「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2361 件
子を見ること親に如かず(こをみることおやにしかず)
子どもの長所や短所をいちばんよく知っているのは親であり、親に及ぶものはないということ。
子を持って知る親の恩(こをもってしるおやのおん)
自分が子どもを持ち育ててみて、初めて親のありがたさがわかり恩を感じるということ。
根を詰める(こんをつめる)
寝る間も惜しんで、ある物事に没頭すること。
極楽の入り口で念仏を売る(ごくらくのいりぐちでねんぶつをうる)
知り尽くしている人にものを教えるたとえ。
五指に余る(ごしにあまる)
めぼしいものや優れたものなどが五つ以上あることのたとえ。
五指に入る(ごしにはいる)
優れていることのたとえ。良いほうから数えて五番以内に入ることのたとえ。
後生大事や金欲しや死んでも命のあるように(ごしょうだいじやかねほしやしんでもいのちのあるように)
来世の安楽を願いながら、現世の金も欲しいと、あれもこれも願う人間の強欲さのたとえ。
五臓六腑に沁みわたる(ごぞうろっぷにしみわたる)
体のすみずみまで沁みとおること。 「五臓」は心臓・肝臓・肺臓・脾臓・腎臓のこと。 「六腑」は胃・胆・大腸・小腸・膀胱・三焦のこと。 五つの内臓と六つのはらわたのことで、転じて、腹の中や体全体のこと。
御託を並べる(ごたくをならべる)
自分勝手なことをもったいぶって、あれこれ言い立てること。「御託」は「御託宣」の略で、神のお告げ。転じて、偉そうにもったいぶって言うこと。
後手に回る(ごてにまわる)
相手に先を越され、受け身の立場になったり対応が遅れたりすること。
五斗米のために腰を折る(ごとべいのためにこしをおる)
わずかな俸禄を得るために、人の機嫌をとってぺこぺこ頭を下げること。 中国唐の詩人陶淵明が、上役が視察に来るので礼服を着るよう求められた時、五斗米のために腰を折ってへつらうのは嫌だと言って断ったという故事から。 「五斗米」は五斗の米、転じてわずかな給料のこと。
五本の指に入る(ごほんのゆびにはいる)
優れていることのたとえ。良いほうから数えて五番以内に入ることのたとえ。
胡麻を擂る(ごまをする)
お世辞を言ったり気に入られるように振舞ったりすること。
五両で帯買うて三両で絎ける(ごりょうでおびこうてさんりょうでくける)
肝心なものより、付随するものに予想以上にお金がかかるということ。「絎ける」は、表から縫い目が見えないように縫うこと。五両で買った帯をさらに三両かけて絎けるということから。
ゴルディオンの結び目(ごるでぃおんのむすびめ)
難問・難題のこと。ゴルディオンの町の神殿に結ばれた複雑な縄の結び目を解いた者はアジアを支配するという伝説があり、アレクサンドロス大王が一刀両断で切り落とし、アジアを征服したという故事から。
権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる(ごんべえがたねまきゃからすがほじくる)
人が苦労してやったことを、あとからぶちこわすたとえ。また、無駄な骨折りのたとえ。「権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる、三度に一度は追わずばなるまい」という俗歌の歌詞から。
最後を飾る(さいごをかざる)
すぐれた形で物事を終わらせること。
最期を遂げる(さいごをとげる)
死ぬこと。命がなくなること。
才子、才に倒れる(さいし、さいにたおれる)
優れた才能を持っている人は、その才能を過信しすぎて、かえって失敗することがあるということ。
彩ずる仏の鼻を欠く(さいずるほとけのはなをかく)
念を入れすぎたため、かえって大切な部分をこわしてしまうたとえ。「彩ずる」は彩色を施して飾る意。仏像を作り上げるのに、もう少し良くしようと手を加えているうちに肝心な鼻を欠いてしまうことから。
才に走る(さいにはしる)
能力や才能を過信して地道な努力や注意を怠ること。
采配を振る(さいはいをふる)
先頭に立って指示をすること。指揮をとること。 「采配」は昔の武将が戦場で兵の指揮をとる時に使った道具。 「采配を振るう」ともいうが、本来は誤用。 「采を振る」「采配を取る」「采柄を握る」
財布の底と心の底は人に見せるな(さいふのそことこころのそこはひとにみせるな)
うまく世間を渡るためには、自分の財産や心のうちを他人に知られてはいけないということ。
財布の紐は首に掛けるより心に掛けよ(さいふのひもはくびにかけるよりこころにかけよ)
財布の紐を首に掛けて金を盗まれないようにするより無駄遣いしないように心がけるほうが大事だということ。、
財布を握る(さいふをにぎる)
金銭の出し入れに関する権限を持つこと。 「財布の紐を握る」ともいう。
先が見える(さきがみえる)
これから先の大まかな予想がつくこと。特に悪い状況に対して使う。また、その能力があること。
鷺を烏と言いくるめる(さぎをからすといいくるめる)
明らかに間違っているのに、強引に主張して押し通そうとするたとえ。真っ白な鷺を烏だと言い張るという意。「言いくるめる」は、相手を言葉で丸め込むという意。
策士、策に溺れる(さくし、さくにおぼれる)
策略に秀でた人は策を練りすぎて、逆に失敗するということ。
桜折る馬鹿、柿折らぬ馬鹿(さくらおるばか、かきおらぬばか)
桜は枝を折ると枯れてしまうことがある。一方、刃物を嫌う柿は枝を折るほうが新しい枝が茂って多くの実をつけるということ。
桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿(さくらきるばか、うめきらぬばか)
樹木の剪定(せんてい)方法をいったことば。桜は枝を切ると枯れることがあるのでそのままがいいし、梅は無駄な枝が伸びないように切ったほうがよいということ。
桜は花に顕われる(さくらははなにあらわれる)
ふだんは平凡な人々に紛れていた人間が、何らかの機会に優れた才能を発揮するたとえ。他の雑木に交って目立たなかった桜の木も、花が咲いて初めて桜の木だと気づかれるということから。
策を講じる(さくをこうじる)
物事がうまくいくように対策を考えること。
策を弄する(さくをろうする)
物事をうまく行うために策を用いること。特に必要以上に策を用いるこという。
探りを入れる(さぐりをいれる)
相手の隠していることを気づかれないように知ろうとすること。
酒買って尻切られる(さけかってしりきられる)
好意でしたことを仇で返されるたとえ。酒を奢った相手に尻を切られるような目に遭わされるということから。
酒極って乱となる(さけきわまってらんとなる)
酒席も酒がすすむにつれて酔いがまわり、しまいには喧嘩などで乱れてしまうということ。
酒は三献に限る(さけはさんこんにかぎる)
酒は適量を飲むのがいいということ。「三献」は酒宴の礼法で、大・中・小の杯で酒を三杯勧めることを一献といい、それを三回繰り返した三献がほどよい量ということから。
酒は飲むとも飲まるるな(さけはのむとものまるるな)
酒は適度に飲むのはよいが、飲みすぎて理性を失うような飲み方をしてはいけないということ。
匙を投げる(さじをなげる)
医者が、治る見込みがないと病人を見放すこと。また、成功の見込みが立たずあきらめること。医者が薬を調合するさじを投げ出す意から。
札片を切る(さつびらをきる)
金を持っていることを自慢げに見せるように気前よく大金を使うこと。
様になる(さまになる)
その物事に相応しい見た目になること。
寒さ小便、ひだるさ欠伸(さむさしょうべん、ひだるさあくび)
寒い時にはやたらと小便がしたくなり、空腹の時にはしきりに欠伸が出るということ。 「ひだるい」は、空腹であること。 「ひだるさ欠伸、寒さ小便」ともいう。
鞘を取る(さやをとる)
売買の仲介をして差額の一部を利益として得ること。
晒し者になる(さらしものになる)
人々の前で恥をかかされること。
猿知恵(さるぢえ)
一見利口に見えるが、実はあさはかな知恵。猿が持っている程度の知恵という意から。
猿に烏帽子(さるにえぼし)
外見だけ装って、実質の伴わないことのたとえ。また、ふさわしくないことをするたとえ。 猿に烏帽子をかぶせても似合わないことから。
猿に木登り(さるにきのぼり)
その事を、よく知っている相手にわざわざ教えること。無駄なことをするたとえ。
猿の尻笑い(さるのしりわらい)
自分の欠点に気づかず、他人の欠点を嘲笑することのたとえ。 猿が自分の尻が赤いことに気付かずに、他の猿の尻を見て笑うことから。
猿の水練、魚の木登り(さるのすいれん、うおのきのぼり)
見当違いのことをするたとえ。
猿の人真似(さるのひとまね)
猿のようによく考えもしないで、人の真似をすることをあざけっていう言葉。
猿は人間に毛が三筋足らぬ(さるはにんげんにけがみすじたらぬ)
猿は利口で人間にきわめて近い動物だが、人間に知恵が及ばないのは毛が三本足りないからだということ。 また、「毛が三本」ではなく、「見分け(判断・配慮する力)」「情け(思いやる心)」「やりとげ(物事をやり遂げる力)」の三つ、または「色気」「情け」「洒落っ気」」の三つが足りないとする説もある。 「三筋」ではなく「三本」ともいう。
猿も木から落ちる(さるもきからおちる)
その道の達人でも、たまには失敗することもあるということ。 木登りが得意な猿でも、ときには誤って落ちることもあるとの意から。
去る者は追わず(さるものはおわず)
自分の所から去る人を引き止めないこと。
去る者は追わず、来る者は拒まず(さるものはおわず、きたるものはこばまず)
自分を信じられずに、離れて行く者を決して引き止めることはしない。自分を信じて頼ってくる者は、どんな人間でも拒まない。その人の心に任せて、決して無理強いはしないということ。
去る者は日日に疎し(さるものはひびにうとし)
死んだ人は、月日が経つとだんだんと忘れられていく。また、親しくしていた人も、遠く離れてしまうとしだいに疎遠になるということ。
差をつける(さをつける)
物事を比べたときに、はっきりとした違いを生じさせること。また、競争や比較の場面で他より抜きん出て優位に立つこと。
三十六計逃げるに如かず(さんじゅうろっけいにげるにしかず)
様々な計略があるが、困ったときは逃げるのが最良の策だということ。 「三十六計」は、古代中国の兵法で使われた三十六種類のはかりごと。 三十六種類の計略のうち、逃げるという計略に及ぶものはないとの意から。
三寸の舌を掉う(さんずんのしたをふるう)
大いに弁舌をふるうこと。
山中の賊を破るは易く心中の賊を破るは難し(さんちゅうのぞくをやぶるはやすくしんちゅうのぞくをやぶるはかたし)
山中にいる賊を討伐するのは簡単だが、心の中の邪念に打ち勝つのは難しいというたとえ。
三年経てば三つになる(さんねんたてばみっつになる)
生まれた子も三年経てばちゃんと三歳になるように、どんな物事も時が経てば変化し成長するということ。 「乞食の子も三年経てば三つになる」ともいう。
三拝九拝する(さんぱいきゅうはいする)
何度も頭を下げて頼み込んだり、敬意や感謝を表したりすること。
酸鼻を極める(さんびをきわめる)
戦争や災害、事故などによって目を覆いたくなるほど悲惨な状態になること。 また、その状態に触れて心を痛めること。
座が白ける(ざがしらける)
それまで盛り上がっていた楽しい雰囲気が壊れて面白味がなくなること。
雑音を入れる(ざつおんをいれる)
関係のない人が無責任な意見や批評を言うこと。
笊耳(ざるみみ)
聞いたことをすぐに忘れてしまうこと。また、そのような人。笊(ざる)の隙間から水がこぼれる様子から。
思案に余る(しあんにあまる)
どれだけ考えてもよい案が浮かばないこと。
思案に暮れる(しあんにくれる)
どれだけ考えてもよい案が浮かばず思い悩むこと。
思案の案の字が百貫する(しあんのあんのじがひゃっかんする)
何事もよく考えてから行うことが大切であるというたとえ。 「百貫」は銭一貫の百倍。非常に価値があるもののたとえ。
潮時を見る(しおどきをみる)
物事を行うのによい時期を見計らうこと。
塩を売れば手が鹹くなる(しおをうればてがからくなる)
仕事の癖や習慣は、いつの間にか身について、生まれつきのようになっているというたとえ。毎日塩を売っていれば、自然と手が鹹くなっているということから。
四角な座敷を丸く掃く(しかくなざしきをまるくはく)
仕事の手を抜いたり、いいかげんなことをするたとえ。四角い座敷を隅を残して真ん中だけ丸く掃くことから。
死活に関わる(しかつにかかわる)
生きるか死ぬかというほどに重大であること。
四月の中の十日に心なしに雇われるな(しがつのなかのとおかにこころなしにやとわれるな)
四月の中旬頃は日が長いので、思いやりのない人に雇われるといつまでも働かされるので気をつけよということ。また、その頃の日中の時間が長いことをいう。
しくじるは稽古のため(しくじるはけいこのため)
失敗は後に成功するための練習をしているようなものという意味。
四十過ぎての道楽と七つ下がって降る雨は止みそうで止まぬ(しじゅうすぎてのどうらくとななつさがってふるあめはやみそうでやまぬ)
中年になってから始めた道楽と、七つ下がりに降り出した雨は、なかなかやまないということ。「七つ下がり」は午後四時過ぎのこと。
死せる孔明、生ける仲達を走らす(しせるこうめい、いけるちゅうたつをはしらす)
生前の威信が死後も保たれ、人々を恐れさせるたとえ。 中国、蜀の諸葛孔明が魏の司馬仲達と対陣中病死した。退却しようとした蜀軍を仲達はただちに追撃したが、蜀軍は孔明の遺命に基づいて反撃の姿勢を見せたため、仲達は孔明がまだ死んでおらず、何か策略があるのではないかと恐れ退却したという故事から。
視線を浴びる(しせんをあびる)
多くの人から一斉に見つめられること。
滴り積もりて淵となる(したたりつもりてふちとなる)
少しのものでも集まれば大きなものになることのたとえ。一滴のわずかな滴も溜まり続ければいつかは深い淵になるという意味から。
下手に出る(したてにでる)
へりくだった態度で相手に接すること。 「下に出る」ともいう。
舌の剣は命を絶つ(したのつるぎはいのちをたつ)
軽率な発言は、命にかかわるような大事を引き起こすこともあるので、言葉は慎むべきであるというたとえ。