「っ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「っ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 666 件
お節介を焼く(おせっかいをやく)
余計な世話をすること。
遅きに失する(おそきにしっする)
遅すぎて何の役にも立たない。手遅れである。
煽てと畚には乗りたくない(おだてともっこにはのりたくない)
おだてには乗りたくない、ということを強調した言葉。「畚」は、棒で担いで土や石を運ぶ道具。江戸時代、畚は死刑囚を運ぶのにも使われたことから、他人の煽てにも畚にも乗りたくないといったもの。
おっと合点承知之助(おっとがってんしょうちのすけ)
納得・承諾したことを人名になぞらえ調子よくいった言葉。 単に「合点承知之助」「合点承知」ともいう。
押っ取り刀で駆けつける(おっとりがたなでかけつける)
大急ぎで駆けつけること。 緊急のときには、刀を腰に差す余裕もなく手に持って駆けつけるとの意から。
男は裸百貫(おとこははだかひゃっかん)
男は無一文でも、働いて財産や地位を築くことができるので、裸でも百貫の値打ちがあるということ。
鬼の首を取ったよう(おにのくびをとったよう)
まるで鬼を退治して首を取るという大手柄を立てたかのように得意になるようす。
己の欲する所を人に施せ(おのれのほっするところをひとにほどこせ)
自分が他人にしてもらいたいことは、人にもしてやりなさいということ。
己の欲せざる所は人に施すこと勿れ(おのれのほっせざるところはひとにほどこすことなかれ)
自分が他人からされたくないと思うことは、決して他人にしてはならないということ。
己を以て人を量る(おのれをもってひとをはかる)
人はとかく自分を基準にして、他人のことを判断しがちだということ。
おべっかを使う(おべっかをつかう)
自分の利益になる相手の機嫌をとり、こびへつらうこと。
思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ)
何かをしようと思ったら、その日が吉日としてすぐに始めるのがよいということ。「吉日」は暦で縁起がいい日。
玩具箱を引っ繰り返したよう(おもちゃばこをひっくりかえしたよう)
部屋などがひどく散らかっていることのたとえ。
親子は一世(おやこはいっせ)
親子の関係は現世だけのものであるということ。 「親子は一世、夫婦は二世、主従は三世」と続けても言う。
親子は一世、夫婦は二世、主従は三世(おやこはいっせ、ふうふはにせ、しゅじゅうはさんせ)
親子の関係は現世だけのものであり、夫婦は前世と現世または現世と来世の二世に渡る。主従関係は、前世・現世・来世の三世にまたがるほど深いということ。
親に似ぬ子は鬼っ子(おやににぬこはおにっこ)
子どもは当然親に似るものであり、親に似ない子はいないということ。 親に似ない子は人間の子ではなく鬼の子であるとの意から。
親船に乗ったよう(おやぶねにのったよう)
信頼できるものに任せすっかり安心しきったようす。難破する心配のない大きな船に乗ったようだということから。
終わりを全うする(おわりをまっとうする)
物事を最後まできちんとやり遂げること。 また、すべきことを成し遂げて恥ずかしくない一生を終えること。
負んぶすれば抱っこ(おんぶすればだっこ)
他人の力を当てにして、つけあがって甘えることのたとえ。 負んぶしてやると次には抱っことねだることから。 「負ぶえば抱かろう」「負んぶすれば抱っこ」「抱かさせば負ぶさる」ともいう。
おんぶに抱っこ(おんぶにだっこ)
おんぶすると次は抱っこをしてほしいと甘える子どもように、何もかも他人に頼りきりになること。
恩を以て怨みに報ず(おんをもってうらみにほうず)
恨みのある者に対して、復讐するのではなく、逆に恩徳を施すような広い心で接すること。
顔で笑って心で泣く(かおでわらってこころでなく)
泣きたいほどつらくても顔では笑ってみせるということ。
嬶天下にからっ風(かかあでんかにからっかぜ)
上州(群馬県)名物といわれる嬶天下とからっ風の二つを並べて、上州人の気質や風土性を言ったことば。
片足を突っ込む(かたあしをつっこむ)
ある分野に少しだけ関わりをもつこと。
敵の前より借金の前(かたきのまえよりしゃっきんのまえ)
敵の前では平然とできても、借金をしている相手の前では頭が上がらないということ。
格好が付く(かっこうがつく)
体裁が整うこと。
括弧付き(かっこつき)
その事柄に普通ではない意味が込められていること。
渇しても盗泉の水を飲まず(かっしてもとうせんのみずをのまず)
どんなに困っていても、断じて不正には手を出さないというたとえ。「盗泉」は、中国山東省にある泉の名。孔子はのどが渇いていても、その名を嫌って泉の水を飲まなかったという故事から。
癩の瘡うらみ(かったいのかさうらみ)
大差のないものを見てうらやむこと。また、愚痴をいうこと。 「癩」はハンセン病、「瘡」は梅毒のこと。 「うらみ」は「うらやみ」がなまって変わったもの。また、一説に恨みのこと。 ハンセン病の患者が梅毒の患者をうらやむの意から。 「江戸いろはかるた」の一つであるが、現代では別の語に差し替えられることもある。
勝った自慢は負けての後悔(かったじまんはまけてのこうかい)
勝負に勝った時に自慢しすぎると、負けた時に引っ込みがつかず、恥ずかしい思いをして後悔するということ。
勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ)
戦いに勝っても油断しないで心を引き締めよという戒めの言葉。 戦いに勝って兜を脱いだ時に、敵に襲われたらひとたまりもないので、勝っても兜の緒を締めなおして気を抜くなとの意から。
勝手が違う(かってがちがう)
慣れないことで、どう対処すべきか戸惑うこと。面食らうこと。
買って出る(かってでる)
自らすすんで難しい役割を担うこと。 「買う」は引き受けること。
勝手な熱を吹く(かってなねつをふく)
言いたい放題にいうこと。大げさにいうこと。
勝手を知る(かってをしる)
ある場所の様子や内情を知っていること。
かっとなる(かっとなる)
感情がたかぶって冷静な判断ができなくなる。頭に血が上る。
河童に水練(かっぱにすいれん)
ある分野に精通している人に対して、その分野のことを教えようとする愚かさのたとえ。 「水練」は、泳ぎの練習のこと。 泳ぎが得意である河童に泳ぎを教えることは見当違いであるとの意から。
河童の川流れ(かっぱのかわながれ)
どんな達人でも、たまには失敗することがあるということ。 泳ぎが得意なはずの河童でも、時には水に押し流されることがあるとの意から。
河童の寒稽古(かっぱのかんげいこ)
他人が見れば大変そうに見えても、実際にはなんでもないことのたとえ。河童の寒中水泳はつらそうに見えるが、河童にとっては寒くもなんともないことから。
金縛りにあったよう(かなしばりにあったよう)
恐怖などで急に体がこわばって身動きができない様子。 また、借金など金銭に関する都合により自由を奪われている状態のこと。 「金縛り」は、鎖などで縛りつけること。
鴨が葱を背負って来る(かもがねぎをしょってくる)
好都合な状況が重なり、さらに良い結果が生まれることのたとえ。 鍋料理で用いる鴨が自ら葱を背負ってやってくるような、非常に都合の良い状況を表す言葉。 特にお人好しが自らの行動で他人に利益をもたらす場合によく使われ、略して「鴨葱」ともいう。
烏の鳴かない日はあっても(からすのなかないひはあっても)
それだけは必ず毎日行われるということを強調していう語。 毎日必ず鳴く烏が鳴かない日があったとしてもの意。
借りる八合、済す一升(かりるはちごう、なすいっしょう)
人に物やお金を借りたら、少し多めに返すか、お礼を添えて返すのが常識であるということ。 「済す」は、返済すること。 八合借りたら、一升にして返すべきであるとの意から。
可愛さ余って憎さが百倍(かわいさあまってにくさがひゃくばい)
かわいいと思う気持ちが強ければ強いほど、いったん憎いと思いはじめると憎み方が特別に激しくなるということ。
間一髪(かんいっぱつ)
事態が非常に差し迫っていること。寸前のところ。 髪の毛一本ほどの狭い隙間のことから。
棺桶に片足を突っ込む(かんおけにかたあしをつっこむ)
死期が迫っていることのたとえ。
考えは雪隠(かんがえはせっちん)
よい考えを得るには、誰にも邪魔されずにゆっくり考えることができる便所がいいということ。「雪隠」は、便所のこと。
勘定合って銭足らず(かんじょうあってぜにたらず)
理論と実際とが一致しないことのたとえ。計算は合っているのに、現金が足りないということから。
堪忍の忍の字が百貫する(かんにんのにんのじがひゃっかんする)
怒りを耐え忍ぶ事は、大きな価値があるということ。 じっと耐え忍ぶ「忍」の字には銭百貫の値打ちがあるとの意から。
堪忍は一生の宝(かんにんはいっしょうのたから)
怒りを抑えたり痛みや苦しみをこらえたりすることができると、一生の宝を持っているように安らかで幸福に生きていくことができるので、生涯心がけていくべきであるということ。 「堪忍は身の宝」ともいう。
学者の取った天下なし(がくしゃのとったてんかなし)
学者は学問の上で政治を論ずるが、実際は理屈どおりにはいかず、学者に現実の国家を治める能力はないということ。
がったり三両(がったりさんりょう)
何かちょっとしたことが起こるだけも、すぐに費用がかかるということ。 がったりと音がして、物が壊れれば三両の金がかかるとの意から。
合点が行く(がってんがいく)
理解・納得できる。 「がてん」は「がってん」とも読む。
眼光、紙背に徹す(がんこう、しはいにてっす)
書物の表面上の意味だけでなく、背後にある真意も読み取ること。読解力が鋭いことのたとえ。 紙の裏まで見通すとの意から。 「眼光紙背に徹る」ともいう。
聞いてびっくり、見てびっくり(きいてびっくり、みてびっくり)
聞かされた話が意外であることにびっくりし、実際に見てみると聞いた話とまったく違うので、またびっくりすること。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥(きくはいっときのはじ、きかぬはいっしょうのはじ)
知らないことを聞くのはほんの一時の恥で済むが、聞かずに知らないまま過ごすのは一生恥ずかしいということ。
樹静かならんと欲すれども風止まず(きしずかならんとほっすれどもかぜやまず)
親孝行をしようと思う時に、親はもうこの世にいなくてままならないというたとえ。樹木が静かに立っていようとしても、風が止まないので静かになれない意から。
切った張った(きったはった)
切りつけたり叩いたりすること。転じて、暴力を振るうこと。 「張る」は平手で叩くこと。
切っても切れない(きってもきれない)
切ろうとしても切れないほど、強い繋がりや関係がある様子。
気の利いた化け物は引っ込む時分(きのきいたばけものはひっこむじぶん)
長居する客や、なかなか引退せずに長く地位を占めている人を皮肉って言う言葉。 気の利いた化け物は引き時を心得ているとの意から。 単に「化け物も引っ込む時分」ともいう。
踵を接する(きびすをせっする)
次々と人が続いて来ること。また、物事が次々と起こること。 「踵」は足のかかと。 「きびす」は「くびす」とも読む。
肝っ玉が据わる(きもったまがすわる)
どんな状況にも慌てたり恐れたりせず、落ち着いていて度胸がある様子。 「肝」は「胆」とも書く。 また、「胆が据わる」は「たんがすわる」とも読む。
肝っ玉が太い(きもったまがふとい)
度胸があって何事にも動じない性格のこと。
客人一杯手八杯(きゃくじんいっぱいてはちはい)
客に酒を一杯すすめる間に、主人が手酌で酒を八杯飲むということ。酒好きの人が客にかこつけて酒を飲むことにもいう。
客と白鷺は立ったが見事(きゃくとしらさぎはたったがみごと)
客は長居をしないで、早く帰るほうがよいということ。白鷺の美しい立ち姿に掛けていった言葉。
脚光を浴びる(きゃっこうをあびる)
世間から広く注目されること。 「脚光」は舞台で役者の足もとを照らす光(フットライト)のこと。 「スポットライトを浴びる」ともいう。
九死に一生を得る(きゅうしにいっしょうをえる)
ほとんど助かる見込みがないと思われる危険な状態に陥りながら、かろうじて助かること。 「十のうち、九が死、一が生」のような助かる見込みがほとんどない状況で生き残るとの意から。 「万死に一生を得る」「万死の中に一生を得」「万死を出でて一生に遇う」「九死一生」などともいう。
九仞の功を一簣に虧く(きゅうじんのこうをいっきにかく)
長い間の努力も最後のわずかなところでやめてしまえば無駄になることのたとえ。 「九仞」は非常に高い、「一簣」は一杯のもっこの意。 高い山を築くのに、最後のもっこ一杯の土を虧く(欠く)と完成しないとの意から。
旧套を脱する(きゅうとうをだっする)
古くからのやり方を廃止して、新しい方式や方向を目指すこと。 「旧套」は、古くからの形式や慣習のことで、それから脱却するとの意から。
窮余の一策(きゅうよのいっさく)
追いつめられて困ったあげく、苦しまぎれに思いついた一つの方法のこと。「窮余」は、行き詰まった末という意。
今日あって明日ない身(きょうあってあすないみ)
人の命のはかないことや、人生の無常なことのたとえ。 また、死期が迫っていることのたとえ。
機を逸する(きをいっする)
ある事をおこなうのにちょうどよい機会を逃すこと。
槿花一朝の夢(きんかいっちょうのゆめ)
栄華が長続きしないことのたとえ。 「槿花」は、むくげの花。 朝に咲いて夕方にはしぼんでしまうむくげの花のように、はかない栄華との意から。 「槿花一朝の夢」ともいう。
食い付き馬に乗ったよう(くいつきうまにのったよう)
危険なことをやめることができないたとえ。 食いつく癖のある馬に乗ると、乗っているのも危ないが、降りると馬に食いつかれるので降りられないとの意から。
腐っても鯛(くさってもたい)
優れたものは、痛んでもそれなりの値打ちがあるというたとえ。
草を打って蛇を驚かす(くさをうってへびをおどろかす)
何気なくしたことが意外な結果を招くたとえ。また、一人を懲らしめることで、これに関連する他の者たちを戒めるたとえ。
管を以て天を窺う(くだをもっててんをうかがう)
自分の狭い見識で、大きな問題について勝手に判断することたとえ。 「管」は「かん」とも読む。 「管を以て大空を測る」「管の穴から天を覗く」「針の穴から天を覗く」ともいう。
口が腐っても(くちがくさっても)
何があっても決して言わないと強く思う気持ち。
口も八丁、手も八丁(くちもはっちょう、てもはっちょう)
しゃべることも腕前も達者なこと。 「八丁」は巧み、達者であること。 単に「手も八丁」とも、また「口八丁手八丁」「手八丁口八丁」ともいう。
食ってすぐ寝ると牛になる(くってすぐねるとうしになる)
食べてすぐ横になる行儀の悪さを戒めることば。