「る」を含む故事・ことわざ・慣用句
「る」を含む故事・ことわざ・慣用句 — 2361 件
逃げを張る(にげをはる)
逃げるための支度をすること。責任を負わされないよう事前に策を講じておくこと。
西から日が出る(にしからひがでる)
絶対にありえないことのたとえ。
錦を衣て夜行くが如し(にしきをきてよるゆくがごとし)
暗い夜道を錦を着て歩いても誰にもわかってもらえないのと同じで、いくら出世しても故郷に帰らなければ人々に知ってもらうことはできないので、出世した甲斐がないということ。
二世を契る(にせをちぎる)
夫婦として末永く(来世まで)連れ添うことを約束する。 「二世」は、現世と来世のこと。 「二世の契りを結ぶ」「夫婦の契りを結ぶ」ともいう。
似て非なる(にてひなる)
外見は似ているように見えても、本質は違っていることのたとえ。
似て非なるもの(にてひなるもの)
外見は似ているけれども、その内実は異なるもののこと。
二度あることは三度ある(にどあることはさんどある)
同じようなことが二度続けば、もう一度起こる可能性が高いということ。
担えば棒が折れる(になえばぼうがおれる)
二つの荷物がどちらとも同じように重いので、担ごうとすると担い棒が折れてしまうということ。 二つの物がどちらも捨てがたく、優劣もつけがたいことのたとえ。
荷になる(にになる)
じゃまになる。責任や義務、負担になる。
二の次にする(にのつぎにする)
ある物事をそれほど重要ではないと判断して、後回しにすること。 「二の次」は、二番目の意。
二の舞を演じる(にのまいをえんじる)
前の人と同じ失敗を繰り返すこと。 「二の舞」は舞楽で、安摩(あま)という舞の次に、それを真似て演じるこ滑稽な舞のこと。 単に「二の舞」ともいう。
女房と味噌は古いほどよい(にょうぼうとみそはふるいほどよい)
何でも古いほど味わいが出て良いということ。味噌も古くなると熟成されて味がよくなり、妻も長年連れ添うと円満さも増していくということから。
女房の悪いは六十年の不作(にょうぼうのわるいはろくじゅうねんのふさく)
悪い妻は夫を一生不幸にしてしまうということ。 悪い妻をもらうと六十年の不作に匹敵するとの意から。
睨みを利かせる(にらみをきかせる)
相手を威圧しておさえつけること。
似るを友(にるをとも)
境遇や性質の似た者同士が親友となること。 「似たるを友」ともいう。
人間至る処、青山あり(にんげんいたるところ、せいざんあり)
どこで死んでも世の中には自分の骨を埋めるぐらいの場所はあるということ。だから、故郷にこだわらず広い世間に出ておおいに活動すべきだというたとえ。「人間」は、「じんかん」とも読み世の中の意。「青山」は、樹木が青々と茂った山で埋骨にふさわしい土地の意。幕末の僧、月性(げっしょう)の詩から。
人間は考える葦である(にんげんはかんがえるあしである)
人間は自然の中ではか弱い存在であるが、思考する存在としては偉大であるということ。フランスの哲学者パスカルの「人間は自然のうちで最も弱い一本の葦にすぎない。しかしそれは考える葦である」という言葉から。
人間は万物の尺度である(にんげんはばんぶつのしゃくどである)
この世のすべての物事は、個々の人間の感覚を基準として測られるものであるということ。 ギリシャの哲学者プロタゴラスの言葉から。 「人は万物の尺度なり」ともいう。
人参飲んで首縊る(にんじんのんでくびくくる)
身分不相応なことや無計画なことをして、災いを招くことのたとえ。高価な高麗人参を飲んで病気は治ったが、その代金が払えずに首をくくるということから。
糠味噌が腐る(ぬかみそがくさる)
調子外れの下手な歌いぶりをからかうことば。
抜き足して来るひとに碌な者なし(ぬきあししてくるひとにろくなものなし)
音をさせないように近づく者は、何か後ろ暗い所があるので碌(ろく)な者ではないということ。
抜けるよう(ぬけるよう)
空に雲が一つもなく、青く澄みきっている様子。 また、透き通るように肌が白くてうつくしい様子。
盗人が盗人に盗まれる(ぬすびとがぬすびとにぬすまれる)
上には上があるというたとえ。 泥棒が逆に自分の物を盗まれてしまうとの意から。
盗人に鍵を預ける(ぬすびとにかぎをあずける)
悪人とは知らずに信頼して、うかつにも悪事の手助けをしてしまうたとえ。また、気づかずに災いを大きくする手伝いをするたとえ。盗難を防ぐための鍵をよりにもよって盗人に預けてしまう意から。
盗人の上米を取る(ぬすびとのうわまいをとる)
悪人にも、上には上がいるということ。 盗人が盗んだ物の一部を盗み取ることから。
盗人の昼寝(ぬすびとのひるね)
ひそかに悪事をたくらんで準備をしていること。また、何をするにも思惑があるということ。 盗人が夜の盗みに備えて昼寝をすることから。 「盗人の昼寝も当てがある」ともいう。
盗みする子は憎からで縄掛くる人が恨めしい(ぬすみするこはにくからでなわかくるひとがうらめしい)
盗みをした我が子を憎まず、その子を捕まえて縄を掛けた相手を恨むという、親の身びいきのたとえ。
塗り箸で芋を盛る(ぬりばしでいもをもる)
滑ってはさみにくいことから、物事のやりにくい様子のたとえ。 「塗り箸で素麺(そうめん)を食う」「塗り箸で鰻(うなぎ)を挟む」ともいう。
ぬるま湯に浸かる(ぬるまゆにつかる)
緊張感や刺激の少ない環境に甘んじて、のんびりと気楽に暮らすこと。
濡れ衣を着せられる(ぬれぎぬをきせられる)
無実の罪を負わされたり、身に覚えのない悪い評判をたてられたりすること。 「濡れ衣」は、無実の罪の意。
濡れ衣を着せる(ぬれぎぬをきせる)
無実の罪を負わせることのたとえ。 「濡れ衣」は無実の罪のこと。
根浅ければ則ち末短く、本傷るれば則ち枝枯る(ねあさければすなわちすえみじかく、もとやぶるればすなわちえだかる)
基礎がしっかりしていない物事は発展せず、いずれ衰えるということのたとえ。 「末」は枝や葉、「本」は幹こと。 根が十分張っていなければ枝葉も成長しない、幹がいためばいずれ枝も枯れることから。
根が生える(ねがはえる)
その場所に留まってすこしも動かないこと。
値が張る(ねがはる)
通常のものよりも値段が高いこと。
猫が肥えれば鰹節が痩せる(ねこがこえればかつおぶしがやせる)
一方がよくなれば他方が悪くなり、一方に利があれば他方に損があるというたとえ。鰹節を食べて猫は太るが、食べられた鰹節は痩せるとの意から。
猫にもなれば虎にもなる(ねこにもなればとらにもなる)
相手や状況しだいで、おとなしくもなれば凶暴にもなるということのたとえ。
猫の首に鈴をつける(ねこのくびにすずをつける)
名案であっても、実行するのが困難であることのたとえ。 ネズミたちが集まって協議し、猫が近づいたことを察知できるように、猫の首に鈴をつけることを考えたが、実行段階になると引き受けるネズミは誰もいなかったというイソップ寓話(ぐうわ)から。 「猫の首に鈴」ともいう。
猫の額にある物を鼠が窺う(ねこのひたいにあるものをねずみがうかがう)
自分の実力を考えずに、大それたことや無謀なことをしようとすることのたとえ。 猫のそばにある物を、鼠がねらって様子をうかがうことから。
猫は三年の恩を三日で忘れる(ねこはさんねんのおんをみっかでわすれる)
猫は三年飼われても、飼い主への恩を三日で忘れてしまうくらい薄情な動物だということ。
猫も跨いで通る(ねこもまたいでとおる)
猫も跨いで通り過ぎるほど、おいしくない魚のこと。また、上手に食べ終わって、何も残っていない魚の骨のこと。
猫を被る(ねこをかぶる)
本性を隠しておとなしそうにみせること。 「被る」はそのようにふるまうということ。 おとなしい猫のようなふりをするという意味から。 「猫被り」ともいう。
猫を殺せば七代祟る(ねこをころせばしちだいたたる)
猫は執念深いので、殺せば子孫七代まで祟りがあるという俗説。
寝覚めが悪い(ねざめがわるい)
過去に自分がした悪事などが思い出されて良心が痛むこと。
螺子が緩む(ねじがゆるむ)
気持ちがたるんでしまい、だらしなくなること。
鼠壁を忘る壁鼠を忘れず(ねずみかべをわするかべねずみをわすれず)
傷つけた側はすぐ忘れるが、傷つけられた側は恨みをいつまでも忘れないというたとえ。壁をかじった鼠はすぐにそのことを忘れるが、壁にはいつまでもその傷が残るということから。
鼠が塩を嘗める(ねずみがしおをなめる)
小事が積み重なって大事になることのたとえ。また、ものが少しずつ減っていき、最後にはなくなってしまうことのたとえ。 鼠が盗んでいく塩は少量ずつだが、何度も盗まれているといつの間にか大量の塩が無くなってしまうことから。 「鼠が塩を嘗める」ともいう。
鼠捕る猫は爪を隠す(ねずみとるねこはつめをかくす)
真にすぐれた才能のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。
ねたが上がる(ねたがあがる)
犯罪などの証拠を手にいれること。 「ねた」は「種(たね)」を反対から読んだ隠語。
ねたが割れる(ねたがわれる)
隠しごとが知られてしまうこと。
寝刃を合わせる(ねたばをあわせる)
人から気づかれないようにこっそりと悪事を企むこと。 「寝刃」は、切れ味の悪くなった刀剣の刃。
根絶やしにする(ねだやしにする)
ものごとの根本から取り除くこと。
熱気を帯びる(ねっきをおびる)
その場の雰囲気が高まり、緊迫感が感じられる様子。
熱が入る(ねつがはいる)
一段と物事に熱中すること。
熱に浮かされる(ねつにうかされる)
高熱によって、うわごとを言うような状態になること。 また、分別を失うほど一つのことに熱中すること。
熱を上げる(ねつをあげる)
あるものごとに夢中になること。
熱を入れる(ねつをいれる)
ある物事に熱意を込めること。
子に臥し寅に起きる(ねにふしとらにおきる)
寝る間を惜しんで働くことのたとえ。子の刻(午前零時頃)に寝て、寅の刻(午前四時頃)に起きるということから、遅く寝て早く起きるという意。
根回しをする(ねまわしをする)
ものごとをうまく運ぶため、事前に関係者からの了解を得ておくこと。
眠れる獅子(ねむれるしし)
実力を持っていながら、その能力を十分に出しきれていない国や人物のたとえ。
狙いをつける(ねらいをつける)
目的達成のため、目標となる対象をしっかりと絞り込んで決めること。
寝る子は賢い親助け(ねるこはかしこいおやだすけ)
泣かずによく眠る子どもは、手がかからないので親にとってありがたいということ。
寝る子は育つ(ねるこはそだつ)
よく眠る子は元気で丈夫に育つということ。
寝るほど楽はない(ねるほどらくはない)
世の中で、のんびり寝ることほど楽なことはないということ。
寝る間が極楽(ねるまがごくらく)
寝ている間は現実の心配事や苦労を忘れることができて、まるで極楽にいるようだということ。
音を上げる(ねをあげる)
困難な状況などに耐えることができず、泣きごとを言うこと。
能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
すぐれた才能や実力のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。
能書きを並べる(のうがきをならべる)
自らの長所や得意とすることなどをあれこれと並べたてること。 「能書き」は、薬などの効能を記載した効能書きのこと。
能事畢る(のうじおわる)
しなければならないことは残らずやり終えたということ。やり遂げた時に充実感を覚えて言ったり、あとは運を天に任せるしかないという気持ちで言ったりすることば。
嚢中の物を探るが如し(のうちゅうのものをさぐるがごとし)
袋の中の物を探すように、非常に簡単なことのたとえ。 「嚢中」は袋の中。 「袋の物を探るが如し」ともいう。
能なし犬は昼吠える(のうなしいぬはひるほえる)
才能のない者にかぎって必要のないときに大騒ぎしたり、大きなことを言ったりするというたとえ。
脳味噌を絞る(のうみそをしぼる)
あるだけの知恵を出し尽くして考察すること。
軒を貸して母屋を取られる(のきをかしておもやをとられる)
一部を貸したために、ついには全部を奪われてしまうことのたとえ。また、恩を仇で返されることのたとえ。
軒を連ねる(のきをつらねる)
ぎっしりと家が立ち並んでいるさま。
残り物には福がある(のこりものにはふくがある)
最後まで残っている物の中には、意外によいものがあるということ。
熨斗を付ける(のしをつける)
人に物を喜んで進呈するたとえ。
喉から手が出る(のどからてがでる)
欲しくて欲しくてたまらないことのたとえ。
喉元過ぎれば熱さを忘れる(のどもとすぎればあつさをわすれる)
苦しいことも過ぎてしまえば忘れてしまうことのたとえ。また、苦しい時に受けた恩義も楽になったら忘れてしまうことのたとえ。 熱いものを飲んでも、のどを過ぎれば口に入れた時の熱さを忘れてしまうことから。
蚤の息も天に上がる(のみのいきもてんにあがる)
誰でも一心に努力すれば望みを叶えられるということ。 一心に事を行えば、蚤のような小さなものの吐息も天に届かせることができるとの意から。
飲む者は飲んで通る(のむものはのんでとおる)
酒飲みは酒代がかかって大変だが、金が無いなら無いなりにやっていくものだということ。
矩を踰える(のりをこえる)
道徳や規律から外れること。「矩」は規則・おきて、「踰える」は超えるという意。