「す」を含む故事・ことわざ・慣用句
「す」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1223 件
罪なことをする(つみなことをする)
相手に対して、思いやりのない酷いことをすること。
罪の疑わしきは軽くし、功の疑わしきは重くす(つみのうたがわしきはかるくし、こうのうたがわしきはおもくす)
罪状が疑わしいときはなるべく罪を軽く、功績の疑わしいときはできるだけ手厚く賞するのがよいということ。 「罪の疑わしきは軽くせよ、功の疑わしきは重くせよ」ともいう。
爪痕を残す(つめあとをのこす)
災害や戦争などの被害や影響が後々まで及ぶこと。 または、爪で体を掻いた跡が残ること。
爪で拾って箕でこぼす(つめでひろってみでこぼす)
苦労して蓄えたものを、一度に使い果たしてしまうことのたとえ。 「箕」は穀物をふるうための道具。 爪の先で拾うようにしてやっと集めたものを、箕で一度にこぼしてしまうとの意から。
爪に火を点す(つめにひをともす)
非常にけちなたとえ。また、大変貧しく、倹約する暮らしのたとえ。
釣りする馬鹿に見る阿呆(つりするばかにみるあほう)
魚釣りをする人間も、それを見ている人間も、どちらも無駄な時間を過ごしている、と釣り好きをあざけった言葉。
手足を伸ばす(てあしをのばす)
ゆっくりと休むこと。のんびりとくつろぐこと。
亭主の好きな赤烏帽子(ていしゅのすきなあかえぼし)
どのようなことでも、一家の主人が言うからには従わなければいけないということ。 黒塗りが普通である烏帽子も、主人が赤い烏帽子を好めば家族は同調すべきであるとの意から。
亭主の好きを客に出す(ていしゅのすきをきゃくにだす)
自分の好きなものは相手も好きだと思い込んでしまい、無理に押しつけがちであるということ。 主人の好物を客にふるまうことから。
亭主は達者で留守が良い(ていしゅはたっしゃでるすがよい)
亭主は元気で、外で働いてくれたほうが、女房は家でのんびりできるということ。
手が透く(てがすく)
仕事が終わったり一区切りついたりして、時間に余裕ができること。 「手が透く」ともいう。
手薬煉引く(てぐすねひく)
十分用意をして待ち構えること。 「薬煉(くすね)」は弓の弦を強くするために塗る薬で、それを手に取って弦に塗って準備するとの意から。
梃子入れをする(てこいれをする)
衰えているものに手を加えて改善すること。 または、下落している相場を人為的に操作して引き上げること。 「梃子入れ」は「梃入れ」とも書く。
鉄槌を下す(てっついをくだす)
この上なく厳しい罰を与えること。 「鉄槌」は大きな金槌のこと。
手でする事を足でする(てですることをあしでする)
正しい方法を用いずに、誤ったやり方をするたとえ。
手に据えた鷹を逸らしたよう(てにすえたたかをそらしたよう)
一度手に入れた大事なものを失うことのたとえ。 大事に飼い慣らした鷹に逃げられてしまうとの意から。
手にする(てにする)
自分の手で実際に持つこと。または、自分の所有とすること。
手に唾する(てにつばきする)
物事を行う前に気持ちを奮い立たせる様子。 重い物を持つ前に手に唾をかけるということから。
手の裏を返す(てのうらをかえす)
言葉や態度などをがらりと変えることのたとえ。
手の平を返す(てのひらをかえす)
言葉や態度などをがらりと変えることのたとえ。
寺の隣に鬼が棲む(てらのとなりにおにがすむ)
この世の中は、善人と悪人が入り混じっているというたとえ。慈悲深い寺の隣に冷酷な鬼が棲んでいるということから。
手を返す(てをかえす)
言葉や態度などをがらりと変えることのたとえ。
手を貸す(てをかす)
他人の助力をすること。手伝うこと。
手を下す(てをくだす)
その人本人が直接行うこと。
手を擦る(てをする)
両手を擦り合わせること。 謝罪や感謝などの気持ちを表す動作。
手を出して火傷する(てをだしてやけどする)
余計な手出しをして、ひどい目に遭うこと。
手を出す(てをだす)
ある物事に進んで関わりを持つこと。 または、暴力を振るうこと。 また、女性と関わりを持つために近づくこと。言い寄ること。
手を尽くす(てをつくす)
目的のために、できることを全てやってみること。
手を延ばす(てをのばす)
新しい方面や分野に進出すること。
手を回す(てをまわす)
物事をうまく進めるために事前に対策しておくこと。
手を結ぶ(てをむすぶ)
協力して物事に取り組むこと。
手を休める(てをやすめる)
行っている物事を一時的に中断して休憩すること。
手を汚す(てをよごす)
面倒なことや好ましくないことを自らの手で行うこと。
手を煩わす(てをわずらわす)
人の世話になること。面倒をかけること。
天機洩らすべからず(てんきもらすべからず)
重大な秘密は絶対に洩らしてはいけないということ。「天機」は、天の神が決めた機密の意。
天災は忘れた頃にやってくる(てんさいはわすれたころにやってくる)
災害は人々がその恐ろしさを忘れた頃にまた襲ってくるものであるということ。 油断は禁物で用心を怠ってはいけないという戒めの言葉。 物理学者・随筆家の寺田寅彦の言葉。 「災害は忘れた頃にやってくる」ともいう。
天寿を全うする(てんじゅをまっとうする)
長生きして老衰によって自然に死ぬこと。寿命が尽きて死ぬこと。
点数を稼ぐ(てんすうをかせぐ)
相手に気に入られるようなことをして、立場などをよくしようとすること。
天地、夏冬、雪と墨(てんち、なつふゆ、ゆきとすみ)
まったく正反対なこと、非常に差があることのたとえ。
天に跼り地に蹐す(てんにせぐくまりちにぬきあしす)
ひどく怯えて、恐る恐る行動することのたとえ。また、肩身が狭く隠れるように生活することのたとえ。 高い天の下で体を屈め、厚い大地の上を抜き足でひっそりと歩くとの意から。 略して「跼蹐」「[[跼天蹐地*https://yoji.jitenon.jp/yojie/2227.html]]」ともいう。
天に唾す(てんにつばきす)
他人に害を与えようとして、逆に自分がひどい目に遭うことのたとえ。 上を向いて唾をはくと、自分の顔に落ちてくることから。 「天を仰いで唾す」「天を仰いで唾する」「仰いで唾を吐く」などともいう。
天は自ら助くる者を助く(てんはみずからたすくるものをたすく)
天は、人に頼らず自ら努力する者に力を貸し、幸福を与えるということ。 「神は自ら助くる者を助く」ともいう。
天を摩する(てんをまする)
山や建物などが天に触れるほど高いさま。[[摩天楼*https://kokugo.jitenon.jp/word/p48214]]。
泥酔(でいすい)
正体をなくすほど酒に酔うこと。
泥中の蓮(でいちゅうのはす)
汚れた環境の中でも、それに染まらず清らかに生きていることのたとえ。汚い泥の中でも蓮は清らかな花を咲かせることから。
デマを飛ばす(でまをとばす)
根拠のない嘘や噂話などを言いふらすこと。
頭角を現す(とうかくをあらわす)
才能や腕前が群を抜いてすぐれ、際立って目立つこと。「頭角」とは頭の先のことで、大勢の中で頭の先を他者より高く現しているという意味。
等閑に付す(とうかんにふす)
物事をいい加減に扱ったり、放っておいたりすること。
峠を越す(とうげをこす)
物事の最も盛んな時期や危険な時期を過ぎること。 「山を越す」ともいう。
豆腐に鎹(とうふにかすがい)
少しも手ごたえや効果がないことのたとえ。「鎹」は、材木をつなぎ止めるためのコの字型の釘のことで、豆腐に鎹を打っても何の効き目もないことから。
灯滅せんとして光を増す(とうめっせんとしてひかりをます)
病人が死ぬ間際に一時的に回復したり、物事が滅びる前に一時勢いを盛り返すことのたとえ。灯火が消える直前に明るく輝くことから。
桃李もの言わざれども下自ずから蹊を成す(とうりものいわざれどもしたおのずからけいをなす)
徳のある人のもとへは、自然に人々が集まることのたとえ。 桃や李(すもも)は何も言わないがその花や実に惹かれて人が集まり、木の下には自然に小道ができるとの意から。 「蹊」は小道のこと。 「成蹊」ともいう。
遠きに行くは必ず近きよりす(とおきにゆくはかならずちかきよりす)
物事を行う場合は、順序を踏んで着実に進めなければならないということ。 遠くに行く時も近い場所から歩き始めることから。
遠くなれば薄くなる(とおくなればうすくなる)
親しかった者でも、遠ざかればだんだん情が薄れていくということ。
十で神童、十五で才子、二十過ぎれば只の人(とおでしんどう、じゅうごでさいし、はたちすぎればただのひと)
子どものころは並外れた秀才と思われていた人も、成長すれば平凡な人間になることが多いということ。
時は得難くして失い易し(ときはえがたくしてうしないやすし)
好機はめったにめぐってこないし、油断するとすぐに去ってしまうということ。また、時は二度とめぐってこないので、わずかな時間も大切に過ごすべきであるということ。
禿筆を呵す(とくひつをかす)
下手な文章を書くこと。自身の文章を謙遜していう言葉。 「禿筆」は穂先の切れた筆のこと。 「呵す」は息を吹きかけること。
床に臥す(とこにふす)
病気になって寝込むこと。
年が薬(としがくすり)
年を取るにつれて分別が身に付いてくるということ。 「年こそ薬なれ」ともいう。
年寄りの物忘れ、若者の無分別(としよりのものわすれ、わかもののむふんべつ)
年寄りは物忘れをしがちで、若者は思慮が足りないふるまいをしがちだということ。それぞれの著しい欠点をあげた言葉。
止めを刺す(とどめをさす)
二度と立ち上がれなくなるほどの決定的な打撃を与えること。息の根をとめる。 または、後から問題にならないように急所を押さえておくこと。 また、同じ種類のものの中でもっともすぐれていること。それに限る。
堵に安んず(とにやすんず)
心を落ち着けて暮らすこと。安心して暮らすこと。 「安堵」の語源とされる言葉。
飛ぶ鳥懐に入る時は狩人も助く(とぶとりふところにいるときはかりゅうどもたすく)
窮地に陥った者が救いを求めてくれば、どんな事情があっても助けるのが人情であるというたとえ。 追いつめられた鳥が自分のふところに飛び込んでくれば、さすがの猟師も殺したりは出来ないということから。
飛ぶ鳥を落とす(とぶとりをおとす)
権力や勢力が盛んで、多くの人々が従う様子。
飛ぶ鳥を落とす勢い(とぶとりをおとすいきおい)
権力や勢力が盛んな様子。 空を飛んでいる鳥さえ落としてしまうほどの勢いとの意から。
虎は死して皮を留め、人は死して名を残す(とらはししてかわをとどめ、ひとはししてなをのこす)
虎は死後立派な皮を残して珍重され、人は死後その功績により名声が語り継がれるということ。 「虎」は「豹」、「留め・留む」は「残し・残す」ともいう。
虎は千里の藪に栖む(とらはせんりのやぶにすむ)
優れたものは、広々として奥深い所にいるということ。虎は千里もあるような広い藪にすんでいるということから。
虎を描いて狗に類す(とらをえがいていぬにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 虎を書こうとして犬の絵になってしまうということから。
虎を描いて猫に類す(とらをえがいてねこにるいす)
凡人が優れた人の真似をして、軽薄になることのたとえ。また、立派過ぎるものを求めて失敗することのたとえ。 「虎を描いて狗に類す」に同じ。
鳥の将に死なんとする、その鳴くや哀し(とりのまさにしなんとする、そのなくやかなし)
鳥の死に際の鳴き声は人の心を打つほど悲痛に響くということ。このあとに「人の将に死なんとするその言や善し」と続き、人が死に際にいう言葉には真実が込められているという意で使われる。
同舟相救う(どうしゅうあいすくう)
仲が悪い者同士や見知らぬ者同士でも、いざという時は助け合うことのたとえ。 同じ舟に乗り合わせた人々は、舟が沈みそうな時は力を合わせて助け合うとの意から。
度が過ぎる(どがすぎる)
程度が許容される限度を越えていること。
度胸が据わる(どきょうがすわる)
何が起こっても動じない心が備わること。
度胸を据える(どきょうをすえる)
何事にも動じないと心に決める。覚悟を決める。
毒にも薬にもならない(どくにもくすりにもならない)
害にもならないが役にも立たない、あってもなくてもいいもの、居ても居なくてもいい人のたとえ。
毒薬変じて薬となる(どくやくへんじてくすりとなる)
有害なものが一転して有益なものになることのたとえ。また、同じ物が使い方によって、毒にも薬にもなることのたとえ。 「毒薬変じて甘露となる」ともいう。
毒を以て毒を制す(どくをもってどくをせいす)
悪を排除するのに、他の悪を使うことのたとえ。
どこで暮らすも一生(どこでくらすもいっしょう)
どんな所で暮らしても人の一生に変わりがないから、どうせなら楽しく暮らせる所に住みたいということ。
どこの烏も黒さは変わらぬ(どこのからすもくろさはかわらぬ)
どこに行っても、そう目新しいものはないということ。また、どこの国でも人間の本性同じだということ。 「どこの烏も黒い」「どこの鶏も裸足」ともいう。
どすが利く(どすがきく)
声や話し方に、相手を脅すような凄みがあること。