一木大廈の崩るるを支うる能わずについて

言葉 | 一木大廈の崩るるを支うる能わず |
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読み方 | いちぼくたいかのくずるるをささうるあたわず |
意味 | 大きな組織などが傾きかけている時は、一人の力では支えることが出来ないというたとえ。
「大廈」は、大きな建物のこと。 大きな建物が倒れるのを、一本の木だけで支えることは出来ないという意から。 |
出典 | - |
「一」を含むことわざ
悪は一旦の事なり(あくはいったんのことなり)
一時的にうまくいっても悪は長続きせず、結局は正義に勝てないということ。
朝顔の花一時(あさがおのはないっとき)
物事の盛りが短く、はかないことのたとえ。朝咲いた朝顔の花が昼を待たずにしぼんでしまうことから。
朝の一時は晩の二時に当たる(あさのひとときはばんのふたときにあたる)
朝は仕事がはかどるので、なるべく早く起きて働けということ。「一時」は昔の時刻の数え方で、約二時間。「二時」はその倍の約四時間で、朝の仕事は夜の仕事の二倍に相当するという意から。
薊の花も一盛り(あざみのはなもひとさかり)
誰でも年ごろになると、それなりの魅力が出てくるということ。あまり好まれない薊の花も、美しい時期があるという意から。
あの世の千日、この世の一日(あのよのせんにち、このよのいちにち)
あの世の極楽で千日暮らすより、この世で一日でも楽しむほうがよいということ。
危ない橋も一度は渡れ(あぶないはしもいちどはわたれ)
安全な方策ばかりとっていたのでは、成功することはできない。時には危険を冒してやってみるのも必要だということ。
「木」を含むことわざ
足を擂り粉木にする(あしをすりこぎにする)
長い間歩いたり立ち続けたりして、足が棒にように固く突っ張るほど、疲れ切ること。 「擂り粉木」は、すり鉢でものをすり潰すときに用いる棒。
諍い果てての乳切り木(いさかいはててのちぎりぎ)
時機に遅れて何の役にも立たないことのたとえ。 「乳切り木」は棒の切れ端の意。喧嘩が終わってから、棒切れを持ち出しても役に立たないという意から。 「喧嘩過ぎての棒乳切り」「争い果てての棒乳切り」ともいう。
石が流れて木の葉が沈む(いしがながれてこのはがしずむ)
物事の道理が逆であることのたとえ。
移木の信(いぼくのしん)
約束を確実に実行すること。中国秦の商鞅は法令を徹底させるために、都の南門に立てた木を北門に移した者に懸賞金を与えると布告し、その約束を守り人民を欺かないと実証したという故事から。
植木屋の庭できが多い(うえきやのにわできがおおい)
気が多いこと。 「気が多いこと」と「木が多いこと」をかけて言ったしゃれ。
魚の木に登るが如し(うおのきにのぼるがごとし)
魚が木に登ろうとするように、不可能なことをしようとするたとえ。
「大」を含むことわざ
諍いをしいしい腹を大きくし(いさかいをしいしいはらをおおきくし)
喧嘩ばかりしている夫婦なのに、子どもだけはよくできるということ。
井の中の蛙大海を知らず(いのなかのかわずたいかいをしらず)
他に広い世界があることを知らずに、自分の周りの狭い見識や知識にとらわれている人を嘲笑する言葉。小さな井戸にすむ蛙は、大きな海があることを知らないという意から。
上を下への大騒ぎ(うえをしたへのおおさわぎ)
上にあるべきものが下へ、下にあるべきものが上へというような、ごった返した大騒動のこと。
独活の大木(うどのたいぼく)
身体ばかり大きくて何の役にも立たない人のたとえ。独活は丈は大きくなるが、茎が柔らかいため材木にならないという意から。「独活の大木柱にならぬ」ともいう。
瓜の皮は大名に剝かせよ、柿の皮は乞食に剝かせよ(うりのかわはだいみょうにむかせよ、かきのかわはこじきにむかせよ)
瓜の皮は厚くむき、柿の皮は薄くむいたほうがおいしいということ。大名はおう揚なので、瓜の皮を厚くむかせる時に適し、貧乏な乞食は柿の皮を薄くむかせる時に適しているという意から。
江戸っ子の往き大名還り乞食(えどっこのゆきだいみょうかえりこじき)
江戸っ子は気前がよく無計画なので、往きは大名のように贅沢をしてお金を使い果たし、帰りには乞食のように一文無しになるということ。
「廈」を含むことわざ
一木大廈の崩るるを支うる能わず(いちぼくたいかのくずるるをささうるあたわず)
大廈の倒れんとするは一木の支うる所に非ず(たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず)
大勢がすでに傾きかけているときに、一人の力で支えるのはとうてい無理だというたとえ。「大廈」は、大きな建物のことで、それが倒れかけているのを、一本の木で支えることはできないという意から。
「崩」を含むことわざ
蟻の穴から堤も崩れる(ありのあなからつつみもくずれる)
ちょっとした油断・不注意から大事が起こるというたとえ。蟻の穴を見過ごしたために堤防が崩れることもあるという意から。
玉山崩る(ぎょくざんくずる)
容姿の立派な人が酔いつぶれるたとえ。「玉山」は、珠玉のとれる山から転じて、容姿のあでやかなことのたとえ。
相好を崩す(そうごうをくずす)
嬉しそうな笑顔になること。にこやかな表情になること。 「相好」は顔つきという意味。
雪崩を打つ(なだれをうつ)
雪崩のように、大勢の人が一斉に同じ方向に移動するさま。
膝を崩す(ひざをくずす)
正座をやめて、楽な座り方に変えること。
身を持ち崩す(みをもちくずす)
品行が悪化し、生活がだらしなくなること。
「支」を含むことわざ
一木大廈の崩るるを支うる能わず(いちぼくたいかのくずるるをささうるあたわず)
支証の出し遅れ(ししょうのだしおくれ)
時機を逃したために、役に立たないことのたとえ。証拠を出すべき時機を失するという意から。「証文の出し遅れ」ともいう。
大廈の倒れんとするは一木の支うる所に非ず(たいかのたおれんとするはいちぼくのささうるところにあらず)
大勢がすでに傾きかけているときに、一人の力で支えるのはとうてい無理だというたとえ。「大廈」は、大きな建物のことで、それが倒れかけているのを、一本の木で支えることはできないという意から。
「能」を含むことわざ
効能書きの読めぬ所に効能あり(こうのうがきのよめぬところにこうのうあり)
薬の効能書きは難解だが、それがかえって効きそうな気にさせる。わかりにくいものほど、有難みがあるということのたとえ。また、効能書きの難解さへの皮肉にいう。
駟馬も追う能ず(しばもおうあたわず)
一度口に出した言葉は取り返しがつかないから、言葉には十分気をつけよということ。「駟馬」は四頭立ての馬車。一度口にした言葉は、四頭立ての速い馬車で追っても追いつけないという意から。「駟も舌に及ばず」ともいう。
敵は本能寺にあり(てきはほんのうじにあり)
本当の目的が別にあることのたとえ。 戦国時代、明智光秀が備中の毛利を攻めると見せかけて出陣したが、途中で進路を変えて京都本能寺の織田信長を討ったという故事から。
能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす)
すぐれた才能や実力のある人は、それをむやみにひけらかしたりしないということ。
能書きの読めぬ所に効き目あり(のうがきのよめぬところにききめあり)
効能書きは難解だが、それがかえって効き目があるように感じられる。よくわからないものほど、有難みがあるということのたとえ。また、効能書きの難解さへの皮肉にいう。
能書きを並べる(のうがきをならべる)
自らの長所や得意とすることなどをあれこれと並べたてること。 「能書き」は、薬などの効能を記載した効能書きのこと。