をおくと変質して身体によくないということから。
酔い醒めの水は甘露の味(よいざめのみずはかんろのあじ)
酒に酔って眠ったあとに目覚めて飲む水は、甘露のようにおいしいということ。「甘露」とは中国の伝説で、めでたいしるしに天から降ったといわれる甘い水のこと。
宵っ張りの朝寝坊(よいっぱりのあさねぼう)
夜遅くまで起きていて、朝は遅くまで寝ていること。また、そういう習慣のひと。
酔いどれ怪我せず(よいどれけがせず)
酔っ払いは足もとがおぼつかないが、案外怪我をしない。我を忘れて無心な人は、大きな失敗をしないものだというたとえ。
良い仲には垣をせよ(よいなかにはかきをせよ)
親しい間柄でも遠慮がなくなると不仲のもとになるので、節度を守れという戒めの言葉。 「思う仲には垣をせよ」「良い仲には垣をせよ」「睦まじき仲に垣をせよ」「近しき仲にも垣を結え」などともいう。
よい花は後から(よいはなはあとから)
優れたものは後から現れるということ。 はじめに咲く花より、後から咲く花のほうが美しいという意味から。
洋の東西を問わず(ようのとうざいをとわず)
東洋も西洋も区別なく。世界中どこでも。
漸く佳境に入る(ようやくかきょうにいる)
次第に興味深い所に入っていくということ。また、ある状況の最盛期にもいう。
要領がいい(ようりょうがいい)
物事の処理の仕方がうまいこと。 また、自分に有利になるように、巧みに立ち回ること。
よく言う(よくいう)
よくもそんな事がぬけぬけと言えたものだ。 相手の厚かましい物言いに対して、非難の気持ちを込めて言う言葉。
欲が深い(よくがふかい)
欲求や願望が度を越えていること。
欲に頂なし(よくにいただきなし)
人間の欲望には限りがないということ。
欲に目が無い(よくにめがない)
欲のために理性を失い、正常な判断ができなくなること。 「欲には目見えず」「欲に目が無い」ともいう。
欲を言えば(よくをいえば)
今のままでも十分ではあるが、さらに望むとすれば。
避けて通せ酒の酔い(よけてとおせさけのよい)
酔っ払いには、かかわらないほうがよいということ。
預言者郷里に容れられず(よげんしゃきょうりにいれられず)
優れた人物であっても、身近な人には認められず尊敬されにくいということ。 すぐれた預言者も、子どもの頃からよく知っている人たちにとっては、普通の人しか思えないため尊ばれないとの意から。
横板に雨垂れ(よこいたにあまだれ)
詰まりながら話すことのたとえ。 「立て板に水」をもじった言葉。
横の物を縦にもしない(よこのものをたてにもしない)
面倒くさがって、簡単にできることもしないことのたとえ。 横着な人のたとえ。 「縦の物を横にもしない」ともいう。
横槍を入れる(よこやりをいれる)
他人の話や仕事に、はたから文句をつけること。
葦の髄から天井を覗く(よしのずいからてんじょうをのぞく)
極めて狭い見方や考え方で大きな問題を判断することのたとえ。 葦の茎の小さな穴から天井の一部分を見て、天井の全てを見たと思い込むことから。 江戸いろはがるたの一つ。
余勢を駆る(よせいをかる)
何かを成し遂げた勢いのまま、次の行動に移ること。
装いを新たにする(よそおいをあらたにする)
今までの印象を変えるため、外観などを新しくすること。
予断を許さない(よだんをゆるさない)
状況が厳しく、前もって判断することが難しいこと。
世に入れられる(よにいれられる)
広く世間に認められること。
余の辞書には不可能という言葉はない(よのじしょにはふかのうということばはない)
自分には不可能なことはないということ、世の中には出来ないことなどないということ。「余」は「予」とも書く。通説としてナポレオンの言葉といわれている。
世の中には月夜ばかりはない(よのなかにはつきよばかりはない)
いつも明るい月夜ばかりではなく、闇夜もあるから気をつけろということ。脅し文句として使われる言葉。
世の習い(よのならい)
世間のならわし。世間では普通のこと。
世は相持ち(よはあいもち)
世の中はお互いに助け合っていくことで成り立つということ。 「世の中は相持ち」ともいう。
呼び声が高い(よびごえがたかい)
有力な候補者として噂されること。評判が高いこと。
読みが深い(よみがふかい)
物事の真相を理解する能力がすぐれていること。 また状況の移り変わりを先まで見通していること。
夜も日も明けない(よもひもあけない)
その物がないと少しの間も過ごせないほど、何かに執着しているさま。
寄らば大樹の陰(よらばたいじゅのかげ)
人を頼るなら、社会的に勢力がある人がよいというたとえ。 身を寄せるなら、大きな木の下が安全であることから。 「立ち寄らば大木の陰」「立ち寄らば大樹の陰」「寄らば大木の下」ともいう。
来年の事を言えば鬼が笑う(らいねんのことをいえばおにがわらう)
来年のことはわからない。未来のことは予測できないというたとえ。
楽隠居楽に苦しむ(らくいんきょらくにくるしむ)
楽隠居は何もすることがないので、かえって苦痛を感じるものである。気楽な暮らしも、毎日では暇を持て余してしまうというたとえ。
烙印を押される(らくいんをおされる)
拭い去ることのできない悪い評判を受けること。 「烙印」は昔の囚人が刑罰として受ける焼き印のこと。
埒が明かない(らちがあかない)
物事が片付かないこと。決着が付かないこと。 「埒」は馬場を囲う柵のこと。転じて、物事の区切りのたとえ。
落花情あれども流水意なし(らっかじょうあれどもりゅうすいいなし)
一方には恋しく思う気持ちがあるのに、相手に思いが通じないことのたとえ。 散る花は流れる水を慕うが、川はそしらぬ顔で流れていくことから。
落花流水の情(らっかりゅうすいのじょう)
男女が慕い合う気持ちを持っていることのたとえ。散る花は、流れのままに流されて行きたいと思い、流れる水は散った花を浮かべて流れたいと思っている意から。
乱世の英雄(らんせのえいゆう)
世の中の乱れに乗じて活躍する英雄のこと。中国、後漢の時代、許劭が曹操を評して言ったという故事から。
理解に苦しむ(りかいにくるしむ)
言動や考えに対して、納得できる理由が思い浮かばずに悩ましく思うこと。
理外の理(りがいのり)
普通の道理では判断することの出来ない難しい道理。「理外」は理屈だけでは説明のつかないことで、常識を超えた理の意から。
理屈上手の行い下手(りくつじょうずのおこないべた)
理屈を言うのは上手だが、いざ実践となるとさっぱりだめなこと。
理屈を言えば腹が立つ(りくつをいえばはらがたつ)
自分の正当性を主張しても腹が立つばかりだから、理屈にこだわず適当に妥協したほうが得策であるということ。
立錐の余地もない(りっすいのよちもない)
人や物ががぎっしりと詰まってまったく余裕がない様子。錐を立てるほどの隙間もない意から。
溜飲が下がる(りゅういんがさがる)
不平や不満が消え去り、すっきりした気分になること。「溜飲」は消化不良の時に、胃から突き上げてくる酸っぱい液で、それがなくなるということから。
柳営(りゅうえい)
将軍がいる陣営。幕府。 中国の漢の将軍である周亜夫が細柳という場所で陣営を構え、軍規を徹底させたことを文帝に称えられたという故事から。
竜虎相搏つ(りゅうこあいうつ)
強豪同士が勝負を競うこと。
柳絮の才(りゅうじょのさい)
非凡な才女のこと。「柳絮の才」とは、柳の綿毛のこと。中国、晋の謝安が姪の謝道韞に、降り出した雪が何に似ているか聞いたところ、柳の綿毛の飛ぶさまにたとえた。謝安が感心して「柳絮の才高し」と言ったというという故事から。
竜は一寸にして昇天の気あり(りゅうはいっすんにしてしょうてんのきあり)
すぐれた人物は幼少期からすぐれたところがあることのたとえ。 竜は一寸の大きさの頃から天に昇ろうとする気迫に満ちているということから。
竜を画いて狗に類す(りゅうをえがいていぬにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
良工は材を択ばず(りょうこうはざいをえらばず)
すぐれた技術を持つ人は、材料の良し悪しなど問題にしないということ。
遼東の豕(りょうとうのいのこ)
世間知らずが、つまらない事を自慢して得意になることのたとえ。遼東では珍しいとされた白頭の豚が、河東ではありふれたもので、君子に白頭の豚を献上しようとした男が、その事を恥じて遼東に帰ったという故事から。
両方聞いて下知をなせ(りょうほうきいてげちをなせ)
争い事に判断を下す時は、両方の言い分を公平に聞いてから判断すべきだということ。「下知」は「げじ」とも言い、指図・命令の意。
両両相俟って(りょうりょうあいまって)
互いが互いの欠点などを補い合って、良い効果を生む様子。
悋気は恋の命(りんきはこいのいのち)
やきもちを焼くのは、恋をしている証拠で焼かれなくなったらお終いだということ。
累月に及ぶ(るいげつにおよぶ)
数か月に渡って続くこと。
涙腺が緩む(るいせんがゆるむ)
涙を流すこと。 または、ちょっとしたことでも涙が出るようになること。涙もろくなること。
類は友を呼ぶ(るいはともをよぶ)
気の合う者、似た者同士は自然に寄り集まって仲間になるということ。
累卵の危うき(るいらんのあやうき)
卵を積み重ねたように、非常に不安定で危険なようす。
塁を摩す(るいをます)
技量・地位などが接近し、ほぼ同じ程度に達するたとえ。「塁」は砦のことで、相手の塁を摩るぐらい近づく意から。
類を以て集まる(るいをもってあつまる)
似通った者同士は自然に寄り集まるということのたとえ。
留守見舞いは間遠にせよ(るすみまいはまどおにせよ)
主人が不在中の家を頻繁に訪れると、あらぬ疑いをかけられるから、ほどほどにしたほうがいいということ。
例外のない規則はない(れいがいのないきそくはない)
どんな規則にも、それが適用しきれない事態が必ずあり、例外はつきものだということ。
礼儀も事による(れいぎもことによる)
礼儀作法を守ってさえいればいいというものではなく、事と場合によっては、礼儀が二の次になることもあるということ。
冷水を浴びせる(れいすいをあびせる)
意気込んでいる人に元気を無くすような言動をすること。
礼に始まり、乱に終わる(れいにはじまり、らんにおわる)
酒宴は始まりこそ礼儀正しくとも、宴の終わるころには礼儀も何もなく乱れるものだということ。
例によって例の如し(れいによってれいのごとし)
目新しいことや変わったこともなく、いつも通りということ。
礼は急げ(れいはいそげ)
出来るだけ早くお礼をしたほうが、感謝の気持ちが相手によく伝わるということ。
礼は宜しきに随うべし、令は俗に従うべし(れいはよろしきにしたがうべし、れいはぞくにしたがうべし)
決まった形式がある礼儀も、時に応じて変えてもよい。また、法令はその土地の風俗に合うように定めるのがよいということ。
礼も過ぎれば無礼になる(れいもすぎればぶれいになる)
礼儀も度が過ぎれば、かえって失礼になるということ。
礼を失する(れいをしっする)
礼儀を欠いた態度をとること。