「家」を含む故事・ことわざ・慣用句
「家」を含む故事・ことわざ・慣用句の一覧です。五十音順に表示しています。
空き家で声嗄らす(あきやでこえからす)
努力しても報われないことのたとえ。空き家で大声で案内を求めても返事がないことから。
空き家の雪隠(あきやのせっちん)
返事がない、応答がないことのたとえ。「雪隠」は便所のことで、空き家では使う人がないから「肥えなし」でそれを「声なし」にかけたしゃれ。
家鴨も鴨の気位(あひるもかものきぐらい)
それほどでもない者が、高い気位を持っていることのたとえ。 姿のよくない家鴨が、鴨の気位を持つことから。
家柄より芋茎(いえがらよりいもがら)
良い家柄より、食べられる芋がらの方が値打ちがあるということ。「家柄」と「芋茎」の語呂合わせで、落ちぶれた名家をあざける言葉。
家に杖つく(いえにつえつく)
五十歳のこと。昔、中国では五十歳になれば屋敷内で杖をつくことが許されたことから。
家に杖つく頃(いえにつえつくころ)
五十歳のこと。昔、中国では五十歳になれば屋敷内で杖をつくことが許されたことから。
家に女房なきは火のない炉のごとし(いえににょうぼうなきはひのないろのごとし)
家に主婦がいないのは、炉の中に火がないのと同じで、大事なものが欠けていて寂しいということ。
家に鼠、国に盗人(いえにねずみ、くににぬすびと)
規模の違いはあるが、どんな所にも悪いことをする者がいるということ。
家貧しくして孝子顕る(いえまずしくしてこうしあらわる)
貧乏な家庭では、子どもも親を助けるために働いたりするので、その孝行ぶりが目立って人に知られるようになるということ。 逆境のときに、それを助けるものが現れること。
家貧しくして良妻を思う(いえまずしくしてりょうさいをおもう)
貧乏をすると、この境遇を一緒に乗り越えてくれる良い妻が欲しいと、つくつぐ思うということ。
家を傾ける(いえをかたむける)
一家の財産をなくすこと。身代を持ち崩す。
家を外にする(いえをそとにする)
事情があって外出していること。また、自分の家に帰らず、外泊すること。
家を畳む(いえをたたむ)
住んでいる家や家財などを処分してよそへ移ること。
家を道端に作れば三年成らず(いえをみちばたにつくればさんねんならず)
他人の助言をいちいち聞いていると、何事もやり遂げることが出来ないというたとえ。 道に面した場所に家を建てようとすると、口出しをする人が多くてなかなか出来上がらないとの意から。
イギリス人の家はその人の城(いぎりすじんのいえはそのひとのしろ)
何れを見ても山家育ち(いずれをみてもやまがそだち)
大勢いる者のどれを見ても田舎育ちで、誰一人役に立ちそうにない。
一家言(いっかげん)
その人だけが持つ意見や論説。また、一つの見識のある意見。
一家の言を成す(いっかのげんをなす)
その人独特の主張や学説を打ち立てること。
一家を機杼す(いっかをきちょす)
機(はた)を織っていろいろな模様を織り出すように、独自の言論や文章を作り出して一派を立てること。 「機杼」は、機織りの時、横糸を通す道具。
一家を立てる(いっかをたてる)
家庭を持つ。また、学問や芸術の分野で新しい流派を立ち上げる。 「一家を立てる」ともいう。
一家を成す(いっかをなす)
家庭を持つ。また、学問や芸術の分野で新しい流派を立ち上げる。 「一家を立てる」ともいう。
犬は人につき猫は家につく(いぬはひとにつきねこはいえにつく)
引っ越す時、犬は飼い主について行くが猫は家から離れようとしないということ。
家の前の痩せ犬(うちのまえのやせいぬ)
後ろ盾がある時はいばり、ない時は意気地がない人のたとえ。痩せて弱い犬も飼い主の家の前では威張って吠えることから。
売家と唐様で書く三代目(うりいえとからようでかくさんだいめ)
初代が苦労して残した財産も、三代目にもなると没落し、家を売りに出すような羽目になるが、その「売家」と書いた札の文字は唐様(中国風)でしゃれている。仕事をしないで道楽三昧をする人を皮肉ったもの。
お家がらがら(おいえがらがら)
家柄のよさを自慢する者を嘲笑する言葉。 「がらがら」は中身のないことの形容で、家柄の柄(がら)とかけたもの。
お家芸(おいえげい)
最も得意とする技術や方法。 代々その家に伝わる独特の芸の意から。
お家の一大事(おいえのいちだいじ)
他人の家に起こった出来事を冗談めかしたり、皮肉ったりして大げさにいう時に使う言葉。 主君の家に起こった重大な事件との意から。
大きな家には大きな風(おおきないえにはおおきなかぜ)
人にはそれぞれの境遇に合った悩みがあるということ。 金持ちは何の心配もないように見えるが、家が大きければ、それなりに風当たりが強く、金持ちなりの悩みがあるとの意から。
大家と言えば親も同然、店子と言えば子も同然(おおやといえばおやもどうぜん、たなこといえばこもどうぜん)
借家人にとって家主は親と同様の存在であり、家主にとって借家人は我が子同様の存在だということ。「店子」は、借家人の意。昔の大家と店子の関係をいった言葉。
驕る平家は久しからず(おごるへいけはひさしからず)
驕り高ぶって滅亡した平家のように、贅沢を尽くし勝手気ままにふるまう者は、長く栄えることなく早く滅びてしまうというたとえ。
女は三界に家なし(おんなはさんがいにいえなし)
女はこの広い世界のどこにも安住できる所がないということ。 「三界」は仏教語で欲界・色界・無色界のことから全世界の意味。 女は子どものころは父に従い、結婚してからは夫に従い、老いてからは子に従うのもので、世界のどこにも安住できる所がないとの意から。 「三界に家なし」ともいう。
家書万金に抵る(かしょばんきんにあたる)
旅先で受け取る家からの手紙は、万金に匹敵するほど貴重だということ。
敵の家でも口を濡らせ(かたきのいえでもくちをぬらせ)
たとえ敵の家でも出された食べ物には口をつけるのが礼儀だということ。つまり、いかなる場合も礼儀を守らなければならないということ。「口を濡らせ」は、少しだけでも飲食せよということ。本来は酒について言った言葉。
国に盗人、家に鼠(くににぬすびと、いえにねずみ)
物事には、その内部に害をなすものがあるというたとえ。
甲張り強くして家押し倒す(こうばりつよくしていえおしたおす)
必要以上の助けは、かえって悪い結果を招いてしまうということ。 「甲張り」は家などが倒れないようにあてがう材木のこと。 家が倒れないようにあてがう材木が強すぎて、逆に家を押し倒してしまうとの意から。 「甲張り」は「勾張り」とも書く。
勾張り強くして家押し倒す(こうばりつよくしていえおしたおす)
必要以上の助けは、かえって悪い結果を招いてしまうということ。 「甲張り」は家などが倒れないようにあてがう材木のこと。 家が倒れないようにあてがう材木が強すぎて、逆に家を押し倒してしまうとの意から。 「甲張り」は「勾張り」とも書く。
三界に家なし(さんがいにいえなし)
女はこの広い世界のどこにも安住できる所がないということ。 「三界」は仏教語で欲界・色界・無色界のことから全世界の意味。 女は子どものころは父に従い、結婚してからは夫に従い、老いてからは子に従うのもので、世界のどこにも安住できる所がないとの意から。 「三界に家なし」ともいう。
三度の火事より一度の後家(さんどのかじよりいちどのごけ)
三度火事に遭うより、一度だけでも夫に先立たれるほうが精神的打撃が大きくて立ち直りにくいというたとえ。
財宝は地獄の家苞(ざいほうはじごくのいえづと)
質素に暮らして蓄財だけしても空しいということ。 蓄財しても地獄への土産になるだけという意味から。 「家苞」は持ち帰る手土産のこと。
修身斉家治国平天下(しゅうしんせいかちこくへいてんか)
天下を治めるには、まず自分の心と行いを正しくし、次に家庭を整え、次に国家を治めて天下を平和にすべきだということ。
出家の念仏嫌い(しゅっけのねんぶつぎらい)
もっとも大切なことが嫌いだったり、出来なかったりすることのたとえ。 僧となって仏道を修行する者が念仏を唱えるのが嫌いとの意から。
自家薬籠中の物(じかやくろうちゅうのもの)
いつでも自分の思うままににできる人や物のたとえ。 また、すっかり身につけた知識や技術のたとえ。 「自家」は自分のこと。「薬籠」は薬箱のこと。 自分の薬箱の薬のように、いつでも自分の思いのままに使えるもののことから。
積悪の家には必ず余殃あり(せきあくのいえにはかならずよおうあり)
悪行を重ねてきた家には、報いとして子孫にまで必ず災いがあるということ。 「余殃」は祖先の行った悪事の報いとして受ける災い。 「積悪の余殃」ともいう。
積善の家には必ず余慶あり(せきぜんのいえにはかならずよけいあり)
善行を積み重ねた家には、その報いとしての幸せが必ず子孫におとずれるということ。「余慶」は、祖先の善行のおかげで、子孫に及ぶ幸福のこと。
喪家の狗(そうかのいぬ)
元気がなくてやつれている人のたとえ。 または、身を寄せるところがなく、放浪している人のたとえ。 「喪家」は喪中の家のこと。 「狗」は動物の犬のこと。 葬式をしている家は忙しいので、犬に餌をやり忘れてしまい犬がやせてしまうという意味から。 また、一説に家を失った犬や宿無しの犬のことをいうこともある。
素封家(そほうか)
大金持ちのこと。 「素」はむなしいこと、なにもないこと。 「封」は領土のこと。 位や領土はもたないが、多くの財産を持っていること。 「素封家」ともいう。
大家後なし(たいかのちなし)
その道の大家は一代限りで、子孫が大家になるとは限らないということ。
談義説法は出家の生計(だんぎせっぽうはしゅっけのせいけい)
ありがたい談義や説法も、結局は僧侶が生計を立てる手段でしかないということ。 「生計」は「身過ぎ」ともいう。
談義説法は出家の身過ぎ(だんぎせっぽうはしゅっけのみすぎ)
ありがたい談義や説法も、結局は僧侶が生計を立てる手段でしかないということ。 「生計」は「身過ぎ」ともいう。
男子家を出ずれば七人の敵あり(だんしいえをいずればしちにんのてきあり)
男が世の中に出て活動するようになると、多くの競争相手や敵に出会うということのたとえ。 男が敷居を跨いで外に出れば七人の敵がすでに待ち構えているとの意から。 「敷居を跨げば七人の敵あり」「男子家を出ずれば七人の敵あり」ともいう。
朕は国家なり(ちんはこっかなり)
フランスのルイ14世が宣言したとされる、絶対王政を象徴する言葉。 「私こそが国家そのものである」の意。
付き合いなら家でも焼く(つきあいならいえでもやく)
付き合いは、大切なものを犠牲にしてもしなければならないくらい大事だということ。また、付き合いを大事にして自分の家庭をかえりみないことを戒めて言うことば。
鄭家の奴は詩をうたう(ていかのやっこはしをうたう)
ふだん見聞きしていることは。自然に覚えるというたとえ。「鄭家」は、中国後漢の学者である鄭玄。鄭玄の家の雇い人は習いもしないのに詩経をうたうということから。
伝家の宝刀(でんかのほうとう)
先祖代々その家に伝わる大切な刀。転じて、いざという時に使う切り札のたとえ。
伝家の宝刀を抜く(でんかのほうとうをぬく)
ここぞという場面でしか用いない、奥の手を使うこと。 「伝家の宝刀」は先祖代々その家に伝わる大切な刀。転じて、いざという時に使う切り札のたとえ。
東家に食して西家に眠らん(とうかにしょくしてせいかにねむらん)
欲が深いことのたとえ。昔、中国斉の国の美女が両隣の男性から求婚され、東側の家は金持ちだが醜男、西側の家は貧乏だが美男だった。母親がどちらに嫁ぐのか尋ねたところ、昼間は東側の家で過ごし、夜は西側の家で過ごしたいと答えたという故事から。
年寄りは家の宝(としよりはいえのたから)
経験の豊かな年寄りは何でもよく知っていて、家の宝のような存在だということ。
隣の家の宝を数える(となりのいえのたからをかぞえる)
自分には何の得にもならないことのたとえ。 「他人の宝を数える」「隣の宝を数える」「隣の家の宝を数える」ともいう。
女房に惚れてお家繁盛(にょうぼうにほれておいえはんじょう)
亭主が女房に惚れ込んでいると、外で浮気や道楽もせず家庭円満になるということ。
恥は家の病(はじはいえのやまい)
腹の立つように家蔵建たぬ(はらのたつようにいえくらたたぬ)
世の中には腹が立つことが多いので、腹を立てるのは簡単だが、家や蔵を建てるくらいの金を稼ぐのは簡単にはいかないということ。
平家を滅ぼすは平家(へいけをほろぼすはへいけ)
自分をだめにするのは、自分自身だというたとえ。平家が滅びたのは、驕り高ぶった平家自身の自業自得だったとの意から。
方位家の家潰し(ほういかのいえつぶし)
方角の吉凶を気にしすぎると身動きがとれなくなり、ついには家をつぶす結果になるということ。
醜い家鴨の子(みにくいあひるのこ)
みんなから容姿が悪いとか、愚かだとか言われていても、大人になってきれいになったり、偉くなったりする子どものこと。アンデルセンの童話から。
雌鳥うたえば家滅ぶ(めんどりうたえばいえほろぶ)
夫よりも妻の勢力が強い家は、家庭内がうまくいかずにやがて破滅するということ。 雄鶏よりも先に雌鳥が時を告げることは、不吉な兆しであるとの言い伝えから。
雌鶏歌えば家滅ぶ(めんどりうたえばいえほろぶ)
妻が権威を振るうような家は、平和な家庭関係が保てずに崩壊してしまうというたとえ。 雌鶏が雄鶏よりも先に鳴いて朝の時を告げるのは不吉な兆しとされていたことから。
雌鶏歌えば家亡ぶ(めんどりうたえばいえほろぶ)
妻が権威を振るうような家は、平和な家庭関係が保てずに崩壊してしまうというたとえ。 雌鶏が雄鶏よりも先に鳴いて朝の時を告げるのは不吉な兆しとされていたことから。
我が家、楽の釜盥(わがいえ、らくのかまだらい)
盥(たらい)を買えずに釜で代用しているような貧乏な暮らしをしていても、我が家ほど楽しい所はないということ。
我が家の仏尊し(わがいえのほとけとうとし)
自分の信じるものや大切にしているものが、番尊いと信じこむことのたとえ。 「我が寺の仏尊し」「我が家の仏尊し」ともいう。