「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句
「つ」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 1117 件
葬礼九つ酒七つ(そうれいここのつさけななつ)
葬儀は昼の十二時頃、酒宴は午後四時頃に行うのが習わしだということ。
底を突く(そこをつく)
貯めていたものが全て無くなること。 または、相場が下げ止まること。底値になること。
俎上の魚江海に移る(そじょうのうおこうかいにうつる)
危機的な状況から脱して安全な場所に移ること。 まな板の上の魚が川や海に逃げるという意味から。 「俎」はまな板のこと。 「江海」は川や海のこと。
袖を連ねる(そでをつらねる)
大勢の人が連れ立っていく。 また、大勢の人が行動を共にする。
そもそもから着きにけりまで(そもそもからつきにけりまで)
最初から最後までということ。謡曲などが「そもそもこれは」で始まり、「着きにけり」で終わることが多いことから。
空に三つ廊下(そらにみつろうか)
天気が安定しないことを洒落て言う言葉。 「降ろうか」、「照ろうか」、「曇ろうか」の三つの「ろうか」を「廊下」に掛けた言葉。
空を使う(そらをつかう)
知らない振りをすること。とぼけること。または、平気で嘘を言うこと。
それにつけても金の欲しさよ(それにつけてもかねのほしさよ)
とにかく金が欲しいと、ため息まじりに言う言葉。どんな言葉のあとにも、うまくおさまるようにできている句。
大功は拙なるが如し(たいこうはせつなるがごとし)
真の名人は小細工をしないので、一見すると下手に見えるということ。
太鼓を持つ(たいこをもつ)
他人に同調して機嫌をとること。太鼓を叩く。
大食腹に満つれば学問腹に入らず(たいしょくはらにみつればがくもんはらにいらず)
食べ過ぎて満腹になると、頭の働きが鈍くなり、学問に集中できなくなるということ。
大珠小珠、玉盤に落つ(たいじゅしょうじゅ、ぎょくばんにおつ)
大小の真珠が玉の皿に落ちるように、美しく澄んだ琵琶の音色が響き渡ること。
高い舟借りて安い小魚釣る(たかいふねかりてやすいこざかなつる)
好きな事のためには、損得など考えないということのたとえ。
高くつく(たかくつく)
安い物を買ったつもりが、思わぬところで出費がかさんで高いものになってしまうこと。
鷹は飢えても穂を摘まず(たかはうえてもほをつまず)
高潔な人は、どんなに困っても不正なことは決してしないというたとえ。鷹はどんなに飢えても穀物はついばまないということから。
高みに土盛る(たかみにつちもる)
無駄な骨折りのたとえ。十分高い所に、さらに土を盛り上げるということから。「高み」は、高い所の意。
高みの見物(たかみのけんぶつ)
高い所から下の騒ぎを見物するように、第三者の立場から、事の成り行きを興味本位に傍観すること。「高み」は、高い所の意。
竹の子生活(たけのこせいかつ)
たけのこの皮を一枚ずつはいでいくように、身の回りの物を少しずつ売りながら暮らす生活。
立ち仏が居仏を使う(たちぼとけがいぼとけをつかう)
立っている者が、座っている者に用事を頼むたとえ。自分で出来ることを無精して人にさせるたとえ。「居仏」は、座像の仏のこと。
立ってる者は親でも使え(たってるものはおやでもつかえ)
急ぎの時は、たとえ親でも、近くに立っている人を使えということ。座っている人間が、立っている人間にものを頼む時の言い訳にいう言葉。
田作る道は農に問え(たつくるみちはのうにとえ)
農業のことは農民に聞くのが一番いいように、何事もその専門家に聞くのが一番いい方法だということ。
達人は大観す(たつじんはたいかんす)
広く道理に通じた人は、物事の全体を見きわめて、正しい判断を下すということ。「達人」は物事の道理に深く通じた人、「大観」は広く全体を見通すこと。
立つ瀬が無い(たつせがない)
立場が無くなる。面目を失う。
立つ鳥、跡を濁さず(たつとり、あとをにごさず)
立ち去る者は、後始末をきちんとしなければならないということ。また、引き際が潔いことのたとえ。水鳥は飛び立ったあとの水を濁さずに飛び去ることから。 「飛ぶ鳥、跡を濁さず」「鳥は立てども跡を濁さず」ともいう。
立つより返事(たつよりへんじ)
人に呼ばれた時には、立つより先にまず返事をせよということ。
盾を突く(たてをつく)
逆らう。反抗する。敵対する。 防御物である盾を地面に突き立てて抵抗することから。
他人の疝気を頭痛に病む(たにんのせんきをずつうにやむ)
自分には関係のない物事で、いらぬ心配をすることのたとえ。 「疝気」は漢方で腰・下腹部の病気のこと。 他人の疝気を心配して自分が頭痛になることから。 「人の疝気を頭痛に病む」「隣の疝気を頭痛に病む」ともいう。
他人の念仏で極楽参り(たにんのねんぶつでごくらくまいり)
他人の力を当てにして、自分の利益を図ったり、義理を果たすことのたとえ。他人の唱えた念仏で自分が極楽へ行こうとする意から。
他人の飯は強い(たにんのめしはつよい)
他人の家に世話になって生活することは、どこか窮屈で何かと気を遣うことが多いということ。また、他人の親切には底意があり、頼りきっているとひどい目に遭うこともあるということ。 他人の家で食べる飯は、まるで骨でもあるかのようにのどを通りにくいとの意から。 「他人の飯には棘がある」「他人の飯は強い」ともいう。
狸の腹鼓(たぬきのはらつづみ)
月夜に狸が自分の腹をたたいて楽しみ興じるという言い伝え。
楽しみ尽きて悲しみ来る(たのしみつきてかなしみきたる)
楽しみが極まると、かえって悲しい思いにとらわれるようになる。楽しいことは永久に続くものではないということ。
他の追随を許さない(たのついずいをゆるさない)
ある事柄について他の誰も真似できないほど、大きく抜きん出ているさま。
頼みの綱(たのみのつな)
頼りにする人や物のたとえ。
頼みの綱も切れ果てる(たのみのつなもきれはてる)
頼みにしていた最後の手段もだめになり、万策が尽きるということ。「頼みの綱」は、頼りにしてすがる人や物の意。
頼めば越後から米搗きにも来る(たのめばえちごからこめつきにもくる)
真心をつくして頼めば、人は嫌とは言えないもので、難しいことであっても承知してくれるというたとえ。 「越後」は、現在の新潟県。ここでは遠いの場所のたとえ。 心から頼めば、遠い場所からでも米搗きに来てくれるとの意から。
旅は憂いもの辛いもの(たびはういものつらいもの)
旅先では知人もなく、土地の事情もわからず、とかく心配やつらいことが多いものだということ。昔の旅行が今と違い、不便でつらいものだったことから生まれた言葉。
卵を割らないでオムレツは作れない(たまごをわらないでおむれつはつくれない)
目的を達成するためには犠牲が必要であるというたとえ。西洋のことわざ。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)
いろいろな角度からよく観察すること。 「矯める」は、目を据えてじっと見ること。 「眇める」は、片目を細めて見ること。
袂を連ねる(たもとをつらねる)
仲間となる。行動を共にする。
袂を分かつ(たもとをわかつ)
それまで行動を共にしていた人と別れる。親しくしていた人との関係を断つ。 「袂」は、着物の袖の垂れ下がって袋のような形をした部分。 「袖を分かつ」ともいう。
丹精を尽くす(たんせいをつくす)
真心を込めて物事を行うこと。 「丹精」は「丹誠」とも書く。
大地に槌(だいちにつち)
まるで大地を槌で打つように、確実で絶対に失敗しないことのたとえ。 「槌で大地を叩く」「地を打つ槌」ともいう。
出しに使う(だしにつかう)
自分の利益のために、他のものを利用する。出しにする。
ダモクレスの剣(だもくれすのつるぎ)
栄華というものも、不安定で常に危険が迫っていることのたとえ。 「ダモクレス」とは、シチリア島のシラクサの国王ディオニュシオスの家臣ダモクレスのこと。 ダモクレスはいつもの王位をうらやましく思っていた。 そこで、王はある晩餐でダモクレスに自身の席である王座に座るように勧めた。 王座に座ったダモクレスがふと上を見上げると、天井から今にも切れそうな細い糸で剣が吊るされていた。 それを見たダモクレスは慌ててその場から逃げ出した。 王という立場には常に危険があるということを玉座に座らせることで示し、ダモクレスもそれを理解したという故事から。
誰が猫に鈴をつけるというのか(だれがねこにすずをつけるというのか)
いろいろ議論しても、いざ実行となると誰が実行するのか非常に難しいことのたとえ。鼠たちが集まり、猫の首に鈴をつけて、その音で身を守ろうと考えたが、実行する鼠はいなかったというイソップ寓話から。
誰に見しょとて紅鉄漿つける(だれにみしょとてべにかねつける)
女性は自分を愛してくれる男性のために美しく身を飾るということ。 「紅鉄漿」は紅とお歯黒。転じて化粧。 誰かに見せるためではなく、あなたのために化粧をするとの意から。 このあとに「みんなぬしへの心中立て」と続く俗謡で、男につれなくされた女の恨みを述べるの決まり文句。
団結は力なり(だんけつはちからなり)
一人一人の力は小さくても、大勢が力を合わせれば大きな力になるということ。
男子の一言、金鉄の如し(だんしのいちごん、きんてつのごとし)
男が一度口にした言葉は、金や鉄のように堅くゆるぎないもので、決して破ってはならないということ。
断末魔(だんまつま)
死に際。また、息を引き取るまぎわの苦しみのこと。「末魔」は仏教語で、何かがこれに触れると必ず死ぬという身体内にある特殊な急所で、そこを断つということから。
地位は人を作る(ちいはひとをつくる)
それなりの地位に就くと、その地位にふさわしい人間に成長していくということ。
知恵ない神に知恵付ける(ちえないかみにちえつける)
気付かずにいた人に、よけいな入れ知恵をするというたとえ。
知恵を付ける(ちえをつける)
そばにいる人が知恵を授ける。入れ知恵をする。 悪い意味で用いることが多い。
近くて見えぬは睫(ちかくてみえぬはまつげ)
身近なことは気付いて当然なのに、案外わからないものだというたとえ。自分で自分の睫は見えないことから。
力を付ける(ちからをつける)
腕前を上げること。実力をつけること。 また、元気になるように励ますこと。力付ける。
血が繋がる(ちがつながる)
血縁関係にある。
帙を繙く(ちつをひもとく)
書物を開く。読書をする。 「帙」は、書物を保護するために包む覆い。
血祭りに上げる(ちまつりにあげる)
戦いの手始めに敵方の捕虜やスパイを殺して士気を上げること。 また、威勢よく最初の相手を打ち負かして、味方を奮い立たせること。 「血祭り」は、古代中国で出陣の際に、いけにえの血を捧げて軍神を祭ったことに由来する。
忠臣は二君に仕えず(ちゅうしんはにくんにつかえず)
忠義を重んじる臣下は、その生涯でただ一人の主君にしか仕えないということ。
注文を付ける(ちゅうもんをつける)
自分の希望などをうるさく言うこと。
長広舌を振るう(ちょうこうぜつをふるう)
滞ることなく、長々としゃべり続けること。 「長広舌」は「広長舌」が転じた言葉。
調子が付く(ちょうしがつく)
物事の勢いが増していくこと。
長蛇の列(ちょうだのれつ)
非常に長く続いている人の列。 長く続く人の列を蛇にたとえた表現。
提灯で餅を搗く(ちょうちんでもちをつく)
思い通りにいかないことのたとえ。 または、年老いた男性の性事情を馬鹿にしていう言葉。
提灯に釣り鐘(ちょうちんにつりがね)
釣り合わないこと、比較にならないことのたとえ。提灯と釣り鐘は形は似ているが重さがまるで違うことから。
提灯を持つ(ちょうちんをもつ)
ある人の手先になって、頼まれてもいないのに、その人を褒めたり宣伝したりすること。
ちょっと嘗めたが身の詰まり(ちょっとなめたがみのつまり)
ほんのちょっとだけ、と軽い気持ちで手を出したために、どうにもならない窮地に追い込まれること。
緒に就く(ちょにつく)
物事を実際に始めること。または、その物事が順調に進行するようになること。 「諸」は「しょ」とも読む。
塵に立つ(ちりにたつ)
世間にうわさが立つこと。
塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)
塵のようなわずかなものでも、たくさん積み重なれば山のように大きなものになるというたとえ。小さなことでもおろそかにしてはいけないということ。
沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)
この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。
追従も世渡り(ついしょうもよわたり)
人にこびへつらいお世辞をいうことも、世渡りの一つの手段であるということ。
朔日ごとに餅は食えぬ(ついたちごとにもちはくえぬ)
世の中はいつもいい事ばかりあるとは限らないというたとえ。 正月に餅が食べられても、毎月の朔日(ついたち)に餅が食べられるわけではないという意。
搗いた餅より心持ち(ついたもちよりこころもち)
品物をもらったことより、その心づかいがなおうれしいということ。
付いて回る(ついてまわる)
常に近くから離れないこと。いつも付いていくこと。 または、ある物事をいつまでも拭い去ることができず、いつまでも付きまとうこと。
終の住処(ついのすみか)
死ぬまで住むと決めた場所。
終の別れ(ついのわかれ)
最後の別れ。今生の別れ。
つうと言えばかあ(つうといえばかあ)
お互いの気持ちが理解できていて、ちょっと言うだけで相手の意図がわかる様子。 「[[つうかあ*https://kokugo.jitenon.jp/word/p33650]]」ともいう。
痛棒を食らわす(つうぼうをくらわす)
厳しく叱ったり、責めたりすること。 「痛棒」は座禅で、心が乱れている人を打ち付けるための棒。
痛痒を感じない(つうようをかんじない)
少しも利害や影響を受けない。
杖とも柱とも頼む(つえともはしらともたのむ)
全面的に頼りにすることのたとえ。