「た」を含む故事・ことわざ・慣用句
「た」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1535 件
肩を窄める(かたをすぼめる)
肩を落とすように身を縮める様子。 また、寒さや肩身が狭い思いをして元気がない様子。
肩を叩く(かたをたたく)
相手の肩を軽くたたきながら頼みごとをすること。 特に、上役が部下に退職を勧めるときに用いられる。
片を付ける(かたをつける)
ものごとを処理・解決すること。
肩を並べる(かたをならべる)
横に並ぶこと。また、実力や地位が対等の位置に立つこと。
肩を持つ(かたをもつ)
その人の味方になって、援助したりかばったりする。
癩の瘡うらみ(かったいのかさうらみ)
大差のないものを見てうらやむこと。また、愚痴をいうこと。 「癩」はハンセン病、「瘡」は梅毒のこと。 「うらみ」は「うらやみ」がなまって変わったもの。また、一説に恨みのこと。 ハンセン病の患者が梅毒の患者をうらやむの意から。 「江戸いろはかるた」の一つであるが、現代では別の語に差し替えられることもある。
勝った自慢は負けての後悔(かったじまんはまけてのこうかい)
勝負に勝った時に自慢しすぎると、負けた時に引っ込みがつかず、恥ずかしい思いをして後悔するということ。
褐を被て玉を懐く(かつをきてたまをいだく)
すぐれた才能を世間に知られないように隠していることのたとえ。 「褐」は粗末な衣服、「玉」はすぐれた才能のこと。 粗末な身なりをしていても、内にはすぐれた才能を秘めているとの意から。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
人から疑われるような行動は避けるべきであるという戒めの言葉。 「瓜田」は、瓜(うり)を育てている畑。 「李下」は、李(すもも)の木の下。 瓜を盗むのではないかと疑われるので瓜田では靴を履きなおしてはいけない、李を盗むのではないかと疑われるので李の木の下では冠をかぶりなおしてはいけないということ。 単に「瓜田に履を納れず」「李下に冠を正さず」ともいう。 また、「李下の冠、瓜田の履」ともいう。
角が立つ(かどがたつ)
人と人との関係が険悪になること。また、事が荒だつこと。
角番に立つ(かどばんにたつ)
その成否が、これからの運命を決定する重大な局面をむかえること。 「角番」は、囲碁・将棋・相撲などでその勝負に敗れると負けが決まる局番。相撲では、負け越すと大関の地位から降格する場所のこと。
門松は冥土の旅の一里塚(かどまつはめいどのたびのいちりづか)
門松はめでたいものだが、飾るたびに年を重ね死に近づくので、いわばあの世に向かう一里塚のようなものだということ。 「冥土」は、あの世のこと。 「一里塚」は、街道に一里ごとに築かれ、旅人のための里程標となった塚のこと。 この歌は一休作という説があり、このあとに「めでたくもありめでたくもなし」と続けてもいわれる。
角を立てる(かどをたてる)
相手の気に障るような行動や発言をして、事を荒だてること。
金縛りにあったよう(かなしばりにあったよう)
恐怖などで急に体がこわばって身動きができない様子。 また、借金など金銭に関する都合により自由を奪われている状態のこと。 「金縛り」は、鎖などで縛りつけること。
蟹を縦に歩かせることはできない(かにをたてにあるかせることはできない)
横に歩く蟹を縦に歩かせるのは無理なように、生まれつきの性格は変えられないということ。
金が敵(かねがかたき)
人が悩んだり苦しんだりする原因が金であることが多い。金は敵のようなものだということ。また、なかなか敵に巡りあえないように、金運との巡りあいも難しいということ。
鉦太鼓で捜す(かねたいこでさがす)
大騒ぎをして、大勢であちこち捜し回るようす。昔、迷子を捜す時に鉦や太鼓を打ち鳴らしたことから。
金と塵は積もるほど汚い(かねとちりはつもるほどきたない)
金持ちになればなるほど、欲深くけちになることをあざけっていうことば。
金の草鞋で尋ねる(かねのわらじでたずねる)
根気強くあちこち探し回るたとえ。 いくら歩いても擦り減らない金の草鞋で探すという意味から。
金は命の親、命の敵(かねはいのちのおや、いのちのかたき)
金によって命を助けられることもあれば、逆に命を落とすこともあるというたとえ。
金は片行き(かねはかたいき)
金は、ある所にはたくさんあるのに、ない所にはさっぱりないということ。
金は三欠くに溜まる(かねはさんかくにたまる)
義理と人情と交際の三つを欠くぐらいでなければ、お金はたまらないということ。
金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い(かねもちとはいふきはたまるほどきたない)
金持ちは、財産を増やそうとしたり、減らすまいとしてけちになり、心が卑しくなるというたとえ。「灰吹き」はたばこの吸い殻を入れる竹筒のことで、吸い殻が溜まることと金が貯まることをかけている。
鉦や太鼓で探す(かねやたいこでさがす)
大騒ぎをして、大勢であちこち捜し回るようす。昔、迷子を捜す時に鉦や太鼓を打ち鳴らしたことから。
金を貸したのが円の切れ目(かねをかしたのがえんのきれめ)
金の貸し借りには問題が起こりやすく、親しい友人同士でも金の貸し借りはするべきではないという戒め。
壁に突き当たる(かべにつきあたる)
大きな困難や障害にぶつかって、前に進めずに行き詰ること。
鎌首をもたげる(かまくびをもたげる)
よくないことが起こる気配がある。また、暫く鳴りをひそめていた動きが再び活発化すること。 「鎌首」は、ヘビやカマキリなどが威嚇や攻撃をするために、鎌のように持ち上げた首。 「もたげる」は、持ち上げること。多くは、よくない動きについていう。
竈の下の灰まで(かまどのしたのはいまで)
家の中の物すべて、財産すべてということ。 かまどの灰にいたるまで残らず全部との意から。
噛み合う犬は呼び難し(かみあういぬはよびがたし)
何かに熱中していると、他から何を言われても耳に入らないことのたとえ。 いくら呼んでも、夢中で噛み合っている犬の耳には入らないとの意から。
裃を着た盗人(かみしもをきたぬすびと)
役人でありながら私腹を肥やす者のたとえ。
剃刀の刃を渡る(かみそりのはをわたる)
非常に危険で、失敗したら身を損ない兼ねない行動をすること。
烏の頭の白くなるまで(からすのあたまのしろくなるまで)
いつまで経ってもその時がこないことのたとえ。中国、戦国時代に燕の太子丹が人質になった時、奏王が「烏の頭が白くなり、馬に角が生えたら国へ帰す」と言ったという故事から。
借りてきた猫(かりてきたねこ)
ふだんと違って非常におとなしいようす。ねずみを捕らせるために他人の家から借りた猫は、おとなしく小さくなっていることから。
雁の便り(かりのたより)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
軽口を叩く(かるくちをたたく)
気軽に冗談をいったり滑稽な話をしたりすること。
かわいい子には旅をさせよ(かわいいこにはたびをさせよ)
子どもがかわいいなら、甘やかして育てるより、世の中に出してつらさや苦しさを経験させたほうがいいということ。
川中には立てど人中には立たれず(かわなかにはたてどひとなかにはたたれず)
世渡りは難しいというたとえ。 流れが急な川の中に立つことはできても、世間に流されずに生きることは難しいとの意から。
皮引けば身が痛い(かわひけばみがいたい)
密接な関係にあるものは、一方に何かが生じると他方にも影響が及ぶことのたとえ。 皮を引っ張れば、その下の肉も一緒に付いてくることから。 「皮引けば身が痛い」ともいう。
棺桶に片足を突っ込む(かんおけにかたあしをつっこむ)
死期が迫っていることのたとえ。
汗顔の至り(かんがんのいたり)
顔から汗がでるほど、大変恥ずかしくおもうこと。 「汗顔」は顔から汗がでるほどに恥じること。 「至り」はこの上ない状態。
韓信の股くぐり(かんしんのまたくぐり)
大望を持つ者は、どんな屈辱にも耐え忍ばなければならないということ。中国漢の韓信という名将が大志を抱いていた若い頃、町でならず者に喧嘩を売られ、耐えてその股をくぐったという故事から。
勘定合って銭足らず(かんじょうあってぜにたらず)
理論と実際とが一致しないことのたとえ。計算は合っているのに、現金が足りないということから。
肝胆相照らす(かんたんあいてらす)
互いに心の底まで打ち解けて親しく付き合うことのたとえ。「肝胆」は、肝臓と胆嚢のことで、転じて心の奥底の意。
邯鄲の歩み(かんたんのあゆみ)
むやみに人の真似をしていると、自分本来のものも忘れて、どちらも失うことのたとえ。 中国燕の青年が、趙の都邯鄲で都会風の歩き方を習おうとしたが、習得できないばかりか故国の歩き方まで忘れてしまい、這って故郷へ帰ったという故事から。
邯鄲の枕(かんたんのまくら)
人生の栄枯盛衰のはかなさのたとえ。 昔、中国の邯鄲(かんたん)で盧生という青年が、道士から枕を借りて眠った。夢の中で、出世して財力や権力を手に入れるという長い人生の経験をしたが、目覚めてみると炊きかけの粥がまだ煮えきらない短い時間であったという故事から。 「邯鄲の枕」「邯鄲の夢」「一炊の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」「黄粱の一炊」「黄粱一炊の夢」など多くの呼び方がある。
邯鄲の夢(かんたんのゆめ)
人生の栄枯盛衰のはかなさのたとえ。 昔、中国の邯鄲(かんたん)で盧生という青年が、道士から枕を借りて眠った。夢の中で、出世して財力や権力を手に入れるという長い人生の経験をしたが、目覚めてみると炊きかけの粥がまだ煮えきらない短い時間であったという故事から。 「邯鄲の枕」「邯鄲の夢」「一炊の夢」「盧生の夢」「黄粱の夢」「黄粱の一炊」「黄粱一炊の夢」など多くの呼び方がある。
肝胆を砕く(かんたんをくだく)
大変苦労して、努力するたとえ。心を尽くすたとえ。「肝胆」は、肝臓と胆嚢のことで、転じて心の奥底・真心の意。
肝胆を披く(かんたんをひらく)
心を開いて打ち明けること。
奸知に長ける(かんちにたける)
悪賢く、陰謀や策略を企てる能力が優れていること。
艱難、汝を玉にす(かんなん、なんじをたまにす)
人間は多くの苦労を経験することのよって立派な人物になれるということ。「艱難」は難儀・苦難、「玉にす」は美しくする・立派にするという意。
寒に帷子、土用に布子(かんにかたびら、どようにぬのこ)
物事が逆さまであること。また、季節はずれで役に立たないことのたとえ。 「帷子」は裏地をつけない夏物の衣類、「布子」は木綿の綿入れのこと。 冬の寒い時に単衣の帷子を着て、夏の暑い時に綿入れを着るということから。 「土用布子(綿入れ)に寒帷子」「夏布子の寒帷子」ともいう。
感に堪えない(かんにたえない)
非常に深い感動を覚えて、その感情を隠すことができないさま。 古くは「感に堪える」ともいい表した。
堪忍は一生の宝(かんにんはいっしょうのたから)
怒りを抑えたり痛みや苦しみをこらえたりすることができると、一生の宝を持っているように安らかで幸福に生きていくことができるので、生涯心がけていくべきであるということ。 「堪忍は身の宝」ともいう。
咳唾、珠を成す(がいだ、たまをなす)
詩文の才能が優れていることのたとえ。 「咳唾」は咳と唾。または、他人の言葉を敬っていう語。 何気なく口から出た言葉でさえ、珠玉のように美しい名句になっているとの意から。
学者の取った天下なし(がくしゃのとったてんかなし)
学者は学問の上で政治を論ずるが、実際は理屈どおりにはいかず、学者に現実の国家を治める能力はないということ。
がたが来る(がたがくる)
長い間使ってきた機械や道具の調子が悪くなること。 また、ひとが年をとって体の調子が悪くなること。
がったり三両(がったりさんりょう)
何かちょっとしたことが起こるだけも、すぐに費用がかかるということ。 がったりと音がして、物が壊れれば三両の金がかかるとの意から。
我を立てる(がをたてる)
最後まで自分の考えを押し通して他人に譲らないこと。 「我を立てる」ともいう。
雁がたてば鳩もたつ(がんがたてばはともたつ)
身のほども考えず、むやみに人まねしようとすること。渡り鳥である雁が飛び立つのを見て、遠くまで飛べない鳩も飛び立つことから。
願を立てる(がんをたてる)
神仏に自分の願い事が叶うように祈ること。 「懸ける」は「掛ける」とも書く。 また「願を起こす」「願を立てる」ともいう。
聞いた事は聞き捨て(きいたことはききすて)
人から聞いた事は、その場かぎりの話として聞き捨てるのがよいということ。 人から聞いた話を、面白半分に他の人にしゃべるなということ。
聞いた百文より見た一文(きいたひゃくもんよりみたいちもん)
人から百文の値打ちと聞かされるよりも、自分の目で見たほうが値打ちがあるということ。
利いた風(きいたふう)
よく知らないのに、知ったかぶって生意気な素振りをするさま。
木から落ちた猿(きからおちたさる)
頼みとするものを失って、途方にくれている状態のたとえ。
気が立つ(きがたつ)
感情が高ぶって、興奮したりいらいらしたりするさま。
聞き上手の話し下手(ききじょうずのはなしべた)
人の話を上手に聞く人は、自分が人に話すのは下手だということ。
聞き耳を立てる(ききみみをたてる)
話や音をよく聞こうとして、注意を集中すること。
気位が高い(きぐらいがたかい)
自分の品位に誇りをもっていて、他者を見下すような態度をとる様子。
木七竹八塀十郎(きしちたけはちへいじゅうろう)
木を切るには七月、竹を切るには八月、土塀を塗るのは十月が適しているということ。月はいずれも陰暦で、人名のように語呂をあわせて覚えやすくしたもの。
雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい)
無用な発言をして、自ら災いを招くことのたとえ。 雉も鳴かなければ、人間に撃たれることもないのにという意味から。
危殆に瀕する(きたいにひんする)
きわめて危ない状態になること。大きな危険にさらされること。「危殆」は、非常に危ないこと。
汚く稼いで清く暮らせ(きたなくかせいできよくくらせ)
稼ぐ時にはがめついくらいに金儲けをして、そのかわり使う時には使ってすがすがしい生活をせよということ。
北に近ければ南に遠い(きたにちかければみなみにとおい)
一方に都合がよければ、他方には都合が悪いということのたとえ。また、あたりまえであることのたとえ。
来る者は拒まず(きたるものはこばまず)
自分を信じて頼ってくる者は、どんな人間でも拒まないということ。
切った張った(きったはった)
切りつけたり叩いたりすること。転じて、暴力を振るうこと。 「張る」は平手で叩くこと。
狐と狸(きつねとたぬき)
悪賢いもの同士のこと。狐も狸も人を化かすといわれることから。
狐七化け、狸は八化け(きつねななばけ、たぬきはやばけ)
狐は七つのものに化けることができるが、狸は八つのものに化けられる。狐よりも狸のほうが化けるのが上手だということ。 「狐の七化け狸の八化け」ともいう。
木に竹を接ぐ(きにたけをつぐ)
前後の筋が通らないことのたとえ。不自然なことのたとえ。 性質がまったく違う竹を木に接ぎ木しようとするとの意から。 略して「木に竹」ともいう。
気の利いた化け物は引っ込む時分(きのきいたばけものはひっこむじぶん)
長居する客や、なかなか引退せずに長く地位を占めている人を皮肉って言う言葉。 気の利いた化け物は引き時を心得ているとの意から。 単に「化け物も引っ込む時分」ともいう。
木の股から生まれる(きのまたからうまれる)
人の情、特に男女間の情愛を理解しないことのたとえ。