「女」に関連する故事・ことわざ・慣用句 — 134 件
「女」に関連する故事・ことわざ・慣用句を一覧で紹介します。各語を選択すると意味・読み方などの詳細を確認できます。全134件を五十音順に掲載しています。
ことわざ一覧(五十音順)
秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな)
秋に収穫する茄子を嫁に食べさせてはいけないということ。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」「種が少ないので子宝に恵まれない」「体が冷えてよくない」などの解釈がある。 「おいしいのでもったいないという姑の嫁いびり」の解釈が一般的。
秋の日と娘の子はくれぬようでくれる(あきのひとむすめのこはくれぬようでくれる)
秋の日は暮れないようでいて急に暮れるように、大事にされてきた娘も、嫁にくれないように見えて案外簡単にくれるものだということ。
阿嬌(あきょう)
美しい女性。若く可憐な娘。 「阿」は人名の前に添えて親しみを表す接頭語。「嬌」は、漢の武帝の后・陳氏の幼名に由来し、そこから美しい女性の意に用いられるようになった。
悪妻は六十年の不作(あくさいはろくじゅうねんのふさく)
連れ合いを選び違えると、その痛手は死ぬまで、ときには次の代まで尾を引く。 一度きりの選び方が、その後のすべてに影を落とす。 「悪妻は百年の不作」ともいう。
悪女の賢者ぶり(あくじょのけんじゃぶり)
性格の悪い女が、表面上は賢い女や善良な女を装って振る舞うこと。また、そのように賢女や貞女になりすます偽善的な態度のこと。
悪女の深情け(あくじょのふかなさけ)
器量の悪い女性ほど愛情や嫉妬心が強いということ。「悪女」は心の悪い女の意ではなく不器量な女のこと。 また、有り難迷惑のたとえ。
悪女は鏡を疎む(あくじょはかがみをうとむ)
器量の悪い女性が鏡に向かうのを嫌がるように、人間は自分の欠点に触れるのを嫌がるということ。「悪女」は不器量な女のこと。
朝雨は女の腕まくり(あさあめはおんなのうでまくり)
威勢よく降り出しても、朝の雨はじきに上がってしまう。脅しの身ぶりも同じで、実が伴わないから真に受けなくてよい。
朝のぴっかり姑の笑い(あさのぴっかりしゅうとめのわらい)
当てにならないことのたとえ。 朝さんさんと日がさすよい天気と姑の笑顔は、変わりやすく当てにはできないという意味から。
東男に京女(あずまおとこにきょうおんな)
男はたくましくて粋な江戸の男、女はしとやかで優しい京の女がいいということ。
後先息子に中娘(あとさきむすこになかむすめ)
子どもを持つなら三人で、最初と最後は男、真ん中は娘が理想だということ。
姉女房は身代の薬(あねにょうぼうはしんだいのくすり)
夫より年上の妻は家計のやりくりもうまく、夫に尽くすので、家庭が円満であるということ。
姉は菅笠、妹は日傘(あねはすげがさ、いもとはひがさ)
女性は嫁ぎ先しだいで、境遇に大きな差が出てくるということ。「菅笠」は農作業でかぶる笠。「日傘」は盛装などの時にさす日除けの傘。同じ家で育った姉妹でも、嫁ぎ先によって、菅笠をかぶってあくせく働いたり、日傘をさして優雅に出掛けたりと、違う境遇になるということから。
家に女房なきは火のない炉のごとし(いえににょうぼうなきはひのないろのごとし)
家に主婦がいないのは、炉の中に火がないのと同じで、大事なものが欠けていて寂しいということ。
家貧しくして良妻を思う(いえまずしくしてりょうさいをおもう)
貧乏をすると、この境遇を一緒に乗り越えてくれる良い妻が欲しいと、つくづく思うということ。
一姫二太郎(いちひめにたろう)
一番最初に女の子が生まれ、次に男の子が生まれるという子供の生まれる順番のこと。その順番が子育てに適しているという意味で用いられる言葉。「うちの子供は女がひとりと男がふたりの一姫二太郎です」と子供の数を表す使い方は誤用。
倚門の望(いもんのぼう)
母親が子どもの帰りを待ちわびること。また、そういう母親の愛情のこと。中国の春秋時代、王孫賈(おうそんか)の母親が門に倚(よ)りかかって、我が子の帰りを待ちわびたという故事から。
厭じゃ厭じゃは女の癖(いやじゃいやじゃはおんなのくせ)
女というものは男にくどかれると、内心はうれしくても、口では嫌だ嫌だと言うものだということ。
入り鉄砲に出女(いりでっぽうにでおんな)
江戸幕府が街道の関所でとりわけ厳重に調べた二つの対象。 謀反への備えとして、江戸へ向かう鉄砲と、人質として江戸に置いた大名の妻女が国元へ下ることを見張った。
色香に迷う(いろかにまよう)
女性のあでやかな容姿に惑わされ自分を失ってしまうこと。
後ろ弁天、前不動(うしろべんてん、まえふどう)
後ろ姿は見とれるほど美しいのに、正面へ回ると興ざめしてしまう女性をひやかしていう言葉。 弁天は艶やかな天女の姿をした神、不動明王は牙をむいて怒りをあらわにした仏で、その隔たりを言い立てたもの。
臼から杵(うすからきね)
女性から男性に言い寄ることのたとえ。物事が逆であることのたとえ。 「臼」は女性、「杵」は男性をさす隠語。
薄皮の剝けたよう(うすかわのむけたよう)
女性の肌が白くてきめが細かいことのたとえ。
お乳母日傘(おうばひがさ)
乳母をつけ、日ざしには傘を差しかけるようにして、子を何不自由なく育てること。 裕福な家の、手をかけすぎるほどの育て方をいう。「乳母日傘(おんばひがさ)」はこれが転じたもの。
お茶を挽く(おちゃをひく)
暇を持て余すこと。特に、芸者などが客がつかずに暇でいること。 茶臼で葉茶をひくのは、暇な遊女の仕事とされていたことから。
男の目には糸を引け、女の目には鈴を張れ(おとこのめにはいとをひけ、おんなのめにはすずをはれ)
男の目つきは細く引き締まっているのが、女は大きく見開いているのがよいとされた。 顔立ちの好みを、男女で正反対に置いた言い方。
男は度胸、女は愛嬌(おとこはどきょう、おんなはあいきょう)
男にとって大切なものは、物事に動じない強い度胸で、女にとって大切なものは、にこやかでかわいらしい魅力だということ。「度胸」と「愛嬌」の「きょう」の語呂を合わせていった言葉。
男は松、女は藤(おとこはまつ、おんなはふじ)
男は大地にしっかりと根を張る松のようなもので、女はその松にからむ藤のように男を頼りにするものだということのたとえ。
男は妻から(おとこはめから)
男が身を立てられるかどうかは、どのような妻を迎えるかで決まるということ。 「から」は事の起こる元をいい、家の内が定まってこそ外での働きも定まる、という見方に立った言葉。
男鰥に蛆が湧き、女寡に花が咲く(おとこやもめにうじがわき、おんなやもめにはながさく)
連れ合いを欠くと、男の側は身のまわりが荒れていく一方で、女の側はかえって手入れが行き届き、人目を引くようになる。 「やもめ」は、対を失って独りでいる者。
鬼瓦にも化粧(おにがわらにもけしょう)
鬼瓦のように器量のよくない女性も、化粧ひとつでそれなりにきれいに見えるというたとえ。
鬼も十八、番茶も出花(おにもじゅうはち、ばんちゃもでばな)
器量が悪くても、年ごろになれば誰でも娘らしい魅力が出てくるということ。 鬼の娘でも十八という年ごろになれば娘らしくなるし、安い番茶も入れたては香りがよくおいしいとの意から。 単に「鬼も十八」また「番茶も出花」ともいう。
女心と秋の空(おんなごころとあきのそら)
秋の空模様のように、女性の心が変わりやすいということ。
女賢しゅうして牛売り損なう(おんなさかしゅうしてうしうりそこなう)
細かいところに気が回るあまり、まとまるはずの話を取り逃がす。 近い勘定に目が向くと、その先の得が見えなくなる。
女三人あれば身代が潰れる(おんなさんにんあればしんだいがつぶれる)
娘を三人も持てば、その婚礼にかかる入り用で家の身代は傾いてしまうということ。 嫁がせる側が衣類や道具をひととおり持たせる習わしだったころの、親の負担の重さを言った言葉。
女三人寄れば姦しい(おんなさんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まれば大変にやかましいということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。
女ならでは夜は明けぬ(おんなならではよはあけぬ)
世の中は女の力があってはじめて動くのであって、女を欠いては何事も立ち行かないということ。 天照大神が天岩戸にこもって世が闇に沈んだとき、天鈿女命が戸の前で舞い、その騒ぎに誘われて大神が姿を現し、ふたたび光が戻ったという神話にちなむ。 「日の本は女ならでは夜が明けぬ」ともいう。
女の一念、岩をも徹す(おんなのいちねん、いわをもとおす)
女が執念深いことのたとえ。
女の髪の毛には大象も繋がる(おんなのかみのけにはたいぞうもつながる)
女の魅力には、男の心を引きつける強い力があるというたとえ。女の髪の毛で足を繋がれて動けなくなった大きな象を、煩悩にとらわれて悟れない人にたとえた仏教の経典から。
女の心は猫の目(おんなのこころはねこのめ)
女の心は気まぐれで変わりやすいことのたとえ。 女心は、猫の目が光によって形が変化するように変わりやすいとの意から。
女の知恵は鼻の先(おんなのちえははなのさき)
女の考えは鼻の先までしか届かないとして、その場かぎりの思案しかできないとそしった言葉。 「鼻の先」はすぐ目の前のことで、先々を見渡す目がないことをいう。
女は衣装髪かたち(おんなはいしょうかみかたち)
装いと髪の結い方ひとつで、女の見映えはいくらでも変わるということ。 それだけに、身なりを整えることをおろそかにしてはならないという言い方。
女は氏無うて玉の輿に乗る(おんなはうじのうてたまのこしにのる)
女は低い家柄の生まれでも、容姿や運しだいで、金持ちや高貴な人と結婚できるということ。
女は己を説ぶ者のために容づくる(おんなはおのれをよろこぶもののためにかたちづくる)
思いを掛けてくれる相手がいてこそ、鏡の前の手間も惜しくなくなる。 見てくれる目があるかどうかで、身なりへの気の入れようが変わる。
女は三界に家なし(おんなはさんがいにいえなし)
女はこの広い世界のどこにも安住できる所がないということ。 「三界」は仏教語で欲界・色界・無色界のことから全世界の意味。 女は子どものころは父に従い、結婚してからは夫に従い、老いてからは子に従うもので、世界のどこにも安住できる所がないとの意から。 「三界に家なし」ともいう。
女冥利に尽きる(おんなみょうりにつきる)
女に生まれた甲斐がここに極まった、と思えるほどの幸せに恵まれること。 「冥利」は知らぬうちに授かる神仏の恵みで、それを受け尽くしたというほどの言い方。
女寡に花が咲く(おんなやもめにはながさく)
夫に先立たれた女が、かえって前より艶やかに見えるようになる。 気を配る先が自分ひとりに戻るからである。
海棠の睡り未だ足らず(かいどうのねむりいまだたらず)
眠り足らず酔いのさめきらない美人の、なまめかしい姿の形容。「海棠」は、春に薄紅色の美しい花が咲く庭木。玄宗皇帝が楊貴妃を評した言葉から。
嬶天下(かかあでんか)
家の中では妻の言うことが通り、夫が頭を上げられないこと。 上州(いまの群馬県)では蚕を飼い糸を取る仕事を女が受け持ち、家に入る金の多くを女が稼いだため、この言葉が上州を指して使われるようになった。 冬に山を越えて吹きつける水気のない風「空っ風」と組にして、「嬶天下に空っ風」ともいう。
屈み女に反り男(かがみおんなにそりおとこ)
女はわずかに前へ、男はわずかに後ろへ傾いた構えが好ましいとされてきた。 立ち居のかたちにも男女で別の作法があるという昔からの言い習わし。
鏡は女の魂(かがみはおんなのたましい)
鏡は女にとって魂といえるほど大切なものだということ。
黄色い声(きいろいこえ)
女性や子どもの甲高い声のこと。
昨日は嫁、今日は姑(きのうはよめ、きょうはしゅうとめ)
時の流れが非常に早く、人の境遇も変わりやすいということのたとえ。
恋の道には女がさかしい(こいのみちにはおんながさかしい)
色恋の駆け引きにかけては、女は男よりはるかに機転が利くということ。 「さかしい」は利口の意。
紅涙を絞る(こうるいをしぼる)
女性が涙をながすこと。 「紅涙」は女性のながす涙のこと。
小姑一人は鬼千匹にむかう(こじゅうとひとりはおにせんびきにむかう)
嫁にとって、小姑一人は鬼千匹にも匹敵するほどやっかいで、扱いにくい存在であるということ。「むかう」は、匹敵するという意。
小股が切れ上がる(こまたがきれあがる)
きりっと引き締まって小粋な姿をしている女性を表す言葉。
米の飯と女は白いほどよい(こめのめしとおんなはしろいほどよい)
飯は白く炊き上がっているほどうまく、女は肌の白いほうがもてはやされるということ。 麦の混じらない真っ白な飯がめったに口へ入らなかったころの、白さをそのまま値打ちと見る言い方。
後家花咲かす(ごけばなさかす)
夫を亡くした女のまわりに、男たちが寄って賑わうということ。 「花を咲かす」は、その人を中心に人が集まって華やぐこと。 男の側を言う「男鰥に蛆が湧く」と対をなす言い方。
妻子を置く所が故郷(さいしをおくところがこきょう)
故郷を出て来た人がそこで所帯を持ち、妻子のいるその場所を第二の故郷と思って頑張る覚悟をいう。
酒は燗、肴は刺身、酌は髱(さけはかん、さかなはさしみ、しゃくはたぼ)
酒を飲むには、ほどよい燗で、酒の肴は刺身、酌は若い女性にしてもらうのがいいということ。「髱」は日本髪の後頭部の部分の髪。転じて若い女性。
三従(さんじゅう)
昔、女性が守るべきとされていた三つの道のこと。生家では父に従い、嫁いでは夫に従い、夫の死後は子に従うということ。
三十振袖、四十島田(さんじゅうふりそで、しじゅうしまだ)
女性が年齢に不相応な若づくりをすること。 若い女性が着る振袖を三十代の女性が着たり、四十代の女性が年頃の女性のように島田まげを結ったりするとの意から。
三人寄れば姦しい(さんにんよればかしましい)
女はおしゃべりで、三人も集まればやかましくてかなわないということ。「女」の字を三つ合わせて「姦」という字になるところから。
科を作る(しなをつくる)
女性が男性の気を引く艶めかしい仕草や態度を見せること。
姑に似た嫁(しゅうとめににたよめ)
嫁は姑に仕込まれているうちに、だんだん姑に似てくるということ。
姑の十七、見た者ない(しゅうとめのじゅうしち、みたものない)
姑は自分の若い頃のことを引き合いに出して嫁に小言を言うが、誰も姑の若い時を知らないので当てにはならないということ。
秋波を送る(しゅうはをおくる)
女性が相手の気を引こうとして色目を使うこと。「秋波」は美人の涼やかな目もと。また、女性の媚びを含んだ目つきのこと。
尻が軽い(しりがかるい)
慎重さが足りない行動をする様子。軽率な様子。または、女性が浮気なこと。
師走女房難つけな(しわすにょうぼうなんつけな)
年の瀬は忙しく、女たちは身なりに構う暇などないので、文句を言ったりするなということ。
深窓に育つ(しんそうにそだつ)
良家の女性などが、世間のけがれを知らずに、大切に育てられること。 「深窓」は建物の奥にある部屋。
女子と小人は養い難し(じょしとしょうじんはやしないがたし)
女性と器量の小さい人は扱いにくいということ。 孔子の言葉で、この後に「之(これ)を近づくれば則(すなわ)ち不遜(ふそん)、之を遠ざくれば則ち怨む」と続く。 親切にすると図に乗り、遠ざけると恨まれるとの意から。 「女子と小人とは養い難し」ともいう。
鈴を転がすよう(すずをころがすよう)
高く澄んだ美しい声の形容。 多く女性の声について用いる。
相撲に負けて妻の面張る(すもうにまけてつまのつらはる)
外でうまくいかないことがあった男が、家で妻に八つ当たりすること。また、弱い者が自分よりさらに弱い者をいじめること。 相撲に負けて帰った男が、腹いせに妻の顔を殴るとの意から。 「喧嘩に負けて妻の面を張る」ともいう。
糟糠の妻(そうこうのつま)
貧しく苦しい時から苦労をともにし、長年連れ添った妻。「糟糠」は糟(さけかす)と糠(ぬか)のことで、転じて粗末な食べ物。
糟糠の妻は堂より下さず(そうこうのつまはどうよりくださず)
貧しく苦しい時から苦労をともにし長年連れ添った妻は、たとえ自分が出世しても家から追い出すわけにはいかないということ。
蕎麦の花も一盛り(そばのはなもひとさかり)
娘はみな年頃になると、女らしい魅力が出て美しく見えるということ。地味で目立たない蕎麦の花も、時期が来れば力一杯咲いて、それなりに美しく見えることから。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花(たてばしゃくやく、すわればぼたん、あるくすがたはゆりのはな)
立っているときも腰を下ろしたときも、歩き出してからも、どの構えを切り取っても崩れがない。 女の姿かたちをほめるのに、これ以上ない並べ方をした言葉。 「立てば芍薬、座れば牡丹」ともいう。
玉の輿に乗る(たまのこしにのる)
女性が、身分の高い人や金持ちの妻になること。 「玉の輿」は、貴人の乗る立派な乗り物のこと。
大根と女房は盗まれるほど良い(だいこんとにょうぼうはぬすまれるほどよい)
大根や女房は盗まれたり手を出されたりするほうが魅力があるということ。
誰に見しょとて紅鉄漿つける(だれにみしょとてべにかねつける)
化粧をするのも、心を寄せる相手に見てもらいたいからだということ。 「誰に見しょとて紅鉄漿つける、みんなぬしへの心中立て」と続く俗謡の一節で、男につれなくされた女が恨みを述べる際の言い回し。 「紅鉄漿」は紅とお歯黒のことで、転じて化粧をさす。
男女七歳にして席を同じゅうせず(だんじょしちさいにしてせきをおなじゅうせず)
人は七歳にもなれば、男女の別を明らかにしてみだりに慣れ親しんではならないということ。男女は七歳になったら同じ敷物に座るべきではないという儒教の道徳から。
寵愛昂じて尼になす(ちょうあいこうじてあまになす)
かわいがるのも度が過ぎると、かえって本人のためにならないというたとえ。 親が娘をかわいがるあまり、いつまでも嫁にやらずついには尼にしてしまうことから。 「尼になす」は「尼にする」ともいう。
蝶よ花よ(ちょうよはなよ)
親が自分の娘をかわいがり大事にするたとえ。「蝶よ花よと育てられる」の形で使われることが多い。
沈魚落雁、閉月羞花(ちんぎょらくがん、へいげつしゅうか)
この上ない美女のこと。 あまりの美しさに、魚は沈み、雁は落ち、月は雲間に隠れ、花は恥じてしぼむとの意から。
枕席に侍る(ちんせきにはべる)
女性が男性と同じ寝床で寝ること。夜伽をすること。 「枕席」は枕と敷物のことから、寝床をいう。 女性が男性の意に従い、寝床を共にするとの意から。
漬物褒めれば嬶褒める(つけものほめればかかほめる)
よその家の漬物をうまいと言えば、それを漬けた妻を褒めたことになる。 その一言は当人より先に亭主の胸へ引っかかるもので、うっかりした褒め方は焼きもちの種になるから気をつけよということ。
美人局(つつもたせ)
女が男を誘い込み、頃合いを見て夫や情夫が現れて、その男から金品を巻き上げること。 「つつもたせ」はもともと博打場の言葉で、そこから転じてこの手口を指すようになったという。「美人局」の三字は、中国の書物にある語を読みに当てたもの。
角を出す(つのをだす)
女性がやきもちを焼くこと。 能楽で、嫉妬に狂った女性の生き霊が角のある鬼になることから。 「角を生やす」ともいう。
妻の言うに向こう山も動く(つまのいうにむこうやまもうごく)
妻の言葉は夫に対して大きな力を持っていることのたとえ。 動くはずのない向こうの山でさえも、妻が言えば動いてしまうとの意から。
貞女は両夫に見えず(ていじょはりょうふにまみえず)
連れ合いを失ったのちも、その人ひとりを心に置きつづけ、ほかの男に添うことをしない女性のありよう。「忠臣は二君に事えず」と並べて使われる。 斉の王蠋が、攻め入った燕からの招きに、忠臣は二人の君に仕えず貞女は二人の夫にまみえぬと答えて拒み、みずから命を絶った。
手酌五合、髱一升(てじゃくごごう、たぼいっしょう)
手酌では五合しか飲めないが、若い女性の酌では一升でも飲んでしまうということ。「髱」は日本髪の後ろに張り出している部分で、転じて、若い女性の意。
手鍋提げても(てなべさげても)
好きな男と夫婦になれるなら、どんな苦労もいとわないということ。
遠くて近きは男女の仲(とおくてちかきはだんじょのなか)
男女の仲は遠く離れているようで意外に近く、結ばれやすいものであるということ。
女房、鉄砲、仏法(にょうぼう、てっぽう、ぶっぽう)
女性は雰囲気を和らげ、鉄砲の力で治安を保ち、仏法で人の心を正しく導く。この三つの力で世の中がうまく治まっているということ。
女房と畳は新しいほうがよい(にょうぼうとたたみはあたらしいほうがよい)
敷き替えたばかりの座敷が心地よいように、連れ合いも取り替えるに越したことはない、という男の側だけに都合のよい言い草。
女房と味噌は古いほどよい(にょうぼうとみそはふるいほどよい)
何でも古いほど味わいが出て良いということ。味噌も古くなると熟成されて味がよくなり、妻も長年連れ添うと円満さも増していくということから。
女房に惚れてお家繁盛(にょうぼうにほれておいえはんじょう)
亭主が女房に惚れ込んでいると、外で浮気や道楽もせず家庭円満になるということ。
女房の妬くほど亭主もてもせず(にょうぼうのやくほどていしゅもてもせず)
妻が気をもむほど、夫はよその女性にもててはいないということ。
女房は貸すとも擂り粉木は貸すな(にょうぼうはかすともすりこぎはかすな)
使うたびに目減りするものは、人手に渡すものではない。 減るものと減らぬものを、わざと極端に並べた句。
女房は灰小屋から貰え(にょうぼうははいごやからもらえ)
妻を迎えるなら、自分より格下の家からもらうのがよいということ。 身分の高い家から妻をもらうと、親戚付き合いに苦労したり夫の権威が下がったりする恐れがあるとの意から。 「女房は台所から貰え」「女房は掃き溜めから拾え」「女房は庭から取れ」などともいう。
女房は半身上(にょうぼうははんしんしょう)
その家が繁盛するかどうかは、女房の力にかかっているということ。「身上」は財産の意で、女房は財産の半分の価値があるということから。
女房は山の神百石の位(にょうぼうはやまのかみひゃっこくのくらい)
家庭において妻は山の神のように尊く、百石の禄を受ける武士の位にも匹敵するほど大切な存在であるということ。 家の中で妻が重要な地位を占め、敬うべき大事な存在であることのたとえ。
女房百日、馬二十日(にょうぼうひゃくにち、うまはつか)
どんなものも、はじめのうちは珍しがられるが、すぐに飽きられてしまうというたとえ。 妻は百日、馬は二十日もすれば飽きてしまうとの意から。
箱入り娘(はこいりむすめ)
めったに外出させず、家庭内で大切に守られて育った娘。
始めは処女の如く後は脱兎の如し(はじめはしょじょのごとくのちはだっとのごとし)
かかりは物慣れぬふうを装って相手の身構えを解き、隙ができた途端に手のつけようもない速さで畳みかける。 もとは戦いの運びを説いた言葉だが、のちには足の速さひとつを言うだけの場面にも回された。
二十後家は立つが三十後家は立たぬ(はたちごけはたつがさんじゅうごけはたたぬ)
ごく若いうちに夫を亡くした女は独り身のまま過ごせるが、連れ添う歳月が長かった女はそうもいかない、という古くからの見方。
肌を許す(はだをゆるす)
女性が男性の誘いを受け入れて肉体関係を持つこと。
鼻毛を数える(はなげをかぞえる)
女性が自身に惚れている男性の弱みに付け込んで弄ぶこと。 「鼻毛を読む」ともいう。
鼻声を出す(はなごえをだす)
女性が男性に甘えた声を出すこと。
犯罪の陰に女あり(はんざいのかげにおんなあり)
犯罪の動機には女性問題がからむことが多いということ。
人の女房と枯れ木の枝ぶり(ひとのにょうぼうとかれきのえだぶり)
どうでもいいことのたとえ。また、良し悪しをとやかく言うべきでないことのたとえ。人の妻のことや枯れ木の枝ぶりは、あれこれ言ってもしようがないことから。
一人娘と春の日はくれそうでくれぬ(ひとりむすめとはるのひはくれそうでくれぬ)
一人娘は親が惜しがり、なかなか嫁に出さないというたとえ。春の日は暮れそうで暮れないことから「暮れる」と嫁に「くれる」をかけたもの。
牝鶏晨す(ひんけいあしたす)
本来なら雄が受け持つ役目を雌が代わりに務める。家でも国でも、上に立つ者が退いて別の者が前へ出た形を、崩れの兆しとみて言う。
比丘尼に笄(びくににこうがい)
不必要なこと。また、不似合いなことのたとえ。「比丘尼(びくに)」は仏門に入った女性、「笄」は髪飾りの一種。髪のない比丘尼に髪飾りは必要ないことから。
美女舌を破る(びじょしたをやぶる)
君主が美女に惑わされて、いさめる忠臣の言葉も聞き入れられないということ。
美女は醜婦の仇(びじょはしゅうふのあだ)
器量の良い女は、そうでない女から仇のように恨まれるということ。人より恵まれている者が、そのことだけで憎まれる場面にも広げて使う。 「醜婦」は器量の悪い女。世に美人がいるから自分の肩身が狭いのだと思い込み、恨みの矛先を美人へ向ける。 『説苑』尊賢篇にある句で、もとは徳のある人物が乱れた世では遠ざけられることを言うために引かれた。 「美女は悪女の敵」ともいう。この「悪女」も不美人の意。
操を立てる(みさおをたてる)
志を堅く守って変えないこと。 また、女性が貞操を守り通すこと。
麦と姑は踏むが良い(むぎとしゅうとめはふむがよい)
麦は根の張りをよくするために芽を足で踏むほうがよいが、姑に対しても下手にばかり出ないで、時には抵抗するのも必要であるということ。
婿は座敷から貰え、嫁は庭から貰え(むこはざしきからもらえ、よめはにわからもらえ)
婿は自分の家より家柄がよい家から貰うと家の格が上がり、嫁は自分の家より低い家柄から貰うと威張らずによく働くので家のためによいということ。 「婿は大名から貰え嫁は灰小屋から貰え」「嫁は下から婿は上から」ともいう。
娘三人持てば身代潰す(むすめさんにんもてばしんだいつぶす)
娘を三人持てば、その嫁入り支度で財産がなくなるということ。
娘一人に婿八人(むすめひとりにむこはちにん)
一つの物事に対しての希望者が多くいること。 一人の娘に対して婿を希望する人が八人もいるとの意から。 「娘一人に婿三人」「娘一人に婿十人」ともいう。
目元千両、口元万両(めもとせんりょう、くちもとまんりょう)
目元は千両、口元は万両に値するほど魅力的であるという、美人を形容する言葉。
目病み女に風邪引き男(めやみおんなにかぜひきおとこ)
眼病で目がうるんだ女と、風邪をひいている男は色っぽく見えるということ。
持つべきものは女房(もつべきものはにょうぼう)
苦労や感動をともにわかち合える妻のありがたさを言うことば。
雪を欺く(ゆきをあざむく)
雪と見間違うほど、きわめて白いさま。 特に、女性の肌が白いことを言う。
世の中は年中三月常月夜、嬶十七俺二十、負わず借らずに子三人(よのなかはねんじゅうさんがつじょうつきよ、かかあじゅうしちおれはたち、おわずからずにこさんにん)
世の中は、いつも三月頃の温暖な気候で、夜は明るい月夜、妻は十七歳自分は二十歳、責任も借金もなく、子どもは三人持つ暮らしが望ましいということ。江戸時代の庶民のささやかな願望をいった言葉。
夜目、遠目、笠の内(よめ、とおめ、かさのうち)
夜見るとき、遠くから見るとき、笠に隠れた顔の一部をちらりと見るときは、人の顔が実際より美しく見えるということ。女性について言うことが多い。
弱き者、汝は女なり(よわきもの、なんじはおんななり)
女は心変わりしやすく、男に比べて弱い立場にあるということ。 父の死から間もなく叔父に嫁いだ母を見て、王子が吐き捨てる科白から。
柳絮の才(りゅうじょのさい)
詩文にすぐれた女性の才能をたたえていう言葉。「柳絮」は風に飛ぶ柳の綿毛。 晋の謝安が雪の日に一族を集め、この降りようは何に似るかと問うたとき、甥は空にまく塩と答えたが、姪の謝道韞は風に舞い立つ柳の綿毛には及ぶまいと答え、大いに喜ばれた。
悋気嫉妬は女の常(りんきしっとはおんなのつね)
女はやきもちを焼くものだということ。「悋気」はやきもちの意で「悋気」と「嫉妬」を重ねておもしろく言ったもの。
悋気せぬ女は弾まぬ鞠(りんきせぬおんなははずまぬまり)
嫉妬しない女は、まるで弾まないまりのようで、つまらないということ。「悋気」は嫉妬の意。
悋気は女の七つ道具(りんきはおんなのななつどうぐ)
やきもちは女の強力な武器だということ。「七つ道具」は武士が用いた七つの武具のこと。
老婆心(ろうばしん)
必要をこえて世話を焼いたり、あれこれ気に病んだりすること。多くは、人に忠告するときの前置きに使われ、出過ぎた口であることをことわる言い方になる。 もとは禅の言葉で、年老いた女性が孫を思うように、師が弟子へ念入りに教え説くことをいった。それが転じて、行き届きすぎた親切のほうを指すようになった。「老婆心切」ともいう。
