「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1117 件
顔を作る(かおをつくる)
化粧をすることのたとえ。 また、むりにそのような表情をすることのたとえ。
顔を繋ぐ(かおをつなぐ)
時折ひとを訪ねたり、会合に出席したりして、その人との関係を保つことのたとえ。
顔を潰す(かおをつぶす)
相手の面目や名誉を傷つけて、恥をかかせること。
踵で頭痛を病む(かかとでずつうをやむ)
見当違いの心配をするたとえ。
垣を作る(かきをつくる)
大勢のひとが集まって、垣根のように取り囲んだり立ち並んだりすること。 また、他者との間にはっきりした隔てをつくること。 「垣を結う」ともいう。
限りを尽くす(かぎりをつくす)
持てるかぎりのものを全て出し尽くすこと。
核心を突く(かくしんをつく)
物事のもっとも重要な問題点をするどく指摘することのたとえ。
駆けつけ三杯(かけつけさんばい)
酒の席に遅れて来た人に、罰として続けざまに三杯の酒を飲ませること。
陽炎稲妻水の月(かげろういなずまみずのつき)
捕らえがたいもの、実体のないもののたとえ。 「陽炎稲妻月の影」ともいう。
駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人(かごにのるひとかつぐひと、そのまたわらじをつくるひと)
人の生き方は、貧富の差や境遇によってさまざまであるということ。また、そのさまざまな人のつながりで、世の中はうまく成り立っているということ。 世の中には駕籠に乗る身分の人もいれば、その駕籠を担ぐひともいる。また、駕籠を担ぐひとの履く草履を作る人もいる。 人の世は持ちつ持たれつであるとの意から。
傘と提灯は戻らぬつもりで貸せ(かさとちょうちんはもどらぬつもりでかせ)
傘と提灯は、必要な時以外は忘れがちな物だから、貸す時は返してもらえないつもりで貸せということ。
鎹分別(かすがいふんべつ)
二つの事をどちらも成功させようとする考え。 「鎹」は、材木と材木をつなぐために用いるコの字形の釘。 釘でつなぎ止めるように、両方を得ようとすることから。 「鎹分別」ともいう。
数を尽くす(かずをつくす)
あるものすべて。残らずすべて。 「数をつくして」の形で使われることが多い。
稼ぐに追い付く貧乏無し(かせぐにおいつくびんぼうなし)
一生懸命働けば、貧乏に苦しむことはないというたとえ。 「稼ぐに貧乏追い付かず」「辛抱に追い付く貧乏なし」「稼げば身立つ」ともいう。
風当たりが強い(かぜあたりがつよい)
世間や周囲から、激しい非難や反発をうけるさま。
片足を突っ込む(かたあしをつっこむ)
ある分野に少しだけ関わりをもつこと。
方が付く(かたがつく)
ものごとの処理が終わって決着がつくこと。解決すること。 「方」は「片」とも書く。
容を繕う(かたちをつくろう)
化粧などをして体裁を整えること。
刀折れ矢尽きる(かたなおれやつきる)
物事を続けていく手段がなくなってしまうことのたとえ。 刀が折れ、矢が尽きて戦う手段がなくなってしまうとの意から。 「弓折れ矢尽きる」ともいう。
片棒を担ぐ(かたぼうをかつぐ)
協力して仕事を行うこと。二人で担ぐ駕籠の一方を担ぐことから。多くは悪いことをする時にいう。
片を付ける(かたをつける)
ものごとを処理・解決すること。
肩を持つ(かたをもつ)
その人の味方になって、援助したりかばったりする。
格好が付く(かっこうがつく)
体裁が整うこと。
括弧付き(かっこつき)
その事柄に普通ではない意味が込められていること。
餓えて死ぬは一人、飲んで死ぬは千人(かつえてしぬはひとり、のんでしぬはせんにん)
餓えて死ぬ人間は少ないが、酒の飲みすぎが原因で死ぬ人間は非常に多いということ。
渇に臨みて井を穿つ(かつにのぞみていをうがつ)
必要に迫られてから慌てて対処しても間に合わないことのたとえ。事前に適切な対策や準備をしておかなければならないということ。 のどが渇いてから、ようやく井戸を掘るとの意から。
勝つに乗る(かつにのる)
勝った勢いのまま、つぎつぎに物事をおこなうこと。
勝つも負けるも時の運(かつもまけるもときのうん)
勝負はその時々の運によるもので、必ずしも実力通りに決まるものではないということ。 「勝負は時のはずみ」「勝つも負けるも時の運」「勝つも負けるも運次第」「負けるも勝つも時の運」「負けるも勝つも運次第」などともいう。
活路を開く(かつろをひらく)
行き詰った状況から抜け出す方法を見つけること。 「活路」は、生きるための方法。
渇を癒やす(かつをいやす)
かねてからの願いを実現させて満足すること。 水などを飲んで渇いた喉を潤すとの意から。 「渇を医する」ともいう。
活を入れる(かつをいれる)
元気のない人や弱気になっている人に刺激を与えて、元気を呼び戻したり活気づけたりすること。 「活」は、柔道などで気を失った人に刺激を与えて意識を回復させること。
褐を被て玉を懐く(かつをきてたまをいだく)
すぐれた才能を世間に知られないように隠していることのたとえ。 「褐」は粗末な衣服、「玉」はすぐれた才能のこと。 粗末な身なりをしていても、内にはすぐれた才能を秘めているとの意から。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さず(かでんにくつをいれず、りかにかんむりをたださず)
人から疑われるような行動は避けるべきであるという戒めの言葉。 「瓜田」は、瓜(うり)を育てている畑。 「李下」は、李(すもも)の木の下。 瓜を盗むのではないかと疑われるので瓜田では靴を履きなおしてはいけない、李を盗むのではないかと疑われるので李の木の下では冠をかぶりなおしてはいけないということ。 単に「瓜田に履を納れず」「李下に冠を正さず」ともいう。 また、「李下の冠、瓜田の履」ともいう。
角が立つ(かどがたつ)
人と人との関係が険悪になること。また、事が荒だつこと。
角番に立つ(かどばんにたつ)
その成否が、これからの運命を決定する重大な局面をむかえること。 「角番」は、囲碁・将棋・相撲などでその勝負に敗れると負けが決まる局番。相撲では、負け越すと大関の地位から降格する場所のこと。
門松は冥土の旅の一里塚(かどまつはめいどのたびのいちりづか)
門松はめでたいものだが、飾るたびに年を重ね死に近づくので、いわばあの世に向かう一里塚のようなものだということ。 「冥土」は、あの世のこと。 「一里塚」は、街道に一里ごとに築かれ、旅人のための里程標となった塚のこと。 この歌は一休作という説があり、このあとに「めでたくもありめでたくもなし」と続けてもいわれる。
金轡を嵌める(かなぐつわをはめる)
金銭を渡して苦情を言わせないようにすること。また、賄賂を渡して口止めすること。 馬に轡をはめて、乗り手の思いのままに走らせることから。
悲しい時は身一つ(かなしいときはみひとつ)
困ったり落ちぶれたりすると、他人は当てにならず、頼りになるのは自分だけだということ。「身一つ」は財産もなく自分の体だけという意。
蟹の念仏(かにのねんぶつ)
蟹が口から泡を出すように、口の中でぶつぶつとつぶやくことのたとえ。
金で面を張る(かねでつらをはる)
金の力で相手を服従させたり、手なずけたりすること。
金と塵は積もるほど汚い(かねとちりはつもるほどきたない)
金持ちになればなるほど、欲深くけちになることをあざけっていうことば。
金なき者は金を使う(かねなきものはかねをつかう)
金持ちは金に執着して金を惜しむが、金のない者は、かえって執着しないで浪費するものだということ。
金に糸目を付けぬ(かねにいとめをつけぬ)
惜しみなく金を使うようす。 「糸目」は凧の表面につけて引き締めるための糸。 糸目を付けない凧が飛ぶように金を使うことから。
金は良き召し使いなれど悪しき主なり(かねはよきめしつかいなれどあしきしゅなり)
金は自分の意思で運用しているうちはよいが、金に使われるようになると害をもたらすという戒め。
金持ち、金使わず(かねもち、かねつかわず)
金持ちはけちが多いということ。また、金持ちは無駄な金は使わないということ。
株を守りて兎を待つ(かぶをまもりてうさぎをまつ)
古い習慣や過去の偶然の成功にこだわり、進歩や向上がないことのたとえ。 中国・宋の農民が農作業をしていると、兎が木の切り株にぶつかって死んだ。農民は労せず兎を手に入れることができたその経験以来、農作業をせずに毎日切り株を見張っていたという故事から。 「守株」ともいう。
壁に突き当たる(かべにつきあたる)
大きな困難や障害にぶつかって、前に進めずに行き詰ること。
壁を作る(かべをつくる)
他者との間にはっきりした隔てをつくること。
裃をつける(かみしもをつける)
礼儀正しさが、かえって堅苦しくなること。言動が堅苦しいさま。 「裃」は、江戸時代の武士の正装。
亀の年を鶴が羨む(かめのとしをつるがうらやむ)
欲望に限りのないことのたとえ。 千年の寿命をもつという鶴が、万年の寿命をもつ亀をうらやましがるとの意から。
烏を鵜に使う(からすをうにつかう)
役に立たない者を、才能が必要とされる重要な地位に置くことのたとえ。 「烏」は、魚をとらない役に立たないもの。 「鵜」は、魚をとる役に立つもの。
体が続く(からだがつづく)
仕事などで体に重い負担をかけているにも関わらず、健康を保っていること。
皮引けば身が付く(かわひけばみがつく)
密接な関係にあるものは、一方に何かが生じると他方にも影響が及ぶことのたとえ。 皮を引っ張れば、その下の肉も一緒に付いてくることから。 「皮引けば身が痛い」ともいう。
華を去り実に就く(かをさりじつにつく)
見かけを華やかに飾ることよりも、手堅く確実な態度を選ぶこと。
間、髪を容れず(かん、はつをいれず)
少しの時間も置かず即座に行動するさま。 間に髪の毛一本さえも入る余地がないとの意から。
間一髪(かんいっぱつ)
事態が非常に差し迫っていること。寸前のところ。 髪の毛一本ほどの狭い隙間のことから。
棺桶に片足を突っ込む(かんおけにかたあしをつっこむ)
死期が迫っていることのたとえ。
官途に就く(かんとにつく)
役人になること。「官途」は、官吏の職務・地位のこと。
看板に偽りあり(かんばんにいつわりあり)
外見と中身が一致していないこと。看板に掲げているものと、実際に売っているものが違っているということから。
看板に偽りなし(かんばんにいつわりなし)
外見と中身が一致していること。また、言動に行動が伴っていることのたとえ。看板に掲げているものと、実際に売っているものが同じということから。
看板に傷が付く(かんばんにきずがつく)
店などの信用や評判が落ちること。
款を通じる(かんをつうじる)
親しく交わりを結ぶこと。転じて、敵に内通すること。
歓を尽くす(かんをつくす)
大いに楽しんだり、喜んだりすること。 「歓を極める」ともいう。
骸骨を乞う(がいこつをこう)
主君に辞職を願い出ること。 主君に身を捧げて仕えてきたが、せめて骸骨同然となった身体だけでも返して頂きたいと辞職を願い出たという故事から。 なお、君主から辞職が許されることを「骸骨を賜う」という。
我が強い(ががつよい)
他人の意見には従わず、自分の意見を押しとおす性質であることのたとえ。
雁がたてば鳩もたつ(がんがたてばはともたつ)
身のほども考えず、むやみに人まねしようとすること。渡り鳥である雁が飛び立つのを見て、遠くまで飛べない鳩も飛び立つことから。
雁札(がんさつ)
便り、手紙のこと。 中国前漢の蘇武が、匈奴に捕らえられた時、自分の生存を知らせる手紙を雁の足に結んで放ったという故事から。 「雁札」「雁帛」「雁の使い」「雁の便り」「雁の玉章」ともいう。
眼を付ける(がんをつける)
悪意をもって、相手の顔を睨みつけること。 また、言いがかりの口実とする行為。
気が立つ(きがたつ)
感情が高ぶって、興奮したりいらいらしたりするさま。
気が付く(きがつく)
細かなところまで注意が行きとどくこと。
気が詰まる(きがつまる)
その場の雰囲気などが窮屈に感じ、重苦しい気持ちになること。
気が強い(きがつよい)
気性が激しく、自分の主張を変えないさま。
狐、その尾を濡らす(きつね、そのおをぬらす)
物事のはじめはたやすくても、終わりが困難であることのたとえ。子狐が川を渡る時に、最初は尾を濡らさないように高く上げているが、やがて疲れて尾を下げ濡らしてしまうということから。
狐が下手の射る矢を恐る(きつねがへたのいるやをおそる)
まともな人間は相手にしやすいが、無茶苦茶な人間は相手にしにくいということ。 下手な者の射る矢はどこへ飛ぶかわからないので避けようがないとの意から。 「狐が下手の射る矢を恐る」「下手の鉄砲烏が怖じる」ともいう。
狐と狸(きつねとたぬき)
悪賢いもの同士のこと。狐も狸も人を化かすといわれることから。
狐虎の威を藉る(きつねとらのいをかる)
他人の権力に頼って、弱いものが空威張りすることのたとえ。 虎に捕らえられた狐が「天の神が私を百獣の長にした。だから私を食べると天の命令にそむくことになる。うそだと思うならついてきなさい。獣たちはみな逃げ出すはずだ」といった。 虎が狐のあとについていくと、獣たちがみな逃げて行った。 虎は自分を恐れて獣たちが逃げたことに気づかず、狐を恐れて逃げ出したと信じたという故事から。
狐七化け、狸は八化け(きつねななばけ、たぬきはやばけ)
狐は七つのものに化けることができるが、狸は八つのものに化けられる。狐よりも狸のほうが化けるのが上手だということ。 「狐の七化け狸の八化け」ともいう。
狐につままれる(きつねにつままれる)
意外なことが起こって訳がわからず、ぽかんとする様子。「つままれる」は、化かされるという意。狐に化かされたように、何が何だかわからない状態になるということから。
狐の子は面白(きつねのこはつらじろ)
子は親に似るというたとえ。「面白」は、顔が白いこと。
狐の嫁入り(きつねのよめいり)
日が出たまま雨が降る天気。日照り雨。天気雨。